No.540438

仮面ライダー 打ち砕け! 暗黒魔術師の野望 11

黄巾党との戦いが遂にはじまり、本郷の合図で
次々と黄巾党の兵士が倒されていく。
そして本郷は無数にいる黄巾党兵を叩く為、彼らを
狭い岩場まで誘導するが、敵の中にゲルショッカーの
怪人がいる事に気づかないでいた。

2013-02-05 19:58:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1260   閲覧ユーザー数:1244

トラゾウガメ 大火事作戦 (前編)

 

 

黄巾党は敵の軍を指揮すると思われる男に、驚愕していた。

 

なぜなら、その男本郷猛はこの時代には存在しないバイクに乗り、

 

仲間の軍を岩場まで誘導していたからだ。

 

(ブオオオオオオオオオン!)

 

「何だよあれ! あの男の乗ってる変なのむちゃくちゃ速ええ!」

 

「俺逹どころか、奴の仲間ですらやつについて行けてねえ!」

 

「ま、まさか奴が俺達の仲間を倒したと噂がある例の「天の御遣い」か!?」

 

「馬鹿な事をいうな! 今は奴らを追うんだ!」

 

「おおっ!」

 

黄巾党は岩場まで撤退していく義勇軍を追っていった。誘われているとも知らないで

 

奴らが岩場まで入っていると奥の方に愛紗、鈴々そしてその後ろにいる義勇軍逹が

 

ここから先は通さないと言っているかのように待っていた。が・・・

 

愛紗

「ここから先は通さん! どうしても通りたいならば、我々を倒して

からにしてもらおうか!」

 

鈴々

「かかってくるのだ黄巾党! お前達なんか鈴々達が

やっつけてやるのだ!」

 

「くっ!生意気な小娘風情がっ!やっちまえ!」

 

黄巾党は鈴々の挑発に乗り我を忘れ、一斉に突激してきた。

 

愛紗

「やああっ!」

 

鈴々

「とおおおっ!なのだ!」

 

 

愛紗、鈴々そして義勇軍は襲いかかる黄巾党達を次々と倒していった。

 

敵は押されているとも気づかず、そのまま突撃を続けた。

 

鈴々

「まだなのか!お兄ちゃん」

 

愛紗

「ご主人様!早くやって下さい!これ以上は長く持ちません」

 

愛紗達は何かを言い始める。どうやら敵をこの場所に誘い込んだのと関係

 

がありそうだ。

 

そして本郷猛の策により敵は確かに広範囲に渡る攻撃ができなくなり、前に来ては

 

次々と愛紗達に倒されるだけであった。

 

「ど、どうなってんだ? 俺達が押しているはずなのに、何でこ

っちだけがやられてるんだよ!」

 

「ああ・・・確かにおかしいな」

 

「おいっ!狭いぞ!前行けよ」

 

「無理言うな! 動きにくいんだよ!」

 

次第に黄巾党は互いに仲間割れをし始めたその時、戦場に異変が起こった。

 

(ビュオオオオオオオオオ!)

 

「な、なんだ!?」

 

「うわあああっ! め、目が!」

 

なんと狭い岩場に突如強い風が吹き、それによって生じた砂埃が敵の目を

 

つぶしたのである。

 

愛紗達は最初これを好機かと思ったが、すぐにこれが本郷の策だと気づく。

 

そしてそれと同時に

 

本郷猛

「今だ! 攻撃開始!」

 

岩場の上にいた本郷は率いてきた弓矢部隊に攻撃の命令を下した。

 

黄巾党は罠だと気づくも時すでに遅し、逃げようとする者もいたが、

 

余りにも仲間の数が多くて身動きがとれず逃げ出せないでいた。

 

そして義勇軍の弓矢部隊は黄巾党に向けて一斉に弓矢を放った。

 

(ビュン! ビュン! ビュン!)

 

「ぎゃあ!」

 

「ぐわあっ!」

 

何人かに矢が命中して次々と黄巾兵が倒れていき、そして矢が止んだ時、反撃の好機だと

 

確信した愛紗、鈴々は

 

愛紗

「今だ!全軍突撃!」

 

「うおおおおおおおっ!」

 

一斉に突撃を開始するが

 

??????

「ふふふ・・・甘いな」

 

(ガキイン!)

 

愛紗

「なっ!?」

 

なんと愛紗の攻撃を敵の一人が受け止めたのである。しかも、人間とは思えない力で

 

??????

「くくく・・・・」

 

愛紗

「くっ! う、動かない・・・この力ま、まさか貴様・・ゲルショッカー?」

 

??????

「はははっ!その通りだ!ふんっ!」

 

愛紗

「わあっ!」

 

「か、関羽将軍が力負けした!?」

 

「し、信じられねえ!」

 

「あいついったい何だ!?」

 

??????

「見てろ人間ども 俺の本当の姿を・・・グオオオオオン」

 

そして男は獣のような鳴き声を出すとその姿をゾウガメと虎を混ぜたような怪物に変えた。

 

(挿入曲:ショッカー襲来!)

 

トラゾウガメ

「グオオオオオオオオン!」

 

「う、うわあっ! 化け物になった!」

 

そしてその怪物の周りにいた男達も

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギイー!」

 

服を脱ぎ捨て、青い覆面、青い服をまとった姿になる。

 

「なっ! なんだあいつらの格好!?」

 

「見たことの無い服だ!」

 

トラゾウガメ

「黄巾党の諸君!我々ゲルショッカーは貴様らの味方だ! さあ、我々と共に

愚かな義勇軍を倒すのだ グオオオン!」

 

これをきいた黄巾党達は

 

「なんだあの化け物・・・俺達の味方か?」

 

「なんかよく分かんねえけど・・・・とりあえず反撃開始だ!」

 

「うおおおおおおおおっ!」

 

トラゾウガメが戦場に出てきたとたん事態は一変した。

 

何と黄巾党の男達は一斉に義勇軍に突撃してきたのである。

 

しかも義勇軍は突如現れた怪物と謎の覆面集団に動揺したのか一瞬油断してしまい、

 

その隙を突かれて

 

「ぎゃあ!」

 

「ぐわあっ!」

 

形勢が逆転してしまうのである。中にはトラゾウガメに向かった兵士もいたが

 

トラゾウガメ

「ガアアアアアッ!」

 

「ぎゃああああああああ!」

 

相撃つこと無く、トラゾウガメの口から放たれる炎で一瞬にして全身を焼かれ

 

黒い灰と化してしまう。

 

「うわあっ!あの化け物口から火を吹いたぞ!」

 

仲間が一人倒された事で義勇軍は完全に混乱し、パニック状態になった。

 

無理も無い、突如現れた怪物に奇怪な方法で仲間を倒されたのだから・・・。

 

ゲルショッカーの目的は歴史上では義勇軍が勝利していた戦いを黄巾党の勝利に

 

置き換え、混乱した世の中を長引かせ、人々を苦しめる事だったのだ。しかも、

 

黄巾党の数が減ったからか、数が少なくなった敵は次々と前に突入してきた。

 

義勇軍が困惑し、次々と兵士がゲルショッカー、そして黄巾党に倒される中

 

愛紗、鈴々だけは必死に抵抗を続け、戦い続ける。

 

愛紗

「恐れるな! 最後まで戦い続ければきっと勝てる!」

 

鈴々

「悪い奴らに屈しちゃ駄目なのだ!」

 

トラゾウガメ

「ほう? ならば、貴様らを倒し完全に兵士を屈させてくれるわ!」

 

トラゾウガメは手に持っていた剣で愛紗達に斬りかかろうとしたその時

 

??????

「まていっ!」

 

呼び止める声がしたのでトラゾウガメはその方向を見るとそこには

 

ゲルショッカーの敵、仮面ライダー一号がいたのだ。

 

ゲルショッカーが戦場に出てきたのを見た彼はとっさにその場にいた桃香に後を

 

任せ、自分は誰にも見えないところまで行き、仮面ライダーに変身していたのだ。

 

(ピュイイイイン!)

 

そしてライダーはポーズをとると、敵怪人がいるところまでジャンプしてきた。

 

仮面ライダー一号

「トオオッ!」

 

空中で反転し、ライダーはトラゾウガメの近くに着地してきた。

 

愛紗

「ご、ご主人様!」

 

仮面ライダー一号

「大丈夫か!? 愛紗」

 

愛紗

「は、はい何とか!」

 

トラゾウガメ

「待ってたぞライダー!」

 

仮面ライダー一号

「ゲルショッカーの怪人か?」

 

トラゾウガメ

「そうだ。俺の名は火炎魔人トラゾウガメだ」

 

仮面ライダー一号

「トラゾウガメ! 戦場を混乱させて何を企んでいる!?」

 

トラゾウガメ

「貴様が知る必要は無い! かかれ!」

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギィー!」

 

戦闘員達は一斉にライダーに襲いかかる。

 

仮面ライダー一号

「トオッ!」

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギィッ!」

 

(バキッ!バキッ!)

 

まず最初にライダーに襲いかかった戦闘員は殴りとばされ

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギィッ!」

 

背後から襲いかかろうとした戦闘員は後一歩のところでライダーに

 

気付かれ、剣をもった手を止められ、背負い投げされてしまう。

 

ゲルショッカー戦闘員

「ギィィッ!」

 

そしてその戦闘員が持っていた短剣をもつとライダーは戦闘員に

 

斬りかかっていった。

 

仮面ライダー一号

「トオッ! トオッ!」

 

次々と戦闘員はライダーに切り倒されていく。戦闘員に気をとられていたからか

 

ライダーに隙ができたのをみたトラゾウガメは切り札である火を吐く。

 

トラゾウガメ

「グオオオオオオオン!」

 

(ゴオオオオオオオッ!)

 

仮面ライダー一号

「ハアッ!」

 

しかし、ライダーはこれを回避し代わりに近くにいた黄巾党の男に命中した。

 

「ぎゃああああ!」

 

たちまち男は燃え上がり、やがて黒炭となって消えてしまう。

 

仮面ライダー一号

「なんて恐ろしい武器なんだ」

 

トラゾウガメ

「どうだ!これが貴様を倒す為にゲルショッカーが開発した改造人間も倒す俺の必殺技

殺人火炎だ!」

 

仮面ライダー一号

「なるほど。確かに威力は強力だ。だが・・・」

 

ライダーはそういうと一気にトラゾウガメに近づく。

 

トラゾウガメ

「な、何のまねだ!?」

 

仮面ライダー一号

「こう近距離では肝心の殺人火炎も使えまい!改造人間も倒す威力なら、近距離で使えば

お前も無事では済まないはずだ!」

 

トラゾウガメ

「己ッ!」

 

トラゾウガメは自らの必殺技の弱点を指摘され、困惑し、そしてライダーに動きを押さえ

 

られてしまう。

 

トラゾウガメ

「何の真似だ!?」

 

仮面ライダー一号

「戦いの場を変えるだけだ! 愛紗、鈴々 黄巾党の方は頼むぞ!」

 

愛紗

「分かりました!ところで桃香様の方は?」

 

仮面ライダー一号

「心配ない。上の岩場で弓矢部隊と一緒にいる」

 

鈴々

「分かったのだ!」

 

仮面ライダー一号

「行くぞっ! トオオッ!」

 

トラゾウガメ

「グオオオオオン!」

 

(ビュオオオオオオオン!)

 

仮面ライダー一号はトラゾウガメとの戦いの場を別の場へと移す。

 

しかし、そこにはなんとこの戦いを見ていた二人の少女朱里、雛里がいたのだ。

 

雛里

「あわわっどうしよう!お化けと「天の御遣い様」がこっちにきた」

 

朱里

「はわわわわっ! お、落ち着いて雛里ちゃん」

 

朱里は雛里を落ち着くようにいったが彼女も落ち着いてはいられなかった。

 

「天の御遣い」ならまだしも、もし怪人に見つかればただではすまない。

 

そんな時ライダーと怪人は激しく死闘を繰り拡げた。

 

トラゾウガメは殴りかかるが、拳を払いのけられ動きを押さえられると

 

腹部を激しく殴られる。

 

トラゾウガメ

「グオオオオオン!」

 

何とか次の拳を受け止め、ライダーを殴りとばす。

 

仮面ライダー一号

「ぐわあっ!」

 

トラゾウガメ

「グオオオオオオオン!」

 

殴り飛ばされたライダーはすぐに起き上がり、トラゾウガメの攻撃を受け止めると

 

そのまま前方に投げ飛ばした。

 

仮面ライダー一号

「トオッ!」

 

トラゾウガメ

「グオオオオオン!」

 

前方に投げ飛ばされたトラゾウガメは激しく前に転がり、

 

この隙にライダーは空中高く飛び上がった。

 

仮面ライダー一号

「トオオオオオオオオオっ!」

 

(ビュオオオオオオオン!)

 

仮面ライダー一号

「ライダアアアアアアア・キイイイイイック!」

 

トラゾウガメ

「甘いわ! グオオオオン!」

 

起き上がったトラゾウガメはよけもせず、ライダーキックにもろ命中してしまう。

 

しかし、

 

(ボンッ!)

 

なんとキックは命中したが、効いておらずライダーははじき返されてしまった。

 

とっさに空中でライダーは反転し、トラゾウガメから少し離れた所に着地する。

 

仮面ライダー一号

「馬鹿なっ!? ライダーキックを跳ね返しただと!」

 

トラゾウガメ

「無駄だ! 俺にはライダーキックは効かん!」

 

仮面ライダー一号

「くそっ! 防御の方も万全という訳か」

 

トラゾウガメ

「その通り! そして俺の必殺技は殺人火炎だけではない!くらえ!」

 

トラゾウガメはそういうと頭、手足を甲羅に引っ込め

 

トラゾウガメ

「ゾウガメアタック!」

 

何と空中を飛び、体当たりをしてきたのだ!

 

仮面ライダー一号

「うわあっ!」

 

トラゾウガメの体当たりに直撃し、ライダーに吹っ飛ばされてしまう。

 

トラゾウガメ

「どうだ! 俺の体当たり攻撃は?」

 

仮面ライダー一号

「く、くそっ!・・・・・はっ!」

 

仮面ライダーはこの時、とんでもないことに気づいた。

 

何と鈴々くらいの少女二人がトラゾウガメには見えないところにいたのだ。

 

もし見つかればただではすまない。あの少女二人を守る為にはトラゾウガメを

 

退ける必要があった。

 

トラゾウガメ

「止めだ!死ね仮面ライダー! グオオオオオオオン!」

 

トラゾウガメはとどめの体当たりを仕掛けてきた。

 

しかし・・・・

 

仮面ライダー一号

「ふんっ!トオオッ!」

 

ライダーはとっさにこれを受け止め空中に投げた。

 

トラゾウガメ

「グオオオオオン!?」

 

トラゾウガメは何が起こったか理解できず、そのまま地面へと落ちていった。

 

そしてライダーはそれと同時に飛び上がり、そして

 

仮面ライダー一号

「ライダーニーブロック!」

 

トラゾウガメの腹部に膝蹴りをお見舞いした。

 

トラゾウガメ

「グオオオオオン!」

 

この攻撃が効いたのかトラゾウガメは悲痛な声を上げながら地面に激突した。

 

トラゾウガメは何とか起き上がり再びライダーと戦う体制に入る。

 

トラゾウガメ

「己仮面ライダー! 俺の実力はこんなもんじゃない!」

 

仮面ライダー一号

「まだやるかトラゾウガメ!」

 

両者が再び戦う体制になったその時、

 

?????

「はいそこまでです。」

 

どこかからか声がしたので両者が声のした方向をみると何とそこには

 

ゲルショッカーの大幹部 暗黒魔術師がいた。

 

仮面ライダー一号

「貴様は暗黒魔術師!」

 

暗黒魔術師

「おやおや? 覚えていてくれたんですか? 光栄ですね」

 

暗黒魔術師は相変わらず、ふざけた態度をとっていた。

 

トラゾウガメ

「暗黒魔術師!なぜ止める!」

 

暗黒魔術師

「我々の目論みが失敗したからですよ。貴方たちが戦っている間に、義勇軍を魏

、呉の国が援護したので黄巾党はあっさり負けましたよ」

 

トラゾウガメ

「何だとっ!?」

 

トラゾウガメが暗黒魔術師から衝撃の言葉を聞いて驚愕した。自分がライダーに気を

 

とられた所為で黄巾党が史実どおりあっさり負けたのだから

 

暗黒魔術師

「本来なら貴方は処刑されますが、別の作戦を首領が考案いたしましたので

今回だけは貴方を生かすそうです。」

 

トラゾウガメ

「そ、そうか・・・・」

 

トラゾウガメは暗黒魔術師からそのことを聞いてほっとした様子になった。

 

これは首領の責めての温情であると彼は悟ったのだ。

 

暗黒魔術師

「さあこっちに来なさいトラゾウガメ」

 

トラゾウガメ

「ああグオオオオオン!」

 

トラゾウガメはジャンプして空中で反転して、暗黒魔術師の所までいくと

 

こんな事をライダーに言う。

 

トラゾウガメ

「命拾いしたなライダー! 勝負はひとまずお預けだ! グオオオオオン!」

 

そして暗黒魔術師が呪文を唱えると、トラゾウガメ、暗黒魔術師は光に包まれて

 

消えてしまった。

 

仮面ライダー一号

「逃げたか・・・・トラゾウガメ恐ろしい敵だ。ライダーキックを跳ね返すなんて

いや、それよりも・・・・」

 

(ボシュン!)

 

仮面ライダー一号は変身を解き、本郷猛の姿に戻る。

 

本郷猛

「まずはあの子達を保護するのが先だ」

 

彼はそういうと朱里、雛里が隠れている所まで向かうのであった。

 

(ル・ル・ル~ルルルルッ!『アイキャッチ 新一号』)


 
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