彼は天才だ。
僕には理解できないような難しい計算式もスラスラ解いてしまうし、僕には何語かすら分からない文章もいとも簡単に翻訳してしまう。スポーツだって万能だし、絵にかいたような天才像だ。
それに誰からも好かれる性格で、きっと挫折なんて知らない、そんな人間だ。
そんな彼の趣味は夜空を見上げることだ。なんでも星を見るのが好きらしい。
そんな彼に僕はある日質問した。
「どうして夜空を見るのが好きなの?」
すると彼は笑いながらこう答えた。
「夜空を見てるとさ、いろんな想像が働くんだよね。この宇宙にはどれだけの生物がいて、その生物は僕たち以上に高度な文明を持っているのか、それとも僕たちと同等くらいなのか。戦争とかしてるのか、それとも仲良く手を取り合って生きているのか。そんな想像してると、なんだかわくわくしてこないかな?」
その答えに僕はなんだかうれしくなった。
天才だからって、この夜空……宇宙に対する想いは僕たちとなんら変わらないんだって。
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即興小説トレーニングにて作成
お題:天才の宇宙 制限時間:1時間
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