「劇をやるわよ!皆!!!」
「・・・・・・・・・・」
「反応薄!!ってか無反応!?」
「えぇっと…一応聞きますけれど雪蓮さん?一体何があったのデスカ?」
「それがね~、この前警邏の時に、戦などで孤児になっちゃった子達の施設の人に会って、話を聞いてるうちに……ね。ほら戦の原因というか、駆りだしているのは私達だしね…」
「………それで劇というわけです…か。雪蓮。ふむ」
雪蓮の意外にも(?)真面目な内容に感心する呉の面々。それを聞いて断る理由もなく呉の将出演の劇は開催されることとなった。
「それで雪蓮様、演目は何になさるのですか?項羽と劉邦は少し子供には難しいかと…」
「呉連者よ!」
それを聞いたそれぞれの表情
祭 喜
冥琳 怒
思春 哀
小蓮 楽
「おぉなんと分かりやすい四文字熟語」
「「「「????」」」」
「いや、気にしないで下さい」
「「ん?どうしたのだ(ですか)五人とも??何故そんなに驚くのだ?」」
5人の正体に気付いてない蓮華と明命は不思議がっている。その姿をニヤニヤしながら見ている穏。オロオロ見ている亞莎。こうなった雪蓮には何を言っても無駄だと知っている一刀はもう諦めて悪ノリを始めていた。
「呉連者か!分かりやすくて良いんじゃないか!うん。本人たちは今忙しくて天に帰っているんだけど、誰がどの役をするんだ?」
「さっすが一刀!分かってる~。フフン、実はもう考えてきているのよね~。まず赤は勿論私。青は冥琳、黄は祭、緑は思春、桃は小蓮よ! どう一刀?良い配役じゃない?」
「おう!良いキャスティング……役割だな!で、だ。五人はどうだ?」
祭小「儂は(私も)構わんぞ(良いわよ~)」」
思「……………………了解……で…す」
冥「断ります」
「はい、皆が快く了承したところで残りの人の役割を発表しま~す」
「待て雪蓮!私の言葉が聞こえなかったのか!」
「えっ?聞こえてないわよ♪何か言ったの?」
「くっ、私は断りますと言ったのだ!」
「それじゃ、残りの人の配役を言いま~す」
「(くそっ!無視を貫き通すつもりか!何か良い案を……!) 雪蓮申し訳ないのですがどうしても終わらせなければならない仕事が……」
「それなら、というか冥琳の仕事は昨日のうちに全部私がもう済ましてるから。安心なさ~い」
「なん……だ…と(ガッデム!(←何故知ってるby一刀)というか何故それを普段からしない…)」
「諦めなさい冥琳♪(あなたあの事をバラされたいの?というか私があなたのことで知らないことなんて無いと思いなさい…。まさかあの冥琳が一人で厠に行くのが怖……)」
「子供達のためなら仕方ないな!そうだな皆!うん仕方ないな!」
「「「「「「「!!何があった!!!!」」」」」」」
冥琳あっけなく陥落。こうして開催されることになった「帰ってきた呉連者」であった。
ちなみに残りの配役は、
蓮華……敵の親玉
穏………敵の幹部
亞莎……怪人
明命……?
一刀……囚われの姫君
「私が敵の親分……次期王の私が悪役………最後は姉様に討たれるのか…」
「幹部って何をするんですかね~」
「か……怪人…。私は怪しい人役ですか………」
「?私の役は何なのでしょうか?」
「待て待て!!何だ俺の役柄は!!!姫って!蓮華とかと代えた方が良いだろ!」
「えっ?それの方がおもしろそうじゃない♪それに姫を助けに行く王子様……そっちの方が燃えるじゃない!」
「いや、その内容は良いと思うけど姫なんだから蓮華の方が良いだろ!それに穏も亞莎も明命も可愛いし皆お姫様みたいじゃないか。俺の必要はないだろ!」
「「「「か、一刀(さん)(様)(さま)……」」」」
「(くっ、流石は一刀…無意識にそのような言葉を吐くとは……驚きの女こましっぷりね………)分かったわよ。それじゃあ話し合うから一刀はちょっと外してちょうだい」
「何故?」
「女の子だけで話し合いたい事もあるのよ~。はいはいちょっと外しててね」
無理矢理に雪蓮につまみ出された一刀。そして残った5人で話し合いが行われた。
「想像してごらんなさい……フリフリの服を着てあなた達に縛られて涙目になっている一刀の姿を……」
「「「「……………(想像(妄想)中)………アリ(だな)(ですね~)(だと思います)(ます!)」
話し合い終了。一刀、姫役決定。その時間わずか10秒
「ところで雪蓮様、私の役が‘?’となっていたのですが……これはどういう事なのですか?」
「ああ、明命には敵か味方か分からない神出鬼没な謎の人物!…みたいな役をしてもらうから。連者の危機に颯爽と現れて助けてくれるけれど、たまに邪魔もしてくる…。かっこいいじゃない!赤の次に人気が出るんじゃないかしら」
「そ、そんなに重要な役ですか!が、頑張ります!」
そしてこの役で行うと告げられた一刀は4人に詰め寄ったが、「まぁ良いじゃない」とかわされ、もうやるしかない状況になってしまった。こうして政務の合間に稽古を重ねた一同。
劇のあらましを簡単に説明すれば、
①一刀捕まる⇒②連者助けに行く⇒③苦戦⇒④明命が助けに来る⇒⑤新必殺技で倒す⇒⑥赤と姫が結ばれる
という感じである。しかし稽古で台本通りに終わった事は一度もない。⑤まではあながち台本通りに進むのであるが、問題は⑥である。青と結ばれたり、黄と結ばれたり、はては敵と結ばれるなどという子供の夢を華麗に粉砕するエンディングがあった事まである。
そうこうしているうちに遂に開催日となった。
「……………おい雪蓮、私達は孤児院の子供達の為に行うと聞いたのだが?」
「ええその通りよ」
「これのどこが孤児院なんだ!」
そう一同が雪蓮に連れてこられたのは郊外にある舞台であった。しかも満員のお客さんで溢れていたのだ(最前列には孤児院の子供達が居ます)
「それがね~、噂が噂を呼んで…ね。見たい!って人が後を絶たなくて。まぁ良いじゃない!こんなに大勢の人間の前で演じれる機会なんて滅多にないわよ」
「滅多にあってたまりますか!!亞莎と明命を見なさい!固まってしまっているじゃないですか!」
「良いじゃない。緊張を克服する訓練になって」
「こんな状態の緊張感など克服したとていつ発揮される機会があるのです!」
「さぁ┐(´Д`┌)
「諦めろ冥琳…。ここまで大事になったら腹をくくるしかないよ。というか冥琳はまだ良いよ……。俺なんかこの大勢の前で女装した姿を晒すんだぜ……もうお婿に行けない…」
「北郷……フッ、安心しろ。私があなたを貰ってあげますから」
「冥琳…」
「北郷…」
「「「「「「「「待てえぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!!!!!!」」」」」」」」
「あんた達本番前になに甘~い空気作ってんのよ!赤を差し置いて青と姫が結ばれるなんか一番あってはならないことよ!」
「冥琳!抜け駆けは反則じゃ!」
「北郷……貴様、蓮華様を忘れたのではあるまいな?」
「ぶーーっ、シャオが本当のお姫様なんだから一刀は私のモノなの!」
「……………台本無視して冥琳を●そうかしら…」
「これはおもしろい展開となりましたね~」
「め、冥琳様と言えども、負けません!」
「一刀様を守るのは私の役目です!」
「ふっ北郷よ、心配せずとも貰い手は大勢いるようだな。(蓮華様がおっしゃられていたのはよく聞き取れなかったが…それと気のせいか殺気を感じる…。もう役に成りきっているのかしら?)」
「ははは、ありがたい………のか?」
そうこうしているうちに開始時間となり、それぞれの衣装に着替え配置場所についた一同。そして遂に混沌の幕があがった――――――――
「だ、誰か助けてぇ~」
柱に縛られ助けを呼ぶ一刀……いや一子姫。その姿は以前一刀自身が蓮華の為にデザインした純白のドレスを身に纏い、化粧も施され、まさにこんなに可愛い子が女の子のはずがないという状態であった。その見た事もない美しい服を着た女性(笑)に騒ぎ出すヤロウ共
「おい、誰だあの美しい女性は!?」
「いや俺は見たことないな?誰なんだ?」
「それが分からないんだ。出演者一覧の所にも名前は書かれてないし」
「あの煌びやかな衣装…さては天の御遣い様が呼び寄せた天女様じゃないか!?」
「おお成程!天女様か!道理で美しいわけだ!」
いきなり天女様(一刀)人気爆発。しかし舞台上の呉の面々はそんな事を知るはずもなかった。
蓮「はぁっはっはぁ!!助けを呼んでも無駄ですわ!ここは我ら悪の秘密組織・北郷会の隠れ家。誰にも聞こえるはずがあるまい」
と言った蓮華の衣装は髑髏の面を被り、髪をサイドでくるくるドリルにし、紫色で纏められた服の至るところに髑髏の模様が付いており、大きなマントを纏っていた。そして手には大鎌が握られていた。……どこかの乱世の奸雄にそっくりであった。
というか悪の組織の名前が天の御遣い様の名前と言うのは良いのか?
蓮「その美しい肌を私が傷をつけてあげましょうか……フフフ、これであなたは私のモノになるのよ…」
そういって一子姫の身体を撫で回す蓮華。そして遂にはその衣服にも手をかけ始めた
一「だ、誰か助けてーーーーーーーー(本気)(切実)(懇願)」
穏「首領~その辺にしときましょう。大事な人質ですしぃ(お客さんも引いてますし)」
現れた穏の衣装は………顔は角に牛のお面。身体はどう見ても黒白模様のビキニです。本当にありがとうございます。
「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
男歓喜
亞「それで、これからどうなさるおつもりですか。お嬢様」
亞莎の顔は髪をほどき、右目には眼帯をし、眼鏡をしていないため目はキリッとつり上がり落ち着きある佇まい。そして服装は黒のスーツ姿であった。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
女歓喜
蓮「私はここで姫とあなた達二人の四人で暮らすことができればそれでかまわないのよ。そう、他には何もいらないわ……」
一「えっ?(何この台本フル無視の流れ!?)」
蓮「姫、我ら四人でずっとここで暮らしていきましょう」
穏「それも良いですね~(まぁおもしろそうですしこのままやりましょうか~)」
亞「えぇ、そうしましょう(え、ええっと穏様に合わせれば良いんでしょうか…)」
一「はい……わかりました…(何かもう……このままで良いか)」
こうして姫は悪の組織の一員と仲睦まじく暮らしたとさ。 完
赤「待たんかいこらあああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!台本というか私達を無視するんじゃねええぇぇぇぇ」
蓮「なんだ、呉連者か」
赤「そう呉連者なの……って!そこの台詞はたとえ知っていたとしても「誰だ!?」でしょ!それに先刻からあなた…壊れてない?……まぁいいわ、そう私こそが赤連者!!そして、皆!出てきなさい!」
赤連者の台詞に合わせて爆発が起こり、それぞれの色の煙が上がった。
「…あおれんじゃー」
「黄連者じゃ!」
「……緑連者」
「桃連者ぁ!」
「「「「「悪を滅ぼし正義を示す!それが我らの使命!我ら五人!天の国より北郷一刀様の命により見参!」」」」」
蓮「何の用?」
赤「だーかーらー!反応が違うでしょ!そこは「おのれ呉連者、何故この場所が分かった!?」って聞くところじゃない!」
蓮「おのれ、ごれんじゃ、なぜこのばしょ」
赤「感情が無えぇぇぇぇ」
青「騒がしいですよ、赤連者」
緑「そうです。赤連者さん」
赤「あんた達味方じゃないの!?」
黄「おぉおお、本当に大勢の客じゃの」
桃「本当だね~」
赤「客なんていないわよ!?何を言ってるの二人は?」
早くも混沌渦巻く舞台。これからどうなるのか!?一子姫の運命やいかに!?
続きは………無いゼ!!!
明「あれ、私の出番は……」
無いと思います!
明「そ、そんなorz」
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ごきげんよう、超級覇王です
「こんなもん書かずに続きを書けよ!」
と言う皆様の声が聞こえます…
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