episode121 『ノルン』『エクセリオン』『アサルトDⅡ』
「な、何が起きたんだ!?」
トルネードは目の前の出来事に驚きを隠せなかった。
視界には白き一角獣と黒獅子が二体いた。
「それにこの反応・・・まさか!?」
「ゼロ・・・」
バインドから離れたシノンは驚きを隠せずに呆然と見ていた。
「ユニコーンだけじゃなく・・・バンシィが・・・二体・・・?」
バンシィが二体に分裂している事に戸惑っていた。
「これが・・・俺の本来の力・・・」
隼人は新たな感覚を感じながら深くゆっくりと息を吐く。
纏っているのは確かにバンシィであるが、何かが違っていた。
姿こそはバンシィのユニコーンモードであるが、右手にはビームマグナムをベースにアームドアーマーBSを銃身として持つ新武装『BSマグナム』を持ち、銃身下部には四つの穴を持つ筒状のユニット『リボルビングランチャー』を搭載していた。左腕にはシールドに『アームドアーマーDE』を装着した増強シールドを持っており、背中には増加ユニットとして羽のような形状を持つ『アームドアーマーXC』を搭載していた。
(『バンシィ・ノルン』・・・俺が本当に求めていたバンシィの完成形か)
隼人は新たなる姿となったバンシィを見る。
「『ユニコーン・エクセリオン』・・・形成完了。『エクサランスカノン』『ブラスタービット』『フォートレス』異常無し・・・サイコフレーム及び全システムオールグリーン。火器管制AI『レイジングハート』起動」
《Stand by ready,set up.》
バンシィ・ノルンの右斜め後ろにはユニコーンが居たがさっきと形状が違う。
基本形状こそユニコーンとほぼ同じだが、両サイドアーマーには左右非対称のバインダーが新規に装備され、カラーも青と黒が追加されて、両腕に青や黒などのカラーが追加されていた。左腕にはユニコーンの専用装備であるエクサランスカノンが装備されていたが、新たに後部にコンテナが追加して搭載されており、右腕にはビームキャノンを搭載したシールドを持っていた。
ユニコーンの意思が実体化し第二形態移行して誕生した『ユニコーン・エクセリオン』である。
「『バンシィ・アサルトDⅡ』・・・形成完了。『ライオットブレード』『ハーケンサイス』『ライオットザンバー』異常無し。サイコフレーム及び全システムオールグリーン。火器管制AI『バルディッシュ』起動」
《get set》
そしてユニコーン・エクセリオンの隣にはもう一体のバンシィが居た。
基本形状とカラーリングこそバンシィ・ノルンとほぼ同じであったが、襟元に爪の意匠が無いなど、頭部を除けばユニコーンとほぼ同じ形状をしていた。カラーリングも各所のピンポイントに赤や白が追加されており、左腕の前腕だけが銀色に変更されていた。両手には黄色いエネルギーで形成された刀身を持つ『ライオットブレード』を持っていた。
バンシィの意思が実体化してバンシィより誕生した『バンシィ・アサルトDⅡ』である。ちなみに『D』は『ダブル』の意。
「バンシィ、ユニコーン・・・いけるな?」
「問題無いよ」
「いつでも」
と、バンシィとユニコーンは装甲を展開してデストロイモードになる。
「よし。行くぞ!」
そうして三体のユニコーンはバインドたちへと向かって飛んでいった。
「くっ!」
トルネードとバインド達は四散して攻撃をするが、隼人達は攻撃をかわしていくとそれぞれ三方向に散る。
「てめぇ何をしやがったんだ!?」
トルネードはビームライフルを放つが隼人はさっきよりも素早い動きでビームをかわしていく。
直後にエンプラスがビームマシンガンを放ってくるが、隼人はアームドアーマーDEを展開して防ぐと、背中のアームドアーマーXCにシールドごとマウントして後部の推進器を展開して飛び出した。
「何も・・・してないさ!」
隼人はBSマグナムをトルネードに向けてトリガーを引くとフィンの間にビーム磁場が発生して強力なビームが放たれた。
「っ!」
トルネードはとっさにかわすと後ろに居たエンプレスが張っていたフィールドを貫いてビームが本体も貫いて撃破された。
「馬鹿な!?フィールドをビームで貫くだと!?」
その光景を見てトルネードは驚く。
するとBSマグナムからはカートリッジが排出されなかった。
BSマグナムはカートリッジ半分のエネルギーで撃つ事ができ、その半分だけでもビームマグナムの二倍の威力を誇る。
つまり威力が向上した上に装弾数も上がっている。
「凄い・・・」
隼人はBSマグナムの威力に呟いた。
「それで何もしてないだぁ!?惚けんな!!」
トルネードは胸部より拡散ビームを放つが、隼人は弾幕の間を避けていくと頭部バルカンを放つもトルネードはとっさにスラスターを噴射してかわした。
バインドがロングライフルをユニコーンに向けて放ってくるが、ユニコーンはビームをかわしていくと右腕のシールド先端を向けてビームを放って牽制する。
それでバインドの動きを撹乱したら左腕のエクサランスカノンを向けて最初から開いているバレルより高出力ビームを放ってバインドを撃ち抜いた。
「っ!」
ユニコーンはバインドが右腕より射出した赤く光るワイヤーをスラスターを噴射してかわすとエクサランスカノンを振るってバレルの刃で切り裂く。
そしてエクサランスカノンを放ってバインドを撃ち抜いた。
「ブラスタービット展開!」
《All light》
するとユニコーンの周囲に四基のブラスタービットが展開されてバインドに向けてビームを放つ。
バインドは回避するも次々とブラスタービットとエクサランスカノンに撃ち抜かれて撃破された。
更にエクサランスカノン後部のコンテナを展開するとそこからミサイルを放って残ったバインド三体に直撃させて撃破した。
「はあぁぁぁぁぁぁぁ!!」
バンシィは右手のライオットブレードを振るってバインドの一体を切り裂いた。
すると背後より一体のバインドがビームソードを振り被って迫ってくるも、バンシィは左手のライオットブレードを逆手持ちにして左脇より後ろに突き出してバインドに突き刺すとすぐに飛び出した。
「っ!」
バンシィはバインドが射出したワイヤーをライオットブレードを振るって切り裂くとスラスターを噴射して飛び出すとその後ろにいたバインドを真っ二つに切り裂いた。
直後にバインドの一体がロングライフルを放ってくるもライオットブレードを振るってビームを切り裂き、ライオットブレードを二つ横に繋ぎ合わせると鍔の形状が変化し、黄色いエネルギーの刀身が伸びて大剣のように巨大な刀身を形成した。
《Sonic move》
するとバンシィは瞬間加速よりも速い速度で飛び出してライオットザンバーを振るってバインド三機の横を通り過ぎた瞬間にバインドは真っ二つに切り裂かれて爆発した。
「はあぁぁぁっ!!」
そして直角に曲がって最後の一体の方に飛び出すとライオットザンバーを振り下ろしてバインドを切り裂いた。
「ば、馬鹿な!?十二機もいた俺の部隊が・・・全滅!?二分も経たずに!?」
トルネードは目の前の事が信じられなかった。
すると隼人はスラスターを噴射して飛び出すと左腕のビームトンファーを展開してビーム刃を出して振るう。
「っ!」
トルネードはとっさに後ろに飛んで攻撃をかわすとビームサーベルを左手に出して斬撃を受け止める。
しかし隼人はバンシィのパワーで押し飛ばした。
「なんてパワーだ!?」
トルネードはとっさに体勢を立て直すが、隼人はBSマグナムを放ち、ようやく空になった一個のカートリッジを排出する。
「っ!?」
トルネードはとっさにかわそうとするが、ビームは右腕を飲み込んで爆発する。
「があぁっ!?」
それによってバランスを崩して墜落する。
隼人はBSマグナムの銃身下部のリボルビングランチャーをトルネードに向けてミサイルを放つ。
「くっ!」
トルネードはとっさに胸部の拡散ビームを放ってミサイルを撃ち落すが、直後に隼人がスラスターを噴射して飛び出てくると飛び蹴りを入れる。
「っ!」
トルネードはなんとか体勢を立て直して飛び出すも、隼人は背中のマウントしたアームドアーマーDEのビームキャノンを放ってトルネードに直撃させる。
「馬鹿な・・・俺は・・・精鋭部隊の一人――――」
「・・・・」
隼人は一気に飛び出すとビームトンファーを振るってトルネードの両脚を切り裂くと、すぐに後ろを向きBSマグナムを放ってトルネードを撃ち抜いた。
「トルネード様何だぞぉぉぉぉぉ!!」
そしてトルネードは断末魔を上げて爆散した。
「だからなんだ」
隼人はBSマグナムを肩に担ぐ。
「どうであっても、バインドは殲滅する。例外は一つも無い」
隼人はトルネードが爆発した場所を見る。
「敵である以上・・・仲間達の脅威になるのなら」
全身装甲であるので隼人の表情は見えないが、その瞳には決意が現れていた。
「神々が俺を切り札とするのなら、俺を利用すると言うのなら、とことん付き合ってやるよ」
するとバンシィ・ノルンの装甲に金色の光がライン状に走る。
「この世界の守護者としてな」
ユニコーンとバンシィが隼人に近付くと、隼人は空を見上げる。
(愛する者を守るために・・・)
そうして離れていたシノンが三人と合流した。
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!