No.523538

超次元ゲイムネプテューヌ 3dis Creators_018

本編ようやっと更新です。短いです。短く小分けすることにしました。
PSVitaで10ページくらいある自分等のやつ見てるといちいちスクリーンしゅっしゅしゅっしゅしなきゃいけないし、多分これで長いと苦痛なんだろうなと思いました。

冬コミ30日。
東京ビッグサイト、西て-08a『ねぷすた』でボクと握手!

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2012-12-26 19:17:44 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:712   閲覧ユーザー数:692

 

 

 

 

 

 

 

第2章 ニュー・フレンズ

 

 

 

 

 

C018:What happen to Gamegyo-kai?

 

 

 

 

 

 

○ラステイション・教会正門前通り・昼

 

    遠くから正門前を見つめていると、ノワールと彼女に引きずられている状態となったネプギア(手を引っ張られていただけなのがいつそんな形になったのか)が見えてくる。

 

ノワール「あーんもうイライラする!」

ネプギア「の、のわーる、さん……くる、しい……」

 

    ネプギアの襟首後ろを掴んで地面にずるずると引きずりつつ、正門をずかずかくぐっていくノワール。

    ネプギア、引きずられつつ絞めあげられる襟もとをできるだけ引っ張り抵抗するも、やはり上手く声が出せなくなってきている。

    それをじっと見つめる後ろ姿はクランカ。

    彼女が静かに視線を下へ向けると、足元の地面から何か青いものが、ゆっくりと、一生懸命、もりもりという音を立てながら生えてくる。

    生えてきたそれはシャワーヘッドのような形で、正面には随分と簡単に空けられたいくつかの穴が。

    すこんと音を立てて静止すると、そこから音声が流れてくる。

 

シャワーヘッドのそれ『エンゼルタイムの時間だよー。エンゼルタイムの時間だよー。エンゼルタイムの時間だよー』

 

    クランカ、音声が流れてきたのを確認すると踵を返し、よく響くヒールの音を立てながら歩きだす。

    少しすると、周囲の情景が一瞬グリーン一色になり、ROMカセットタイプのゲーム機のリセットボタンを押したかのように暗転。

 

 

 

○ギョウカイ墓場

 

    そして次の瞬間にはギョウカイ墓場の景色がブラウン管テレビの電源を入れて映し出されたかのように現れた。

    相も変わらずスクラップまみれの地面をこつこつと音を立てて歩いていくクランカ。

    その先には四天王、ジャッジは落ち着きなく歩きまわり、トリックはロリータ人形を愛で、ブレイブはマジックの背を越えた所で静かに胡坐(あぐら)をかいている。

    地べたに座って話し込んでいるリンダとワレチュー達を通り過ぎる。

 

リンダ「マネキンあるだろ? ブティックとか外で見せびらかしてる。この前ラステんとこの奴のマネキン全部恥ずかしいポーズにしてやったぜ。ワルだろぉ?」

ワレチューA「びみょうっちゅ」

ワレチューB「微妙過ぎるっちゅ」

リンダ「微妙とかって言うなよ……」

 

    クランカ、中央のマジックに対し膝をつき頭を下げる。

 

マジック「宣伝隊の連中がしくじったようだな」

クランカ「申し訳ございましぇん。彼等はラステイションで再逮捕され、結局のところ布教成果を確認するにはもうひと手間かけなければならないようでしゅ」

マジック「不思議と……貴様がかけるその”もうひと手間”が、我は楽しみだ……」

クランカ「もったいなきお言葉、身にしみるでしゅ」

 

ジャッジ「どうでもいいわそんなことぉっ!!」

リンダ「うわぁっ!?」

ワレチュー達「ちゅっ!?」

 

    ジャッジ、自分の持つ狭刃(せば)のついた巨大な杖で地面をひっかく。

    音を立てて削られ、傷跡を残す地面にリンダとワレチューは震えあがる。

    ジャッジ、横から前かがみになってクランカの顔を覗く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャッジ「クぅぅランカよ……せっかくまた地面から出てこれたというのに、いつまでこの俺様を縛りつけておく気だぁ?」

 

    クランカ、一切の物怖じもせず。

 

クランカ「怖れながら、しばらくの間クラの勝手を許可願いたいでしゅ。知らなければならないことがたくさんあるのでしゅ。近日、次なる幕を用意いたしましゅので、どうかお時間を」

ジャッジ「そんなに悠長に待っていられるかぁ!!」

 

    ジャッジの怒号が衝撃波となって響きわたり、ギョウカイ墓場を揺らす。

 

ジャッジ「誰でもいい、何でもいい! 俺は外に出たいんだ、シャバの空気を吸いながらたぁっっぷりと運動をしたいんだぁ!! そうしないと腐っちまう!!」

クランカ「情勢を知りえない今、どんなしっぺ返しでどんなダメージを受けるか分からないのでしゅ!」

 

    クランカ、圧力を持った声でジャッジを制する。

 

クランカ「今我々がすべきことは、演じる舞台の観察でしゅ。そこをどうかご理解してくだしゃれ」

ジャッジ「……ぬぅぅぅぅぅっ……!」

 

    クランカの声で、思わず黙り込んでしまうジャッジ。

 

クランカ「ひいてはこの間幕、今一度ゲイムギョウ界の情勢調査に当てさせていただくでしゅ。ご心配なく。これでも幕でしゅので、退屈はさせないでしゅ」

マジック「……うむ」

 

    静かに踵を返して、空中へと浮かびあがるマジック。すぐに姿が見えなくなる。

 

トリック「ところでクランカよ。具体的にどうするつもりなのだ?」

 

    クランカ、立ち上がって姿勢を解き、トリックの方を向く。

    トリック、自身の舌を波状に動かしている。

 

クランカ「女神側に潜り込ませているスパイがいるでしゅ。そいつに”あるアドオン”の『インストールブラウザ』を頼んで、操る手はずを整えているでしゅ。子供を中心に」

 

    ※インストールブラウザ:アドオンと通常呼んでいるプラグインのインストールをする人(=プログラム)のこと。ティッシュ配りのアルバイト君に似たイメージ。

 

    トリック、ロリータ人形を思わず後ろに放り投げる。

 

トリック「なぬっ!? 子供を!? それは(まこと)か!?」

クランカ「嘘をつく理由がないでしゅ。これからクラはその舞台の演出を──」

 

    クランカに向けてちっとも届かない短い右手を差し出す。

 

トリック「その役目、吾輩が受け給わろう!!」

リンダ「え!?」

 

    リンダ、思わずトリックの方を振り向く。

    クランカ、唖然。

 

クランカ「なぜにこのような小さな舞台にトリックしゃまが……」

トリック「なに、子供とはかくも複雑な生き物だ。エキスパートである吾輩が出れば確実と言うもの。そうであろう?」

クランカ「しかしお言葉でしゅけど、舞台演出はあくまで影の存在。貴方しゃまのその雄々しき肉体(コード)では日の光に当たってしまうのでは」

トリック「心配いらぬ! こう見えて、吾輩はルウィー教会の潜入作戦を成功させた実績がある!!」

 

    リンダ、トリックと目を合わせないよう遠い目。

 

リンダ「あれ……成功したっけ……?」

クランカの声「……了解したでしゅ」

 

    クランカの返答に思わずもう一度振り返ってしまう。

 

リンダ「え、せ、先輩!?」

 

    クランカの目の前にタブレットが現れ、シャボン玉を作るかのようにタブレットを振るい、タブレットから出現し浮かび上がった、十字型に○、△、□、×の大きなボタンがついたコントローラーパッドと拡声器を、トリックに向けて両手で軽く押し出す。

 

クランカ「ただくれぐれも、女神達との交戦は避けてほしいでしゅ」

トリック「任せろ。アクククククククッ!」

 

    トリック、その身体を縦に小刻みに揺らして嫌らしく笑う。

    そして十字型のコントローラーパッドを手に取る。

 

 

 

○ラステイション・教会・2階・会議室・昼

 

    はっきりと物が見える明るさの室内。円形状にまとまった机。

    十字型にそれぞれ○、△、□、×のブースがある。

    カメラ方向から見て下にある×のブースにはネプギアが。

    右の○ブースにはブラン、左の□ブースにはベール、そして上、出入り口付近の△ブースにはノワールがそれぞれ座っている。

    声はおろか、机やいすのきしむ音さえも出てこない。

    ノワール、両肘を机に立て、両手を自分の前に組み、憂いに満ちたため息ひとつ。

    その口から低い声が洩れた。

 

ノワール「なんで自分の国で食いとめなかったのよ……」

 

    他の3人、それぞれ黙っている。

 

ノワール「ネプギア」

ネプギア「は、はい……」

ノワール「あなた……あのサーカス団の内、一人と一匹取り逃がしていたようじゃない」

ネプギア「……」

ノワール「どうしてあれから捜査していなかったの……?」

 

    ネプギア、俯いて黙り込んでしまう。

 

ノワール「ブランにベール……あなた達の国の実力ならあれぐらいどうにでもなったはずよね……」

 

    ベール、反論しようと言葉を探しているように。

 

ベール「……それは……情報流通システムがハッキングを受けたから──」

ノワール「そう……ラステイションも、リーンボックスもルウィーも。プラネテューヌ以外あの時、誰かからハッキングを受けたわ……セキュリティシステムの脆弱性を突かれてね」

 

    そしてまた黙りこむ一同。

 

ノワール「ハッキングうんぬんはともかく……あっちは少し気をつければ、こんなまざまざと国を踏み荒らされたりしなかったじゃない……」

 

    ノワール、組んでいた右手に握り拳を作る。

 

ノワール「なのに……どうしてそれを怠ったのよ!!」

 

    怒声と同時に机に右手を打ちつける。

 

ノワール「街中で堂々とマジェコンのポジティブキャンペーンされて!! 出鼻をくじかれてあなた達、女神として恥ずかしくないの!? それとも復活したばかりで弱弱しいから油断していたってわけ!? 相手には私達が散々苦戦したあの四天王もいるのよ!? クランカとか言う見慣れない奴まで出てきて、どうしてそんなのんびり構えていられるの!? バカなの!?」

 

ブラン「脱獄許しといて何言ってやがる!!」

ノワール「っ!?」

 

    ノワール、明らかな動揺の態度。

    ブランは立ち上がり、ノワールに怒声を放ち続け詰め寄る。

 

ブラン「元はと言えばあいつ等ブチ込んでたテメェんとこのムショの責任だろうが! それをこっちになすりつけるとかどういう了見だ!? ネプギアはお前んとこのセキュリティ信じて預けたんじゃねぇのかよ!?」

ノワール「なっ……!?」

ベール「それを他人のせいにするというのは、いささか関心いたしませんわね」

 

    ベールも静かに立ち上がり、ノワールを面と向かって咎める。

    ネプギアも不安を感じてそっと立ち上がる。

 

ベール「せめて自らの業を戒めてから女神を語ってほしいものですわ」

ノワール「なんですって……!」

ネプギア「みなさん落ち着いてください!」

 

    ネプギア、一色即発の空気になってしまった3人の元へと机をまたいで駆け寄る。

 

ネプギア「そもそもわたし達はどうしてここに集まったのかもう一度──」

 

モコの声「ねぇー、みんないなくなっちゃってヒマー!」

 

    4人が振り向くとそこには机の上でちょこんと正座しているモコ。

 

ネプギア、ノワール、ブラン、ベール「うわあっ!?」

 

    驚いて一歩足を引く4人。

    ベール、一人だけ壁に後頭部を打ちつける。

 

ベール「あいたっ……うぅ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    モコ、机から降りて腕を軽くぱたぱたさせながら4人に駆け寄る。

    そして4人の前でばんざい。

 

モコ「にっちゃんとかケイブちゃんとかいなくなってヒマになっちゃったー」

 

    ノワール、ブラン、恐る恐るモコに人差し指を向ける。

 

ノワール、ブラン「え……誰!?」

ネプギア「モコちゃん! まだ入ってきちゃだめだよ!」

ベール「え……モコ……ちゃん?」

 

    ベール、頭を押さえながらモコの方を見る。

 

 

    ここで一旦カット切り替え。

 

 

    女神達はそれぞれの座席配置に戻り、モコは空いている机の中央スペースに立っている。

 

ネプギア「えと、この子はモコちゃんって言って……」

ブラン「生きていたのね」

ネプギア「生きていたのねって、確かに事故りましたけど……」

ベール「となると、この子がさっきわたくしにラブコールしてきた女神ですの?」

ネプギア「あの、友達がたくさんほしいみたいで……」

ブラン「女神? どういうこと?」

ベール「あくまでぱっと見の雰囲気が女神ってだけで、妙な鎧を着ていたのですけれど……え? 事故!?」

ブラン「おせーよ」

ノワール「ちょっと、私抜きで話進めないでくれない?」

ブラン「お前はちょっと待ってろ。でモコ、アイデン村の元ルウィー国民にはあった? どうして離れたか聞いた?」

ベール「わたくしだって聞きたいですわ。どうしてリーンボックスから離れたか聞いてませんの?」

ノワール「それなら私だって!」

ベール「ノワールはお黙りなさい!」

ノワール「なんでよ!? なんで私だけ聞く権利がないのよ!? 私だって知りたいわよ! それなのに自分達だけ国の事好き勝手に聞いて!」

ベール「ほらモコちゃんが怖がってますわ!」

 

    モコ、怖がっているというより、おろおろして首をせわしなく動かしている。

 

ノワールの声「私のせいなの!? 私のせいだって言うの!? ただ聞こうとしただけなのに!? なにこの扱いの差!?」

 

    ノワール達の言い争いにわけがわからずぐ~るぐ~ると回転し始める。

 

ブランの声「あーもううるせぇな! お前なんなんだよさっきから! 何かにつけて突っかかりやがって! お前めんどくせっ!」

ノワールの声「なっ……!? め、めんどくさいですってぇっ!!? なんで、なんでそんなめんどくさいとかっていう──」

 

    回転を止めて正面を向き直り、頭の上で右腕にある友達の輪を叩く。

    鈴の音のような澄んだ音が響き渡ると、友達の輪から円盤状の光が回転しながら広がっていく。

 

 

 

    *      *      *

 

 

 

○同・2階・会議室前廊下

 

    扉のわずかな隙間から激しい光が洩れでている。

    しばらくすると、すっきりして気が済んだかのように光が収まる。

 

 

 

    *      *      *

 

 

 

○同・会議室

 

    円盤状の光が友達の輪に縮小して戻っていく。

    モコ、ちょっと涙目。

 

モコ「みんな怖い顔……ぷんぷんしてるの……やだ」

 

    一方のネプギア、ノワール、ブラン、ベール、机に突っ伏したり椅子に寄り掛かって腑抜けたりとそれぞれ「ぐでーん」としている。

 

ノワール「えぇ……なんだかバカバカしくなってきたわ……」

ブラン「なんででしょうね……」

ベール「さぁ……」

ネプギア「それでモコちゃん、アイデン村の人たちは、わたし達のことどう思ってたか分かる……?」

 

    モコ、首をかしげて考えた後。

 

モコ「んー……むずかしいことはそんちょーに聞いて……」

 

    4人、それぞれ姿勢を持ちなおす。

 

ネプギア「村長……どんな人だろう……?」

 

 

 

 

 

 

 


 
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