No.549563

ALO~閃光の妖精姫~ 第24魔 VSウンディーネ部隊

本郷 刃さん

第24魔です。
戦闘ですがそれほど大したものにはなりません、圧倒しちゃいますからw

どうぞ・・・。

2013-02-28 09:56:44 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:11262   閲覧ユーザー数:10371

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第24魔 VSウンディーネ部隊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスナSide

 

ユイちゃんのパーティー接近報告を受けて数秒後、

10m程離れたところに水の膜のようなものが現れてから弾けると、そこに1人の男性プレイヤーが現れた。

その後方にも次々と現れる、ウンディーネだ。

間違い無く邪神狩りを目的としたパーティーのはずだ。

 

「ユイちゃん、わたしのポケットの中に…」

 

「は、はい…」

 

わたしは何が起こっても対応出来るように、ユイちゃんを胸ポケットの中に入らせた。

 

「アンタら、その邪神を狩らないのか? 狩らないなら離れてくれ、範囲攻撃に巻き込んでしまうからな」

 

警告をしてきたのは最初に現れた男で、レザーアーマーを身に包み、肩に小型の弓を掛けている。

斥候(スカウト)タイプのようだ。

 

「別に狩りはしないが、コイツに用事があるんだ。悪いけどそれは出来ないね」

 

「おいおい…下級の狩場ならまだしも、このフィールドではそんな理屈は許されないことくらい、

 ここに来られたなら解るだろう?」

 

ハクヤ君の言葉にスカウトの男は苦笑しながら答える。

 

「……だが、コイツを狩らねばならないというわけでもないだろう?」

 

「そうですね。別にはぐれ邪神ならこの近くにもいますし」

 

「っ、それはそうだが…。眠っているならばチャンスだ、狩らないのなら俺達が狩っても構わないはずだ」

 

ハジメ君とヴァル君の指摘に少し動揺を見せて話すスカウト。

 

「言ったっすよね? ボク達は用事があるって、起きるのを待っているんすよ」

 

「なっ!? 起きてしまったら攻撃を受けるだけだろう!」

 

「攻撃されなかったから、あたし達はこの邪神の傍にいるのよ」

 

「バカな、そんなことがあるはずがない」

 

ルナリオ君に対して言い返すも、リーファちゃんの一言を聞いてすぐに吐き捨てた。

 

「ですがわたし達がこの邪神に目を掛けていたのは事実です。

 それを後から来た貴方達が譲れというのも筋違いじゃないですか?」

 

「ぐっ、それは…」

 

わたしの言葉に男は言い返すことも出来ないようだ。しかし…、

 

「このままじゃあ埒が明かない、10秒待ってやるからそいつから離れてくれ。

 経っても離れなかったらアンタらが見えないことにする」

 

脅すようにそう言ってきた。リーファちゃんは少し怯んだ様子を見せたけれど、わたし達にとってはそうでもない。

ならわたしはこう言い返そう。

 

「それならわたしも10秒待ちますから、貴方達は撤退してください。

 時間が経過しても攻撃を行うというのなら、わたし達は邪神と共に貴方達を迎撃します」

 

「「「「「なっ!?」」」」」

 

わたしの宣言にウンディーネのパーティーは驚愕している。

その間にわたし達は各自の武器を抜き放って臨戦態勢を取った。

 

「くっ、どうせハッタリだろう! メイジ隊、支援魔法(パフ)開始!」

 

「リーファちゃん、ルナリオ君、支援魔法をお願い」

 

「「はい(っす)」」

 

スカウトの指示に相手のメイジ達がステータス増強の魔法を掛けていく。

わたしはリーファちゃんとルナリオ君に簡単なものでいいから支援魔法を頼んだ。

 

「アスナ、戦士達は俺達に任せろ。アスナとリーファちゃんはメイジ達を頼む。

 トンキーを狙うというなら戦士達は厄介だからな」

 

「そうだね、お願い」

 

「ああ。それと、トンキーへのある程度の魔法は無視してもいいと思う。アイツは邪神だ、HPの高さは信頼できる」

 

ハクヤ君の言うように戦士達はお願いしよう。

わたしもリーファちゃんも速さには自身がある方だから、メイジを倒すにはもってこいだし、

トンキーのHPなら少しくらいのダメージは大丈夫なはず。

 

「「10……9……8……7……」」

 

重なるわたしとスカウトの声、両陣営の全員が戦闘体勢を取る。

 

「「6……5……4……3……2……」」

 

あと僅か、誰かの息を呑む音が聞こえた。

 

「「1……0!」」

 

「攻撃、か「「「「っ、はあぁぁぁぁぁっ!」」」」なっ!?」

 

カウントの終了で攻撃宣言を行おうとしたスカウトの声を遮るように起こった咆哮と覇気の展開、ハクヤ君達である。

受けたことも無い威圧感を受けたウンディーネ達は一様に動きを止めてしまい、

その隙を突いてハクヤ君達が1人の重装戦士を4人で同時に攻撃し、葬った。

 

「この程度で隙を見せないでほしいっすね!」

 

「一瞬で終わらせてしまいますから!」

 

「抵抗、してくれよ!」

 

「……斬滅する!」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

ルナリオ君、ヴァル君、ハクヤ君、ハジメ君の威圧が篭った言葉にさらに怯むウンディーネ達。

 

「わたし達も行くよ、リーファちゃん!」

 

「はっ、はい!」

 

わたしは『クロッシングライト』を握りしめ、リーファちゃんも長刀を手にして部隊へと突っ込んだ。

ハクヤ君達の攻撃によって隊列を乱された相手はわたしとリーファちゃんに対応出来ず、

瞬時にメイジ部隊と弓部隊の元に辿り着いた。

防御力の低いメイジはわたし達の敵ではなく、斬られたメイジ達は次々とポリゴン化して青い炎を残していく。

 

「く、くそぉ!」

 

「甘い!」

 

至近距離で攻撃魔法を放たれたものの、わたしはキリトくん直伝のステップで回避し、そのまま斬り裂いた。

 

「同じ種族なのに、なんで!」

 

「お互いに譲れないモノがあるからです!」

 

さらに弓を持っていた者を連続で突き刺し、HPを0にさせる。

レネゲイドと判定されているわたしなので余計に関係無いけれど。

 

「戦士部隊、掩護を!」

 

「む、無理です!? コイツら、強すぎる!?」

 

「ハァッ!」

 

スカウトが重装戦士に指示を出すがハクヤ君が『コロナリッパー』で斬り掛かり、行動に移れないようだ。

他の戦士達もルナリオ君とヴァル君とハジメ君相手に戦闘しており、やられていく。

その間にわたしとリーファちゃんによってメイジ部隊はほぼ壊滅している。

 

「ふぅっ!」

 

「ぐあっ!?」

 

ルナリオ君の『ヴェンダイヤ』による強力な一撃で、また1人戦士がやられる。その時、

 

「喰らえ!」

 

「っ!?」

 

残っていた2人のメイジが強力な火球の魔法を放ち、わたしはそれを回避した。

だが火球はそのまま直線に進み、ハクヤ君達と戦士部隊に向かい…、

 

「「「「「っく!?」」」」」

 

全員がそれに気が付き後退した。そして火球は…、

 

―――ドガアァァァァァンッ!!!

 

「トンキーッ!」

 

眠っているであろうトンキーへと直撃し、リーファちゃんが悲鳴のような声を上げた。

けれどHP自体はそれほど減ってはいない。わたし達は警戒を解かずにトンキーの様子を見守った…すると、

 

―――ひゅるるるるるぅぅぅぅぅっ!!!

 

トンキーの高らかな鳴き声が響き渡った。丸まっていたトンキーの体に罅が入りはじめ、見る見ると大きくなる。

そして全ての罅が繋がるとその間から純白の光が漏れ出し、光がウンディーネ部隊を包み込んだ。

すると何が起こったのか、彼らが身に纏っていたオーラなどが消滅した。

 

「これ、範囲解呪能力(フィールド・ディスペル)!?」

 

「バ、バカな!?」

 

リーファちゃんが驚いたように言い、スカウトの男が叫んだ。

 

「ママ、あの光はどうやら解呪の一種のようです。支援魔法による強化を無効化しています」

 

ユイちゃんの説明に納得した。この混戦の中で強化が解けたのだ、驚くのも無理はない。

そしてトンキー胴体だった殻が吹き飛び、光の螺旋のような物が伸び、それが開いた……四対八枚の翼だ…。

 

「トンキー…」

 

呟いたわたし。他のみんなも見惚れる中、ウンディーネ達はジリジリと後退しようとしている。

トンキーの触手を思わせた肢は植物の蔓のようになっており、飛びあがった上空で羽を発光させ始めた。

 

「「アスナ(リーファ)!」」

 

ハクヤ君がわたしを、ルナリオ君がリーファちゃんの背中を押しながら雪上に倒れ伏した。

すると瞬く間に雷が降り注ぎ、大半のウンディーネに多大な被害を与えた。

 

「ぐはっ!?……く、撤退だ!」

 

スカウトはそう言うと空中に矢を連射させ、黒い煙を発生させた。

そしてウンディーネの邪神狩りパーティーは撤退していった。

 

 

 

「ふぅ~、なんとかなったね~」

 

「そうっすね、まさか脱皮するとは思わなかったっすけど」

 

「むしろ進化だろ?」

 

わたしが一息吐くと、ルナリオ君が笑いながらそう言い、ハクヤ君は苦笑した。

 

「トンキー、ありがとう!」

 

「ありがとうございます~♪」

 

「本当に助かりましたね」

 

「……最後の一撃はランダムではなかったか?」

 

リーファちゃんとユイちゃんはお礼を言っており、

ヴァル君もホッとした様子だけど、ハジメ君は冷や汗をかいたみたい。

そしてトンキーは再びわたし達を長い鼻を使って、背中に乗せて空中移動を始めた。

 

アスナSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

圧倒的な上にトンキー(飛行モード)にまで手を出せられたら、勝ち目なんてないですよね~w

 

というわけで見事にトンキーが覚醒し、勝利を収めました。

 

次回で「ヨツンヘイム編」は終了となります、ついに一行はアルンへと辿り着く。

 

それでは次回をお楽しみに・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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