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ALO~閃姫Next after~ EP13 奈良修行編・修行終了

本郷 刃さん

EP13です。
今回で「奈良修行編」は終了になります。
色々ととんでもない事になります、ギャグ要素なのかなw?

では、どうぞ・・・。

2013-05-06 11:48:53 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:11173   閲覧ユーザー数:10156

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

EP13 奈良修行編・修行終了

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和人Side

 

修行最終日、今日は午前中のみの修行となっており、俺達は朝食を食べ終えた後に袴に着替えて道場へと移動した。

既に道場内で待っていた師匠、その前には7本の日本刀…。

取り敢えず正座をして居住まいを正す。

 

「さて、大体のことは察することが出来ていると思います。この7本の日本刀は貴方達の物です」

 

師匠の言葉に驚きと共にやはりかという思いも湧いてきた。

見たところかなりの業物のようだが、一体どうやって…?

 

「知人の刀匠に作ってもらった物です。

 その知人が持てる全ての技術を注いで作った業物ですから貴方達にも十分に扱えるはずです。

 まぁ、正式に渡すのは貴方達が大人になり、渡すに値する時が来た時ですがね」

 

つまり、いまは出来上がった刀のお披露目というところだろう。

それに現在の俺達には刀を所持することはどのみち不可能だ。

所持は『銃砲刀剣類所持等取締法』によって取り締まられているので、

許可基準をクリアしたうえでの警察への届出が必要となる。

とまぁ、そこら辺の話しは置いておいて……師匠は俺達にそれぞれ刀を渡してくる。

 

「銘は貴方達が付けてあげてください、いずれは貴方達の相棒になるでしょうからね。

 まぁ焦って名付ける必要もありませんが…」

 

そうか、考えておこう……何はともあれ。

 

「「「「「「「ありがとうございます!」」」」」」」

 

お礼は伝えておかなくてはな。そう伝えた後、満足気な師匠と共に俺達は近くを流れる小川へと向かった。

 

 

 

小川へ着くとそこには明日奈達女性陣が集合しており、俺達に気が付くとこちらに歩み寄ってきた。

 

「明日奈、みんなも…どうしてここに?」

「私が呼んでおいたのですよ。折角のお披露目なのですから、彼女達を仲間外れにするのは可哀想でしょう」

 

なるほど、師匠……貴方楽しんでますね? その笑顔で分かりますよ。

 

「明日奈、なんでここに呼ばれたのか聞いているか?」

「ううん。葵さんに和人くん達が面白いことをするからって言われただけだよ」

 

葵さん、貴方もグルですか…。「あらあら~、うふふ~」と言って誤魔化さないでください。

 

「ね、ねぇ……それって、日本刀よね?」

「……あぁ、そうだ」

 

俺達が腰に差している刀を見て、まさかと思って訊ねた朝田さんに景一は至って普通に答えた。

 

「あたし、本物の刀って初めて見ました…」

「あたしもよ…。ゲームの中では散々見てきたけど…」

「お祖父ちゃんは刀を持ってなかったから、あたしも初めて…」

 

珪子、里香、スグは少々感動した様子を見せており、先程の驚いた様子から察するに朝田さんも初めて見るのだろう。

 

「私は祖父の元に骨董屋さんが訪ねてきたり、その道の人から見せていただいたこともあります」

「わたしも御祖父様の関係で見たことがあります」

「僕はお父さんが手入れしてるのを見たことがあるよ」

 

実物を初めて見る4人に対して、雫さんと明日奈と燐の反応はこんなもの。

燐はともかく雫さんと明日奈は滅多に見ることもないだろうけれど、落ち着いた反応はお嬢様故か…。

 

「あ、でもでもその刀を九君や和人兄が持ってるってことはやっぱり貰ったの?」

「え、そうなの!?」

「正式にではないよ。大人になって、渡される時が来たらということらしい」

 

燐の言葉に驚く明日奈、それに対してちゃんと話すと納得した表情を見せた。

さて、俺は小川に連れてこられた時点で最早なにをさせられるか予想がついている。

師匠のことだから、どうせ「小川を割ってください(笑)」とか言うんだろうな~。

 

「それでは、刀で小川を割ってください(笑)」

「「「「「「………え?」」」」」」

 

ほぉら、言いやがった…。ちなみに疑問の声を出したのは葵さんと燐を除く女性陣だ。

 

「じゃあ一番手はオレがやるよ」

 

九葉が前に出て川の傍に立つ。

小川の幅は6m程、水深は30~40cm、刀の刃渡りはおよそ70cmなので抜刀の瞬間を狙えば水を割る事は可能だろうが、果たして…。

 

「……ふっ!」

 

彼の抜刀と共に起こる衝撃と斬撃、それにより3m程水が割れたか、やるな。

真剣にその様子を見ている俺達と違い、明日奈達は呆然としている。

燐は感嘆の声、葵さんはいつも通りにのほほんとしているが…。

次いで前に出るのは烈弥、刀を構えてから抜刀。

 

「疾ッ!」

 

九葉と同様に約3m水が割れ、それに続いて今度は刻が行う。

 

「せぃっ!」

 

力に定評がある刻は4m程水を割り、今度は公輝が前に出て抜刀。

 

「っらぁ!」

 

刻と同じく約4m、景一が前に出て居合抜刀の構えを取り、

 

「……っ!」

 

割れた距離5m、やはりコイツは刀の扱いに長けているな。

残るは俺と志郎のみ、先に志郎が前に出て刀を構えると…。

 

「でやぁっ!」

 

6mの小川を全て割った、志郎は俺と同じ師範代だからな。

そして最後が俺の番か……刀を構え、呼吸を整え、周囲を感じる…。

ここぞと思った瞬間に目を開き、抜刀!

 

「ハァッ!」

 

―――ズシャァァァンッ!

 

その音と共に俺が割ったのは7m、小川の6mに加えて対岸の1mを斬り裂いた。

ふむ、まさかここまで出来るようになっていたとは……自分でも驚いた。

 

「なるほど。和人と志郎以外は距離を1m伸ばし、和人と志郎は2m伸ばしましたか」

 

師匠の言葉で2年前を思い返す。

そういえば、SAOをプレイする少し前に師匠の元で木刀を使って水を割った時の距離は5mだったな。

それを考えると目覚ましい進歩なのだろう。

 

「これが今回の修行の成果です。今後も努力を怠らないようにし、精進しなさい」

「「「「「「「はい!」」」」」」」

 

これにて今回の修行は幕切れとなった。

 

 

………修行は幕切れになったものの俺達が帰るのは明日なので、

残りの午前中で家と道場の掃除を済ませ、午後からは街にある師匠の自宅へと移動した。

その後、俺達は街に出て観光や土産の購入などをし、師匠の家に戻った。

夕食は女性陣が丹精込めて作ってくれた料理が並んだ。

和・洋・中、様々な料理が作れる辺り、中心となって料理を作っていた明日奈と雫さんと葵さんはさすがというところだろう。

里香達も下ごしらえなどを手伝っていたし。

夕食の後は皆で片づけを行い、休憩したあとは庭で花火を行った。

そして今までの習慣からか、俺達は11時頃には眠ってしまった…。

 

 

しかし夜中の1時頃、俺はふと目が覚めてしまった。

そのまま寝つけなくなったので九葉の部屋から出て1階の縁側に腰を下ろした。

そこで夜空を眺めていると…、

 

「和人くん?」

「ん、明日奈…」

 

彼女がやってきた。

 

「明日奈も眠れないのか?」

「それじゃあ和人くんもなんだね…」

 

そう言って彼女は俺の隣に腰を下ろし、俺の肩に頭を預けてきたので、俺は明日奈の肩を抱き寄せた。

静かな夜の穏やかな雰囲気、俺達は言葉を交わす事もなく、ただ静かに時の流れを感じる。

そして30分程経った頃、隣で小さく可愛らしい欠伸をした明日奈を見て、俺自身にも眠気がきているのを感じ取った。

 

「そろそろ戻ろうか?」

「うん…」

 

立ちあがってから縁側の窓を閉め、2階に上がり俺は九葉の部屋の前に立つ。

明日奈も燐の部屋の前に立ったが一度俺の傍に来ると…、

 

―――ちゅっ…

 

「おやすみなさい、和人くん///」

 

軽く重ねるキスをしてからすぐに身を離し、燐の部屋へと戻って行った。

さすがの俺も少し驚いたが、笑みを浮かべる。

 

「おやすみ、明日奈」

 

九葉の部屋に入り布団の上に横になった。明日奈のお陰で良く眠れそうだな…。

 

 

 

朝……葵さんが用意してくれた朝食を食べ、軽く休憩をしてから身支度を整えて荷物を持った。

時井家を後にし、車で奈良駅へと向かった。

 

「それでは皆さん、2週間本当にお疲れ様でした。今後も無理をせず、しかしてしっかりと精進するように」

「「「「「「はい!」」」」」」

 

京都駅に向かう電車を駅のホームで待つ間、師匠達と挨拶を交わす。

 

「九葉、リアルで次に会う時はまた勝負しようぜ」

「楽しみにしてるぞ」

「勿論だよ。公輝さん、志郎さん」

「まぁALOで会えるっすけどね」

「それもそうだね」

 

またの機会での勝負を楽しみにする公輝と志郎と九葉、刻と烈弥の言うことも尤もだけどな。

 

「燐ちゃんもALOをやることに決めたんだよね?」

「そうだよ♪ 折角みんなと知り合えたからね、ALOでも会いたいなぁって思ったんだ」

「待ってるわよ」

 

珪子の問いかけに答える燐、里香も楽しみだという様子で頷いている。

そうか、燐も参戦するのか……また楽しみが増えるな。

 

「………」

「……詩乃、どうかしたのか?」

「え…う、ううん、なんでもないわ」

 

静かに、それでいてどこか羨ましそうにみんなを見ている朝田さんに景一が話しかけたが、

彼女は取り繕うようにそう返していた……ふむ…。

 

「葵さん、またお料理のことを教えてくださいね」

「あたしもお願いします」

「はい~、お任せください~」

 

雫さんとスグは葵さんに料理のことを熱心に教えてもらっていたからな、

もっと知りたいこともあったのだろう。

そして電車がやってきた。

 

「八雲師匠、葵さん、九葉、燐……この2週間、ありがとうございました!」

「「「「「「「「「「ありがとうございました!」」」」」」」」」」

「「「「どういたしまして」」」」

 

俺の言葉の後に全員でお礼を告げた。

 

「道中、気を付けて帰るのですよ」

「お気を付けて~」

「それじゃあ、また!」

「またね~♪」

 

電車に乗り込む俺達に時井家のみんなが声を掛け、俺達もそれに応えた。

電車は発進し、京都駅に着いてから新幹線に乗り換え、俺達は東京と埼玉にあるそれぞれの自宅へと帰宅した。

 

 

こうして、2週間という修業期間は本当に終わりを迎えた。

かなり大変だったけれど、力を取り戻す事、鍛える事などの目的を果たせた。

それに明日奈達とも楽しい時を過ごせたことを含めると、大きな収穫だったといえる。

残りの夏休みも楽しむとするか。

 

和人Side Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

というわけでして、「奈良修行編」が終了いたしました。

 

いや~和人さん達の水斬りは恐ろしいですね~、普通の人間じゃ出来ないですよw

 

まぁこれも一種のギャグ要素ということでw

 

次回からは2,3話程で「公輝&雫、馴れ初め編」に入ろうと思います。

 

これは過去回想になるので原作キャラは和人以外は出てきませんのであしからず・・・。

 

それでは・・・・。

 

 

 

 

 


 
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