「ひま・・・・」
ぼそりと呟いた私の言葉は、雨音によって消された。
ベッドに身体を投げ出して、片足を落して、とても楽な状態で寝転ぶ。
長い髪がベッドに錯乱するが、気に留めない。
誰もいない家は、私一人には広すぎる感じがして、少し寂しい。だからこうして自室にこもっているのだ。
ひま、と呟いて見ても別に暇がなくなるわけでも、楽しいことが起きるはずが無い。
暇と言えば言うほど、その暇さが浮き出て目立つような気がする。
ひま、暇、ヒマ
やることが無いことがこれだけ憂鬱だとは思わなかった。
ちらりと窓の外へ顔を向けると、雨が休むことなく降っている。
がらりと音を立てて窓を開けると、閉めていた時よりも激しく煩い雨音がざあざあと耳に響く。
その音さえも私の気分をもって悪くさせ、私はまた勢い良く音を立てて窓を閉めると、そのままベッドに飛び込んだ。
「うー、う゛ー」
枕に顔を埋めてて意味も無く唸って見る。
その行動の意味の無さにまたイライラする。
止まる気配の見せない音。
身体を起こしてまた窓の外を見ると、あたりまえだがまだ雨は降っている。
折角の休みなのに、雨だなんて。心で思い、無意識に溜息を吐いていた。
課芋に行くのも面倒くさいし、雨に濡れるのも嫌だし。
只でさえ雨が嫌いな私は、憂鬱の原因をつくった雨を睨む。
しかし雨は知らん顔で降り続けていた。
雨を降らす雲が本当は悪いのか。なんて考えていても、やはり雨が恨めしい。
外で雨の中、色鮮やかな傘を差し、駆けて行く子供達。
いつもなら笑顔で見つめるところだが、雨なので私は窓の外から時計に目を逸らした。
時間を刻む針の音が雨と共に部屋に響く。
時計の針を見て、「あぁ、まだお昼になっていない」なんてぼやっと考える。
雨が時間がを遅くしていると思ってならない私は、また枕に顔を埋めた。
『雨よ、早くやめ。』
なんて思っているくせに、てるてる坊主も作らない。
努力しても雨は止んでくれないと分かっているからなんだろうね。
けれど、なんて憂鬱なんだろう。
私の折角の休日は、憂鬱な音と共に過ぎてゆく。
end.
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ざあざあと降る雨。
嗚呼、なんて憂鬱な日。
止む気配の見せない雨音を聞きながら、私の休日は過ぎてゆく。