No.505235

魔法少女リリカルなのは DevilStrikerS ーダンテの記憶…エピソード7&8

DevilStrikerさん

二十八話目です。

2012-11-07 00:14:05 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3596   閲覧ユーザー数:3520

ダンテは今、テメンニグルの頂上に着こうとしていた。

 

 

 

 

 

「……来たか」 

 

そこには青いロングコートを羽織り、左手には長めの日本刀を持ち、ダンテと同じく銀髪で、髪をオールバックにした青年がいた。

ダンテと似ているが、この青年はダンテと違い、鷹のごとく鋭く、そして氷のように冷たい眼をしていた。だが、何よりも悲しげな眼であった…… ダンテは青年に近付きながらこう言った。 

 

「全く対したパーティーだな。食いもんもねえ…飲みもんもねえ…そして女は出て行っちまった」 

 

青年は表情を全く変えずにこう言う。

 

「それは済まなかったな。気が急いで準備がままならなかった」 

 

「まあいいさ。久々の再会だからな…まずはキスの一つでもしてやろうか?それとも…[こっち]のキスの方がいいか?どっちがいい?[バージル]」

 

そして銃を構えるダンテ。

 

「感動の再会っていうらしいぜ?こういうの…」 

 

「…らしいな」 

 

バージルは、閻魔刀

ヤマト

の鍔元を上げる。 

その瞬間、戦闘が開始された。 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はあああああ!!」」 

 

 

 

 

――キィンキィンキィンキキンギィィィン…―― 

 

 

 

 

凄まじい速さで切り結ぶ二人…剣の腕はどうやら互角のようである。

ダンテの攻めをバージルが華麗にかわし、カウンターをはかるが、ダンテの尋常じゃない反応速度によって紙一重でかわされる。しばらくこの均衡が続くが… 

 

「ぐぅ…!」 

 

ダンテが吹き飛ばされた。だがダンテはエボニーをバージルに向けて乱射した。するとバージルは 閻魔刀を高速で旋回させて弾丸を弾いた。そして 

 

「ふん!」

 

なんと弾いた弾丸をダンテに打ち返した。

 

「はあっ!」 

 

だが弾丸はダンテには届かず、ダンテのリベリオンによって阻まれた。 

 

「何故更なる力を求めない。父の…スパーダの力を!!」 

 

閻魔刀を構えながら、怪訝そうに問うバージル。

 

「親父?そんなの関係ない。俺はあんたが気に入らない、それだけさ」 

 

そう言ってダンテはバージルに切りかかる。しばらく鍔迫り合いが続く。

そして……… 

 

 

 

 

――ガキィィィィン―― 

 

 

 

 

バージルがリベリオンをはじき出し、 

 

 

 

 

―――ドスッ…―――

 

 

 

 

閻魔刀でダンテの腹部を深々と刺した。バージルは淡々とダンテにこう述べる。 

 

「愚かだな…ダンテ。実に愚かだ。力こそが、全てを制する。力無くしては[何も]守れはしない…」 

 

そうして閻魔刀を抜きにかかる。 

 

「己自身さえもな」 

 

そして、刀を抜いた。 

ダンテが倒れかかるとき、おもむろにバージルはダンテの首にかけられているアミュレットに手をかけた。

 

「!」

 

その瞬間ダンテは眼の色を変えてバージルの手に持っている自分のアミュレットを取り返そうと手を伸ばした。 

 

 

 

 

―――ヒュン!!―――

 

 

 

 

だがバージルは容赦なく閻魔刀を持って阻む。 

 

「………」

 

そしてダンテのアミュレットと何故かリベリオンを持って立ち去ろうとするバージル。

 

「く……うっ…」

 

ダンテは何とか立ち上がろうするが、

 

 

 

 

――クルッ――――ドシュッ!!――

 

 

 

 

立ち去ろうとしたバージルが急にこちらに振り向いてリベリオンをダンテに突き刺した。

 

「手に入れたかね?」 

 

するとダンテの事務所にやって来た謎の神父が現れた。どうやらバージルと手を組んでいたようだ。 

 

「ああ…これでスパーダの封印が解ける」

 

バージルはそう言って立ち去ろうとする。……が 

 

 

 

――ドオォォォン…!――

 

 

 

 

突如、ダンテに突き刺さっていたリベリオンが吹き飛び、ダンテが一瞬でバージルとの距離を詰め、パンチを放った。 

 

 

 

 

―――ズシャァ…――― 

 

 

 

 

バージルは咄嗟にダンテのパンチを閻魔刀の刃で受け止めた。故にダンテの手は裂け、血が吹き出していた。だがダンテはそんな事などお構いなしにバージルに睨みつける。

 

「どうやらお前の中の悪魔も目覚めたようだな」 

 

バージルの呟きなどどうでもいいかのように、ダンテはそのままバージルを投げ飛ばした。 

バージルは着地した後、閻魔刀を構えるが、それを神父が止める。 

 

「何故止める…[アーカム]…」 

 

アーカムと呼ばれた男は冷静にこう言った。 

 

「我々はもう目的を果たしている…これ以上戦闘を行っても意味がない…ここは退こう」 

 

「ふん…」 

 

バージルは納得したのかダンテに踵を返して、塔から飛び降りた。アーカムの方はダンテを一瞬見たらバージルと同様、飛び降りた。 

 

「はあ…はあ……はあ…はあ―――」 

 

バージル達が去った後、ダンテの体が点滅するように白く光っていた。 

 

「はあ……はあ…はあ…………グッ!」

 

すると今度は赤く光り、そして 

 

「グオオオアアアアアアアアア!!!」

 

ダンテの姿が一変した。畏怖を思わせるその姿は正に、[赤い悪魔]だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわぁ、これも何だか凄いね」

 

「てか大丈夫なの?!あんた達のお父さんやられちゃったわよ!?」 

 

「だ…だだだ大丈夫だよ!きっと…」 

 

「だってスパーダのむむ、息子で俺達の父親ですよ?!」

 

「って、二人とも落ち着いて!!」

 

「明らか動揺してるやないか!!」

 

「だ、大丈夫です!…いえ、大丈夫ではありません!!」

 

「次が気になるから次行こ、次!!」 

 

そう言ってバルダは次の映像を写し出した。 

 

 

 

 

『気になることがたくさんあったんだけど…』 

 

『確かにな』 

 

『でもこれじゃあ…』 

 

『聞くも聞けんな』 

 

『…だな』 

 

そういう会話がヴォルケン'Sの間であったそうな… 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダンテがバージルに敗れて数時間…… 

 

「ん…あ……」 

 

ダンテは致命傷の傷を負ったにもかかわらず、難なく起き上がった。それに、負ったはずの傷が何処にもなかった……ダンテはリベリオンを拾いながら怪訝そうに自分の体を見るが、面倒なので考えるのをやめた。

 

 

 

 

ーー体中から力が溢れるーー

 

 

 

 

そう思うや否や、近くにあった柱に己の拳を叩きつけた。するとどうだろう…… 

 

 

 

 

――ドガァァァン!!―― 

 

 

 

 

柱が粉々に粉砕された。

 

「………!」

 

 自分が思ったより力を込めていないのに、軽々と柱を粉砕出来たことに若干驚くダンテ。 

 

「(そういやバージル達はここを降りていったんだよな…)」 

 

そうして下を見下ろすと、

 

 

 

 

―――バッ!!―――

 

 

 

 

テメンニグルから飛び降りた。 

どんどん落下速度が増していくにもかかわらず、ダンテは顔色一つ変えない。

するとそこへ…………… 

 

 

 

 

――キエェェァァ!!―― 

 

 

 

 

[ブラッドゴイル]の大群がダンテに迫ってきた。 だがダンテはブラッドゴイルを不敵に笑うとエボニー&アイボリーを乱舞させた。ブラッドゴイル達はダンテに近づくことも出来ずに倒された。

 

「Yeeaaahooow!!!!」 

 

ダンテはアクロバティックな動きでブラッドゴイルの大群を次々と潰していった。

 

 

 

――それはまるで踊っているかのようだった…――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良かった、無事だったんだ…」

 

「けど悪魔の力ってすごいわねー。あれ、致命傷だったにもかかわらず跡形もなく傷治ってたし」 

 

「にしても凄かったですね!!スバルさん!!」 

 

「うん!あんなたっかーい塔から飛び降りるなんて…バルダ!ギルバー!あなた達のお父さんってとっても凄かったんだね!!」

 

「そりゃそうだよ!何たって父さんなんだから」 

 

「なんかダンテさんの扱いがひどくなってくね…」 

 

「そうだね…」 

 

「そんじゃ、そろそろ目当ての映像が出ると思うからさっさと次いこっか」 

 

「「おおー!」」 

 

「テンション高いわね、スバル…」 

 

「エリオ君…」 

 

そんな感じで、次の映像を映したのだった。


 
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