No.516447 神殺しの頂点と紅闇の皇と破界神の始まり その42012-12-08 22:31:23 投稿 / 全3ページ 総閲覧数:552 閲覧ユーザー数:531 |
ーーー光が広がるほど影は大きくなりーーー
ーーー影が形に成せば闇の存在が現れーーー
ーーー闇が出現すれば憎悪が込み上げーーー
ーーー憎悪が転輪すれば正義が生まれーーー
ーーー正義が執行されば不満が煽られーーー
ーーー不満が蔓延すれば混沌が生まれーーー
ーーー混沌が世界を殺せば神が降臨しーーー
ーーー神は万象を創造し光が生まれるーーー
その因果律は永遠であるが、それはたった一つの力により紙屑へと成り果てる。
この世界が、偽りだと嘲笑うかのようにその存在は降臨し、円環している秩序を破壊尽くすだろう。
故に、
故に、
故に、
その存在が動けば新たなる世界が生まれ、同時に古き世界は滅びる。
世界は神によって救われ、滅ぼすのが宿命だが、彼女はその法則を跡形もなく消滅させるであろう。
その行為に慈悲はない。
何故なら、
何故なら、
何故なら、
この世の管理者である神を殺すことが出来る存在であること、
どんな未来からも超越して生まれし神殺しの頂点は、
ーーーーー新世界の神であることを意味するのだからーーーー
「………なんだ、この超中二臭いプロローグもどきは」
紅夜は突然を天上を見上げて呟いた。
電波でも受信したのかな?
「紅夜、中二病に出す薬はないよ~。あとロリコンに効く薬もないから~」
「えぇい!お前はいつもそのネタを引っ張ってくるな!!」
ギャーギャー喚く紅夜から視線を外して静かにノートにペンを走らせる『常夜 空亡』を見る。
僕の故郷と僕自身の過去話から空亡ちゃん(紅夜はくうちゃんと呼んでいる)の死にたいという考え方から、様々なことを知りたい望むようになった。
「へぇ~くうちゃん、難しい本読むわね~」
僕としては嫌だけど、彼女がそれを望むなら別にいいとして僕の事務処理室兼図書館を解放している。
空亡ちゃんはサヴァン症候群ほどではないが、紅夜が口を吊り上げてしまうほどの記憶能力と学習能力だ。
僕は体を色々弄られているから記憶能力とか学習能力は、ほぼ完ぺきに熟すことができるのだが、紅夜はそういう面では人間クラスなので全然ダメなんだよね。
「……っで」
「ん~?どうしたの可愛い弟ちゃん~♪」
僕は頭に10トン位の物をぶら下げられたような疲れを感じた。
それ何故か……答えは本来であるなら僕より
見る者を圧巻させるほどの美貌と、大自然を思わせる緑髪に畏怖感を覚えるほどの透き通った蒼色の瞳が特徴的だ。
服装は医者が来るような白衣を半袖にして、意味深そうな紋章が幾つも刻まれている不気味な格好だ。
神としての属性は僕の破壊とは全く逆の創造を司っている。
性格は極度の傍観主義で基本は自分の部屋に飛び籠ってばかりだ。そんな彼女は全ての存在初のニートとされ、別名『ニート女神』とも呼ばれている。
「僕は只仕事中なのですが……?」
豊富とは言えない、そして必要以上にデカくないバランスの整った胸を押し付けられ赤子がぬいぐるみを抱き締めるように僕の頭は締め付けられる。
「細かいことは気にしない~っで、さっきニート女神とか思ったでしょ~?」
「思っていません。はい」
くっ、この人は僕の数倍は生きているからどうしても経験さと言うもので負けてしまう。
この人、世界強者ランキングでもメンドクサイの一言で本来なら3位なのに僕に順位を譲ったからね。
正直な所、これはかなり悔しかった。
「はむっ♪」
「うひゃぁぁ!?」
耳に温かい物が!?
このバカ姉、僕の耳を噛みやがった!?
「~~♪」
「っ、このバカ姉!いい加減にし、--っ!?」
調子に乗ったのか今度は舐めてきやがった!!。
流石に僕の導火線も火が付き始めガチで反抗しようとしたとき、自分の体がいつの間にか女性モードになっていることに気づいた。
なんで、気づいたか……、だってこのバカ姉、揉んでるもん。
「こ、の……、あんたは……発情期の獣……ひぁ!?」
「可愛い可愛い私の妹ちゃん~」
やっぱりあんたは僕が男性モードになっているとその創造の力で僕を女性にしようとするねぇ!!
紅夜ヘルプ!!と叫んだが、紅夜がいない!少し前に気を使ったか紅茶でも淹れに行ったな!!
「空ちゃんは強引にすると弱いのよね~。あとここが弱点~~♪」
「っ、……バカ……やめぇ…」
不味い…、不味いよーー。
ムカデが這いまわるようなバカ姉の手馴れた手つきは徐々に僕の服装を解かしていき、重度のアルコールを飲まれて陶酔に近い感覚に意識が薄れて………
「空、くうちゃん……飲み物を………」
扉が開いた瞬間、最後の力を振り絞って
「はやっ!?……空、どうしたんだ?」
「紅夜、
僕じゃあのバカ姉貴に勝てないもん。
紅夜の十六界を殺戮した罪を解放して
「暴走姉貴…?あっ、聖奈さん。こんにちは」
「はぁーい、紅夜ちゃんもお元気そうね~」
なに呑気にあいさつしているんだよ!!
「えっと、どんな用事で?」
「報告に聞いた神殺しの頂点……いや、常夜 空亡ちゃんだったからしら?その実態を一目見てこうと来てみたら……」
なっ!?お姉様が一瞬だけど真剣な表情になった!?平均で一億年くらいに二回するかどうかの表情だ!
こんな状況でも眉ひとつ動かさない空亡ちゃんは相変わらず読書に夢中だ。
そんな光景をお姉様は微笑むように笑い、僕たちに振り向いて口を開いた。
「この子、持ち帰っていいかしら~?」
『……………はっ?』
「あっ、レンタルじゃないわよ?永遠に頂いてよろしいかしら♪」
『いや、ちょっと待て…!』
光速の速さで僕たちはお姉様から背を向けて顔を見合わせた。因みに紅夜の持っていた紅茶はティシフォネが亜空間から手を出して回収した。
「イベントって唐突に起きる物なんだね……」
「現実逃避的な目で言うな!!!っでこれはどうすればいい」
「普通に考えれば厄介ごと押し付けれるって意味になるけど……」
「なるけど?」
「お姉さまに四六時中付き合うことは一日で重度の腐少女になることを意味するよ…。そしてあの人は神だからいいけど命の飼育に向いているとは到底思えない!!」
「なんか言い方が感に障るんだが」
「そんなことはどうでもいい!!親は子に似ると言うからお姉様のような人格がプラス1しかも、神限定だけど一瞬で殺すことが出来る力があるんだよ!」
「………それはつまり、世界滅亡の危機!!」
「そうだよ!お姉様は極度の女王気質、もしお姉様に汚染された空亡ちゃんにちょっかいを出す様な輩が出てくれば……世界は混沌に染まる…!!」
「…………断固、拒否の姿勢だ!」
「OK、死力を尽くすよ!!」
凡そ0.1秒で繰り広げた僕たちの緊急会議は終了し、僕たちは表情を固めて女性の魅力を全開に僕の机に座っているお姉様に振り向いた。
「あの、お姉様?その子は、ご存じだと思いますがーーー危険な存在です」
「知っているわ~。…っで、それが?」
「聖奈さん、その娘は俺が面倒を見ると決めているのです。彼女は心に傷を負っているのです。連れて行くような強引なことは許しません」
「可愛い物を見ていると奪いたくなっちゃうの~~、それに空ちゃんは寧ろよろこばしいことだと思っているんだけど~?」
………そうだね。その通りだよ…だけどね。
空亡ちゃんは、紅夜の元じゃないとダメになると思うよ。
彼女の苦しみを悲しみを分かることが出来るのは、紅夜だけだと思っているから。
「空ちゃん、私は攻めているわけではないわ。あなたは背負いすぎなのよ。紅夜ちゃんの罪に
生まれの原因で僕は他の神々に好かれていないからね。
なんだって、人間の手で造られた神なんだから……。
「あなたの姉として、空ちゃんの重りを少しでも軽減させたいのよ。分かってもらえるかしら?」
「聖奈さん……!」
「あなたももう少し立場を理解しなさい、あなたは自由に考え行動しているけど、本当は空ちゃんの
「っ………!」
「貴方が過激に動けば動くほど、あなたと言う光は影である空ちゃんを苦しめることになっているのよ?」
遊びで空亡ちゃんを保護しようと訳じゃないんだ……。
紅夜は血が出る程、拳を握りしめている。
僕は紅夜の拳を優しく握った。
「嫌われ役は今に始まっていませんから、大丈夫ですよお姉様」
「無限神に狙われていると聞いているわ、守れるかしら?あなたは大罪人と世界の猛毒を」
守る……か、破壊に守護なんて矛盾もいいところだよ。
それに聞くばかり最悪の物だよね、一般的な価値観だとむしろ処刑と廃棄されそうな奴だよね。だけど……
「お姉様、大丈夫です。僕はやれますよ」
「………あなたにメリットなんて無いわよ」
それは世界神の三柱、創造神として、
僕の義姉さんとしての最終通告なんだろうけど……うん、いいよ。
「楽しんだよ」
「………」
「今が楽しい、空亡ちゃんと楽しく過ごせそう。それだけで十分なメリットになるよ」
「紅夜ちゃん」
呆れるように慈しむようにお姉様は僕を少し見つめて、紅夜に視線を変えた。
「……はいっ」
「可愛い妹をよろしくね」
「はいっ!!」
お姉様は薄らと満足げに微笑むと空亡ちゃんを見詰めた。
「空亡ちゃん」
「……はい」
本から視線を外して空亡ちゃんはお姉様と目を合わせた。
お姉様は机から降りて、空亡ちゃんの頭を数回撫でた。
「いい人達に出会ったわね」
「………はい」
空亡ちゃんの機械のような返事にお姉様は嬉しいことが合った様に表情を明るく染め、姿を消した。
それから僕たちは色々と考えた。
空亡ちゃんを教育をどうするかだ。
彼女の力は、世界の法則を壊すほどの力を持っていることは絶対的な事実なので、僕たちが彼女に教えることが重要になってくるのだ。
僕は恋して女性は殺されたし、紅夜も恋から次に行けるかと思えば殺されている……あれ?僕たちって恋するとその人の死亡率が高い……?(これを紅夜に言ったら互いにネガティブな雰囲気で落ち込んだ)
ーーーとにかく、僕たちに子供の教育方法をほとんど無知なのだ!!。
「……なぁ、空」
「なんだよ……」
「くうちゃんの年頃ってどんなものに趣味を持つんだ……?」
「知るか……」
「おい、お前は神の中の最上位なんだろう……」
「僕は全知全能じゃないよ……」
僕たちは疲れ果ていた。
空亡ちゃんのぐらいの年頃で趣味を持ちそうな物をとりあえず買い漁ってみたけど、空亡ちゃん見向きもせず読書ばかりだ。
因みに可愛い服装に興味を持たせようとメイド服やウェディングドレスを買ってみたんだけど答えは無反応だった。
最終的にはどこで道を外したのか猫耳を買って装着させて『にゃー』言わせてみたらその場が血の海になった。(原因はロリコン兼ペドフィリアの奴)
「…………ニャー」
ぶば~~、どくどくどく
「……ティッシュいる?」
「……ひぃる(いる)」
木製の机は一瞬で惨殺事件でもあったのか鮮血に染まってしまった。
あと、空亡ちゃん勘違いを生み出してしまった。
僕たちがこうやって落ち込んでいる時に『ニャー』と言うと空気がマイナスからプラスになるということに気づいたのだ、彼女なりの気遣いなのか僕たちが困った表情がすると決まって、空亡ちゃんはそう発言するのだ。
まぁ、確かにプラスな雰囲気にはなるけど……ねぇ……僕は和むけど紅夜は色々と削れていくんだよね……。
浴びてしまった返り血と真っ赤に染まってしまった机を破壊で元通りにする。
「………
「…うん……」
娘に心配される父親の背中は情けないね。
あと、いきなりのことに混乱すると思うけど、紅夜と空亡は親子となった。
理由?だって紅夜は面倒見るとか言ってたし、僕が彼女の鎖を持つより紅夜が持った方がいい、だって僕が手綱を持っていたらぶっ壊されるし(僕が神だから)、神殺しの頂点を殺すことが出来るのはこの場で紅夜だけだしね。
二人の仲は………一定の距離が維持されて動かない状態だ。
「くうちゃんは、その本楽しい?」
「うん………」
楽しいねぇ……フェルマーの最終定理の立証理論を見るのがそんなに興味を抱くなんてね。……将来がどうなるか楽しみだよ。
因みに紅夜は覗かせてもらっているが、全く分からないような顔で苦笑いしている。
「そういえば……」
「ん?」
空亡ちゃんは本に栞を差し込み、机に置いた。
どうやら、質問があるみたいだ。
紅夜は空亡ちゃんに護身術の先生役を僕は家庭教師の立場だから、いつでもどこでも彼女の質問には答えれるようにしているのだ。
紅夜も人間クラスなら秀才と呼ばれるくらいだけど、僕にとってはバカ同然だ。
空亡ちゃんは紅夜なら10年で要約理解できることを、二週間で理解するほど頭がいいから教えがいがあるよ♪(紅夜はその時、部屋の片隅でひたすら”の”を書いていた)
「空さん達が、良く言っている……
紅夜の顔が凍った。
僕は笑顔になった。
「ロリコンとは略称でロリータ・コンプレックスと言うだけど、これは性的嗜好や恋愛感情の一種なんだ。そしてその内容は幼い少女……くうちゃんのような体系を主に言うんだ。簡易的には言えば異常性的者」
「……父様は私のことが好きなの?」
「え、あぁ……好きだよ」
「そう……」
……ちっ、空亡ちゃんにまだ感情が欠落していて助かったね。
それになんだか、いい雰囲気になっているし、空亡ちゃんはまだ恋愛感情なんてない、あるとすれば僕たちへの一定の距離感を保ちながらの親愛感ぐらいだろう。
彼女の”死にたい”という望みはまだ変わってないのだから……。
「そういえば、紅夜のアザトース達に飲み会に招待されていなかったか?」
「げっ……、あいつら自重という文字を知らねぇんだよな……」
露骨に嫌な表情を見せて、疲労を見せるため息を付いた。
あいつ等の飲み会って脅威だよね……。
酔って暴れたりすると大陸は軽く粉塵となるね。
「旧き輪廻を破壊する者と関係を持つことは、ある意味すごいことなんだよ?君はあいつらの破壊神である名ーーー『ヌギル=コーラス』を頂いているんだし」
「勝手に破壊神に仕立てられているんだよ……。俺はあいつらの様に自分を闇に染めきれない」
そういいながら闇の叡智を知っている君は十分、素質があるよ。
僕こと世界神の一柱の一つ、破壊神の従者であるんだし、僕の元でいろんなことを学ぶ機会はたくさんあるんだよ。
「まぁ、君の生きる道だ。君が決めればいい」
「その時々でる傍観主義の思考……もう少し
「僕は彼らに生きるチャンスを上げているだけだ。そしてあの子供たちが善に生きようが、悪に生きようが、それは僕に関与しないよ」
この世界には空亡ちゃん以外にも規模の違いはあるけれど、生まれつき特殊な力を持ち親に捨てられたり、人身売買されたり、孤独に生きる子供たちがいる。
僕はそれらの子供たちを保護(本人の了承は取るよ!決して誘拐じゃないから!!)して、不自由ない生活ができる環境を造る、言わば学校だ。
勿論、僕も含め従者たちと一緒に少年少女達に自分の力がどんな恐ろしい物なのか、生きるために必要な技術を教えている。
生まれた不運とか、生きる価値がないとか、そんな彼らが何もしてないのに課せられたペナルティ、その鎖から雁字搦めにされて窒息死していく子供たちを見ていた。
思わず僕が作り出した施設だ。
今は1000人くらいだけど、これからもっと増えることになりそう……紅夜も捨て犬を拾う感覚で10人くらい連れてきたことあったし。(維持費とか諸々で僕の財布の中身は羽を生やして飛んでいく)
「空………」
「この世には最低でも二つの色が必要なんだよ。」
善があれば悪があり、
光があれば闇があり、
正義があれば不義があるように……誰からは苦しまなきゃいけない。
塵が燃えるように、誰にも思われることなく振り向かれることなく死ぬような奴は山ほどいるんだ。
それは、当たり前のことなんだろうけど、天から貰った折角の才能だ。死ぬに惜しい奴ぐらいにチャンスがあったもいいだろう?
……まぁ、力をどんな風に使おうが僕は親になったつもりでもなければ、彼らを利用する気も更々ないし、彼らの生きたいようにするその道を僕は静かに傍観するだけなんだ。(まぁ、施設内でバカしたら説教で100℃くらい沸騰した水の入った鍋の上で吊るすけど)
「……っと、お迎えだよ」
部屋に置いてある本棚の90度以下の鋭角から蒼黒い煙のようなものが噴出し始める。
「お前は世界を難しく考えすぎてないか?、もう少し簡単に考えてみたら……」
「僕は造られた神でキチガイだけど、世界神の肩書がある。故に常に世界を見続けなきゃいけないんだよ」
酷い刺激がする悪臭を破壊の力で部屋に充満しないようにしつつ、僕は目を細めてそれを見る。
蒼黒い煙のようなものは、徐々に形を造りだし犬のような外形を構築していく。
目に入ったのは太く曲がりくねって鋭く伸びた注射針のような舌、全身から滴る不気味な液体、床を溶かしながらその化物……『ティンダロスの猟犬』はその凶器のような舌を巻きながら頭を下げた。
『ヌギル=コーラス様、王がお呼びでございます』
金属同士を擦り合わせたような耳孔を突き回す声音が空間に響いた。
「………行ってくる。」
憂鬱な表情で紅夜は重たい腰を上げて、ティンダロスの猟犬に近づこうとするが思いついたように紅夜は振り向き空亡ちゃんの元へ歩いた。
「直ぐに帰ってくるから、………空とお留守番していてくれよ?」
「……行ってらっしゃい」
マニュアルに沿った言葉で空亡ちゃんは口を開いた。
紅夜は空亡ちゃんの頭を撫でて「今はそれでいい」と言葉を残してティンダロスの猟犬と共に姿を消した。
「…………」
「…………」
さて、この無表情の人形ちゃんをどうするか………。
話題?あるわけないでしょ、紅夜と僕との授業によってそれなりには、力をコントロールできるようになったので、最初の様に神殺しの頂点の力を無造作に放出している状態ではないので当初よりは話しかけるようにはなったのだが……。
彼女自身が必要以上の距離を詰めようとすることを拒絶の傾向なので、僕も適当に本を取って読むようにした。
それが数秒、数分、数時間経ったのかは分らないけど突如、空亡ちゃんが口を開いた。
「親、とはなんでしょう…」
親の愛情を知らない。
むしろ、生まれた直ぐに
「親とは、正しさを教える一種の神だと思うよ」
「………神?」
そう、親とは子供に自我を押し付ける。
例え、一般常識として間違いなことでも親がそれを違う認識して、子供に自分が正しいと思うことを教える。
自分が常にこれは正しいと思うこと、自身が間違ってない認識を子供に押し付ける。
ある程度育っている子供ならともかく、幼い子供は疑いなんてほとんどない。
故に従うことしかできなくなる。
それは、絶対的な存在の予言に疑問すら感じず鵜呑みにする信者達の様に、
「教育される子供は、親に育てられる。それは自分の命を握られているとは思えないかな?そして情報操作によって一種の洗脳という教育される。子供はプログラムされた人形のように聴く、動く、考える……だから親は、神……僕はそう思っているよ」
「……私にとっての神は、あの人なのですか……」
さぁね、紅夜は君のことを大切に思っているからこそ、君と言う存在を理解しようとして自分の思いのままに生きていてほしいと思っているだろうね。
「……あなたは、子供達の神になりたいのですか…?」
「違う」
僕は、ただそんなことの為に異能の子供たちを引き取っているんじゃない。
僕も紅夜のように自然に育ってほしい。
確かに僕がその気になれば、今施設で生きている子供たちを全て”善”にすることは出来る。
しかし、それに何の得がある?
善が膨張すれば、人は進化を衰え怠惰が広がっていき世界は衰退するだろう。
逆に悪が膨張すれば、人は過剰な進化と闘争本能に身を委ね世界は崩壊するだろう。
だから、善と悪には絶妙なバランスが必要なのだから、僕は彼らに好きに生きらせる。
その先に、なにが合っても僕は傍観するだけ……まぁ、施設内での殺し合いは厳禁だけどね。
「僕が子供たちを引き取っている理由は、ただの………罪悪感だよ」
「……罪悪感…?」
そう、あの日、彼女を殺して約束を破ったあの日から、僕は少しだけ違うだけ弊害され孤独になり捨てられた異能の子供を引き取っているんだ。
「……そうさせた、理由があなたにはあるんですか…?」
「……ニーヴァ、僕にとって妹のような子だった」
僕は懐から一枚の写真を取り出した。
そこには、幼い少女が僕の膝で眠っている様子が撮られている。
「彼女は((守護女神|ハード))という人々を導く女神だった。……僕はその教育係で彼女をずっと見ていた」
なにかあれば直ぐに泣いていた泣き虫で、いつもおろおろしていてやることなすこと遅かった。
僕は今までの女神を見てきて、ここまで落ちこぼれなのは初めてだと彼女の教育プランに四苦八苦したのは今でも覚えている。
そんなダメダメな彼女だったけど、誰よりも理想が高かった、そして誰よりも努力家だった。
どれだけほかの女神に「諦めなさい」「貴方には重すぎる」と言われ続けて思わず涙を零しても直ぐに拭いて僕の元へ来て自分にしか出来ないことを探すために学習していた。
その結果、仲間の女神に実力を認められるまで成長することが出来た。
「……空さん、笑顔」
「えっ?」
突然の空亡ちゃんの言葉に僕は思わず声を零した。
「でも……空さん、そこが泣いている。」
そして空亡ちゃんは僕の胸に指を差して口を開いた。
「…………その、ニーヴァさんは……既に死んでいるの?」
「やめろ!!!」
座っていた椅子を強引に後ろに弾き飛ばして、力強く机を叩いた。
力を入れ過ぎて、机は僕の両手を中心にバラバラに砕かれ空亡ちゃんの本は遠くへ飛んでいく。
「……ごめん、もうこの話はやめてくれないかな……?」
「…………」
僕にとってはそれ以上は触れてほしくないことだ。
机を粉砕してしまい、空に舞っているニーヴァと僕の写真をキャッチして僕は懐に入れる。
空亡ちゃんは、僕は吹っ飛ばしてしまった本を取るために椅子から降りた時だ、耳に空を切り裂く様な音がしたのは、
「---っ空亡!!!」
その場から飛び上がり、空亡ちゃんを抱き締める。
その瞬間、真紅を超えた白い光が僕たちを包んだ。
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………内容を厚く考えすぎてこうなってしまった。
次から無限神とのバトルを予定しています……ダメだ。俺って駄目だ………