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「嘘だろ……」
何度目かも分からない言葉を、溜め息とともに吐き出す。
僕はあの時、あのどす黒い大きな穴に飛び込んで、「あ、今度こそ死ねる」
と安堵したんだけど、甘かった。
そう。
あの時ゼウスさんは。
あのどす黒い大きな穴が。
地獄の入口とは。
一言も。
言ってなかった。
「嘘だろ……」
また、この言葉が口から出た。
目を覚ました僕の前には、明らかに昔っぽい部屋があった。
そして。
何故か、大きな箱も。
布団から出て、その箱を開けてみると。
中にはなんと、大きな大きな桃太郎が!!!
なんてアホな展開はなく。
一つの手紙と。
この世界のものらしい衣服と。
お金らしきものがたくさん詰まった袋と。
大きな斧があった。
それを見た僕の口からは。
「嘘だろ……」
と、また溜め息混じりに言葉が吐き出された。
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第七話です。