第二章 『三爸爸†無双』 其の二十四
本城 皇帝執務室隣 丞相執務室 (時報:桂花二人目 妊娠二ヶ月)
【朱里turn】
季節が残暑から初秋に移り変わっていく。
大陸各地から実りの報告が少しずつ入り始めてきました。
日中も過ごし易くなり、これからは仕事がもっと捗りそう。
今は仕事がひと段落したので小休止です。
「桂花さんが二人目かぁ・・・・・羨ましいなぁ。」
「そうだね、朱里ちゃん。私達も早くご主人さまの赤ちゃんが欲しいね・・・」
私と雛里ちゃんはお茶とお菓子を前に溜息混じりです。
「ねえ、雛里ちゃん。水鏡先生の所でお勉強してた頃に
「うふふ、朱里ちゃん。成都でもそのお話したよ。占いをして貰った時は酷い未来だって泣いちゃったけど、私達の勘違いだったよね♪」
あの時の占い・・・ご主人さまたちがまだ天の国から来る前だったのに、全部当たってた。
「こんな事ならあの占い師さんに、何時頃懐妊するかも聞いておけば良かったなぁ・・・」
「そうだねぇ・・・・・炙叉さんの占いでは、懐妊時期は占っても安定した結果が出ないって言ってたもんね。私と朱里ちゃんの卜占じゃそういうの占えないし・・・」
「あの占い師さんにもう一度会えないかなぁ・・・・・あの時の謝罪とお礼もしたいし・・・」
「あの後、占い師さん引越しちゃったって水鏡先生が言ってたよね・・・お名前も覚えて無いし・・・」
「お名前が解れば探すことも出来るのに・・・・・そうだ!炙叉さんか張三姉妹の方なら何か知らないかな?あれだけよく当たる占い師さんだもん、同じ占い師の炙叉さんや、各地を旅していた天和さん達なら噂くらい聞いてるかも!」
「あ、そうだね。今から後宮に行って訊いてみようよ。」
善は急げ。早速私と雛里ちゃんは後宮に向かいました。
後宮 談話室
【雛里turn】
「襄陽の近くの邑で金須褥邑って言う場所なんです。よく当たるって評判でした。実際私と雛里ちゃんがご主人さまと出会うのを一年前に言い当てました。」
朱里ちゃんが炙叉さんと天和さん、地和さん、人和さんに説明しました。
「せ、せめてお名前だけでも判ればと・・・何か知りませんか?」
「それって、ちぃ達がまだ旅芸人をしてた頃だよね・・・う~ん、襄陽の近くかぁ・・・『よく当たる占い師』って噂は大きな街なら一人二人は居るから・・・」
「でも、お姉ちゃんはなんか覚えが有るんだけど・・・・・人和ちゃんは思い出せる?」
「えぇと・・・確か姓が・・・・・
私と朱里ちゃんは少し警戒しながら炙叉さんを伺いました。
炙叉さん・・・油断してると抱きついてくるから・・・・・。
「たぶんそれ・・・・・
「橘・・・音鈴・・・」
「そ、そうです!思い出しました!その方です!」
敦煌でも名前が知られてるなんて・・・本当に凄い占い師さんだったんだ。
「橘音鈴さんが今どこに居るとか知ってますか!?」
朱里ちゃんが興奮して炙叉さんに詰め寄るけど・・・・・炙叉さん顔が引きつってる・・・。
「えっとねぇ・・・・・橘音鈴って・・・菅輅の使ってた偽名なんだよねぇ・・・」
「「えっ!?」」
菅輅って、ご主人さまが現れるのを予言した・・・。
桃香さま、華琳さん、雪蓮さんがお礼をしたいからって、晋の建国以前から捜索している人です。
「もしかして・・・・・その事は捜索隊の方に・・・」
「うん・・・伝えてある。」
それなのに未だ見つからないという事は、名前を変えて隠れているか、晋を出て行ってしまっているか・・・・・最悪・・・もう・・・・・・・。
「うぅぅ・・・」
「ひ、雛里ちゃん!泣かないで!」
「だ、だって・・・もしかしたら・・・もうお亡くなりになってるかもって思ったら・・・」
あの戦乱に巻き込まれた可能性だってあるから・・・・・。
「あいつはそう簡単に死ぬようなタマじゃないって!誰かに仕えるのは窮屈で嫌だって言ってたから、きっとどこかでフラフラ旅をしてるよ!」
いずれにせよ、向こうから会いに来てくれないと、もう会えないと云う事です。
地和さんが言った様に『よく当たる占い師』の噂だけではどれだけの人数が候補に入ってしまうか。
しかも、噂が大きくなる前に街を出て名前を変えてしまえば、探し出す事はほぼ不可能になります。
「まあ、菅輅のことは気長に待つしか無いって。それに二人には吉兆が視えるから、何か良い事有りそうだよ♪」
「「吉兆ですか・・・?」」
明日は検診を受ける日ですけど・・・・・余り期待すると違った時、また落ち込んじゃうから・・・・・。
翌日
本城 皇帝執務室
【緑一刀turn】
「・・・北郷一刀・・・・・・・・コロスッ!!」
こんなセリフを以前も聞いた事がある。
そう、あれは羌族の妖術使いに操られた愛紗や翠が言ったんだ。
でも今、このセリフを吐いたのは血の涙を流しながら双剣を抜き放ったインテリだった。
「北郷さまぁ~、三対一は卑怯じゃないッスかあ~?」
気の抜けた声で追っかけがそんな事を言いやがる!
他の北郷親衛隊のメンバーもあくびをして眺めるだけで、まるで止める気なし!
「「「三対一で鍔迫り合いに押し負けてる状況なのに!俺たちの方が卑怯なのかよっ!!」」」
インテリはそのあだ名の通り普段は知力の方が目立っているが、双剣、槍、弓も使いこなし武力も実は高いのだ。
今の実力なら一線級の武将として活躍できる筈なのだが、ロリコンな部分で全てが残念な事になっている。
「節操のない北郷様たちにそんな事を言われたくは有りませんっ!!」
「インテリ!お前まで俺のモノローグを読むなっ!!」
そもそも、なんでこんな事になっているかと云うと・・・懸命な読者の方はお分かりだろう。
「はわわ!」
「あわわ!」
この二人が懐妊の報告に来たからだ。
「「「お前ら、ふた月前は集団見合いの話しをしたら、あんなに喜んでくれたのに!なんだよ、そのやる気の無さは!?」」」
「「おっぱいの大きい女の子が居なかった。」」
「お尻の大きい女の子が居なかった。」
「眼鏡っ娘が居なかったッス。」
「清楚な感じの女の子が居ませんでした。」
面倒くさい奴らだな。
確かに集団お見合いに参加してくれた女の子は、全員が斗詩よりおっぱいが小さかったのは認めよう。お尻に関しては、尻神様と比べるのは無理が有り過ぎだ!今回メガネっ娘が居なかったのはたまたまだ。集団お見合い一回目だから積極的な女の子が参加してくれたけど、大人しい子は恥ずかしがって参加してくれなかったんだよ!
「「「次はみんなの好みに合った女の子に参加してもらえる様に、月と紫苑と話し合っておく!」」」
「お前達!インテリの凶刃から北郷様を助けるぞ!!」
「「「「応っ!!」」」」
現金な奴らだなぁ。
「「「改めて・・・・・朱里、雛里、懐妊してくれてありがとう。」」」
「こちらこそです。ご主人さま♪」
「ご主人さま、ありがとうございます♪」
頬を染めた笑顔でしっかりと俺の目を見てくれる。
二人とも出会ったばかりの頃はいつも緊張してて、なかなか目を合わせてくれずモジモジして・・・・・あれはあれで可愛かったが。
雛里なんか朱里の陰に隠れてる事が多かったよなぁ。
朱里も雛里も見た目が余り変わっていないのに・・・・・もう、あれから七年くらいかな?
鈴々の背が伸びて二人を追い越してるだけに、より強く感じるけど・・・内面は大きく、強く成長したと云う事だ。
朱里は『丞相』で、雛里は三公の一つ『太尉』。
この小さな体でも、それだけの重責を任せられるとみんなが認めている。
「「「さてと、それじゃあ後宮に向かおうか。」」」
「え?ご主人さま・・・・・」
「いいんでしょうか・・・・・」
「朱里はいっつも懐妊の報告が有れば、俺たちを送り出してくれただろ。みんなも許してくれるって。」
前に呟いてるの聞こえちゃってるしな。
ここは俺たちが手を引いてあげないと。
「い、いえ・・・あの・・・それも有るんですが・・・」
「今はむしろ・・・・・そちらのインテリさんが・・・」
朱里と雛里の視線の先には親衛隊のみんなに取り押さえられたインテリが居た。
確かに放って置くわけにもいかないので、先に何とかしておくか。
「「「・・・・・インテリ・・・」」」
俺たちは静かに歩み寄った。
「グルルルルルルルルルルルルルル・・・・」
恨みの篭った目で睨み、唸っている・・・・・それは獣と言うより地獄の魔物の様だった。
「「「(コレやるから今は勘弁してくれ。)」」」
朱里と雛里に見えない様に、こっそりと写真の束を見せる。
こんなことも有ろうかと密かに準備していた写真だ。
写っているのは朱里と雛里はモチロン。他に風、鈴々、季衣、流琉、シャオ、大喬、小喬、美羽、美以と三猫、璃々ちゃん。
仕事中だったり、勉強中だったり、遊んでいたり、昼寝してたりと、一枚一枚順番に見せていくとインテリの顔が険しい物から普通に戻り、更に緩んで行く。
「「「(後日、俺たちのおごりで飲み会をやるから、その時にはもうひと束持ってこよう。)」」」
インテリは無言で頭を激しく上下させた。
うむ、これでインテリの中の魔物は調伏できたな。もう一匹の魔物に餌を与えて押さえ込んだとも言うが。
「「「朱里、雛里、話は着いたからもう大丈夫だ。後宮に行こうか。」」」
「「ジト~~~~~」」
二人が疑惑を探る眼差し・・・・・。
「ど、どうしたのかなぁ?二人共。」
「ご主人さま、何か渡してませんでしたか?」
「あ、あれは気分を落ち着かせる護符さ!漢の熱い絆が篭った・・・・・なあ!みんな!」
『はいっ!その通りです!北郷様っ!!』
ナイスフォローだ!みんな!
「「「さあ!後宮に出ぱーーーーつ!!」」」
俺たち三人は、ジト目の朱里と雛里の手を引いて執務室を後にした。
本城 後宮 朱里雛里私室(相部屋)
【朱里turn】
私と雛里ちゃんは華琳さんと風さんからご主人さまと外史の話しを聞かせて頂きました。
とても・・・衝撃的なお話でした・・・・・・・
雛里ちゃん・・・・・・・・ご主人さまの記憶にある外史で、雛里ちゃんはご主人さまと出会えていない・・・。
雛里ちゃんはこの話を聞いた時・・・涙を流した・・・・・でも・・・声を上げず・・・背筋を伸ばし、しっかりと最後まで聞きました
強くなったね・・・。
「ご主人さま・・・外史のお話・・・・・聞かせて頂きました・・・」
「・・・ご、ご主人さまぁ・・・・・わたし・・・わたし・・・・・」
ご主人さまの顔を見たら私も雛里ちゃんも、もう涙が止まらなくなって・・・・・。
「「「朱里・・・雛里・・・」」」
二人でご主人さまたちに縋り付いて、大声で泣いてしまいました・・・・・。
「「「落ち着いた?二人共。」」」
「「は、はい・・・」」
私達の涙の跡を、ご主人さまたちが手巾で拭ってくれました。
優しいご主人さまの手の温もりを感じながら、私は意を決して口を開きます。
「ご主人さま・・・もうお分りと思いますが・・・私達は外史の話しを聞きました。」
「「「うん・・・・・」」」
「私は以前『君主の資質とは、他人の力を借りて自分の力に出来ること』と言いました。」
この話は緑のご主人さまと出会って間もない頃にしました。
赤と紫のご主人さまにもお話したことが有ります。
「ご主人さまにたくさん迷ったり、たくさん傷ついても頂きたいと言いましたが・・・・・浅はかでした・・・・・ご主人さまは、私が思っていた以上に悩んで傷ついていらっしゃったのに・・・・・」
私は・・・・・なんて思い上がって居たんだろう・・・・・。
でも・・・ご主人さまは・・・・・いつもの優しい笑顔を・・・私の大好きな笑顔で私を見てくれた。
「朱里と雛里は俺の為に知恵を絞ってくれるって言ったし、実際すごく助けられてる。それにこうして二人が懐妊してくれて、俺に幸せと更なる奮起を促してくれている。」
ご主人さまの笑顔が消えて、辛そうな表情に・・・。
「何も包み隠さないで欲しいって言われてたのに・・・こんな重大な事を二人に隠してた・・・・・ゴメン。」
「はわわ!そんな!謝らないで下さい!ご主人さまが抱えていた物を考えれば、理解できます!」
「わ、私も華琳さんの判断は正しいと思います!」
私と雛里ちゃんは拳を握り締め、ご主人さまたちに力説します。
それでも、ご主人さまたちの表情が晴れません。
「でもさ・・・・・騙してたみたいで・・・罪悪感があるんだ・・・・・」
私は一瞬雛里ちゃんの目を見て頷き、それから笑顔で言います。
「ご主人さまは私達を気遣って黙っていたんですよね!そんな優しい嘘なら私達はいくらでも騙されてあげます♪愛する男性の赤ちゃんを身篭もった私達は全てを受け入れられるくらい、心が強くなっていますよ♪ね、雛里ちゃん!」
「はい!懐妊前では衝撃が強すぎて・・・・・懐妊するまでに色々悩んで・・・私の心が壊れていたかも知れません。お腹にいる赤ちゃんがいるから・・・お腹の赤ちゃんが私に勇気をくれるから!今を素直に受け入れられるんです!!」
私達の言葉を聞いたご主人さまたちは目を見開いて驚かれていました。
それから肩の力が抜けた様に少し微笑まれて・・・。
「「「ありがとう・・・朱里、雛里♪」」」
私達の手を握ってくれました。
暫くはそうしてお互いの心を通わせる様に・・・・・ただ、黙ってその温もりを感じていました。
七ヶ月後
後宮 中庭 (時報:桂花 二人目 妊娠九ヶ月)
【雛里turn】
先日、月さんの赤ちゃん、
後宮は子供達が増えてとても賑やかです♪
私と朱里ちゃんは桔梗さんから教わった笛を吹いて胎教をしています。
私達の笛に合わせ、地和さんが子守唄を乳母車の四喜ちゃんに歌ってあげ、大きなお腹の桂花さんが歩き回る金桂ちゃんを楽しそうに見守っています。
はふぅ~・・・・・平和ですぅ・・・・・。
「我ら貧乳党も、気が付けばこの場の四人と風、明命、思春だけになってしまったわ・・・・・。」
平和の時間は終わりました。
数年前に小喬さんが予言した通り、シャオちゃんが巨乳人の本性を現し、鈴々ちゃんに美羽ちゃん・・・・・それに大喬さんまでおっぱいが・・・・・。
「だけど気にする事は無いわ。貧乳の素晴らしさの証明理論は既にほぼ完成しているのですもの。」
「その通りですね、桂花書記長!」
「いつごろその論文を同志達に発表しますか?」
この論文を聞けば、同志達は涙を流して感動し、世間へと広めてくれるでしょう。
そうして人々の心に貧乳に対する意識改革・・・・・いえ!
貧乳大革命が起きるんです!!
「取り敢えず私の銀桂と、貴女達の
「その時はちぃも四喜を連れて司会進行をやっちゃうよ♪」
何という頼もしい姿でしょう!
「さあ!貧乳党闘争歌を歌いましょう!」
聞け大陸の巨乳人
轟き渡る貧乳の
支持者に
未来を拓く鬨の声
汝の巨乳を放棄せよ
貧乳の価値に目醒むべし
社会の虚偽を
永き差別に悩みたる
今や
階級戦は来りたり
奪い去られし人権を
正義の手もて取り返せ!
巨乳の力何物ぞ!
われらが
守れ!気高き貧乳者!
守れ!!気高き貧乳者 !!
後日、論文の発表集会は最大の難問にぶつかり無期延期となってしまいました。
母乳で元気に育っているのを証明すると云う事は・・・・・その・・・・・。
観衆の前で・・・・・ぼ、母乳を・・・・・・・・・あわわ!
おまけ
朱里の娘 諸葛瞻 真名:龍里 三歳十ヶ月
雛里の娘 龐宏 真名:藍里 三歳十ヶ月
本城 北郷学園保育部 (時報:桂花 六人目 妊娠七ヶ月)
【緑一刀turn】
後宮での桃園の花見が終わって数日後。
俺は一人、子供達のお勉強の様子を覗きに来ていた。
学園長たるもの、学園の運営状況を確認するのも仕事の内だ。
白蓮と麗羽から絶対子供達に見つかってはダメだと念を押されているけれど・・・・・。
子供達の集中が乱れるからって理由は解るけどさ・・・俺、なんか変質者みたいなんだけど!
・・・・・まあいい。大人しく言う事を聞かないと、こうして見に来る事すら禁止されそうだしな。
さて、子供達みんなの様子も見たいが、今日の主目的は龍里と藍里。
昨日の報告でこの二人が頭角を現し始めたと記載が有ったからだ。
報告書を書いたのは麗羽だけど、子供を見る目は確かなので信用していい・・・筈だ。
どうも俺たち三人は、子供を過大評価して甘やかしてしまう傾向に有る様なのだ。
おっと、龍里と藍里を発見!
廊下の格子窓の隙間から覗くと、二人は
余談だが、この算盤。発明したのは愛紗・・・・・では無い。
北郷学園に算盤を持ち込んだのは確かに愛紗だった。
ところが、愛羅がその算木を折ったり、無くしたりするので代りになるものを探して炙叉に相談したところ、ローマから来る行商人の使っているアバカスを教えてもらった。
その話を今度は真桜の所に持っていき、作って貰ったのが算盤だった。
更にその算盤を見た華琳と軍師達に大好評を受けて、今では子供の数字の勉強から国家事業の計算まで、この算盤が使われている。
関帝廟の壁に算盤が描かれていて、商業の神様となっている現代の関羽雲長。
果して歴史の真実はどうなのだろうか?
まあ、余談はこれくらいにして、龍里と藍里の様子は・・・・・。
「ごまだんごが、じゅうにこあります。そこからいつつ、れんれんおねえちゃんにあげました。のこりはいくつですか、あいりちゃん?」
「ななつだよ、るりちゃん♪」
龍里の出した問題を藍里が棒に付いた珠を動かして答えた。
スイマセン。俺が棒とかタマとか言うと違う方を連想するかも知れませんが、そこはスルーして下さい。
「それじゃあつぎは・・・・・」
龍里の手元を見ると、一冊の本が開かれていた。
あれは問題集か?
眞琳、嵐、金桂、冥龍と母親が頭脳派の子はみんな物を覚えるのが早かったけど、四歳になる前にここまで出来るのは初めてじゃないか?
「ばかのげんじょうと、なにをかんがえているかわからないみょうさいと・・・」
ぶうううううううううううううううううううううう!!
な、何を言い出すんだ龍里は!
「ちょっと待て、龍里!」
お、白蓮が気付いてくれた。
「また桂花の奴、勝手に問題集を書き換えたな・・・・・龍里、藍里、そっちのご本を使って勉強しような♪」
「「は~い。」」
よしよし、悪書は去ったな・・・・・・・・桂花は金桂にもあんな問題集をやらせてるに違いない。後で何とかしよう。
「ええと・・・このごほんなんかへんだよ?」
「どうしたの、るりちゃん?」
「かけざんのごほんなんだけど・・・・・・」
掛け算・・・・・・それってまさか・・・・・。
「これは、かだせんせーで、こっちが爸爸のおなまえ・・・」
はい、お約束来ましたー!
って!朱里と雛里の薄い本が紛れ込んでるじゃないかっ!!
「ちょ、ちょ、ちょっと待った!」
白蓮が慌てて戻ってきて、龍里と藍里の下に置いてあった本を片っ端から確認していく。
「龍里、藍里、お勉強は少しお休みな♪」
白蓮・・・・・顔は笑ってても、こめかみに血管が浮いてるぞ。
「「え~~~?」」
お勉強を取り上げられて不服そうな二人・・・・・ここは母親に似てくれて心底良かったと思う。俺だったら間違いなく小躍りして喜ぶぞ。
白蓮は本の束を抱えて、格子窓から覗いている俺の横の扉から出て来た。
「一刀!これ!」
言い放って俺に見せた表紙には・・・・・『性技指南書 巻之二十五』と書かれていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「朱里と雛里の所に行ってくるから子供達を頼む!」
白蓮は肩を怒らせて廊下をズンズン行ってしまった。
「「あ!爸爸だあ♪」」
龍里と藍里に見つかり、二人に抱きつかれた。
更にその声を聞きつけた他の子供達も次々俺の所に走ってくる。
麗羽は驚いた顔で俺を見ていたが。
こうなっては子供達の相手をしないわけにいかないよなあ♪
あの本は・・・まあ、朱里と雛里がうっかり間違えて渡したって所だろう。
『みどり爸爸!あそぼ~~~♪』
「よおぉし!何して遊ぼうか!?」
あとがき
ギャグで始まりシリアスで終わらせる筈だったのに・・・・・
結局またギャグで終わってしまいました。
桂花が貧乳党の話しをし始めた所が敗因でしたねぇ・・・・・
取り敢えず頭から解説を
これは朱里と雛里のキャラソン
『はわ☆あわ大乱舞(パニック)~恋のお料理教室~』のカップリングミニドラマ
『朱里と雛里の恋の占い館』からのリスペクトです
『きすのく村』と『橘ねすず』に三国志風アレンジをさせて頂きました
更に菅輅と同一人物にしてしまいましたw
という訳で菅輅の声も楠鈴音さまで♪
貧乳党闘争歌
替え歌ですw
元ネタは『聞け万国の労働者』
曲はこのタイトルでググると
いきなりカラオケが流れ出すHPもヒットしますので結構簡単に探せますし
ニコニコ動画で初音ミクが歌う動画もUPされてますw
※もしかしたら突然この歌が差し変わるかも知れませんが
その時は何が有ったか察して下さいw
《次回のお話&現在の得票数》
☆詠 30票
という事で、次回は詠に決定しました。
以下、現在の得票数です。
焔耶 25票
ニャン蛮族24票
小蓮 24票
明命 22票
音々音 22票
猪々子 20票
亞莎 17票
星 17票
春蘭 16票
斗詩 15票
稟 15票
真桜 15票
二喬 14票
華雄 14票
璃々 14票
穏 13票
沙和 11票
霞 9票
季衣 7票
冥琳② 5票
紫苑② 5票
思春② 4票
雪蓮② 4票
鈴々② 3票
桂花② 3票
風② 1票
凪② 1票
※「美以と三猫」「大喬と小喬」は一つの話となりますのでセットとさせて頂きます。
②は二回目を表します。
一刀の妹と息子の登場回は以下の条件のいずれかを満たした場合に書きたいと思います。
1・璃々以外の恋姫全員のメイン話が終了した時
2・璃々のリクエストが一位になった時
3・メイン二回目の恋姫がリクエストの一位になった時
4・華琳のリクエストが一位になった時
※条件に変更があった場合、あとがきにて報告致します。
リクエスト参戦順番→猪々子 穏 亞莎 ニャン蛮族 小蓮 詠 焔耶 明命 斗詩 二喬 春蘭 音々音 華雄 稟 星 璃々 真桜 季衣 冥琳② 霞 沙和 思春② 紫苑② 鈴々② 桂花② 風② 雪蓮② 凪②
過去にメインになったキャラ
【魏】華琳 風 桂花 凪 数え役満☆シスターズ 秋蘭 流琉
【呉】雪蓮 冥琳 祭 思春 美羽 蓮華 七乃
【蜀】桃香 鈴々 愛紗 恋 紫苑 翠 蒲公英 麗羽 桔梗 白蓮 月 朱里 雛里
子供達一覧
1)華琳の長女 曹沖(そうちゅう) 眞琳(まりん)
2)桃香の長女 劉禅(りゅうぜん) 香斗(かと)
3)蓮華の長女 孫登(そんとう) 蓮紅(れんほん)
4)思春の長女 甘述(かんじゅつ) 烈夏(れっか)
5)愛紗の長女 関平(かんぺい) 愛羅(あいら)
6)風の長女 程武(ていぶ) 嵐(らん)
7)桂花の長女 荀惲(じゅんうん)金桂(きんけい)
8)雪蓮の長女 孫紹(そんしょう) 冰蓮(ぴんれん)
9)冥琳の長女 周循(しゅうじゅん) 冥龍(めいろん)
10)祭の長女 黄柄(こうへい) 宴(えん)
11)恋の長女 呂刃(りょじん) 恋々(れんれん)
12)紫苑の次女 黃仁(こうじん) 露柴(ろぜ)
13)紫苑の三女 黃信(こうしん) 崔莉(ちぇり)
14)蒲公英の長女 馬援(ばえん) 向日葵(ひまわり)
15)翠の長女 馬秋(ばしゅう) 疾(しつ)
16)麗羽の長女 袁譚(えんたん) 揚羽(あげは)
17)桔梗の長女 厳逹(げんたつ) 竜胆(りんどう)
18)凪の長女 楽綝(がくりん) 濤(なみ)
19)七乃の長女 張路(ちょうろ)八倻(やや)
20)天和の長女 張甲(ちょうこう) 九蓮(ちゅうれん)
21)地和の長女 張大(ちょうだい) 四喜(すーしー)
22)人和の長女 張吉(ちょうきつ) 一色(いーそー)
23)炙叉の長女 迷当(めいとう) 直(なお)
24)白蓮の長女 公孫続(こうそんしょく) 白煌(ぱいふぁん)
25)秋蘭の長女 夏侯衡(かこうこう) 鈴蘭(すずらん)
26)月の長女 董擢(とうてき) 春姫(るな)
27)桂花の次女 荀俁(じゅんぐ) 銀桂(ぎんけい)
28)朱里の長女 諸葛瞻(しょかつせん) 龍里(るり)
29)雛里の長女 龐宏(ほうこう) 藍里(あいり)
30)詠の長女 賈穆(かぼく) 訓(くん)
桂花の三女 荀詵(じゅんしん) 丹桂(たんけい)
桂花の四女 荀顗(じゅんぎ) 連翹(れんぎょう)
桂花の五女 荀粲(じゅんさい) 黄梅(おうめい)
桂花の六女 荀淑(じゅんしゅく) 來羅(らいら)
春蘭の長女 夏侯充(かこうじゅう) 光琳(こうりん)
A)鈴々の長女 張苞(ちょうほう) 爛々(らんらん)
B)流琉の長女 典満(てんまん) 枦炉(ろろ)
C)美羽の長女 袁燿(えんよう) 優羽(ゆう)
※アルファベットは仮順です
引き続き、皆様からのリクエストを募集しております。
リクエストに制限は決めてありません。
何回でも、一度に何人でもご応募いただいても大丈夫です(´∀`)
よろしくお願い申し上げます。
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得票数27の朱里+雛里のお話です。
懐妊前、解任直後、妊娠八ヶ月目+おまけとなります。
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