第百四十三技 黒き死神の目覚め
キリトSide
ボスに対してヒースクリフとシャインが壁役となり、
俺、ハジメ、ヴァル、ルナリオ、ティアさん、カノンさんの六人で攻撃を行っている。
さらに、現れた七体の堕天使の名は、〈
〈
そして最後の一体は、
「〈
アザゼルだ、まったく厄介なことを。
その七体にはアスナやエギル、クライン率いる風林火山とウェルガー率いる聖竜連合、
血盟騎士団団員や黒猫団、他の攻略組が対応している。
〈The
攻撃力や速度はもちろん、防御力も上がっている。
現に、先ほどまでに与えていたダメージ量よりも明らかに少ない。
「だからって…諦める理由にはならないよ、な!」
俺は《二刀流》でボスの攻撃の隙を突いてダメージを与える。
「……そう、だな!」
「まったく、です!」
「そうよ、ね!」
ハジメとヴァルとカノンさんはスピードを生かして、出来るだけ多くの攻撃を行っている。
「回復と援護は任せてください!」
ティアさんは≪ハイポーション≫などの回復アイテムを用意し、ダメージを受けた者に渡していく。
さらに投擲武器での攻撃も行う。
「あらよっ、と!」
ルナリオはボスの武器を『ヴェンダイヤ』で弾きながら応戦している。
「んな、おらぁ!」
「ふんっ!」
シャインとヒースクリフの二人はそれぞれが持つ剣と盾、
ユニークスキルである《絶対防御》と《神聖剣》でボスの攻撃を捌いていく。
少しずつだが削れていくボスのHP。俺達は……諦めない!
キリトSide Out
ハクヤSide
体の震えが止まらない。この世界に囚われてから、何度も命のやり取りはしてきた。
勿論、自分の命が危機に陥ったこともあった。HPがレッドになることもよくあることだった。
だけど今回のは違う。本当に死んだと思った。
HPバーが削れていって、0になって、終わりだと思った。そう考えていると、俺の体は温かいものに抱かれた。
「リ、ズ…?」
リズが俺を抱き締めてきたのだ。
「大丈夫、あたしがいるから……あたしも、ハクヤを守るから…」
そう言ってくれた。その言葉で、体の震えが少しだけ治まる。だがその時、
「きゃあっ!?」
「サチっ!」
タミエルと交戦していたサチが体勢を崩した。
「!!!!!」
「うわっ!?」
「うっく!?」
「あぐっ!?」
「くっ!?」
さらに他の黒猫団四人も攻撃を受けて吹き飛ばされた。タミエルはサチに止めを刺そうとしてか、彼女に近づいていく。
ダメージを受けながらも、ケイタはサチを守ろうと一人で応戦する。けれど、
「がっ!?」
「ケイタ!?」
「っ!?」
ケイタはタミエルの攻撃を喰らい、ダメージを受けてそのままサチの元に飛ばされた。
なおもタミエルは二人に近づく。
俺は体を動かそうとするけど、先ほどの死への体験がフラッシュバックし、硬直してしまった。
そこで俺を抱き締めていたリズが離れ、奴へと向かっていった。
「駄目だ、リズ!」
「てやぁぁぁ!」
リズはタミエルの持つ剣を自身の
しかしタミエルに怯む様子はなく、リズが奴の攻撃を受けてしまった。
「あぅっ!?」
「リズ!」
他の堕天使と交戦しているアスナが声を上げた。リズのHPは一撃受けただけでレッドに到達した。
しかもタミエルは標的をリズへと変えた。倒れているリズにそのまま近づく。
「や……め、ろ…」
目の前から居なくなる、リズが?
そんなこと、させない…させるもんか!
俺は彼女を、リズを守る!
だからこそ俺は、自身の奥にある『覇気』を解き放った。
「やめろぉぉぉぉぉ!」
ハクヤSide Out
リズベットSide
あたしの目の前で剣を振り下ろそうとする一体の堕天使、タミエル。
自分の身に迫る死への恐怖。だけど、折角仲良くなった友達が死んでしまうのが嫌だった。
だからこそ、サチとケイタを庇ったんだ。余計なお世話だったかもしれない。
でも、それでも自分の本音には嘘が吐けなかった。だけど、こうなるんだったら、ハクヤの答えが聞きたかった。
「ごめんね、ハクヤ…」
あたしがその一言を言った瞬間、
―――ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ、パキャァァァァァンッ!
堕天使は幾つもの炎の刃に切り裂かれ、
さらに刃が襲い掛かりその身は炎に包まれながら、HPバーが0になり消滅した。
「リズ、キミが謝る必要なんてない……俺の弱さのせいだから…」
消滅した堕天使の背後にはハクヤがいた。
ただその顔に表情はなく、冷徹という言葉がそのまま当て嵌まるものだった。
それでもあたしは、彼を愛おしく思った。
彼が好きなのだから…。
リズベットSide Out
To be continued……
後書きです。
ハクヤ覚醒・・・次回はハクヤバーサーカーモードになります。
ていうか、それなりの能力の堕天使を一人でやるってどんだけ?
自分で書いていてもそう思いましたw
それにしてもグリゴリの堕天使総登場ですよ~。
次回でどれだけ生きてられるかな~www
それでは・・・。
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第百四十三話です。
ついに、ハクヤが覚醒する・・・!
では、どうぞ・・・。