No.542421

IS−インフィニット・ストラトス−黒獅子と駆ける者−

トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!


2013-02-10 11:22:13 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:698   閲覧ユーザー数:688

 

 

 

episode114 考えるだけ無駄

 

 

 

 

俺がナンバーズに連れて行かれて三日が経った。

 

 

 

「・・・・」

 

そんでもって、俺は少し戸惑っていた。と言うよりどうすればいいのか悩んでいた。

 

 

 

なぜなら―――――

 

 

 

 

「オリジナルと会うのは初めてだけど、こうやって話しをするのも初めてっすね」

 

「そうだな・・・」

 

目の前には胡坐を組んで座っている戦闘機人が俺に話し掛けてきていた。

 

 

 

俺はなぜか戦闘機人の話し相手になっていた。分からん・・・なぜこうなったか分からん・・・

 

 

 

(気付けばこの状況だからな・・・なんでだ?)

 

 

 

「あっ、紹介が遅れたっすね。私は№10ウェンディっす」

 

「・・・神風隼人だ」

 

頭を掻いて一応名前は言った。

 

「№10って事は末っ子か?」

 

「そうっすね。私はナンバーズで一番下っすからね」

 

「そうか・・・」

 

 

 

 

「だが、何でお前はこうやって自然に話してくるんだ。俺は敵で、捕虜なんだぞ」

 

「うーん。何でですかね」

 

ウェンディは首を傾げて悩む。

 

「何でって・・・」

 

「何ていうか・・・姉ちゃん達が言うほど、オリジナルって予想と違ったからかな」

 

「予想と違う、か。どういう予想だ?」

 

「少し恐ろしいイメージ」

 

(なんでだ?)

 

 

「まぁ関係ないっすよ。姉ちゃん達以外の人と話すのって楽しいと思ったから」

 

「ポジティブだな」

 

「そうっすね」

 

と、ウェンディーは二ッと笑う。

 

 

(何か話し易いな・・・何でだ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お初お目に掛かれますね、オリジナル」

 

「お前は・・・」

 

次に少し幼い容姿の戦闘機人が入ってきた。

 

「お噂は聞いています、オリジナル」

 

「・・・・」

 

「私は№06アインスです」

 

「・・・神風隼人だ。しかし、俺も有名人になったものだな」

 

隼人は頭を掻いた。

 

 

「あなたは我々戦闘機人の起源ですから、有名なのは当然です」

 

「・・・・」

 

「ベータ姉さんはお元気で居ますか」

 

「・・・あぁ。元気だよ」

 

「そうですか」

 

 

 

 

 

 

 

「あんたがベー姉の・・・」

 

次にさっきのアインスとほぼ同じ容姿であるが少し不機嫌そうな戦闘機人が入ってきた。

 

「さっき来たアインスとやらと似ているな」

 

「アイン姉はあたしの双子の姉ちゃんだよ」

 

「双子か。なら似ていて当然か」

 

「・・・№07のツヴァイクだ」

 

「神風隼人だ」

 

 

「・・・ベー姉は・・・元気にしてるのか」

 

「あぁ。元気でやっているよ」

 

「そっか・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「あんたがオリジナルか・・・」

 

今度は№10と少し似ている戦闘機人が入ってきた。

 

「本当にベータ姉さんそっくりだな」

 

「悪いのか?」

 

「いいや。ただ思った事を言っただけだ」

 

「・・・・」

 

「私は№08ノーヴェだ」

 

「神風隼人だ」

 

それ以降特に特徴的な会話は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

次に茶髪のロングヘアーの先をリボンで結んだ戦闘機人が入ってきた。

 

「黙ったままでいるのか?」

 

「そういうわけでは・・・」

 

「・・・・」

 

「えぇと・・・私は№09ノインです」

 

(ドイツ語で九番を意味する名前なのか・・・)

 

「御噂はかねがねと」

 

「そうか」

 

「・・・・」

 

「・・・・」

 

この後も特にこれと言った会話は無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても、どうして妹達はオリジナルに興味津々なのでしょうか」

 

「私が知るか」

 

一方モニタールームにはシスターとジアスがいた。

 

ここまで№05から№10までが隼人に話し掛けて来ている。

 

「まぁ、オリジナルもてっきり黙秘をするかと思いましたけど、妹達の話し相手ぐらいはしていますわね」

 

「・・・・」

 

「私も少し話したい所はありますが、№02の誘拐の一件がありますからまともに話そうとはしないでしょうね」

 

「ふん」

 

ジアスは別のモニターを見る。

 

 

それはクラインが眠るカプセルがある部屋の監視カメラの映像である。

 

「やはり・・・似ているな。オリジナルとクラインは」

 

「それはそうでしょうね。クライン姉さまとオリジナルの遺伝子は同じなのですから」

 

「なに?」

 

ジアスは少し驚いた表情を浮かべる。

 

「知りませんか?」

 

「初耳だ」

 

「まぁそうでしょうね。しかし、なぜクライン姉さまの遺伝子でタイプゼロが作られたかは分かりませんが」

 

「・・・・」

 

「まぁ、今は気にしなくても問題ではないでしょう」

 

「・・・・」

 

 

 

(こいつ・・・ずっと思っていたが、どうも怪しい事ばかりだ。この間の作戦でもアンノウンが現れるなど、偶然とは思えん)

 

 

 

(何を企んでいる・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・」

 

戦闘機人達と話し終えてから隼人はベッドに両手を後頭部に組んで仰向けになっていた。

 

(リアスはまだしも、どうも戦闘機人達を見るとどこかで見覚えのあるような容姿なんだよな。でも思い出せないな)

 

もう少しで思い浮かびそうになるも思い出せない。

 

 

(しかし、これからどうしたものかな)

 

深くため息を付いた。

 

(今の俺にはなす術は無い。そんな状態で脱走しても捕まるのが関の山だ)

 

外は戦闘機人が十人ほど居り、どれもISを所持している。脱走してもすぐに捕まるのがオチだ。

仮にISを持っていても十人相手はあまりにも厳しいものだ。

 

(少なくとも、待っていても救助隊が来れる場所にここがあるわけじゃない。恐らく時間もそんなに無いのだろうな)

 

 

 

 

(ならどういう手で出る?いや、方法はない)

 

 

 

 

(諦めの悪いのが俺の性分だが、この状況じゃどうする事もできない)

 

 

 

 

(それに、リインとも通信が取れない。それほど遠い場所にあるってことか)

 

 

 

 

と、頭の中で様々な考えが飛び交う。

 

 

 

(みんな・・・無事で居てくれたら良いんだがな)

 

そうして目蓋を閉じて寝た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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