「目標は？」

と女性が

「予定通り駅に向かっている」

と傍に居た男性が

「そう」

満足したように誰かが見れば大人でさえ泣いて逃げ出したくなる暗い笑いを浮かべる女性

「まずは第一フェイズね」

と言って二人の後ろに居る亀を見る

カタパルト・タートル

【遊戯王デュエルモンスターズ】のモンスターである

アニメではドーマ編で闇遊戯が自分のモンスターを射出するシーンで有名だろう

その背中のカタパルトに載っているのはどこにでもあるような鉄パイプだった

「始めるわよ」

「ああ」

「………カタパルト・タートル、射出なさい」

その言葉とともに背中のカタパルトが動き鉄パイプが射出される

その鉄パイプはある場所を目がけて一直線に飛んでゆく

「………目標の進行方向前方10cmの地面に直撃、被害者は無し」

彼らに目標とされている少年の目の前に深々と刺さる鉄パイプ

目標には外れたのに二人は笑顔である

何故か？それは………

「そう」

「ここまでは」

「ええ、ここまでは」

「「予定通り」」

その言葉から察する事ができるように元々当てるつもりはなかったのだ

「後数回続けるわよ」

「ああ、その後第二フェイズに入る」

「ええ」

その後数回間隔をばらけさせ鉄骨や土管など物を変更して射出しどれも被害ゼロで目標の近くに直撃した

な、何なんだ！？

突然目の前に鉄パイプが刺さったり鉄骨が飛んできたり意味がわからない！

目標にされている少年 佐藤 鈴木は焦っていた

明らかに異常そんな事が数回起きている

だが彼は

「っく！あのクズか！僕に嫉妬して僕を殺そうとでもしているのか！？となるとあのクズは転生者か…近うちに消すか」

などと考えていた

転生者ということ以外何一つ合っていない

自分が狙われている理由も理解していない

そんな彼に待ち受けているのは

『次は～〇〇～〇〇～』

乗っていた電車のアナウンスが流れる

そして駅に着き、電車の扉が開くと同時に手を引かれる

(？何だ？)

と考えていると掴んでいる人物が見えた

同年代くらいの女の子だった

(はぁ。僕はまた惚れさせてしまったのか)

などと考えていると

「この人痴漢です！！」

と大声で叫ぶ少女

「え？！」

掴んでいるのは自分の腕

そして

「ちょっと君、一緒に駅員室まで来てもらおうか」

と自分の肩を掴んでくる男性

抵抗できずそのまま連れて行かれる

「第二フェイズ終了」

「どうやらあの娘も帰ってきたようだ」

「たっだいま～～」

と元気に駆けてくる少女

名を新堂 恵里(しんどう えり)

彼女はこの二人と仲がいいクラスメイトである

前世で夫婦だったアイリスとクロの関係をより深めるためといいつつ楽しみながらアイリスを更にメイクアップしたり

告白されたりしている朔哉をからかったりして遊んだり

そんな悪友感覚の少女である

「佐藤君もバカだよね～。この二人の前でアクセルロッド君を馬鹿にするなんて」

「御免なさい、恵里。あんな役を押し付けちゃって。あんなのに触るのや嘘でもあんなのに痴漢された何て事をしたらクロの前に出られないからって貴方に頼むべきことじゃないわ」

と心苦しそうに謝るアイリス

「いいよ別に。リスっちのそのアクセルロッド君への愛、結構好きだからさ」

「ありがとう」

この光景、クロが見ればまず間違いなく

『アイリスにそんな親しい友達が？！嘘だっ！！！！』

と言うだろう

そんな事を考えている朔哉である

「また面白そうな事あったら誘ってね～ばいばい～」

と言って去ってゆく

「さて、第二フェイズは終わったが…」

「ええ、第三フェイズ開始ね」

と言ってまた暗い笑いを浮かべる二人

佐藤鈴木、彼の終了まで―――――――――

―――――――――この計画は終わらない

おそらく使い捨てなオリキャラ登場