姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を溺愛している(?)。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:鄧 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第十七話
「袁家の乱 官渡の戦い 隠密行動」
衝撃の出来事もあったが順調に事が運んで行く。
「伝令、白馬は持たないとの事!」
「白馬を捨てよ、後退しながら袁家と戦闘するよう伝える」
「はっ!」
数日後、ついに白馬を落とされるときが来た。だが彼女は慌てることは無い。
今の所、予定どうりだからだ。いや予定以上に持ったと言って良い。
曹操軍、劉備軍は後退しながら袁家と戦っている時、理鎖は袁家の陣容を目や敵地に送り込んだ間謀の報告を
耳にしながら確認する。
「頃合い……一刀、孫権に連絡」
「分かった」
一刀は闇那に孫権への通達を頼む。
「お姉様、司馬昭からこのような指示が」
孫権は手紙を孫策に渡す。
「えーと、何々、兵糧庫まで案内してほしい?」
孫策の音読を聞き、周瑜は周泰に袁家の動きを確認させる。
――周泰の報告を聞いた周瑜は思案する。
(袁紹軍の位置と袁術の位置……それらの意味するところは……なるほど)
「どうするべきだと思う? 冥琳」
「雪蓮、蓮華様の予想は当たるかもしれん」
「じゃあ」
「ああ、ここからは完全に司馬家側に就くべきだろう。蓮華様、お願い出来ますか?」
「ええ、分かったわ!」
孫権は走り出した。その様子は胸を張り切っているように見える。
「蓮華、変わったわね……いえ、成長したというべきかしら?」
「だな、そして恐らくきっかけは司馬昭だろう」
「でしょうね、二人を会わせてよかったわ、あーあ、私の勘が初めて外れたということかしら?」
「ん? そういえばそんな事を言っていたな? それでどんなものだったのだ?」
「何かね、司馬家に良くないことが起こりそうな気がしたのよ」
――そして時は来る。
一刀達のところには甘寧が居た。
「これより我ら孫家は漢の味方となりましょう。その証明として奴らの兵糧庫、鳥巣に案内する」
「我ら孫家、ということは孫策も了承済み?」
「その通りでございます。鳥巣を燃やした後はすぐに袁術軍に攻撃するとのこと」
「わかった、では案内を頼む」
夜、一刀は闇那と杜預、少数の兵を連れ、孫家の将、甘寧の案内の下、隠密行動を開始した。
司馬家の策とはどういうものなのか、それはまず白馬で出来るだけ粘り、敵を少しずつ前線に誘き出す。敵の
各拠点が手薄になって来るまでに孫権が部下に命じて鳥巣までの道、それも極力目立たない道を調べさせる。こ
ればかりは此方が行うとかなり時間がかかり、頃合いの時までに間に合わない可能性があった。だが敵にとって
一応味方である孫家ならば此方よりも時間が短縮できる。各拠点が手薄になった所で、孫権の協力で鳥巣まで行
き、強襲して燃やす。
袁家の軍は圧倒的に兵が多い。しかし多い故、食料もその分大量に必要になる。その食料が無くなれば、必然
的に、袁家はかなりの速度で衰弱する。
仕上げにその衰弱した状態の袁術軍は近くにいる孫家が対応し、袁紹軍は一刀達連合軍が対応する、というも
の。無論、孫家の力を借りなくても成功率は少なくなるが、鳥巣や袁術軍の件は一刀達自身でこの策を実行する
つもりであり、そのための策も用意していた。だが最早それは必要無いものとなった。
孫家の協力を得た今、勝つための道は磐石なものとなっているのだから。
隠密行動中、甘寧は気になっていたことを歩きながら一刀に聞く。
「司馬昭殿」
「どうした?」
「もし、我らの協力無しで、其方が勝った場合、我らはどうなっていたと思う?」
ようするに、孫権の手紙の件が無く、漢に寝返った場合を意味する。
彼女は気になっていた。孫権の判断が孫家にどう及ぼすのかを。
「下手すると、孫家は滅亡していたかも知れないな」
「何!? どういうことだ!?」
漢に、ある程度は白い目で見られたり、しばらくは不遇にされたりぐらいの予想はしていたのだがまさかそこま
でとは思わず、驚愕する。
「何太后は以前、俺達司馬家を名声が気に入らないと言うだけの理由で十常侍と共謀して俺達を殺そうとしていた
ことがある。つまり気に入らなければ殺すと言ったことを平気でやりかねない」
「……」
彼女は開いた口が塞がらない。
何太后の毒婦ぶりは聞いていたがそこまでとは思わなかった。
「けれど、今は違う。同じく袁家が不利になったから此方に寝返ったと思えるような状況だが、孫権の血判状があ
ればそれを防ぐことが出来るだろう。これがあれば袁家に居たのは策の為で、孫家は最初から漢の味方であるとい
う証拠になるからな。死刑にされたり不遇の扱いは無くなるだろう」
この一刀の言っていることこそ、孫権が提案した命を掛けて作った保険だった。言うまでもないが、司馬家が敗
北し、袁家にその血判状がばれたら唯では済まない。そこで手紙の内容の『私、孫権は貴方に協力を申し出たい。
必要な情報がほしいのであればお姉様では無く私に言ってほしい、』という部分が生きる。ここの文章を証拠に、
これは妹の独断だ。と言えば孫権が死ぬだけで済むのだ。また、何皇后にその事を突きつけられた場合は、姉の孫
策では袁家の監視が強すぎたため、情報のやりとりは妹の孫権が適任だったと言えば良い。
「ん? どうやら鳥巣に着いたようだな」
一刀は鳥巣を確認する。予定どうり、目立った将や兵の数は無かった。
「一気に鳥巣を強襲する。闇那、杜預、甘寧、準備しろ」
「はい」
「わかってるわ」
「承知した」
甘寧は準備をしながら思っていた。孫権の判断が無ければ、孫家の未来は無かったかもしないと。
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司馬家の策とは、孫権の覚悟とは?