No.570705 リリカルなのはSFIAたかBさん 2013-04-28 10:33:38 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:5283 閲覧ユーザー数:4701 |
第十四話 スーツを買うぞ
なのは視点。
「今度の任務はホテル・アグスタでの古物展の警護に当たります。表向きはただの遺跡で見つかった貴重な文化財の説明会など警護。だけど、裏では密輸の温床とも言われているの。だから、私達はそれを抑える為の監視にあたります」
六課のロビーで私はこの任務にあたるフォワード陣とゼクシスの皆に任務の内容を伝える。
というのも、フェイトちゃんはアサキムから受けたダメージが大きくまだ戦線復帰は出来ない。
はやてちゃんやヴォルケンリッターの皆は模擬戦でダウン。でも、比較的にダメージが少ないザフィーラさんは次の任務に間に合うみたいなんだけど・・・。
「今回ばかりはドクターストップです。ゼクシスとフォワード陣に任せましょう。ザフィーラとリニスは私と一緒に八神ファミリーとフェイトの護衛をお願いします」
「引き受けた」「仕方ありませんね」
リインフォースさんからの意見で皆まとまった。
「よしっ。それじゃあ次の任務では皆潜入捜査みたいなものだから、びしっとスーツやドレスをつけて出席するんだよ。持っていない人は今日中に買い出しに行こうね」
「あれっ?なのはさん。もしかして今日の訓練が無しになった理由って…」
「そうだよ。皆準備は出来ているかなぁ?」
「僕は持っていないなぁ。キャロは持っている?」
「私は持っていないから買いに行かないと…」
「じゃあ、二人共私達についてきなさい。ばっちりコーディネートしてあげるわよ」
「私達も新しいドレス、欲しかったころだしね。スバルやティアナは持っているの?」
管理局では一応エースを張っているからいろんな会場に呼ばれることもある。それはフェイトちゃんやはやてちゃん達にも言える。
「いえ、持っていないので見立ててくれると嬉しいです」
「わ、私もお願いします」
「「お願いします」」
うんうん。と、アリサちゃんはエリオとキャロの頭を撫でながらばっちり仕立てくれる約束をした。
その横で高志君は興味なさげにコーヒーを飲んでいた。
ちなみに高志君。普段は上着にシャツ。上着を腰に巻いた作業着を着ている。
『ガンレオンを使うんだったらこれだろ!』と、普段着も作業着だ。
「・・・高志君も行くんだよね?」
「一応、支援要請は出ているから行くと思う」
何の反応を見せない高志君に私は不安を感じて質問してみた。
アサキムが前回の任務に出現している。
あのアサキムに勝てる可能性を持っているのは『揺れる天秤』のリニスさんか『傷だらけの獅子』を持つ高志君だけだ。
正直に言うと私達だけじゃアサキムに勝てる気がしない。
「…それならいいんだけど。スーツは持っているの?」
「持ってないぞ」
「? じゃあ、どうやって任務に参加するの?」
「ブラスタの光学迷彩で姿を消して監視する」
「これを機会にスーツを買ったら?高志君のスーツ姿を見てみたいし・・・」
すずかちゃんが高志君に優しく微笑みながら話しかけるが、高志君は堂々と言い放つ。
「俺のスーツ姿がそんなに似合うはずがない!」
「そんなどこかのライトノベルのタイトルみたいなことを言わないで!しかも聞いてて悲しくなるよ!」
「俺を誰だと思ってやがる!」
にぃっとワイルドに笑いながら高志君は言い放つ。
「スーツが似合うさわやか系からほど遠いぜ!」
その笑顔はさわやかスマイルじゃなく、暑苦しい。
少年時代と比べて諜報員や破壊工作員に似たような事をしてきたからか、筋肉質な体つきになった高志君。その笑顔に名前を付けるなら
「男らしい台詞だけど、その言葉の前後が悲しいよ!」
なんとなくだけど、ドリルの人に怒られる気がするよ!
目だ!耳だ!鼻だ!と・・・。
「そんなにスーツ姿の男が見たいなら俺じゃなくてザフィーラさんかティーダさんにしろ!もしくはさっきすれ違ったヘリのパイロットの兄ちゃんにしろ!メガネの兄ちゃんもいたし!ちくしょう!六課は美形ばかりか!」
そんなにスーツを着るのが嫌なの!
スーツに嫌な思い出でもあるのかな・・・?
「だから俺がスーツを着させるのは諦めr」
高志君が言い切る前にロビーにある人物が登場する。
「諦めんなよ!」
「…はやてちゃん!?模擬戦のダメージはもういいの?」
六課の隊長。八神はやて。その人である。
「そんなことはどうでもええ!」
そうなの?!かなりのダメージだったと思うけど・・・。
だけど、高志君は諦めの表情で語る。
「俺にだってスーツ姿で格好良くなろうと熱くなっていた頃もあったさ。だけど、十五の夜を迎えた俺は諦めt」
「諦めんなよ!」
「「「っ!?」」」
はやてちゃんの言葉に高志君とアリシアちゃん。アリサちゃんの三人がピクッと体を震わせた。僅かにすずかちゃんも反応した。
「もう一度に合うように努力をしようと…。熱くなれよ!」
一度間をおいて叫ぶはやてちゃん。
その勢いにたじろぐ高志君。
「だ、だけどな…」
「諦めんなよ!」
「はや」
「「熱くなれよ!」」
はやてちゃんとアリサちゃんが同時に吼える。
や、やめてぇえええええ!乗っちゃうからから!熱くなるから!
「は」
「「「諦めんなよ!」」」
月村さんが熱くなりました。
「「「「熱くなれよ!」」」」
私。高町なのはも熱くなりました。
「「「「熱くなれよ!」」」」「「「「スーツを買えよ!」」」」
ここにヴォルケンズの誰かがいれば、Dエクストラクターの調整をしているリニスさんかプレシアさんがいれば止めていただろう。
普段はクールなリインフォースさんも高志君のスーツが見たいからか、それともはやてちゃん達に感化されたのか止める素振りもみせない。
ザフィーラさん。既に諦めている。
もしくは六課の常識派。フェイトちゃんがいれば止められただろう。だけど、六課のロビーには私以外にツッコミ派の人はいない。
フォワード陣。地球育ちじゃない彼女達にはネタが分からないだろう。
「「「「熱くなれよ!」」」」「「「「スーツを買えよ!」」」」「「「「熱くなれよ!」」」」「「「「スーツを買えよ!」」」」
「…お、おおお!俺は、俺はぁああああ。スーツを買うぞぉおおおおお!ジョ○ョォオオオオオオ!」
ツッコミのいない機動六課。
設立以来最高の室内温度を記録した。
「今は似合わないかもしれない!」
「だけど、諦めなければそれは叶う!結果は後からついてくるものだから!」
「男は背中で語る者だから!」
「だからこその!」
「「「「「NEVER GIVE UP!!」」」」」
六課の室内温度。
只今更新中である。
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第十四話 スーツを買うぞ