No.563499

同居人達・二話

きなこさん

二話ー!!

2013-04-07 00:10:24 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:391   閲覧ユーザー数:371

 

 

J 「お前だれ?」

水銀燈 「あなただれ?」

 

二人の声が同時にハモった

水銀燈 「・・・ふん」

すると銀髪の子は背中の翼を大きく羽ばたかせた

直後、俺のすぐ横にを何かがかすめる

---タラー・・・----

頬から血が軽く流れる

水銀燈 「人間、質問してるのは私の方よ」

そう言うと冷酷な眼で俺を見る少女

後ろを見ると黒い羽が机に刺さってた

 

ど、どうしよう、この子ものすごく女王様気質だ

勝てる気がしねぇ

どうする俺、落ち着け考えろ、冷静に考えれば何とかなる、かも知れない

J 「・・・・・・」

平均より少しスペックの低い脳みそがフル起動する、が

 

---めきっ----

 

水銀燈 「黙ってないでさっさと答えなさい」

なぜか浮いてる少女は俺の顔面をお蹴りになさった

J 「す、すんません・・・」

ああ、鼻血が止まらない

いや待てよ、相手は少女だ(見た目)、もしかしたら白兵戦で勝てるかも

よしっ!殺られる前に犯ってやる!!(あっ、漢字間違えた)

J 「この悪ガキめ!おしおきしてやる!」

そう言って飛び掛る俺だが

 

---サクッ♪----

 

少女がいつの間にか持っていた剣が

俺の頭に刺さった(深さ0.2ミリくらい)

 

J 「申し訳ありません。ちょっとはしゃぎたい年頃なもので・・・」

頭から血を流しながら俺は深々と土下座した

水銀燈 「まぁいいわぁ、それより飽きたから私もう行くわね」

そう言うと少女はふわりと銀髪をなびかせ飛び上がるとどこかへと飛び去ってしまった

J 「お疲れ様っした!!」

体育会系のノリで頭を下げる俺

その時、俺の後ろをうろうろ飛んでいた発光体に気づく

メイメイ 「・・・・・・」

J 「・・・・・・?」

しばらくするとその発光体もどこかへと飛んで行ってしまった

 

 

J 「まったく変な体験だった」

家に帰りながらさっきの事を思い出す

J 「だけど何だ?あの少女と発光体は・・・」

しかもなぜか、すこし懐かしい感じがした

J 「いいや、今日はメシ食って風呂入って寝よ」

 

J 「ただいま~」

とは言っても誰も居ないだけどね

玄関横に置いてあった巴さんからの夕食を回収して

家の中に入ると何故か電気がついていた

J 「あれ?電気つけっぱだったっけ?」

その時、テレビの音と人の気配がした

誰かいるのか?まさか泥棒!?

よーし上等だ。とりあえず全治2ヶ月コースをプレゼントしてやるぜ

俺は靴ベラを握り締めてドアを少し開けて中の様子を伺う

ここから見る限り誰もいない。つまり敵は台所か

よし、狭い中の乱戦なら奇襲が一番有利だ

そう考えて勝ちを確信した瞬間

??? 「なにやってるのぉ?」

後ろから声がした

まずい!背後を取られたか。

だが初撃は俺がもらうぜ!!

振り返りざまに靴ベラを横なぎに一閃

??? 「いたっ・・・」

俺の予想よりも相手の身長が低かったので目標の頭上スレスレを

靴ベラが軽く薙いだだけだった

そして振り向いた俺が見たものは

軽く乱れる髪と頭を押さえて怒りの形相の水銀燈

 

少々お待ちください

---めきばしごすごすどどどどどどっ----

 

 

 

 

 

水銀燈 「まったくいきなり何するのよ」

そう言って水銀燈は果ててる俺を踏みつける

J 「ごめんなさい・・・ゆるしてください・・・もうしません」

水銀燈 「わかればよろしい」

とか言いながら俺を踏み続ける銀髪少女

ヤバイ、何かに目覚めそう

 

意識が闇に引きづり込まれそうなのを必死に抑えて

とりあえず素朴な疑問をしてみる

J 「どうしてお前がここにいるんだ?」

俺がそういった瞬間、水銀燈の踏む力が一瞬緩む

水銀燈 「・・・思い出したからよ・・・」

J 「え?良く聞こえなかったんだけど」

水銀燈 「うっさい馬鹿!」

そう言って俺の頭を踵で踏みやがった

それでは次の質問

J 「どうやって家に入ったんだ?

  鍵はかかってるてたはずだけど」

すると水銀燈は首をかしげる

水銀燈 「なに言ってるの?庭にある花壇の右から二番目の鉢に

     合鍵隠してあるって前に言ってたじゃない」

え?いつどこでどうやって?こいつと会ったのは今日が初めてじゃ?

軽く混乱してる俺の顔を見て水銀燈は目を細める

水銀燈 「ちょっとぉ、本当に私のこと忘れちゃったのぉ?」

今の会話を聞くと俺はこいつと前に会ったことがあることになるな、う~ん・・・

J 「その前にちょっといいかな?」

水銀燈 「なに?」

J 「いい加減足どけて・・・」

そう言うと水銀燈は渋々足をどけた

 

 

その後、俺は居間で水銀燈とソファーに向かい合わせで座った

そこで水銀燈の質問攻めが始まった

水銀燈 「なんか覚えてないのぉ?」

J 「いやまったく」

水銀燈 「一緒に買い物行ったことは?」

J 「さあ・・・」

水銀燈 「ゲームで遊んだことは?」

J 「ぜんぜん」

水銀燈 「街中で自分はロリコンだって宣言したことは?」

J 「過去の傷です」

質問するにつれて水銀燈の頬は膨らんでいき

今はもうパンパンだ

水銀燈 「もう何で憶えてないのよぉ」

と、その時何かを思い出したかのように顔を赤くする

水銀燈 「そ、それじゃぁ・・・一緒に寝たことは?」

J 「君と?はっ、冗談はよしてくれよ。俺はガキには興味ないz」

---めごしっ----

テーブルに置いてあった灰皿で脳天カチ割られた

水銀燈 「そういえば脳に強い衝撃を与えれば記憶喪失が直るって聞いたことあるわ」

そう言ってサディスティックな目で俺を見つめる水銀燈

J 「ちょ、その前に死んじゃ、がふっ」

本日何度目かの流血

水銀燈 「思い出した?」

J 「待って、思い出す前に記憶と命が消えそう」

水銀燈 「ふんふん、もっと角度を鋭角にして、

     威力を殺さない様に連続でやるの?」

俺の言葉を無視して横に浮遊している光の玉と会話している銀髪少女

J 「死んじゃう!これ以上やられたらマジで死んじゃうぅぅ~~!!」

---がっがっがっがっがっ!!!----

飛び散る鮮血、痙攣する体、

部屋は殺人現場に早変わりした

 

 

 

J 「あ~、ひどい目にあった」

あの後一命を取り留めた俺は何とか自分の部屋に帰還できた

っていうか何であいつ俺の家に居座ってるんだ?

その上、俺から夕食を略奪しやがった

そしてあいつは今、一階でヤクルトを飲み漁ってやがる

J 「くそ~、何で俺がこんな目に・・・」

そうぼやきながらパソコンを起動させてイスに座ると

不意に黒い羽が視界に入った

J 「これは・・・」

前からここに置いてある羽

ゴミとしか思えないのだが何故か捨てれないんだよなこれ

いつの間にかここにあって凄く大切な何かのような気が・・・

俺は無意識にその羽を手にした。

J 「あ・・・」

これってあいつの羽じゃねぇか

てことはやっぱり俺はあいつと前にどこかで・・・

 

その瞬間、頭の中でドアが一気に開く感じがした

J 「お、思い出した・・・」

 

あいつは水銀燈だ、そうだよ水銀燈だよ!!

俺の家にいつの間にか送られてきた人形

ヤクルト好きで寂しがり屋で『S』で

そして、俺の大切な家族じゃないか

 

俺は走り出した。今すぐにあいつに言わないといけないことがある

部屋のドアノブに手をかけようとした瞬間

先にドアが開いた

そこに立っていたのは水銀燈

水銀燈 「人間?あのね、私・・・」

ちょ、いきなり前に立つなって!!

 

---どーーん!!!、むにゅっ----

 

俺が水銀燈に覆いかぶさるような感じで倒れた

J 「いってぇ」

水銀燈 「一体なんなのよぉ」

俺は立ち上がろうとして右手の感触に気づいた

そしてそれは水銀燈も同時に気づいた

J 「えっとこれはその」

---むにゅっ----

J 「事故でありまして、決してわざとでは」

---もみもみ----

水銀燈 「・・・・・・」

---むにゅむにゅもみもみ----

水銀燈 「死ねぇっ!!!」

 

---ずどんっ----

J 「はごっ!」

 

彼女の怒りの一撃は俺のジュニアに直撃した

J 「はう~・・・はうはうは~・・・」

俺は息子を殺された父親の様な表情になった

J 「な、なんてことなさる、この子は関係あるけど無実だぞ・・・」

水銀燈 「もう知らない!」

そう叫んで走り去ろうとした水銀燈の手を俺は掴んだ

J 「待って水銀燈」

すると水銀燈はすごく不機嫌そうな顔で振り向く

水銀燈 「なによ、これ以上変なことしたら本当に嫌いになるわよ」

J 「ち、違うんだ、思い出したんだよお前のこと」

そう言われて水銀燈は驚いた顔をするが

すぐに嫌そうな顔をする

水銀燈 「それって私の胸を揉んだから思い出したってこと?サイテェ」

J 「い、いや違うってその前に思い出したんだよ!」

それを聞いて水銀燈はジト目でこちらを見る

水銀燈 「ほんとぉ~?」

J 「本当だったら、信じてお願い!」

すると彼女は軽くため息をつく

水銀燈 「・・・・・・仕方ないわねぇ。信じてあげるわぁ」

J 「おすっ!ありがとうございます!」

俺は体育会系のノリで頭を下げる

水銀燈 「それじゃ、一階で一緒に夕飯食べましょ

     あなたの分残してあるのよ」

そう言って一階に下りようとする水銀燈を俺は呼び止める

J 「ちょっと待って」

水銀燈 「なに?」

これだけは言っとかなくちゃな

何回か咳払いをして俺はまっすぐ水銀燈を見る

 

J 「おかえり水銀燈」

彼女はとびきりの笑顔を返してくれた

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
0
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択