No.516897

一刀の晋王転生録 第二章十六話

k3さん

何とか一週間ぐらいで完成。
新キャラ(女性)が出ます。

2012-12-09 22:07:39 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:5350   閲覧ユーザー数:4558

 姓:司馬 名:昭  性別:男

 

 字:子上

 

 真名:一刀(カズト)

 

 北郷一刀が転生した者。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:懿  性別:女

 

 字:仲達 

 

 真名:理鎖(リサ)

 

 一刀と瑠理の偉大なる母。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:師  性別:女

 

 字:子元

 

 真名:瑠理(ルリ)

 

 母を目標にする一刀の姉。一刀を溺愛している(?)。

 

 

 

 

 姓:張  名:春華 性別:男

 

 真名:解刀(カイト)

 

 一刀と瑠理の父にして、一刀の師。

 

 

 

 

 姓:王  名:元姫 性別:女

 

 真名:美華(ミカ)

 

 一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。

 

 

 

 

 姓:鄧  名:艾  性別:女

 

 字:士載

 

 真名:江里香(エリカ)

 

 後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。

 

 

 

 

 姓:賈  名:充  性別:女

 

 字:公閭

 

 真名:闇那(アンナ)

 

 司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。

 

 

 

 

 姓:王  名:濬  性別:女

 

 字:士治

 

 真名:澪羅(レイラ)

 後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。

 

 

 

 

 姓:司馬 名:望  性別:女

 

 字:子初

 

 真名:理奈(リナ)

 

 一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。

 

  第十六話

   「初平の変 制圧」

 

「急げ!、早くしないと奴らが戻ってくるぞ!!」

 

 解刀は志願兵達に声を上げる。

 

 理鎖、瑠理も迅速に行動するための指示を出している。

 

 三人の作戦は、長安の制圧及び小帝劉辯を保護する事である。

 

 瑠理は一人の敵兵が戦いから離脱しようとしているのを見る。

 

 彼女はその兵の意図を瞬時に悟る。

 

「父上、どうやら李傕達の元に向かう奴が一人いる」

 

「!!、伝令か!!」

 

「解刀、すぐに始末する……ここは私達に任せる」

 

 理鎖はすぐに伝令兵を処理の指示を出す。

 

 無論、李傕達に事が終わるまで知られるわけにはいかないからだ。

 

「分かった!、二人共此処を頼む!!。俺達はあの兵を追うぞ!!」

 

 解刀は数十人ほどの味方兵を引き連れ伝令兵に向かっていった。

 

 そしてしばらく進軍していると理鎖は瑠理に指示をする。

 

「瑠理は武器庫などの要所を制圧に向かって、私は小帝の保護に向かう」

 

「分かった」

 

 残る二人も部隊を二つに分けそれぞれ行動を開始した。

 瑠理はまず武器庫に付きすぐに制圧行動を開始し乗り込む。

 

「な、何だ!!」

 

 待機していた兵達が驚いている間に瑠理の部隊は攻撃を開始した。

 

「な、何者……ぐあ!!」

 

 敵兵達は対応できず次々に倒されていく。

 

「選べ……従うか……死ぬか……」

 

 瑠理は冷気が宿ったかのような目付きをし、覇気の篭った声で敵兵を威圧する。

 

 彼らの戦意は一気に削がれた。

 

「ひ!!、わ、分かりました……あ、あなたに従います」

 

 恐怖を感じながら投降していく。

 

 戦うために重要な武器庫はほぼあっけなく制圧されたのであった。

 

 この後も瑠璃は次々と要所を制圧していく。

 

 敵兵は武器庫が制圧されたと聞いただけで混乱していたこともあり、ほとんど時間を掛けることなく成功していった。

 

 そして……

 

「……母上も父上も終わったの?……」

 

「はい、司馬懿様は無事に小帝陛下を保護し、張様も一人も敵兵を外に出さなかったとのこと」

 

(後は一刀だけ……)

 

 一刀の作戦も終わればほぼ全てが完了する。

 

「伝令!、司馬昭様、無事作戦終了とのこと!」

 

 ――後は李傕達を待ち伏せし、首を取るか、捕らえるかのみとなった。

 李傕達は長安で何が起こっているか知らず楽しそうに戻ろうとする。

 

「なかなか楽しかったなぁ」

 

「ええ、まったく」

 

「もう一度宴と行こう」

 

 などとこれから何をするかを話合いながら進む。

 

 ――ついに李傕達は長安に着いた。

 

 李傕達と共にしていた……監視する反李傕の女性は長安に入ってすぐに違和感を覚えた。

 

(人が少な過ぎる……)

 

 ほとんどの人間が司馬家の反乱に協力しているのだから必然的に少なくなる。

 

 しかし李傕達とその女性はそのことを知らない。

 

 城に進みながら彼女は考える。

 

 そして……

 

(まさか!、あいつら!)

 

 予感のようなものが頭によぎる。

 

「董承殿……」

 

「む、どうした?」

 

「私が合図を出したら共に李傕達から逃げるように離れてください」

 

「何だと?」

 

 董承は彼女を言っていることがいまいち分からなかった。

 

 だがそれはすぐに理解することとなる。

 

「き、貴様!?、何故ここに居る!?」

 

(む?……)

 

 李傕の叫びが聞こえた。

 

 彼の視線を追うとそこには……

 

(し、司馬懿殿!?、病で伏せていたのでは!?)

 

 理鎖が城の入り口に立っていた。

 

「お前達が狩りに出かけている間にこの城は制圧した」

 

「な!!?」

 

「もう、お前達に帝という武器は存在しない……」

 

 言いながら理鎖は手を上げる。

 

 同時に伏せていた兵達が李傕達を囲んだ。

 

「そして逃げ場は無い」

 

 司馬懿仲達を少しでも知るものは分かった。

 

 偽りなど無い、完全に追い詰められたと……

 

「者共……今こそ害虫を駆除する時」

 

 兵達の声が上がる。

 

 我先にと李傕達に向かっていく。

 

「ひぃ!!、お、おのれ~~!!も、者共!!ワシらを守れ!!道を作れ!!」

 

 何とか来た道を戻るように逃げ出そうとする李傕達。

 

 そして怒りの矛先は董承に向かう。

 

「董承!!貴様!!奴は真の病だと……ぬ!?」

 

 その矛先である彼は既に居なくなっていた。

 

「お、おのれぇ!!おのれぇ!!董承!!貴様もワシらを陥れたか!!!」

 

 事実はそうではないのだがそう思わずにはいられなかった。

 

 李傕達は逃げ続ける、悲鳴を上げながら。

「やっぱりそういう事……まったく司馬昭の奴……せめて私には言ってくれたって良いじゃない!!」

 

 あの場に居た董承ら反李傕の者達を連れて逃げた女性は此処には居ない一刀に文句言っていた。

 

「まさかもうここまで行動を起こしていたとは……相変わらず恐ろしい方々ですな……」

 

「たちが悪いのよ!!、あそこまで長安中の人間を騙していたんだから!!」

 

 彼女は今なら理解していた。

 

 味方の志願兵も直前までは知らなかったのだと。

 

 出なければ民達もあそこまで絶望してはいないのだろうから。

 

「後は劉協様の無事が分かれば良いのだが」

 

「劉協様ならここに居ますよ」

 

 後ろから声が聞こえた。

 

「あ!、司馬昭!!」

 

「司馬昭殿、劉協様!!」

 

 振り向くと一刀達、そして救出された何皇后、劉協が居た。

 

 ちなみに董卓は現在治療受けているため此処には居ない。

 

「董承、心配を掛けた」

 

「何の!!、あなた様の苦労に比べればどうという事はありません」

 

 董承の顔は喜びに満ちていた。

 

 劉協も彼に会えたことが嬉しかった。

 

「ちょっと司馬昭!!、何で私に言ってくれなかったのよ!!」

 

「ご、御免……母上の命令だったんだよ、母上が指示した人間以外は知らせるなって」

 

「誰が知っていたの!?」

 

「司馬家はもちろん、後は鄧艾と王濬だ」

 

 一刀は彼女に分かるように真名ではなく姓名を言った。

 

「司馬懿殿はそんなに私が嫌いなの……確かにお母さんとは仲悪かったけど……」

 

 彼女の母は理鎖と仲が良いとは言えなかった。

 

 だが理鎖は一刀の目の前にいる彼女が嫌いという訳ではない。

 

 彼女の母親との関係もあり、ただどう接して言いか分からないだけだった。

 

 一刀はそのことを知っていて彼女を気にかけていてどうにかしようとしていたが結局は母親同士の仲が障害となり進展は無かった。

 

 だが、一刀と彼女の仲は今のような会話ができるくらい良くなっていた。

 

「あんたも私が信用できないって訳!!」

 

「いや、それは無いよ……君がどれだけがんばってきたか俺は知っている。たとえ母上がどう思っていようと俺は君を信じているよ。」

 

「……ふんだ、どうだか……」

 

 彼女は一刀から目を後ろに逸らした。

 

「一刀様、李傕達が敵兵達を盾や囮にして逃げたようです」

 

 それを聞いた何皇后は明らかに不機嫌になる。

 

「おのれ奴らめ……司馬昭、奴らを逃がすな」

 

「……わかりました。董承殿、ご協力をお願いします」

 

「うむ、承知した」

 

 そして一刀は彼女の名を呼ぶ。

 

「杜預、君も頼む」

 

 彼女、杜預は振り向かずに言った。

 

「……しょうがないわね、今回は騙されてあげる」

 

 彼女の名は杜預、字を元凱、真名を綺羅(キラ)と言った。

 美華は見逃さなかった。

 

 彼女、綺羅の表情を……

 

 一刀に信じていると言われ、目を逸らした時。

 

 そして一刀に協力を願われた時。

 

 顔や口が緩み、目がやわらかくなっていた事を……

 

(ふーん、杜預ってそういう女なの……真名を交換するの近いかも……アノ女)

 

 彼女の標的がまた増えた。

 ついに追い詰められた李傕達。

 

 彼らには地獄の追撃が待っています。

 

 まず一人目には凄まじい怒りが襲い掛かってくることに。


 
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