3月25日…ファンガルド・プラネットポリス本部ビル。
その中央大会議室ではラミナ都市圏内にある各警察署の署長など、警視以上のクラスの警官が集まっていた…。
「…以上が、最近のゴクセイカイの動向に関するデータです」
と、ラミナ警察署の署長であるマキ・ロックウェルが言う。
ゴクセイカイは先日のK-9隊に対する殺人未遂、およびドルフィン・ベイ市内での兵器の密約、
さらにこれ以外にも麻薬の密売や他の犯罪組織との癒着など、昨今とみに目に余る暗躍振りを見せていたのである。
「…このように、ゴクセイカイの最近の動向はファンガルド星全体への明らかな挑発行為であり、許されるものではありません」
と、フュア・フランバージュが言う。
「一刻も早く、手を打つべきではないでしょうか?」
「このままやつらを野放しにしては被害が増える一方です」
口々に、他の警官が意見を述べていく中、プラネットポリス総監のアイヴィー・ヒルトンは静かに立ち上がった。
「そうね…皆さんの言うとおり。正直、私自身も内部メカが煮えくり返る思いよ。これ以上、奴らの勝手になんかさせてたまるものですか」
「確かに先週も、警察車両を襲った特攻事件が相次いでいますものね…」
静まり返る会議室。その静寂を、アイヴィーが破る。
「…司法局からも、ゴクセイカイに関連する企業や団体への強制捜査に関して許可が出ているわ。所長さん方は各署に対ゴクセイカイへの取り締まり強化の旨を展開してください。それと、マキ署長」
「はい、何でしょうか総監」
「…我々本庁とラミナ警察署は合同で、ゴクセイカイの事実上の拠点となっているキクガオカ・コンストラクションカンパニーに対し強制突入を敢行します。機動3課およびK-9隊にそう伝えてちょうだい」
そう言ってアイヴィーは、マキに辞令の入った封筒を渡しさらに続けた。
「…作戦日時および内容は、追って通達します。しっかり頼むわね」
「了解しました」
辞令を受け取ったマキは、アイヴィーに敬礼したのであった。
翌朝、ラミナ警察署K-9ルームに集まった9人の前に、マキが入ってきた。
「みんなおはよう。全員そろってるわね?」
その言葉に、そろって敬礼するK-9隊一同。
「早速だけど、アイヴィー総監からの通達書よ」
と、マキが封筒を開き、中に入っていた書類を一同に見せる。
「…マジかよ…」
と漏らしたのは超 五華だった。
「確かに最近のゴクセイカイの動向には目を見張るものがあるよな…」
と、つぶやくアレクセイ・フトライミツィ。
「性懲りもなく大量破壊兵器の密売をしているみたいですしね…」
と、アレクの妻であるフィーア・天神・フトライミツィ。
「ええ。先日の会議でも、その話が出たばかりなのよ。もうこれ以上やつらをほうっておくわけには行かないって」
「…それで、本庁もついに重い腰を上げた…というわけですか」
と、K-9隊隊長のエルザ・アインリヒト。
「…でも、いきなり突入なんて大丈夫なんですか?」
「ヘタに刺激して怒らせたら大変なのね…」
と、質問する煌月陸斗とグーテ・シュタールシルトに、ウーがからかい半分で答える。
「おいおいおい、この期に及んでビビリか?オレはむしろそういうアブネエことは大歓迎だけどなwww」
すぐさまシス・セザンヌのツッコミが入る。
「……そのような考えは、汝くらいだ…」
「なっ、なんだとぉ!?」
「はいはい二人とも。今は作戦の説明中なんですから漫才は後にしてくださいね」
と、イシス・トライスター。
「まぁ、リク君とグーテさんの心配もわかるわ。下手に刺激すれば返り討ちにあう危険もあるかもしれない。でもだからといって、ゴクセイカイを野放しにしておくわけにはいかないというのが事実よ」
「…それで署長、作戦の内容はどうなってるんですか?」
と、九段下久遠が尋ねる。
「作戦は本日正午に決行。場所はキクガオカ・コンストラクション・カンパニーの本社ビルよ」
「あーあの会社か。確かにあの会社もよくない噂ばっかりでしたものね」
「キクガオカって名前でなんとなーく察しはついたけど…」
「…とにかく、本作戦は危険任務というわけで、機動3課ならびにK-9隊に出動要請が出たということよ」
K-9ルームに緊迫した空気が走る。
「…作戦内容は構成員の確保、ならびに活動記録の押収。本庁の方々も協力してくれるわ。いつでも出動できるよう準備しておくように」
「了解!」
かくして、ファンガルド・プラネットポリス対ゴクセイカイの正面対決が始まるのであった。
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大スペクタクル巨編!の予定。
■出演
K-9隊の皆さん
マキ署長:http://www.tinami.com/view/388852
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