姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:鄧 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第八話
「五胡再び」
曹操軍が青洲で戦を、孫策軍は揚州攻略を、劉備軍が益州攻めを始めた時のことである。
「何太后、いかがしましたか?」
「ふむ、実は馬騰から連絡があってな、再び五胡がこの洛陽を目指し、攻撃しているとのことだ」
(!? 何?)
表情には出さなかったがこれには驚いた。確かに彼等が再び進攻してくることは予想できてはいたがここまで早く時が来るとは思わ
なかったのだ。
「馬騰殿は?」
「奮戦してくれてはいるが苦戦をしているようだ、そのため援軍がほしいと言っている」
「では」
瑠理は軍の編成に向かおうとする。
「まあ、待て」
「?」
だが、何太后に止められる。
「司馬家にはこのまま此処で洛陽を守ってほしいのだ、援軍には他の者に向かわせる。その時の洛陽の守備の再編を頼みたいのだ」
「何故?」
「何時までもそなた等には頼ってばかりもいかんだろう? 司馬家無しでは漢は成りたたんなどと言われてはならんからな」
「……」
漢のためと言うなら正論だろう。だが瑠理はそれとは他に邪な思惑を感じていた。
(これ以上、司馬家に功績を与える機会を与えないようにして、名声を下げるつもりか?)
つまり司馬家の弱体を狙っているのだ。いかに優れた者でもそれを発揮する機会が無ければ名が高まることは無い。また高くなった
名声も寂れるというもの道理。
「向かわせる者はすでに決まっておる。とりあえず任せたぞ、良いな?」
「御意」
しかし彼女の言っている事自体は正論であるため、反対する訳にもいかず従うしかない。
とりあえず瑠理は指示された事を素直に実行する。
(だが、近い内に司馬家が出ることになる)
この予想については深く考える必要は無かった。何故ならば、何太后が用意した援軍では五胡を撃退することは叶わないからだ。
(姜維……奴ならばそれは造作も無いはず)
あの男を倒せるのは司馬家のみ。
瑠理はそう確信していた。
結果、瑠理の予想は当たる。
何太后が用意した援軍は足手以外何でも無かった。
姜維と戦ったことのある馬騰軍は何とか戦えていたのだが、援軍の方は彼の事をよく知らず、無謀にもただ突撃したのだ。
最初に援軍の武将が勇んで姜維に挑む。結果、たったの一撃で返り討ちにされる。まずはこれで士気に大幅な差が出る。そして彼の
策に対応できる知将も居ないので簡単に罠に引っかかってしまう。最後のダメ押しに軍隊が彼に蹂躙された。
わずが数日で援軍は壊滅に近い状態となった。彼等を少しでも助けるため、馬騰は余計に動かなければならない。
助けられる側であるはずの馬騰に、援軍が守られたと言う、何ともしがたい状態が起こった。
ついに痺れを切らした、または堪忍袋の尾が切れた馬騰は手紙に直接書く。
「寄こしてくれた援軍は足手まといで役に立たないので司馬家を援軍に寄こしてしてほしい」
さらに追加でその醜態を書いた手紙も同時に漢に送る。
――後日その手紙を見た何太后は、援軍に出した者を揶揄・罵倒を言いながら、渋々、そして悔しさを隠さず司馬家に援軍に向かせ
ることになったのだった。
(まあ、当然の事)
瑠理はあらかじめ予想したので、すでに軍の編成は終わらせていた。
援軍に向かうのは一刀、解刀、江里香、闇那、澪羅、理奈である。
さらに、何太后の要望を少し応える形で、漢からは綺羅が援軍に向かうことになった。
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ようやく司馬家サイド。