No.505717

IS x 龍騎〜鏡の戦士達 Vent 27: 統制のライダー、ハイヴ

i-pod男さん

ハチのライダー、安直ですが英語で蜂の巣を指す Hiveをそのまま使いました。色々考えましたが、力不足ですいません。

2012-11-08 12:06:47 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1798   閲覧ユーザー数:1708

「ふう・・・・」

 

一夏は現在AD・VeX本社にある自分のオフィスで寛いでいた。たった今書類の整理を終えた所で一息ついているのである。

 

「司狼さんはまだ動かないのか・・・・?」

 

そう、司狼は未だ何ら行動を起こさない。誰がどれだけ聞いても、『まだ時期が早い。革命ってのはド派手に、確実に成功しなきゃ革命とは言えない。計画は全て順調に行ってる。心配するな。』そうとしか答えなかった。そんな時、部屋に備えてある電話が鳴った。

 

「はい。」

 

『織斑さん、貴方に会いたいと言う方がいるのですが・・・・名前を言えば分かると・・・御手洗数馬と言う人が・・・・』

 

「御手洗?確かにそう言ったのか?分かった、オフィスに通してくれ。丁重にもてなす様に。俺の友達だ。」

 

『かしこまりました。』

 

五分程すると、カラフルな服装に包まれた数馬が一夏の前に現れた。

 

「数馬!久し振りだな。」

 

「ああ。連絡位くれよ、薄情者。」

 

「俺も忙しいんだって。男子は俺と後もう一人しかいないんだぞ?肩身の狭さと言ったら無いぜ。別棟に住んでて固執があるのが唯一の救いだな。どうしたんだ?」

 

「テレビ点けてみろ。」

 

電源を入れると、ニュースが報道されていた。

 

『昨日午後三時頃、AD・VeX 7社所属の織斑一夏さん、並びに御鏡司狼氏の他にもう一人ISを使う事が出来る男性が存在すると言う事が判明しました。』

 

そして現れたのは見間違える筈も無い、数馬の顔写真だった。

 

「お前・・・・マジか?」

 

「ああ。家も飛び出して必死で逃げた。で、見たんだ。ここなら男女平等に接してくれるって。それに、お前がいるなら安全だろうと思って・・・・」

 

「俺も出来る事ならお前をかくまいたい。友人が良い様に政府の言いなりになるのは俺も嫌だ。と言いたい所だが、俺の一存ではお前をここに入社させるか否かは決められない。提供して貰ってる社宅があるから、そこに行こう。親には俺が連絡しておく。」

 

「済まない一夏。本当にありがとう!っ・・・?!」

 

キイイイィイイィイィイイイィイイ・・・・・

 

狙い澄ましたかの様なタイミングでモンスターの気配を察知した一夏はデッキを引っ張り出すが、数馬がその手を止める。

 

「待て、大丈夫だ。あれは俺のだ。」

 

「どう言う・・・・・!お前も、か?」

 

「お前もって事は・・・一夏・・・」

 

「「お前もライダーなのか?!」」

 

二人は見事にハモった。事実確認の為に互いのデッキを見せ合うと、再び腰を下ろして緑茶を淹れ直した。

 

「まさかお前がライダーだったとは・・・驚いたぜ。」

 

「こっちの台詞だよ、それは。俺もライダーは最初俺一人かと思ってたんだが、お前がライダーなら安心した。」

 

「あ、言って置くけど俺の会社、重鎮がライダーだから。今で・・・えーと、斉藤さん、三緑さん、オータム、憲司さん、楯無、マドカ、司狼さん、中村さん、香川さん、俺、後は弾だから・・・・お前で十二人目だな。」

 

「じゅ、十二人?!それに弾もライダーなのか?仕事は誰かの世話係って聞いたけど・・・・」

 

「うん、ウチの顧問弁護士の斉藤さんの世話。」

 

「斉藤って・・・・斉藤臣弁護士?!」

 

「そう。」

 

「すげーんだな、お前の会社・・・・てかお前何者だよ?」

 

「自由国籍持ちのテストパイロットでIS犯罪対策室の実動部隊隊長。」

 

「うーっす、一夏。」

 

「あ・・・・司狼さん・・・!!」

 

そう、扉を開けて入って来たのはAD・VeX7の総帥、御鏡司狼だった。

 

「へえ・・・・丁度探しに行こうかと思ってたんだが、もうここに来てたなら話は早い。

ライダーにしてISを動かせる世界で三人目の男。御手洗数馬。是非ともウチで働いて欲しい。政府からの介入は一切無い。身の安全は俺が保証する。この会社自体が独立した国家みたいなもんだからな。」

 

「え、でも何で知ってるんですか・・?」

 

「お前、ガゼールを何体か倒したろ?」

 

「はい・・・・・でもそれが」

 

「そいつらは俺の契約モンスターだよ?一夏の身の回りにいる君を探らせる様に指示してたんだけど、まさかライダーだったとは知らなかったからね。倒されちゃうのは癪だけど。」

 

「紹介しよう。情報操作及び諜報部の部長、津野宮憲司。仮面ライダーインペラーだ。」

 

デッキを見せてそれを証明する。

 

「でも、良いん、ですか・・・?俺なんかが・・・」

 

多少気まずそうに数馬が口ごもる。

 

「ああ。コイツも俺達に取っちゃ同志も同じだ。政府のモルモットにはしたくないし、させない。だから、俺達が保護する。たとえ核ミサイルを撃ち込まれようが、誰にも渡さない。AD・VeX7へ、そして、女尊男卑を潰す革命軍へ、ようこそ。御手洗数馬君。」

 

続々と楯無以外のライダー達がデッキを見せて現れる。その中に弾がいる事に驚いた。

 

「あ・・・・弾・・・」

 

「よう、数馬。お前も俺達と来いよ。この世界をあるべき姿に戻す為に。」

 

「な?ここなら、安全だろ?当分は研修生として勤めてもらうけど、ちゃんとギャラは出るからさ。興味ある所は?」

 

「うーん・・・・応用科学部とか、かな?俺一応機械いじりとか好きだし・・・」

 

司狼の言葉に思わずそう答えてしまう。

 

「じゃあ、香川さんだな。お願いします。」

 

「はい。それでは、御手洗君こちらへ。私は疑似ライダー、オルタナティブ・ゼロ。そしてこの会社のISの開発研究に携わっている香川英輝です。以後お見知り置きを。こちらは、私の補佐の中村創助君です。少々厳しくなるかもしれませんが、期待していますよ。貴方も、テストパイロットの一人となるのですから。」

 

「じゃ、早速お願・・・・?っち・・・」

 

キイィイイィイイイィイイイ・・・・

 

「俺行きます。一応、俺がどんなライダーかは知っておいた方が良いと思いますし。」

 

デッキを構えると、腰にVバックルが出現した。右手を左上に上げて袈裟に振り下ろし、その手を拳にして突き出すと、今度はその腕を正眼に持って行き、人差し指、中指を立てる。

 

「変身!」

 

デッキを差し込むと、鏡像が幾つも現れ、重なり、黄色と黒のマフラーを靡かせたライダーが現れた。

 

「おお、カッコいい。正に本命ライダーだな、マフラーが如何にも昭和ライダーチックだ。もう採用採用、大採用!」

 

司狼は子供の様に大はしゃぎだ。

 

「仮面ライダーハイヴ。調和(ハーモニー)は俺の手に・・・」

 

ミラーワールドに飛び込むと、テラバイター、ゼノバイター達と戦い始めた。二匹はブーメランを使って攻撃して来るが、素早い動きでスティングバイザーを駆使した高速戦闘で急所を何度も何度も斬られ、刺されて行き、僅かな時間で弱り始めていた。

 

「速い!まるで忍者だ・・・・・!」

 

「それに、的確に人体なら急所となる部分を攻撃している。あんなの敵に回したら恐ろしいわね。それに、あのバイザー恐らく毒が仕込んであるわ。スズメバチみたいな奴が。相手取るのを考えただけで身震いがするわ。」

 

弾の言葉にスコールは冷静な分析結果を告げる。

 

「益々欲しくなって来た・・・・あんな奴がISを使えるなんて、そそるな。」

 

「ボス、俺も一度戦ってみたいです。」

 

二本の内の一つは柄の先端にリング状の部分が付いていた。それを引っ張ると、クナイの平たい部分が起き上がり、カードの挿入口が現れた。その中にアドベントカードを挿入する。

 

『シュートベント』

 

現れたのはバズスティンガー・ブルームの持つ弓矢、スティンガーアローだった。二本の矢を番え、引き絞ると、どちらも狙い違わず二体の胸を射抜き、その瞬間爆発した。

 

「そろそろ止めと行こうか。」

 

『アドベント』

 

バズスティンガー達が現れ、ゼノバイター、テラバイターを滅茶苦茶に攻撃し始めた。最早リンチとしか言えない程野攻撃を食らってフラフラになった二体のミラーモンスターに更なる攻撃が襲いかかる。数馬が変身したライダーは超スピードで二体の後ろに回り込んで蹴り飛ばし、 更にスティングバイザーを投げナイフの様に二体に向かって投擲した。それらは二体を難なく貫き、爆発した。

 

「・・・・・すげえ・・・・・!!一夏、数馬の奴すげえぞ!強ぇぞ!?」

 

「ファイナルベントも無しにモンスターを二体撃破とは・・・・大した奴だ。」

 

森次も感心した様に腕組みしたまま頷き、僅かだが口角を吊り上げる。

 

「って事で、仮面ライダーハイヴ、御手洗数馬です。色々とご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。香川さんもご指導お願いします。」

 

「よしと。今夜は宴だ。鉄板焼き行くぞ。」

 

「よっしゃーーーー!!肉だ肉!」

 

『ビーーーー!!!ビーーーーー!!!ビーーーーー!!!』

 

「あ?」

 

「警報?」

 

「そろそろ来る頃だと思っていたぞ。俺に喧嘩を売ったIS乗り(アホ共)が。」

 

空中に投影されていたスクリーンを確認すると、確かにISを纏った女性が五人程見える。以前司狼に喧嘩腰になっていた生徒とその腰巾着数名だ。

 

「ボス、ここは」

 

「いや、俺が出る。一応中継しておいてくれ。奴らを学園から追い出し、俺達の力を見せると言うのもあるが、俺達が少数派でも巨大な抑止力であると言う事を思い知らせる為にも奴らには生け贄になってもらおう。続々と名を挙げる為に俺達をぶっ倒そうとする奴らは現れるだろう。侵攻はゆっくりと。そして確実に生き残る。お前らにも見せた事は無かったな。俺の本気を。出血大サービスをしてやろうか。」

 

森次を遮った司狼の顔は満面の笑みを浮かべており、デッキから四枚の未だ使われていないカードを引き抜いた。

 

「さて、どう料理してやろうか・・・?」

 


 
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