No.555562

超次元ゲイムネプテューヌmk2+ex ほのぼのぶらっくふぇいと

本編ではやたら仲が悪くしかもしょっちゅう命のやりとりをしているBFメンバー、これが普通に平和に暮らしてたらどうなるかなーと思って書いてみたらこうなってしまった。後悔はしている。反省もしている。

2013-03-15 23:53:54 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:821   閲覧ユーザー数:772

~別次元 ゲイムギョウ界 プラネテューヌ プラネタワー~

「はぁ、はぁ、はぁ…!」

 

プラネタワーの永い廊下を一人の少女が息を切らしながら走る。

その表情は必死というほかなく誰も邪魔はさせないような勢いで走り続ける。

少し顔を上げ、何かを確認した後スパートをかけ加速した。そして少し飛び両足を付けて着地と同時にブレーキをかけ、数mかけて少女は止まる。

静止した少女の眼前には一つの扉。近代的な廊下には合わない無骨な樹木製の扉。

ギィ、扉は音を立てて開いた。少女が手を触れず勝手にだ。意を決し、少女は扉をくぐり部屋に入る。

 

部屋は暗く、扉と同じく前時代的な雰囲気を漂わせている。そっと少女は歩を進めた。少し歩けば、すぐに最奥に着いた。

少女がライトを手に取り目の前を照らす。そこには、最低限しか肌にまとわないほぼ裸姿の紫髪の少女が四肢を鎖に繋がれ壁に固定されている。

少女が口を開こうとした途端、固定されている人物がゆっくりと目を開いた。

それは少女をじっと見つめている。鎖が解かれ、それが地に付いたと同時に口を開いた。

 

「こんばんは、末妹」

「おはようです、サーダナさん」

 

 

時刻は朝。二人の少女が廊下を並んで歩いている。

一人は先ほど走っていた少女。名はネプギア。またの名をリーラシスター。

もう一人は壁に磔にされていた少女。名はサーダナ、またの名をリーラハート。

先ほどのあれは単にネプギアがサーダナを起こしに来ていただけである。なんのことはない、最早日常だ。何故普通にベッドで寝ないのかとサーダナどころか教会のほぼ全員が謎に思っているがサーダナの答えは一貫して「このほうが慣れている」だけ。

慣れという問題ではないはずなのだが、本人はどこ吹く風、ちっとも直す気はなかった。

 

謁見の間には既に一人の本と二人の女神が端末を前にしていた。

本の名はイストワール。プラネテューヌの教祖であり全ての女神のお目付け役である。

バイザーを付け長い髪をみつあみに纏めた少女の名はキャストリーム。このプラネテューヌの前代女神、ヴィオラハートである。

そして、この国に存在する女神四人の中で現在最も大人びて見える少女…というより女性ともいえる風貌をした女神。

プラネテューヌ現代女神、ネプテューヌことパープルハートである。

 

「おはようネプギア、サーダナ」

「……おはよ」

「おはようございます、ネプギアさん。サーダナさん」

 

ネプテューヌ、キャストリーム、イストワールの順に二人に挨拶する。

それぞれの性格が出た挨拶に三人にネプギアは苦笑する。

 

「おはようございますお姉ちゃん、キャストリームさん、いーすんさん。…なんで女神化してるんですか?」

「こいつの監視。女神化したこいつを抑えるには女神化しないとどうにもなんないし」

「流石にこの姿になってまで逃亡はしませんよキャストリーム様…」

「はて、少し前ジェットコースターに乗りたいがために女神化した奴がどこかにいなかったか」

「うぐっ」

 

キャストリームとサーダナの追求に呻き声を出したネプテューヌ。人間形態時の彼女と女神化時の彼女の性格は正反対といえる。体格も大きく変わる。そのためか自らの行動を深く後悔することが多い。といっても戻ればまた同じことをやるのだが。

毎度毎度玩具にされる姉を見てかわいそうに思うネプギアだが自分には何も出来ないため見捨てることにしてイストワールの眼前に立った。

 

「いーすんさん、ラステイションに回線繋げますか?」

「ラステイションですか?わかりました」

 

イストワールが端末をいじり、空中に大きな画面が開かれた。

少しのノイズ画面の後、ラステイション教祖神宮寺ケイの顔が映った。

 

『こちらラステイション、ケイだ。イストワール、何か用か?』

「あ、ケイさん。ネプギアです。ユニちゃんいます?」

『ユニかい?少しま『だから!やっぱたけのこの里が一番だって!』……』

 

ケイの後ろからなにやらにぎやかな声が聞こえだし、ケイの表情が凍った。

ギリギリと後ろを向き、ネプギア達からも後ろが確認できるほどのスキマができた。

 

『あんたはなんっもわかってないわね!たけのこは散らかるし、何より味が悪い!キノコが優れている証拠よ!』

『わかってねぇのはテメェだろうが!タケノコはあのビスケット感とチョコのサクサクが美味いんだ、きのこみてぇにクッソ微妙なチョコとまずい棒とは比べ物にならねぇ!』

『あ!あんたキノコのチョコをDISったわね!もう頭に来たわ表出なさい!』

『ああ上等だ先日テレビでタケノコが完全勝利したのを認めない残党に現実を教えてやんよ!』

 

「「「「「…………」」」」」

 

プラネテューヌ一同、絶句。

ラステイションの画面の向こうで言い争いをしている二人。片方は現代のラステイション女神、ノワールことブラックハート。もう一人はラステイションで傭兵を営んでいる人間。ノワールの(色んな意味で)悪友のフロムだった。

割と小さいことから喧嘩する二人だがまさかお菓子の優劣で喧嘩しているとは誰も思わなかった。

なおプラネテューヌ教会内では満場一致でコアラのマーチがトップである。

 

「ケイさん、あの二人は…」

『もう、そっとしておこう。それがいい』

「あ、ケイさん。ユニちゃんにお昼頃そっちに行くって伝えてください」

『了解したよ。それじゃあ、通信を終了する』

 

ブツッ、という音とともに画面が消える。

壮絶(?)な争いを前に、女神四人は見事に言葉を失っていた。

 

「ラステイションは大変ですね」

 

イストワールの言葉に全員が頷いた。そして同時に思った。

人間と女神は似たようで全く違う種族、完全に分かり合うことはできないのかもしれないと。

どう考えても関係ない哲学じみた考えを持ちながら、四人は仕事に戻った。

 

何のことはない、喧嘩はしても殺し合いはしない。

言い争いはしても武器は抜かない。

 

そんな本当は平和な、少し変わったゲイムギョウ界のおはなし。

 


 
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