ある晴れた日の昼下がり、北郷一刀は自室でのんびりとお茶を飲んでいた。
「ふう、久しぶりだな、こんなにゆっくりできたのは」
「そうなの?じゃあ、私と遊びにいこ?」
「雪蓮!いつの間に!」
「ん?一刀がお茶を飲み始めてからかな?」
控え目に扉がノックされた、ほとんどの者はようやく部屋に入る時にノックをしてくれるようになった。
「一刀?いるか?」
「いるよ、蓮華」
「かず・・・・・姉様!どうしてここに!」
「え?もちろん、一刀を遊びに誘いにきたのよ、もしかして、蓮華もそう?」
「・・・・・・・・そうです、服を選んでもらおうかと思いまして」
「そう、でも残念ね、一刀は私と出掛けるの」
「なっ!一刀はまだ返事をしていないのでしょう?なら、一刀に聞いてみましょう」
二人揃って、一刀のほうを向く。
「ふ、二人とも一緒にいいんじゃない?」
「一刀がそう言うなら仕方ないわね、行きましょ」
立ち上がり扉を出ると、左腕に雪蓮が右腕に蓮華が抱きつき、二人の双丘が一刀の腕に押し付けられ、ダイレクトにその感触を感じて、動きがぎこちなくなった。
「どうしたの?体のどこかが悪い?」
「い、いや、大丈夫、なんでもない」
「そう、なら早く行きましょ、一刀と遊びに行くの久しぶりなんだから」
「あ~!姉様達、一刀とお出かけしてる!」
「しゃ、小蓮!」
「あら、小蓮も一緒に行く?」
「いくいく~」
四人になり、そのまま町まで行こうとしたが、城門前で小蓮が駄々をこね始めた。
「私だけ、一刀と何も触れあってない!私、一刀の妃なのに!」
「何を言ってるの?一刀は私の物よ、蓮華、小蓮にも渡さないから」
そう言い、一刀の背後に回るといきなり抱き締める。
「ね、姉様!」
「あら、蓮華、やきもち?」
「・・・・・・・・そんなのではありません!ただ、胸が少し締め付けられたみたいになっただけです・・・・・」
「へぇ~蓮華も、ホントに一刀にホレてたんだ」
「そ、そんな事など!」
「じゃあ、私かシャオで遊びに行ってもいいのよね?」
意地悪そうに笑うと、そのまま、市のほうへ行こうとする」
「待ってください!わ、私・・・・・私は一刀と二人で市に行きたいんです!」
「私も、一刀と行きたい!」
「へぇ~姉妹揃って、ベタ惚れか・・・・一刀、やるわね?」
「い、いやぁ・・・・そ、それほどでも・・・・・じゃあ、行こうか」
手を指しだしたが、三人が何かを警戒したのか互いに警戒し合っている。
「姉様、ここは公平に何かの勝負をして、勝者が一刀と市に行くことにしませんか?」
三人はうなずき合うと、何が公平な勝負になるか考え始めた。
「一刀が一緒に行きたくなるような、服を着てきた者が・・・・で、どう?」
「望むところです」
「いいよ~どうせ勝つのはシャオだもんね~」
三人は、走って自分の部屋に帰って行った。
「三人とも、かわいいんだろうな・・・・」
想像していると、結構時間がたっていたらしく、小蓮が戻ってきた。
「どう?かわいいでしょ?」
「あ、あぁ・・・かわいいよ」
それは今で言うワンピースのような服で、その控え目な胸とスカイブルーの服で清楚な感じが出ていた。
「どうしたの?あぁ!もしかして、私に見とれてたんでしょ~」
図星であったが、もちろんそんなことを言えるはずなかった。
「いや、よく似合ってるよ」
「そう?よかった~一刀とお出かけするために買った服だったんだ」
「そうなの?そうならうれしいかな」
「二人とも、いい雰囲気ね?」
「お姉様!」
「雪蓮・・・・その服・・・・」
その服は大きく胸元が開かれており、いつも長い丈のチャイナドレスだがその丈も腿くらいまでしかなく、動いていると危うい所がすぐに見えそうになってしまう。
「どお?」
「う・・・・」
「ん?どうかしたの?」
「綺麗だ、綺麗だよ雪蓮」
その言葉に顔を真っ赤にしていた。
「あ、ありがとう」
「う、うん」
「一刀、待たせた・・・・・」
その場の空気を察したのか、少しむっとした表情になっていた。
「蓮華、その服・・・・」
蓮華が着てきたのは、前に一刀が
「姉様や小蓮に比べたら、見劣りするかもしれないけど」
「そんなことない!」
「え?」
「そんなことない、すごく似合ってる」
その言葉に、蓮華はこれまで見たことがないくらい、顔を真っ赤にしていた。
「で?結局、だれと行きたいの?」
「・・・・・・選べない」
「どうして?私も、お姉ちゃんもお姉様も誰を選んでも気にしないから」
「こんな、三人ともすごく魅力的なのに、だれか一人だけ選ぶなんて・・・・・・できない」
今度は三人ともが赤面し、夢見心地なのか微笑みを浮かべている。
「ごめん、だから・・・・今日は市へは行けない」
それだけ言い残し、三人を残し自分の部屋に走り去った。
そして、数刻後・・・・・・
「はぁ・・・・・あんなこと言って、三人とも怒ってないかな?」
寝台に寝ていると、意外な声が聞こえた。
「怒こるわけないじゃない」
「そうよ、それくらいで怒ってたら、一刀の体は足りないわよ」
「そうだよ~私たちみんな一刀のことが好きなんだから」
三人とも徐々に近づき、最終的に三人とも寝台にのり、危うい所が見え隠れしている。
「あ、あの・・・・三人とも?」
「あんなにうれしいこと言われて、胸がまだドキドキしてるんだから」
おもむろに手を取るとその手を豊かな胸にあてた。
「ドキドキしてるでしょ?」
「姉様!抜け駆けはダメです」
一刀の手を奪い取ると、それを自らの胸にあてた。
「ど、どう?一刀」
そのまま、夜は更けていく。
「今日は寝かさないんだから♪」
その日、結局三人を相手にし、朝起こしにきた思春に殺されそうになったのはまた別の話である
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今回は取り合いが少ないような感じではありますが、やっぱり呉だなと思っていただければうれしいです