IS学園、ジンヤの部屋。
そこではジンヤが芽衣、シャル、アリス、シャナ、莉乃にB.O.W.について話をしていた。
「まあ、こっちの世界のB.O.W.はそっちの世界と同じようにISの絶対防御を無効にできる。B.O.W.の運用方法は大きく分けて3つ有る」
そう言うと、ジンヤはとある映像を投影させた。
その映像にはB.O.W.として有名なハンター、タイラント、リッカーが映し出されていた。
「1つ目はB.O.W.を目的地に輸送してそのまま解き放つ。これは2004年に発生したテラグリジア・パニックが例になる」
ジンヤがそう言うと、シャルが手を挙げた。
「そのテラグリジア・パニックって一体どんな事件なの?」
「これは失礼、受験者(読者)の皆さんにも詳しく説明しないとな…」
そう言うと、ジンヤはある映像を投影した。
その映像には海に浮かぶ美しいビル群が立ち並ぶ都市だった。
「テラグリジアとは…地中海に築かれた人工の海上都市で太陽光発電を主体とした電力供給など先進的な面をアピールしていたが開発反対を訴えるテロ組織ヴェルトロによってバイオテロが発生した」
すると、映像では無人航空機、UAVがテラグリジアにウィルスをばら撒いていた。
「ウィルス散布と同時にハンターを解き放ち、テラグリジアを地獄に変えた…これをテラグリジア・パニックという。それでは次に行くよ」
ジンヤがそう言うと、次はタイラントが映し出された。
「次はB.O.W.頭部にコンピューターなどを埋め込み、命令に服従できるようにして戦闘に参加させる。これは主にタイラントが良い例だ」
そして、ジンヤはタイラントについて説明しだした。
「タイラントは1998年、一番最初に発生したバイオテロ、通称洋館事件でその存在が確認された。成人男性をベースに開発したB.O.W.でコンピューターにプログラムすれば重火器などを装備して戦闘を行うことも可能、タイラントには拘束衣、別名パワーリミッターが着用されている」
すると、映像がパワーリミッターに移し替わった。
「内臓されたセンサーがバイタルサインを常にチェックし、必要であれば鎮静と筋弛緩の薬液を動脈に直接注入する。同時に高圧ガスで硬化させた拘束衣によって、過剰になった筋力を抑制する。だがすごいダメージを受けると、タイラントはスーパータイラントと呼ばれる状態になる。まあ、その状態になったらコンピューターの指示はまったく受けつかない、対処法は露出した心臓を攻撃し、ダウンしたらロケットランチャーや対物用ライフルを撃つ」
ジンヤがそう言うと、芽衣が手を挙げた。
「ジンヤ、もしない場合は?」
「手榴弾があれば、手荒で危険だが口の中に入れる。グロテスクだけどある意味一番効果的だよ。それでは最後に行くよ」
最後にジンヤはリッカーと寄生生物プラーガが映し出されていた。
「最後は寄生生物プラーガをよういた運用法、B.O.W.に被支配種のプラーガを寄生させて、人間が支配種のプラーガを寄生させることで被支配種を寄生したB.O.W.を自在に操る事ができる。現にリッカーを使用した事例も存在している」
すると、アリスが質問した。
「なあ、プラーガを寄生したらそいつはガナードになるんじゃないか?」
「ああ、それは被支配種を寄生したらすぐさまガナードになるが支配種を寄生させてもすぐにはならない。だが最終的にはガナードとなる。もっとも軍事行動するまでには時間がかからないがな…」
ジンヤがそう言うと、莉乃が手を挙げた。
「あの…その人を戻す方法はあるの?」
「…怪物化する前に脊髄を断ち切って元に戻った例があるがそれは奇跡だ。普通は死ぬ、上手くいっても半身不随になる」
ジンヤがそう言うと、周りが静まり返った。
「世の中は不平等だ、でも僕たちは前に進み、未来を繋ぐ。それを忘れないでね…それでは授業を終わりにします」
そう言ってジンヤが終わろうとすると、芽衣が止めた。
「待って、大切な話が有るんだ」
「大切な話?なにそれ?」
「実は…」
すると、芽衣の背中から半透明の翼が出た。
「芽衣、その翼は一体…」
「それは…」
芽衣はジンヤに話した。
かつて白騎士事件で両親を失った事。
そして、儀式の日でもう1人の自分ことファントムが生まれた事。
その後、もう1人の自分と融合し、半分人間であり、半分ファントムであることを話した。
そこまで話をすると、莉乃もジンヤに言った。
「ジンヤくん、私も同じなの…」
莉乃はかつて実験でウィルスを射たれ、ウェスカー並の身体能力とⅩラウンダーとしての能力を得た事がある。
すると、ジンヤは莉乃に言った。
「莉乃、確かにものすごい力を持っているがキミは人間だ、バケモノなんかじゃない」
「ジンヤくん…」
そして、ジンヤは芽衣に言った。
「芽衣、キミは半端物じゃない、人とファントム。両方の道を知っている、闇の時は光が、光の時は闇がキミを導いてくれる」
「ジンヤ、なんでそこまで…」
「…芽衣、僕を見ろ」
そう言うと、ジンヤは上着を脱いだ。
それを見た芽衣達は驚愕した。
「ジンヤ、それは一体…」
シャナが驚愕したのも無理は無い。
なぜなら…
ジンヤの上半身にはオルフェノクの模様が浮かんでいた。
「僕には残された時間がない…」
「時間って、まさか命が…」
「いや、命より厄介な物の時間がないんだよ」
そう言うと、ジンヤはズボンのポケットから細い筒状の注射器を取り出した。
「これでオルフェノクの本能を抑えていたがもう無理だろう、2ヶ月後には大量破壊兵器に変貌する。最後は自分でケリを…」
「駄目だよ!」
そう言うと、芽衣はジンヤにビンタした。
「まだ手段が有るはずだよ!最後まで…あきらめちゃ駄目だよ!!」
「バカだな…でも、ありがとう」
そう言うと、ジンヤは芽衣と握手をした後、外に出た。
そこにはシェリルが居た。
「なんだよ、シェリル」
「まさか、別の世界でも白騎士事件で真実がもみ消されていたとはね…」
「ああ、僕が尾上竜一であった時の育て親の尾上一刀、尾上すみれを奴が…」
ジンヤは手を握り締め、血が出そうになっていた。
「でも、あの時僕は奴を殺す事が出来た。奴を殺していれば、世界には女尊男卑にもならなかったし、一夏の人生を狂わせてしまったんだ…」
ジンヤの言葉に一体どんな意味が…
一方、天ノ川学園の一室である赤い部屋。
そこにはそこの理事長にしてホロスコープスの首領である我望光明、他にはリブラのスイッチャーである速水公平、レオのスイッチャーである立神吼、さらにはダークネビュラ行きになった筈のスコーピオンのスイッチャーである園田紗理奈、キャンサーのスイッチャーである鬼島夏児が居た。
『これは失礼、遅れました』
そこにホロスコープス13番目の使徒を自称するへびつかい座のオヒュカス・ゾディアーツが現れた。
『よ、きっちゃん』
「遅いな、アタシは来ないかと思ったよ」
どうやら、オヒュカスと鬼島が仲が良いようだ。
すると、園田が我望に言った。
「我望様!どうして、こんな得体も知れない奴を仲間に引き入れたのですか?!」
『うっせんだよ、この選民思想家の腐れ女が』
園田との仲は最悪のようだ。
「二人とも、落ち着きたまえ。特に園田君、命の恩人とも言える人に対してそう言えるのか?」
「えっ…」
すると、立神は言った。
「こいつは鬼島とお前をダークネビュラから出すように頼んだんだよ」
「ヴァルゴに直接言えるとは…軽いのか重いのか分らん」
なお、鬼島はメテオの変身者は誰なのか忘れたらしい。
そして、オヒュカスはスイッチをきった。
「戦力を増やしたいだけだからな…」
オヒュカスのスイッチャーは黒いロングコートをした茶髪に右頬に十字の傷がある男だった。
「これで仮面ライダーデルタを潰す」
一方、IS学園。
もう夜なので全員眠りについていたが…
「う、うぅ~ん」
何やらうなされていた。
夢の中で誰かが芽衣を見ていた。
すると、見ていただけのそれが芽衣の中に入り込んで来た。
(な、何…?この感覚…?誰かが僕の中に入り込んで僕を見ている…?入ってこないで!誰!?僕を見ているのは!?)
そこで芽衣は目を覚ました。
「うわぁぁぁぁぁぁ?!」
「どうしたの!芽衣?!」
一緒に寝ていたシャルは芽衣の心配をした。
「分らない…誰かが僕を見ていた…怖かったよ………」
「芽衣…僕が一緒に居るから安心してね」
「シャル…ありがとう」
そして、芽衣はシャルと一緒に眠りだした。
一方、ターミネルではマトリックスのロトNが…
『ふふふ、この世界に来たあの子の内側を見たら面白いモノを飼っていたわ。少しイイことを思いついたわ』
ロトNが何やら思いついたようだ。
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今回は白騎士事件と芽衣達の正体にかかわるお話です。