No.512690

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百四十五技 堕天討つ、九つの希望

本郷 刃さん

第百四十五話です。
今回でボス戦が終了します。

どうぞ・・・。

2012-11-27 09:14:31 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:9832   閲覧ユーザー数:9062

 

 

 

 

 

 

 

第百四十五技 堕天討つ、九つの希望

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

〈The lord of falldowner(ロード オブ フォールダウナー)〉と戦闘を続けている俺達。

 

奴の苛烈な攻撃をシャインとヒースクリフが必死に防いでいる。

 

ルナリオが奴の武器をハンマーで打ち返したり、俺とヴァルも攻撃を防いだりしているが……厳しい。

 

そこに氷の刃が飛んできてボスの体を斬りつけた。

 

「わるい、遅れた」

 

「へ、問題ねぇよ!」

 

ハクヤがハジメ、ティアさん、カノンさんを連れて参戦してきた。シャインが笑みを浮かべて迎える。

 

「立ち直れたみたいだな」

 

「手間を掛けさせた」

 

俺の言葉に妙に静かな様子のハクヤだったが、納得した。『冷徹』の『覇気』を使っているようだ。

 

それならこの状態にも納得である。まぁ、ここにいるユニークスキル持ちが全員揃ったことだし。

 

「一気に片をつけるぞ!」

 

「うむ!」

 

「「「「「了解!」」」」」

 

ヒースクリフが剣と盾を使いユニークスキル《神聖剣》を発揮する。

 

シャインもまた、《絶対防御》と『アイギアス』でボスの六本の武器による猛攻を防ぐ。

 

俺も《二刀流》による『セイクリッドゲイン』と『ダークネスペイン』で攻撃を捌き、

ルナリオは『ヴェンダイヤ』で武器を弾く。

 

そこにハクヤが『アイスエイジ』を、ハジメが『カミヤリノマサムネ』を、

ヴァルが『神龍偃月刀』を、カノンさんが『ヴァントゥール』を使い斬りつけ、

ティアさんが『苦無』を取り出してスキル《ショットクラッシュ》を発動し、ダメージを与えていく。

 

それによって、奴のHPはついにレッドに到達した。

 

「!!!!!!!!!!」

 

ボスに異変が起きた。纏っていた漆黒のオーラがさらにドス黒くなった。バーサーカーモードだな。

 

それぞれ二本ずつある鎌と剣と槍、尾による攻撃がさらに苛烈になる。

 

だが俺達もそれを必死に捌く。武器や盾で捌き、見切って回避し、ほんの少しの隙に攻撃を加える。そして、

 

「むん!」

 

「オラァッ!」

 

ヒースクリフとシャインがそれぞれの剣と盾で防御して武器を弾き、

 

「っ!」

 

ティアさんが《隠者》によって索敵から逃れた次の瞬間には、背後に回り込んで奴の喉元を斬りつけ、

 

「はっ!」

 

ハジメは《抜刀》を使い、《断空》が発動したことで衝撃波が駆け巡り、

 

「ハァッ!」

 

カノンさんは再び《連撃》の特性で、《フラッシング・ペネトレイター》、《ホリゾンタル・スクエア》、

《スター・スプラッシュ》の連続スキルを使用し、

 

「ふっ!」

 

ヴァルは《神速》の状態で《レイン・スクエア》の八連撃を使い、

 

「そぉれっ!」

 

ルナリオはスキル《ヴァイク・インパクト》と《破壊震》による強力な一撃を放ち、

 

「うぉぉぉぉぉ!」

 

俺は《ジ・イクリプス》による二十七連撃を喰らわせた。止めに、

 

「ハァァァァァ!」

 

ハクヤが《ヴァンディエスト》の八連撃、いや《斬撃》を加えた十六連撃になって奴を切り刻む。

 

氷の刃と鎌による連撃が奴の体に襲い掛かり、そして、

 

「!?!?!?!?!?」

 

HPが0になり、ポリゴン化して消滅した。ボス戦が……終わった。

 

 

 

戦いが終わり、俺達は地面に座り込んだ。

 

―――ドサッ!

 

「っ、ハクヤ!」

 

ハクヤはそのまま倒れ、意識を失った。

 

「ハクヤ!」

 

「キリトくん!」

 

そこにリズやアスナ、みんなが駆け寄ってきた。

 

「大丈夫か、お前ら?」

 

「カノン、無事か?」

 

「は、はい…」

 

「みんな、これ回復アイテム」

 

エギルとクラインの気遣いの言葉にカノンさんが応え、

サチ達が回復アイテムを渡してくれたので、受け取ってHPを回復させた。

 

「ハクヤ、ハクヤ!」

 

「落ち着いてください、リズさん。大丈夫です、気を失っているだけですから」

 

ティアさんにそう言われたので一先ず落ち着いた様子のリズ。

 

ハクヤの頭を持ち上げると自身の膝の上においた、膝枕だ。あとでハクヤをからかおう(笑)。

 

するとアスナが俺に寄り添ってきた。俺はその体を抱き締め、頭を優しく撫でてあげた。

 

「今回は死者が出なくて済んだな…」

 

「そうだな……」

 

「んなことよりもお前ら、さっきのはやっぱり…」

 

ウェルガーとヒースクリフは被害がないことに安堵している。

 

しかし、クラインはやはり先程の戦闘を気に掛けている。ま、もうどうすることもできないか。

 

「ここにいるみんなの予想通り、ハクヤ達が使ったのはユニークスキルだ」

 

「俺のはダメージ軽減の《絶対防御》だ」

 

「私のは《隠蔽》以上に隠れることに特化したスキル、《隠者》です」

 

「あたしはスキルの連続発動が可能な《連撃》」

 

「……攻撃した箇所から衝撃波が発生する《断空》だ」

 

「で、ハクヤが使ったのが見たままの通り《斬撃》というわけだ」

 

俺がユニークスキルであることを明かし、各自が自分のスキルを説明を行い、

俺が最後にハクヤのスキルを説明した。

 

俺達の言葉を聞いて周囲には歓声が起こる。

 

強くなっていく敵に対して、俺達のスキルは間違いなく攻略の要になるからな。それに期待しているのだろう。

 

「出現条件はキリト達と同じで不明なのか?」

 

「ああ。俺達もキリト、ヴァル、ルナリオ同様にいきなり現れたんだ」

 

「改めて思うと謎だな。ヒースクリフさんを除いたユニークスキル持ちが、何故黒衣衆の全員なのか……」

 

エギルの問いかけにシャインが答えた。

 

そしてケイタが言ったようにそれは俺達自身も気になったことだ。

 

何故黒衣衆の全員がこれらを手に入れたのか。謎は深まるばかりだ。

 

「案外、茅場の仕業かもしれないけどな」

 

「奴の掌の上で踊らされている、ということか…」

 

俺の言葉にウェルガーが続けると周囲に沈黙が流れた。そんな時、

 

「暗くなったところ申し訳ないんだけど……転移門の有効化(アクティベート)に行かねぇか?

 折角勝ったんだしよ」

 

「彼の言う通りだな。こういう時はキリト君達に任せた方がいいのだろうが、私達が行っても問題無いかね?」

 

「ああ、任せる…」

 

テツがそう言った為、ヒースクリフが賛成してから提案したので俺は任せることにした。

 

ヒースクリフと一部のプレイヤー達は77層に向かい、

他のプレイヤー達もボス部屋から出て≪転移結晶≫を使い、街へと帰っていった。

 

俺達はハクヤが目覚めるのを待つことにした。

 

キリトSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

今回のボス戦でLAボーナスを獲得したのはハクヤでした!

 

最後は意外とあっけなかったボスですが、ユニークスキル持ち全員から総攻撃を受けたらこうもなりますよw

 

そして次回ですが、甘くなると思います。

 

コーヒー片手にスタンバってください、ちなみにハクヤとリズですよ~。

 

ちなみにタイトルの『九つの希望』とは、九つのユニークスキル(黒衣衆+団長)を指します。

 

それでは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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