No.512014

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百四十三技 黒き死神の目覚め

本郷 刃さん

第百四十三話です。
ついに、ハクヤが覚醒する・・・!

では、どうぞ・・・。

2012-11-25 10:56:10 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:9957   閲覧ユーザー数:9151

 

 

 

 

 

 

 

第百四十三技 黒き死神の目覚め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キリトSide

 

ボスに対してヒースクリフとシャインが壁役となり、

俺、ハジメ、ヴァル、ルナリオ、ティアさん、カノンさんの六人で攻撃を行っている。

 

さらに、現れた七体の堕天使の名は、〈Shemhaza(シェムハザ)〉、〈Kokabiel(コカビエル)〉、

Barakiel(バラキエル)〉、〈Armaros(アルマロス)〉、〈Ramiel(ラミエル)〉、〈Tamiel(タミエル)〉、

そして最後の一体は、

 

「〈Azael(アザゼル)〉……ボスがアザゼルに値するんじゃないのかよ…」

 

アザゼルだ、まったく厄介なことを。

 

その七体にはアスナやエギル、クライン率いる風林火山とウェルガー率いる聖竜連合、

血盟騎士団団員や黒猫団、他の攻略組が対応している。

 

〈The lord of falldowner(ロード オブ フォールダウナー)〉は漆黒のオーラを纏い、ステータスは間違いなく上昇しているはず。

 

攻撃力や速度はもちろん、防御力も上がっている。

 

現に、先ほどまでに与えていたダメージ量よりも明らかに少ない。

 

「だからって…諦める理由にはならないよ、な!」

 

俺は《二刀流》でボスの攻撃の隙を突いてダメージを与える。

 

「……そう、だな!」

 

「まったく、です!」

 

「そうよ、ね!」

 

ハジメとヴァルとカノンさんはスピードを生かして、出来るだけ多くの攻撃を行っている。

 

「回復と援護は任せてください!」

 

ティアさんは≪ハイポーション≫などの回復アイテムを用意し、ダメージを受けた者に渡していく。

 

さらに投擲武器での攻撃も行う。

 

「あらよっ、と!」

 

ルナリオはボスの武器を『ヴェンダイヤ』で弾きながら応戦している。

 

「んな、おらぁ!」

 

「ふんっ!」

 

シャインとヒースクリフの二人はそれぞれが持つ剣と盾、

ユニークスキルである《絶対防御》と《神聖剣》でボスの攻撃を捌いていく。

 

少しずつだが削れていくボスのHP。俺達は……諦めない!

 

キリトSide Out

 

 

 

ハクヤSide

 

体の震えが止まらない。この世界に囚われてから、何度も命のやり取りはしてきた。

 

勿論、自分の命が危機に陥ったこともあった。HPがレッドになることもよくあることだった。

 

だけど今回のは違う。本当に死んだと思った。

 

HPバーが削れていって、0になって、終わりだと思った。そう考えていると、俺の体は温かいものに抱かれた。

 

「リ、ズ…?」

 

リズが俺を抱き締めてきたのだ。

 

「大丈夫、あたしがいるから……あたしも、ハクヤを守るから…」

 

そう言ってくれた。その言葉で、体の震えが少しだけ治まる。だがその時、

 

「きゃあっ!?」

 

「サチっ!」

 

タミエルと交戦していたサチが体勢を崩した。

 

「!!!!!」

 

「うわっ!?」

 

「うっく!?」

 

「あぐっ!?」

 

「くっ!?」

 

さらに他の黒猫団四人も攻撃を受けて吹き飛ばされた。タミエルはサチに止めを刺そうとしてか、彼女に近づいていく。

 

ダメージを受けながらも、ケイタはサチを守ろうと一人で応戦する。けれど、

 

「がっ!?」

 

「ケイタ!?」

 

「っ!?」

 

ケイタはタミエルの攻撃を喰らい、ダメージを受けてそのままサチの元に飛ばされた。

 

なおもタミエルは二人に近づく。

 

俺は体を動かそうとするけど、先ほどの死への体験がフラッシュバックし、硬直してしまった。

 

そこで俺を抱き締めていたリズが離れ、奴へと向かっていった。

 

「駄目だ、リズ!」

 

「てやぁぁぁ!」

 

リズはタミエルの持つ剣を自身の片手棍(メイス)で弾き、そのまま追撃を加えた。

 

しかしタミエルに怯む様子はなく、リズが奴の攻撃を受けてしまった。

 

「あぅっ!?」

 

「リズ!」

 

他の堕天使と交戦しているアスナが声を上げた。リズのHPは一撃受けただけでレッドに到達した。

 

しかもタミエルは標的をリズへと変えた。倒れているリズにそのまま近づく。

 

「や……め、ろ…」

 

目の前から居なくなる、リズが?

 

そんなこと、させない…させるもんか!

 

俺は彼女を、リズを守る!

 

だからこそ俺は、自身の奥にある『覇気』を解き放った。

 

「やめろぉぉぉぉぉ!」

 

ハクヤSide Out

 

 

 

リズベットSide

 

あたしの目の前で剣を振り下ろそうとする一体の堕天使、タミエル。

 

自分の身に迫る死への恐怖。だけど、折角仲良くなった友達が死んでしまうのが嫌だった。

 

だからこそ、サチとケイタを庇ったんだ。余計なお世話だったかもしれない。

 

でも、それでも自分の本音には嘘が吐けなかった。だけど、こうなるんだったら、ハクヤの答えが聞きたかった。

 

「ごめんね、ハクヤ…」

 

あたしがその一言を言った瞬間、

 

―――ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、パキャァァァァァンッ!

 

堕天使は幾つもの炎の刃に切り裂かれ、

さらに刃が襲い掛かりその身は炎に包まれながら、HPバーが0になり消滅した。

 

「リズ、キミが謝る必要なんてない……俺の弱さのせいだから…」

 

消滅した堕天使の背後にはハクヤがいた。

 

ただその顔に表情はなく、冷徹という言葉がそのまま当て嵌まるものだった。

 

それでもあたしは、彼を愛おしく思った。

 

彼が好きなのだから…。

 

リズベットSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

ハクヤ覚醒・・・次回はハクヤバーサーカーモードになります。

 

ていうか、それなりの能力の堕天使を一人でやるってどんだけ?

 

自分で書いていてもそう思いましたw

 

それにしてもグリゴリの堕天使総登場ですよ~。

 

次回でどれだけ生きてられるかな~www

 

それでは・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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