「鈴凛ちゃん、ここのところずっと篭りっきりでしょ? そんなの体に良くないからさ、一緒に外行こうよ」
今日も衛ちゃんが来ている。
夏休みに入ってからここのところずっとだ。
私としては学校に行かなくていいので、その時間もラボに篭ってメカを作っていたいのだが、最初に衛ちゃんが来た日に最近は外に出ずにラボにいることを言ったらそれじゃダメだよ、っと何かと私を誘いにくるようになったのだ。
「外で何するのよ? こんな暑いなか……」
「えっ? そうだな、……サイクリングするのも気持ち良いし、スケボーやローラースケートなんかも面白いよ。道具はボクのやつ貸してあげるからさ」
衛ちゃんは楽しそうに笑顔を見せながらそう言った。
あぁ、やっぱり彼女は体を動かすのが好きなんだと感じられた。
「ごめん、悪いけど私はいいわ。この暑いなか外にはあんまり出たくないし」
「でもさ、きっと外で体動かせば楽しく「もう、いいって言ってるでしょ。少し静かにしてよ、衛ちゃんが来てから全然作業が進まないんだから。邪魔するなら帰って」
「……マスター、そんな言い方はないと思いますが」
メカ鈴凛にそう言われ、ハッと思ったが言ってしまった言葉をなかったことにはできず、彼女の方をみると
「ごめんね、鈴凛ちゃんのことも考えずに無理に誘っちゃって。ボクもう帰るね。メカ鈴凛ちゃんもありがとうね」
ですが、と言うメカ鈴凛を無視して彼女は出ていってしまった。
ほんと、私は何をしているのだろう。
たしかにこのところ上手くいかなくてイライラはしていたけど、せっかく誘いに来てくれた彼女にあたってしまうなんて。
衛ちゃんは私のためをおもって誘いに来てくれたのに。
上手くいかないことと彼女は全然関係なかったのに。
「良し、今日も良い天気だな。準備したら走りにいかなくっちゃ」
ボクは朝起きるといつも通り着替えて走る準備を始めた。
今日は何しようかな?
昨日鈴凛ちゃんを怒らせちゃったからなぁ……。
やっぱりもう一度謝りに行った方がいいよね、そう思っていると
“ピンポーン、ピンポーン”
玄関の呼び鈴がなった。
「はい、どちら様ですか?」
私は今、衛ちゃんの家の前まで来ている。
昨日のことを謝ろうと思ったからだ。
後は衛ちゃんが毎朝走っているのを知っていたから。
チャイムをならすとしばらくすると
「どちら様ですか?」
彼女が中から出てきた。
「……鈴凛ちゃん? どうしたのこんな朝早くに」
「昨日はゴメンね。あんなこと言って……。あのさ、今日は私予定もないし、久しぶりに何か体を動かしたい気分なんだよね……」
そう言うと彼女は元気な笑顔を見せて喜んでくれた。
あぁやっぱり彼女にはこの笑顔が似合うな。
end
お読みいただきありがとうございました。
初めてのシスプリssでした。
最近、この二人の株が急上昇してます。
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普段メインで書いてるジャンルの話が思い付かなくなっているので別ジャンルで投稿してみます。
シスプリssですね。
百合です。