No.508429

SAO~黒を冠する戦士たち~ 第百三十三技 紅蓮の鎌

本郷 刃さん

第百三十三話になります。
今回でボス戦が終了します、そしてタイトルの通りに・・・。

では、どうぞ・・・。

2012-11-15 10:13:37 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:10145   閲覧ユーザー数:9368

 

 

 

 

 

 

 

第百三十三技 紅蓮の鎌

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リズベットSide

 

ハクヤとキリトが〈The volcanogolem(ヴォルケーノゴーレム)〉と戦闘を再開したのだけど、そこからは圧倒的だった。

 

テンポ良く攻撃と回避を交互に行い、スイッチでさらに攻撃を繋いでいく。

 

ハクヤが一人で戦っていた時とは違い、スムーズに削れていくダメージ。

 

そして敵のHPバーは最後の一本のレッドへと到達した。

 

その時、敵の体が炎を纏い、その炎は二人に向かっていく。

 

「ハクヤ!」

 

「キリト君!」

 

あたしとアスナが名前を叫んでも二人はその場から動こうとしない。

 

そのかわり、二人とも武器を前に翳して回転させ始めた。

 

二人に向かってきた炎は回転させている武器によって阻まれ、

ほんの少しだけ当たった炎によるダメージも瞬時に回復してしまった。

 

回復に使われたのは上位の戦闘スキルで習得が非常に難しいと言われている《バトルヒーリング》。

 

もう一つの武器の回転で攻撃を防いでいたのは防御スキルの《円盾(ラウンドシールド)》だと思う。

 

改めて彼らが攻略組最強の実力者であることを思い知らされた。

 

そしてハクヤとキリトがスキルを発動させた。

 

キリトが四連撃のソードスキル《ホリゾンタル・スクエア》を発動して斬りつけ、

直後にハクヤの四連撃サイススキル《ヘルゲイザー》で斬りつけたことで、敵のHPバーは0になった。

 

―――パキャァァァァァンッ!

 

〈The volcanogolem〉はポリゴン化して消滅した。

 

 

 

「ハクヤ、大丈夫?」

 

「キリト君も大丈夫?」

 

中央の舞台を囲っていたマグマが引いたので、あたしと反対側の扉にいたアスナは二人の元に駆け寄った。

 

「なんとか大丈夫…」

 

「こっちも問題なしだ」

 

意外と余裕な態度であるハクヤとキリトにあたしとアスナは安堵の息を吐いた。

 

「でも驚いたよ……ボス部屋みたいなのがあって、覗いてみたらハクヤ君が戦ってて、

 しかもキリト君は跳び上がっちゃうし…」

 

「そりゃ、あたしだって驚いたわよ。まさか跳ぶなんて思わないもの…」

 

「俺は逆にキリトならやりかねないと思ったよ」

 

「十分な助走があれば可能なんだよ……そう学んだんだ…」

 

何故か少し遠い目をして言ったキリト。聞かない方が彼の為と思った。

 

「なにはともあれ、全員無事でなによりだ」

 

「そうだな」

 

「リズ、大丈夫だった?」

 

「見ての通り五体満足よ」

 

キリトの言葉にハクヤが頷き、アスナはあたしの安否を確認してくる。

 

そこでふと疑問に思ったことがあった。

 

「そういえば、アスナとキリトはどうしてここが?」

 

この場所のMAPデータを持っていない二人がどうやってここに来たのかが気になった。

 

「それなんだけど…わたし達が二人を探し回っていたら、いきなり壁が崩れて道が開いたの」

 

「んで、そこを通ってきたらこの場所に着いたってわけだ」

 

「なるほど。どうやら俺が壊した壁は、キリト達が通ったところの壁とリンクしていたみたいだな」

 

それを聞いてあたしは納得した。つまり片方を壊せばもう片方も壊れる仕組みだったのだ。

 

「そういえばハクヤ。今の敵さんからなにかアイテムはドロップできたのか?」

 

「それなんだけど、かなり良いものが手に入ったよ」

 

エクストラモンスターのドロップアイテムが気になったらしいキリトがハクヤに訊ねた。

 

実際あたしも気になるし、アスナも興味がある表情をしている。

 

ハクヤはウインドウを操作してアイテムストレージを表示し、そのアイテムを見せてきた。

 

「手に入ったのは≪ヴォルカニックコア≫。

 氷と土で出来たエクストラモンスター、〈The mountaingolem(マウンテンゴーレム)〉からドロップしたレア素材の鉱石、

 ≪フリーゲルコア≫で作られたこの鎌『アイスエイジ』。それと対を成すものだと思う」

 

説明を終えたハクヤは真剣な眼差しであたしの方を向いた。

 

「リズベット……この『ヴォルカニックコア』で、俺の鎌を作ってくれ」

 

あたしは彼の瞳を見つめてから答える。

 

「喜んで引き受けさせてもらうわ!」

 

答えなんて最初から決まっている。

 

 

 

≪転移結晶≫を使って迷宮から脱出したあたし達はすぐに店に戻った。

 

キリトとアスナも武器の完成に立ち合いたいということでついてきている。

 

「それじゃあ頼んだよ」

 

「任せて」

 

ハクヤから≪ヴォルカニックコア≫を受け取ったあたしは炉の中にそれを入れて、少ししてから金床の上に置いた。

 

そして愛用のハンマーを取り出して既定回数叩いた。その工程を三人が見守ってくれている。

 

そして、鉱石が形を変えて鎌の形になる。

 

「出来た……」

 

完成した鎌は持ち手が深紅、刃が薄い紅と真紅によってできていた。

 

あたしは武器のステータスウインドウを開く、能力は非常に高い。

 

これはあたしの作品の中でもアスナの『ランベントライト』を超える最高傑作だと思う。

 

「名前は『コロナリッパー』、炎熱属性が付加されているわ」

 

あたしはそれなりの重さである紅の鎌をハクヤに手渡した。

 

彼はそれを受け取ると、あたし達に当たらないように鎌を振り回した。

 

どうやら鎌の性能を体で感じ取っているらしい。

 

「凄い……『アイスエイジ』と完全に同等だ…」

 

「良かった~…」

 

「良かったね、リズ!」

 

「二本目の魔鎌か…」

 

ハクヤは感動し、ホッとするあたしにアスナは自分のことのように喜んでくれていて、

キリトは感嘆の言葉を漏らしている。

 

あたしは嬉しさを覚え、同時にあの想いをハクヤに伝えようと思った。

 

リズベットSide Out

 

 

 

To be continued……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後書きです。

 

キリトが遠い目をしたシーンですが・・・壁走りをしたんですw

 

巣穴に落ちた時に、結果は落下ですw

 

とまぁ、こういう経緯でハクヤは『コロナリッパー』を手に入れたわけです。

 

それでは次回のリズの告白をお楽しみに~♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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