黒い光が一夏に向けて放たれた瞬間であった。一夏はとっさにエボルトラスターを取り出し凌ぐ。
一夏はブラストショットのバレルを口でスライドさせてマドカに銃口を向ける。缶ジュースの落ちる音が空気を伝わり、鳴り響く。マドカも一夏に黒い棒状の物・ダークエボルバーを向けた。
「・・・・・・・・さっきの攻撃を凌ぐなんて流石と言おうかしら。」
「そらどうも。」
どちらも緊迫した状態で指一つも動かせない状況。その時であった。
「伏せろ、一夏っ!」
その声に応えるように一夏は伏せる。
一夏の頭上をナイフが通り過ぎる。
「邪魔が入ったわね。」
マドカは正確に狙ったナイフをマドカはダークエボルバーで払いのける。
「なっ!」
ナイフは宙を舞い、マドカの手元へ。
「これは返すわ。」
ラウラに向かってナイフが投げられる。それを一夏は片手でキャッチする。
「それじゃあまたね、デュナミスト。」
「待て!」
ラウラがAICで止めようとしたがマドカはダークエボルバーから光線を出し意識を逸らさせた。マドカは闇の中に消えた。
「ラウラ、大丈夫か?」
「ああ。しかし今の兵器は何だ?」
「俺にもわからないが言えるのはあいつが『亡国企業』ってことだ。」
「何!」
「ラウラ、このことは明日俺から言うから皆には今日だけ黙っていてもらえないか?」
「・・・・・・わかった。一夏がそういうのなら。」
ラウラは一夏の言うことに納得してくれた。
二人きりになることを見越してきたつもりが、まさかあんな事態になってるとはな。だが何だあの「デュナミスト」というのは?
翌日
「「えっ!昨日襲われた!!」」
いつもの面子で昼食を取っていると箒と鈴が驚いた。
「ああ、昨日の夜にな。」
「サイレントゼフィルスの操縦者・・・・・・一体何が目的なんだろう。一夏、思い当たることはある?」
「いや・・・・・ない・・な。」
だがあいつは俺の正体を知っていた。なんでだ?
「あらあら、楽しそうですね。」
「山田先生に織斑先生、こんにちは。」
『こんにちは。』
「お前たち、あまり騒ぐなよ。」
千冬の言葉に返事をする皆。
「いつも皆さんこの面子で食事をしているのか?」
「まあそうですね。」
「そうか。」
「あっ!織斑先生、ちょっと。」
一夏は席を立ち上がり、小声で話し掛ける。
「一つ聞きたいことがあるんだけど。」
「ここでか?珍しいな。」
「俺らに・・・・その・・・・・他の家族はいなかったか?」
「何をいきなり言っているんだ、馬鹿馬鹿しい。」
「じゃあ・・・・・家族になる予定だったってのは?」
「っ!そ、そんなことはない。」
千冬は大きく声を出し答えようとしたところを抑えて小声で返した。
「ああ、お前たち、あまり騒ぐなよ。と言っても十代のガキ共には馬の耳に念仏だろうがな。」
千冬はそう言ってその場を去っていった。
まったくあいつはいきなりなにを言うかと思えば・・・・・・・・だが、何故いきなりあんなことを?まさかあの子が!・・・・・・・まさか・・・・・な。
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マドカが一夏を襲うが一夏は・・・・