「でりゃあああっ!!!」
一夏の雪片と鈴の双天牙月がぶつかり合う金属音がアリーナに響き渡る。
九月三日。二学期最初の実戦訓練は一組と二組の合同で始まった。
「ふっ。」
「逃がすか!」
一夏が鈴と距離を置こうとするところを鈴が衝撃砲で攻撃する。一夏は空を自由自在に舞い、回避する。
「何で当たんないのよ!」
その刹那、一夏は瞬間加速を使い鈴に急接近する。鈴は防御のために双天牙月を構える。だが一夏はマッハムーブを使い鈴の後ろに回る。鈴は衝撃砲を使い一夏を撃とうとするが一夏はセイビングビュートを使い鈴の右足に巻きつけ、右に鈴を振る。鈴は体制を崩す。一夏はセイビングビュートを放す。鈴は跳ばされるが体勢を立て直し一夏の方を向く。その途端に鈴はクロスレイ・シュトロームを正面から受ける。鈴のシールドエネルギーは0になり一夏の勝利に終わった。
「ああ、もう!」
午前の授業が終わり一夏達は昼食を食堂で取っていた。
「まあまあ、鈴も頑張ってたよ。」
「でも一夏に少ししかダメージ喰らわせてないのよ!」
「気持ちはわかりますわ。」
「これまで無線無敗だしな。」
「さすが私の嫁だな。」
「「「「「だから嫁じゃない!」」」」」
「むう・・・」
いつもと変わらぬ光景。周りの人間も見慣れている光景であった。そんな時ふとシャルロットが唐突に思ったことを聞く。
「そういや一夏のISで気付いたんだけどさ。」
「ん?」
「白の状態と赤の状態があるよね。」
「なんだ、急に改まって?」
「あれって名前とかあるの?」
その疑問に周りも同感した。
「確かにそうだよね。」
「ウルトラマンが赤い状態の時とかの名前にも使えそうだし。」
周りは一夏のISがウルトラマンと似ているため白式の状態の名前を使いたがっていた。
「で、どうなのよ一夏。」
「ああ、確かに名前はあるぜ。白はアンファンス、赤はジュネッスだ。」
「アンファンスにジュネッス・・・・」
「なんだか印象ある名前だよね。」
「そうだな。これをウルトラマンの状態にも使わせてもらおうとしよう。」
「まあいいよ。俺はアリーナに向かうから。」
そう言って一夏は食堂を出て行った。
アリーナの更衣室。一夏は授業の十五分前に着替えていた。
(ネクサスの力はISにも影響していた・・・・・戦いやすいよな、これ。もはや第四世代に近い状態だな。)
そんなことを考えていると後ろに気配を感じ取った。一夏は左に反転し左手を後ろにいる誰かに指先を伸ばし、後ろにいる誰かに向ける。
「わっ!ちょ、ちょっと待って!」
「あれ、生徒会長じゃないですか。」
そこにいたのは二年生のリボンを締め、扇子を持っている生徒会長・更識楯無の姿があった。
「よく知っているわね。」
「前に学園案内の資料に顔が出ていたからです。」
「よく見ていたわね。あれ小さかったでしょ。」
「ええ。でも織斑先生に頼んで見せてもらいました。」
「ふ~ん。姉弟呑みの特権ね~。」
「別にそうなんじゃないですよ。そろそろ行かないといけないんで失礼します。」
「まったね~。」
一夏は更衣室を後にした。
「早く出た割にはずいぶん時間掛かってたみたいだね、一夏。」
「生徒会長に捕まってな。」
「へ~。」
「シャルロット、なんだか恐いのは気のせいか。」
「多分そうだろうね~。」
そういうシャルロットの目は明らかに怒りを表していた。そこへ千冬が近づく。
「全員整列。これよりデュノアにラビット・スイッチを実演してもらう。的は一夏にする。」
「「はい。」」
二人はISを起動させる。
「殺るよ、一夏。」
「なんだか字が違っている気がするが、来い!」
結果は一夏が全ての攻撃回避したことで終わった。その後シャルロットはセシリアと共に食事をした。
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二学期が始まり一組と二組は合同実習を行っていた。