No.561946

魔法少女リリカルなのは~幸せを運ぶ蒼き魔導師~

蒼崎夜深さん

古代ベルカ時代を生きた蒼き魔導師 彼は幸せを運ぶ事で有名だった。 だが、彼は不治の病に犯され若くして亡くなった。
多くの人と四人の家族に見守られて墓で眠った。

2013-04-02 18:28:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4249   閲覧ユーザー数:2769

第十話.金の死神姉妹の誕生

 

誕生日から、数日がたったある日。

 

ジュエルシードが十六個集まり、プレシアとリニスが研究室に篭りだした。

 

アリシアとフェイトもそれを感じ取り、プレシアやリニスに迷惑が掛からないように静かになった。

 

アルフもフェイトと一緒に居たが、さすがに気まずくなって僕のところに相談に来た。

 

「どうしましたかアルフ?」

 

「うん。それがさ……」

 

僕は、アルフが思っていることを……聞いた。

 

どうやら僕が思っていたことといろいろと一致していますね。

 

プレシアが、管理局に対する復讐を……開始しようとしていることをどうやらアリシア、フェイトの二人もわかっていたんですね。

 

それでアルフは、そのことでアリシアとフェイトの二人が悲しんでいることがどうにかならないかと思っていたらしい。

 

「そうですね。僕としてはあまり、復讐はおすすめできませんからね」

 

「そっか…」

 

「アルフはどうしたいですか?」

 

「それは……できることなら止めたいさ」

 

アルフはそう言ったが、アリシアやフェイト達のことを思うとどうにもできないようだった。

 

確かにこれはどうみても、アリシアの体のこと、そして、フェイトの未来のためにもあるのでしょうね。

 

フェイトは自分の身勝手で生んだ事に対しての罪悪感なんでしょうかね。

 

ですが、いっさいそれは感じられなかったんですがね。

 

どうしてでしょうか?

 

そう考えているとアリシアとフェイトが部屋に入ってきました。

 

「今時間ある?シュウキ?」

 

「今大丈夫かなシュウキ?」

 

「大丈夫ですよ二人とも。それより何か困っている事でもありますか?」

 

僕は小さくなったアルフを膝の上に乗せて、二人の相談を聞いた。

 

どうやら二人の相談ごともアルフと同じでした。

 

ふむ……どうしたらいいものですかね。

 

「二人はどうしたいですか?」

 

「「え?私たち?」」

 

僕がそう聞くと二人は少し考え始めた。

 

だが、すぐに答えは出たようですね。

 

二人ともプレシアがしようとしていることを止めたいようだった。

 

ですが、彼女の憎悪はそんなに簡単になくなるかはわかりませんね。

 

「わかりました。僕が出来る限りの事はやってみましょう!!」

 

「「本当?!」」

 

「ええ。本当ですよ」

 

僕はそう言いながら二人の頭をなでた。

 

二人は気持ちよさそうに目を細めた。

 

「さて、今から少しばかり手合わせでもしましょうか三人とも」

 

「「「ふぇ?」」」

 

「だから、訓練ですよ。もしかしたらいつかは僕もここから去ることになるかもしれませんしね」

 

僕がそう言うとアリシアが泣きそうになった。

 

「どういうこと?」

 

おっとこれはミスりましたかね。

 

「説明不足でしたね。えっと、僕もいつ自分の家族の所に帰るべきかそういうことですよ。ですが、ちゃんと三人とも連絡は取ったりしますよ。だから、そんな顔をしないでください」

 

僕は訂正を入れならがらまた撫で始めた。

 

それから、一人ずつ手合わせを行う事にした。

 

「まずはアルフですか」

 

「ああ。手加減はなしで行くよ!」

 

(そういえば、レイナは今は居ませんでしたね。まあ、自分でも設定などは出来ますし…大丈夫でしょう)

 

僕は、インファイトモードにシュベルサー(レイナが修復できなかったAIの変わりに入っていたため、レイナと呼んでいた)を変えて、構えた。

 

「では、行きましょうか!!」

 

僕がそう言うと、僕とアルフは一気に互いの距離を詰め、拳と拳をぶつけた。

 

その瞬間、魔力で固めた拳だったから、周囲に爆風のように互いの魔力が飛び散った。

 

「うおおお!!」

 

だが、アルフは僕に攻撃をさせないために追撃してきた。

 

「なかなかいい動きをするようになったじゃないですか!!」

 

「そりゃ、シュウキが鍛えてくれたんだからねッ!!」

 

「そういえば、そうでしたね!!」

 

僕は、ほんの一瞬アルフが右手に魔力を集めるのを感じ、その集める為に作った隙を見逃さずにするどく拳をアルフの脇腹に叩き込んだ。

 

叩き込まれたアルフは、痛みで後ろによろけたが、すぐに魔力を右手に集めなおして、接近してきた。

 

「クッ!さすがと、言うべきですねッ!!」

 

「シュウキに、地獄を見せられたからね!!」

 

「そこ!蒼甲戟!!」

 

僕は、アルフのちょうど腹の真ん中に魔力を溜めた拳を決めた。

 

アルフの体が、くの字のように曲がると、拳があたった腹のちょうど背中から丸い煙が出て来た。

 

「さ、さすが、アタシの師匠だね……」

 

「負けませんよ。アルフ。ちょっと加減が出来なかったので、結構痛いかもしれませんが、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫、だよ」

 

「無茶言ってますね?仕方がないですね、フェイトとアリシアの二人と手合わせが終わったら、膝に乗せてあげましょう」

 

僕は知らなかった、この言葉が、僕に金の死神を見せる事になるとは……

 

「ほんとか!?」

 

「ええ。嘘はつきませんよ」

 

アルフは、嬉しそうに子犬フォームに変身して、ちょこんとその場に座って待つことにしたらしい。

 

「さて、次はどっちでしょうかね……わっ!」

 

僕は、アルフから目を外し、後ろで待っているフェイトとアリシアの二人を見た。

 

けど、そこには普段の可愛らしい表情と一転して、凄い迫力を持った金の死神姉妹が居ました。

 

どう表そうとしても金の死神姉妹としか、言いようがありません。

 

「ねえ、シュウキ……」

 

「シュウキ……」

 

「は、はい……?」

 

「「殺り合おう!?」」

 

「字が違います!!アルフ助けてください!!」

 

僕は、向かってくる二人から逃げながら、アルフに助けを求めたが、何故かニヤニヤ笑いながら自分の世界に居ました。

 

あ……死にましたかね。

 

「「サンダー……」」

 

「サンダー?」

 

「「レイジ!!」」

 

「二人がかりだなんて駄目です!!」

 

僕は、延々と続くと思われるサンダーレイジの嵐を剣を使って、防いだり避けたりして、逃げ惑ったが、アリシアはそのままで、フェイトがフォトンランサー・ファランクスシフトで攻撃してきた。

 

「くっ、蒼狼!!」

 

せまってくるフォトンランサーを狼の形をした魔力弾で相殺した。

 

けど、そのあと、突然意識が遠のいて、僕は倒れた。

 

気がついたらベッドの上で寝ていましたが、両隣にフェイト、アリシア、プレシア、リニスがいて、胸のところに子犬フォームのアルフが居ました。

 

プレシア、リニスにいたってはバスタオル一枚でした……なんでです?

 

僕は、それを忘れる為に自分自身に睡眠魔法をかけて、眠りに再びついた。

 

こわいです。金の死神姉妹は……


 
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