episode135 明確な意思
「Cファンネル!」
颯はCファンネルを勢いよく不規則に飛ばしてレギナを死角から切り裂いた。
直後に別方向からバインダーライフルを放ってきたが、急上昇してかわし、逆さまの状態になって後ろを向き、スタングルライフルを放ってレギナを撃ち抜いた。
更に大型のCファンネルを背後に組み合わせて配置しレギナが振り下ろして来たビームファンを防ぐと、小型のCファンネルを飛ばして切り裂いた。
(さっき試したけど、やっぱり以前の戦闘より動きやすい)
調整によって更に動きやすくなった事を感じて、Cファンネルを扇状に飛ばしてレギナを三体連続で切り裂いて行った。
次に大型を飛ばしてレギナが放つビームを切り裂きながらレギナを真っ二つに切り裂き、直後に別のレギナの首を切り落とす。
颯は宙に大きなある物を展開してスタングルライフルを差し込んで接続した。
スタングルライフルの上下に増加ユニットを接続し威力を強化した新たに解禁された新たな武器・・・『ダイダルバズーカ』である。
ダイダルバズーカを担いで引き金を引き、スタングルライフルより強力なビームを放ってレギナを撃ち抜いていった。
Cファンネルを前に出してビームを防ぎ、チャージを終えたダイダルバズーカの引き金を引き、高出力ビームを放ってレギナを三体以上を撃破する。
「・・・・」
シノンは新たに製造されたサブフライトシステム『ベースジャバー』に乗って飛んでいると向かってくるレギナに向けて連射モードのビームライフルを放って撃ち抜いた。
しかしシノンが纏うジェスタの装備が以前より増えていた。
各所にグレーの増加アーマーが搭載されており、両脚と両サイドアーマーにグレネードランチャーが搭載され、背中には右側にビームキャノンと左側に四連マルチランチャーが搭載されており、ビームライフルも増加パーツでパワーアップしていた。
隼人が考案して作り上げた重装備化したジェスタ・・・『ジェスタ・キャノン』である。
(さすがはゼロ。このような装備も作り出すとは・・・おかげでジェスタの火力不足を解消できました)
そう思いながらも背中のキャノンとマルチランチャーを放ってレギナを撃ち落していく。
次にビームライフルの銃身下部に装着されたグレネードを放ってレギナにぶつけて爆破した。
「っ!」
更に両脚の増加装甲のグレネードを放ってレギナ二体にぶつけて撃破する。
直後に背中右側のキャノンを放ちレギナを撃ち抜くと、別のレギナがバインダーライフルを放ってきてすぐに左腕の増加アーマーで防いだ。
近くにはグリーンフレームを纏った山田先生がいたが、その姿が以前と異なっていた。
両肩には六連装ミサイルコンテナを装備し、両脚には増加装甲を装備し、その外側に三連装ミサイルコンテナを装備しており、左腕にはシールド兼二連装ビームキャノンを装備し、左手にバズーカを持ち、右手にはビームライフルを持っていた。
これもジェスタ・キャノンと同時に作り上げたグリーンフレームの強化案『フルアーマーグリーンフレーム』である。
千冬はかなりの速さで飛ぶとレヴァンティンを振るいレギナを一瞬で切り裂いた。
すぐにレヴァンティンを逆手持ちにすると右脇から後ろに突き出すと背後から迫っていたレギナに突き刺して引き抜くと同時に飛び出し、左腕のシールドのヒートロッドを振るってレギナを切り裂く。
カートリッジをリロードして刀身にエネルギーを纏わせると、勢いよく回転して振るって光波を放ち、レギナを連続で三体切り裂いた。
「・・・・」
周囲を警戒しながら鍔と柄の間を伸ばすとそこにカートリッジを入れて装填する。
「っ!」
千冬は飛んでくるビームに気付いてレヴァンティンを振るって切り裂く。
「今の攻撃に気付いたか。大したやつだ」
と、そこには黒い不死鳥・・・ハルファスベーゼがいた。
「お前は・・・!」
千冬はすぐに身構える。
「ほぅ、お前はあの人間達の中に居た者の一族か」
「・・・・」
「中々の気迫だ。人間でそこまでの気迫を持つ者は久しぶりだ」
ハルファスベーゼは右手に鎌を出すと、刃部分にビーム刃を纏わせた。
「私の名は『ハルファスベーゼ』。貴様は?」
「・・・織斑千冬だ」
「織斑千冬・・・覚えておこう」
と、ハルファスベーゼは一気に飛び出すとビームサイスを振るい、千冬もレヴァンティンを振るって刃を交えた。
千冬はハルファスベーゼを押し返すとすぐに横に振るうも、ハルファスベーゼは身体を反らして斬撃をかわすと、宙返りしてビームサイスを振り下ろすが千冬はとっさに左腕のシールドを前に出して受け止める。
ハルファスベーゼは一旦下がると左手にもビームサイスを展開して切り掛かるも千冬はシールドのヒートロッドを振るうが、直後に飛び上がって攻撃をかわし、背後に回り左手のビームサイスを振るってくるが千冬は振り向き際にレヴァンティンを振るい刃を交える。
「っ!」
そのままハルファスベーゼを押し返してレヴァンティンのカートリッジをリロードして刀身に炎の様なエフェクトのエネルギーを纏わせる。
ハルファスベーゼは両肩のバインダーを全て千冬に向けると計四門のビームキャノンを放ち、それと同時に千冬はレヴァンティンを振るって光波を放ち、そのまま光波とビームがぶつかり合って大爆発を起こす。
直後にハルファスベーゼは両肩よりシュヴァレツェア・レーゲンのワイヤーブレードのようなものを射出して、千冬は一気に飛び出してワイヤーをかわしていく。
そのまま宙返りをしてレヴァンティンを振るって向かってくるワイヤーを全て切り裂いた。
「っ!」
その直後に両者は飛び出して刃を交える。
千冬はカートリッジをリロードしてハルファスベーゼを押し返すとレヴァンティンの刀身を均等間隔に切り離してワイヤーで繋いだ連結刃にして勢いよく振るうが、ハルファスベーゼは右手のビームサイスを振るって刃を交えるも、そのまま押し返される。
「ちっ!」
直後に連結刃が迫るもハルファスベーゼは左手のビームサイスを放り投げて連結刃にぶつけると爆発させて一気に飛び出すとそのまま懐に入る。
そのままビームサイスを振り上げるも千冬はとっさに左足を振り上げてハルファスベーゼを蹴り飛ばす。
「こいつ!」
そのまま千冬は連結刃のレヴァンティンを振るうもハルファスベーゼは急速後退してかわす。
「やるな・・・」
「お前もな」
千冬はレヴァンティンを通常刃に戻す。
「今まで幾度の戦いをして来た。だが、たくさんの戦いの中でここまで心が躍ったのはこれで二度目だ」
「そうか・・・それはよかったな」
レヴァンティンを振るうと両手で持つ。
「最も、前は今と似たような状況で戦っていたがな。そう・・・貴様の様な剣士とな」
「・・・どういう意味だ」
「知る必要は無い。知ったところで何の意味を成さん」
ハルファスベーゼはビームサイスを振るい、一気に飛び出す。
「・・・・」
千冬はカートリッジをリロードして一気に飛び出した。
輝春は背中のグラストロランチャーを両脇より出して砲撃をし、レギナを二体撃ち抜いた。
「っ!」
直後に左腕のシールドライフルを放ってレギナを撃ち落すが、すぐに右よりレギナがビームファンを持って接近してくる。
「くっ!」
すぐに右腕のシールドライフルよりビームサーベルを出して振るいレギナと刃を交える。
輝春はそのままレギナを押し返して左腕のシールドライフルよりビームサーベルを出して振るい、レギナを切り裂く。
しかし背後よりレギナがビームファンを持って切り掛かって来る。
「っ!」
しかしレギナは別方向より飛んできたエネルギー弾に撃ち抜かれて爆発する。
「今の攻撃は・・・!」
輝春が砲撃元を見ると、そこには改装されたシュヴァレツェア・ウインドを纏うクラリッサが居た。
(凄い。以前の装備なら一撃で撃破できなかったものを、たった一撃で・・・)
クラリッサは性能が上がったISに驚いていた。
「・・・・」
すぐに増加ブースターを噴射して飛び出すと非固定ユニットの左側にあるミサイルコンテナのハッチを開くとミサイルを放ちレギナに直撃させて撃破する。
次にキャノンを向けると電流が砲身に流れると物凄い勢いでエネルギー弾が放たれてレギナを撃ち抜いた。
「援護する、輝春」
「すまねぇ、クラリッサ」
そうして輝春の後ろにクラリッサが立つ。
「しかし隼人が改造したIS・・・すげぇな」
「あぁ。さすがはボーデヴィッヒ少佐の師匠だ。戦うだけではなく技術でも凌駕している」
「そうだな。しかしそれをすぐに扱えるお前も凄いと思うが?」
「そ、それは当然だ。すぐに適応するのが軍人だ」
「そうなのか?」
「・・・・」
輝春はどこまでが本気なのか、それとも天然なのか、それにクラリッサは悩む。
隼人はリボルビングランチャーの筒を回すと、前方のレギナに向けて放った。
放たれたランチャーはレギナに直撃してめり込み、その直後に爆発した。
「っ!」
直後に背中のアームドアーマーDEのスラスターを噴射して飛び上がると背後から飛びついてくるレギナをかわし、逆さの状態になってアームドアーマーDEのビームキャノンを放ってレギナを撃ち抜いた。
すぐにビームマグナムを前方に向けると引き金を引いて高出力ビームを放ってレギナに直撃しなくとも掠めただけでボディーが吹き飛んで爆発する。
ちなみにBSマグナムは銃身をBSパーツと通常のものの選択式であり、BSパーツなしだと威力が上昇するがBSパーツが無いので出力調整が出来なくなってカートリッジ一発分使用することになる。
隼人はリボルビングランチャーを放ってレギナを撃ち落すと筒をパージしてリアアーマーにマウントしている新しいものを左手に持って銃身下部に装着する。
直後にビームマグナムを放ってレギナを連続で三体撃ち抜いて撃破する。
(何度も何度も襲撃して・・・一体何が目的で!)
頭部バルカンを放ってレギナを牽制してビームマグナムを放ち、レギナを撃ち抜く。
直後に背後よりビームファンを持ってレギナが接近してくるも、すぐに後ろを向いて左腕のビームトンファーを展開してビーム刃で受け止める。
そのままレギナを蹴り飛ばしてビームマグナムを至近距離で放ってレギナを粉砕する。
すぐにリアアーマーにマウントしているマグナムのマガジンを手にしてビームマグナムに装填する。
「っ!」
背後より接近するものを感じ取り、とっさにスラスター全開で飛び上がるとさっきまで居た場所を何かが横切る。
「・・・・」
隼人はビームファンを持って接近してくるレギナに向けてビームマグナムを放って撃ち抜くと、体勢を立て直して横切った物を見る。
「・・・箒か」
そこには箒の紅椿のGモードであるインフィニットジャスティスがビームサーベルを持って浮かんでいる。
(ツヴァイ。すぐにこっちに来てくれ)
(そうしたい所なんですけど、バインドが私達の進路方向で攻撃して妨害して来るので、そちらに行けないんです)
(私もそこにいるんですが、かなり激しい妨害にそちらに向かえません)
(やっぱり対策に妨害してくるか。まぁ分かってはいた事だ。なるべく早く来てくれ)
(はいです!)
(私もすぐに向かいます)
(あぁ)
(さてと・・・)
隼人はリアアーマーの左側にビームマグナムをマウントし、左腕のサーベルラックより柄を出して右手に持って抜き放つと先端部よりビーム刃を出す。
「・・・・」
すると箒は一気に飛び出すとビームサーベルを振るうも、隼人もビームサーベルを振るって刃を交えた。
そのまま両者は弾かれるように離れると箒は背中にマウントしているリフターのキャノンを放つも、隼人はビームサーベルを振るってビームを切り裂く。
隼人は一気にスラスターを噴射して飛び出すとビームサーベルを振るうも箒は左腕のシールドにリフレクターを展開して斬撃を受け止める。
直後に右足にビーム刃を出して振り上げてくるも、隼人は身体を反らしてかわすと、そのままインフィニットジャスティスに蹴りを入れて吹き飛ばす。
そのまま宙返りのようにして体勢を立て直すとスラスターを噴射して飛び出すとビームサーベルを振るうも、箒はシールドよりビームサーベルを出して斬撃を受け止める。
箒はそのまま隼人を押し返すとシールドよりアンカーを射出し右腕の付け根を挟み込む。
「っ!」
そのまま箒はアンカーを引っ張って隼人を引き寄せる。
直後に隼人は頭部バルカンを放ってインフィニットジャスティスに弾丸をぶつける。
しかしフェイズシフト装甲を持つインフィニットジャスティスに実弾攻撃はほぼ無効化される。なので今回グラディウスを使わずビームサーベルで戦っているのだ。
・・・だが、気を逸らすのには十分なものだ。
隼人は右腕のビームトンファーを展開してビーム刃を出し、そのまま振るってアンカーのワイヤーを切り裂く。
そのままの勢いでビームサーベルを振るうも、箒は右手のビームサーベルを振るって刃を交える。
(一筋縄じゃ行かんな。これじゃいつまでも平行線のままだ)
隼人は一気に後退して箒と距離を置く。
(とか言ってデストロイモードを使うわけにはいかん)
ビームトンファーを戻すと、インフィニットジャスティスを見る。
「・・・?」
すると隼人は何かを感じ取る。
「うおぉぉぉぉぉっ!!」
そしてインフィニットジャスティスに向かって白式を纏った一夏が雪片零式を振るって来た。
箒はそれに気付くとビームサーベルを振るって刃を交えた。
「っ!?」
隼人は一夏が現れたことに驚く。
「一夏!?なぜ来たんだ!いやそれ以前にどうやって白式のロックを解除したんだ!?」
一夏の行動を予測して白式には起動ロックを掛けていた。隼人以外に解除は出来ないものだったのに関わらず、現に目の前で一夏は白式を起動させてここに来た。
「よくは分からない。白式に触れたら勝手にロックを解除したぞ」
「な、何?」
隼人はそれを聞いて驚く。
「それより、箒は任せてくれ!」
一夏は箒を押し返すと零式の刀身を展開してエネルギー刃を出して形成し、勢いよく振るう。
しかし箒はシールドのリフレクターで受け止めると、直後に右手のビームサーベルを振り上げるも一夏はとっさに後退して斬撃をかわす。
「くっ!」
すぐに再度飛び出して雪片零式を振るう。
(白式が自らロックを解除した・・・だと・・・?)
隼人は俄かに信じ難かった。
確かに隼人が白式にロックを掛けた。そのロックは隼人以外には解除できない。しかしそれは外側からの場合で、IS側からは普通に解除できる。
しかしそれはありえない事だ。なぜなら、それはIS自らがそのロックを外しているという事になる。ISにはそこまで明確な意思は無い。
(白式・・・お前はまともに戦える状態じゃ無いんだぞ。なのに――――)
隼人は白式の動きを見る。
第二形態移行時に発現した複合兵装不知火は損失している上にデストロイモードへの移行も出来ない。一部の機能にまだ障害が残っている。完全なポテンシャルを発揮できない上に剣一本でしか戦えない。
本来であればこんな状態でまともに闘えるはずが無いのだ。しかし、一夏と白式はそれを覆して戦っている。GモードのISを相手にしながら・・・
(なぜそんな動きが出来る。今の白式の状態でそんな激しい動きは出来ないはず・・・いや、それとも、一夏の想いで変化があるのか・・・)
見続けると明らかに白式の動きと反応が鈍い。あのままじゃいつオーバーロードを起こすか分からない状態だ。それでも白式は一夏の動きについてきている。
一夏の為に必死に付いて行って・・・
(一夏の想いに白式が応えているのか。状態が悪く、下手すれば自己崩壊を起こすって言うのに・・・一夏の必死な想いを叶えようとして)
それは白式に明確な意思が芽生え出しているという証拠である。現に自ら隼人が掛けたロックを解除しているのだ。
「だが、何であってもあいつだけを戦わせるわけには!」
隼人はとっさに一夏の元に向かおうとするが、直後に首に何かが挟み込まれた。
「がっ!?」
いきなりの事に隼人は一瞬理解できなかったが、直後にバンシィ・ノルンの首から徐々に黒い鉤爪が現れて来て、背後に一体のISが現れる。
「・・・ゴールドフレーム・・・天・・・・・・楯無さん、か」
そこには隼人が作り上げて楯無に渡したゴールドフレーム天がおり、マグノクイチをバンシィ・ノルンの首に挟んでいた。
「ちっ!」
隼人は右手のビームサーベルを振るおうとするが、直後にゴールドフレーム天は鉤爪部より電流に似たエネルギーを放った。
「ぐっ・・・!?」
それによってバンシィ・ノルンよりエネルギーが放出される。同時に隼人のエネルギーも放出されている。
隼人は薄れる意識の中で何とか左手を鉤爪に伸ばそうとするが、力が入らなくなって左腕はそのまま垂れ、ビームサーベルの光も消える。
「くっ!」
一夏は箒に押し返されるも何とかウイングスラスターを噴射し体勢を立て直す。
しかし直後に箒が飛び出て来て、ビームサーベルを振るって来たが、一夏はすぐに雪片零式を振るって刃を交える。
一夏は何とか斬撃を受け流して箒とすれ違うと、すぐに方向転換して雪片零式を振るうも、箒は左足のビームブレイドを振るい刃を交える。
「くぅ!」
そのまま後ろに下がって雪片零式のカートリッジをリロードして鍔を横に広げて三本分の幅を持ち長い刀身を出す。
勢いよく雪片零式を振るって飛び出すも、箒は左腕のシールドにリフレクターを張って斬撃を受け止めるとそのまま押し返し、ビームサーベルを振り上げて左側の非固定ユニットのウイングスラスターを切り裂いた。
「っ!」
一夏は何とか体勢を保って残りのウイングスラスターで箒から離れるとカートリッジをリロードし、刀身の輝きが増し、勢いよく回って雪片零式を振るい、光波を放った。
箒はシールドを前に出すが、光波にぶつかるとリフレクターを消してそのままシールドを破壊して箒を吹き飛ばす。
「どうだ!」
一夏は雪片零式を両手で持つが、インフィニットジャスティスはすぐに体勢を立て直した。
するとインフィニットジャスティスから薄く金色の光が放たれてすぐに収まる。
(絢爛舞踏・・・くっ!)
一夏はとっさに動こうとするも、白式は各所より放電されて動きが鈍る。
「っ!?」
《駆動系に障害発生。出力低下及びエネルギー漏出。残量十五パーセント》
(こんな時に!?)
一夏の動きについてきたものも、遂に白式は限界を超えた。
その瞬間箒は一気に飛び出すとビームサーベルを振るってきて、一夏は雪片零式振るうもそのまま押し返された。
直後に左手にリアアーマーにマウントしているビームライフルを手にして背中のキャノンと併用してビームを放った。
「っ!」
一夏はとっさに雪片零式を前に出して刀身の腹で受け止めようとするが、ビームが刀身の腹に直撃して刀身が砕け散った。
「があぁぁぁぁぁぁ!!!」
一夏はその衝撃で勢いよく吹き飛ばされ、海へと落ちた。
「い、一・・・夏・・・」
海へと落ちた一夏に何とか右腕を伸ばそうとするが、エネルギーの殆どを放出された為に力が入らなかった。
ゴールドフレーム天はマグノクイチを外すと背中に回し、隼人は補助エネルギーでようやく浮いていられた。
そして右腕のトリケロス改を隼人に向けた。
「くっ・・・」
『やらせん!』
と、リインフォースが機体周囲に出した誘導エネルギー弾『アルテミス』を放ち、ゴールドフレーム天はそれに気付いてとっさに隼人より離れ、トリケロス改のビームライフルを放ってアルテミスを撃ち落とす。
そうしてリインフォースは一気に飛び出すとフラフラと落ちる隼人をお姫様抱っこの要領で抱き止める。
『大丈夫ですか!?』
「あ、あぁ。何とか・・・な。だ、だが・・・身体に・・・力が入らない」
『・・・・』
リインフォースはすぐにバンシィ・ノルンのエネルギーがあまり残ってない事に気付く。
『っ!』
すぐにレギナ五体が背中よりバインダーライフルを放ってきてリインフォースは四枚の羽を羽ばたかせて回避し、翼より赤い羽根を放ってレギナを撃ち落す。
「リインフォース。俺の事はいい。早く一夏の所に・・・」
『ですが、まともに動けない隼人を置いてなんてできません!』
しかし隼人を抱えている以上リインフォースは動きづらくなる。両腕が使えない以上背中の翼による攻撃とアルテミスでしか攻撃できない。
「・・・俺からの命令だぞ」
『それだけは・・・聞けません!』
リインフォースはレギナの砲撃をかわしていく。
『織斑の所には向かいます。ですがあなたを置いていく事はできません。それが命令とあっても』
「リインフォース・・・」
直後に翼を前のほうに思いっきり羽ばたかせて衝撃波を放ち、レギナを吹き飛ばす。
「・・・ツヴァイは・・・どうしたんだ?」
『ツヴァイは篠ノ乃の所に向かいました。しかし目の前で敵の妨害にあって接近すらままなりません』
「そうか・・・だが、もうサイコジャックする力も無い。それに補給に戻れそうに無い」
『・・・・』
「万策尽きたって感じだな。まぁ、その通りだが・・・」
『・・・・』」
「一気にけりをつけたいが、ユニゾンしても戦える力も無いな」
『隼人・・・・・・!』
リインフォースは接近してくるゴールドフレーム天に気付いて両肩のマシンキャノンのカバーを上げて弾丸を連射して牽制する。
「だが、まだ方法はある」
『隼人?』
「俺にもう戦うだけの力は無い。だが、お前はここに居る」
『・・・・?』
「お前が俺にユニゾンできるのなら、その逆だって出来るはずだ」
『っ!?』
リインフォースは驚く。
『し、しかし!?』
「・・・可能なんだろ。逆ユニゾンが」
『・・・確かに理論上可能です。しかしそれはあくまで最終的な手段であって、あなたが私にユニゾンしたら体力を大幅に消耗するんですよ!?そんな事になったらどうなるか・・・』
「上等だ。多少のリスクは覚悟の上だ」
『ですが・・・下手をしたら私は隼人を取り込んでしまう。そうなったら二度と私からは・・・』
「心配するな」
隼人は何とか僅かに回復した体力で左腕を上げ、ブラックウイングの右の頬辺りに手を添える。
「俺は・・・お前を信じる」
『隼人・・・』
「お前も・・・俺を信じろ」
『・・・・』
「・・・お前に・・・全てを託す」
『・・・・』
リインフォースは俯いて気持ちを整える。
『・・・分かりました。私も・・・あなたを信じます』
「それでいい」
隼人は左手でリインフォースの右手を握る。
『「ユニゾン・・・インッ!!」』
すると握り合った手より光が放たれてそのまま二人を包み込んだ。
『・・・これは』
そのまま光が縮まると一つの形を作り出し、直後に弾け飛んだ。
そこにはバンシィと同じ形があったが、色や若干形状が違った。
黒であった色は白くなっており、金であった色は銀に変わっていた。言うなれば以前隼人の前に現れた白いバンシィのようなカラーリングであった。しかしバンシィ・ノルン同様アームドアーマーXCを搭載し、そこにアームドアーマーDEを装備したシールドをマウントしていた。左腕にはアームドアーマーVNを装備していた。
『言っただろ。俺を信じろとな』
と、リインフォースの中で隼人が言う。
『はい』
『サイコジャックが使えるが、サポートは殆ど出来ないかも知れない。だが、お前なら一人でも大丈夫だろう』
『もちろんです、隼人』
『それと、こいつはエクセリオン・ゼロのもう一つの姿・・・そしてお前が主事の機体』
『・・・・』
『だから・・・こいつの名は「アナザー・ゼロ」だ』
『アナザー・ゼロ・・・』
『・・・頼むぞ』
『はい!隼人!』
そうしてリインフォースはスラスターを噴射して飛び出すと、一気に飛び出した。
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!