福音の事件は幕を閉じ、箒達はメディカルチェックを受けていた。
「それにしても一夏さん強かったですわね。」
「そうだな。最初に福音と戦ったときよりも動きが良くなってたしな。」
「ほんとアイツ何者よ。」
「そうだよね。それにあの技。」
「まるでウルトラマンみたいだったな。色の変わったし。」
「まあ、お前達は何の役にも立たなかったがな。」
「「「「「うっ!」」」」」
千冬の言葉に胸を打たれる五人であった。
時は過ぎて夜。セシリア、鈴、シャルロット、ラウラは食事を取っていた。そんな時一人の女子生徒が話しかけてくる。
「ねえねえ。結局なんだったの?教えてよ!」
「ダメだよ。機密なんだから。」
「知るはいいが動きに制限が付くぞ。」
「うっ!それは流石にちょっと・・・・」
「そういや織斑君は!」
「篠ノ之さんもいないね!」
「!一夏一体どこよ!」
「まさか箒と一緒に!」
「私がどうかしたか?」
「「「「あ、いた~!」」」」
「?」
「ねえ、箒。一夏どこにいるか知らない!」
「さあ。私は知らないが。」
「一体どこ行ったんだろうね。」
波打つ海岸。五人は水着に着替えてそこにいた。
「何で皆して同じ考えなのよ。」
「それはこっちの台詞ですわ。」
「まあまあ、喧嘩しないで。」
「お前達、なにをやっている!」
「「「「「!!!!」」」」」
振り向くとそこには千冬の姿があった。
「お、織斑先生!」
「まったく。今回は見逃してやるからな。感謝しろ。」
「あ、ありがとうございます。」
「教官は何故ここへ。」
「織斑の姿が見えないから探しているんだ。」
「織斑先生もですか!」
「なんだ、お前達もか。」
「ええ、まあ。」
「しかし水着で淫行を働こうとするなよ、小娘ども。」
「「「「「し、しません!」」」」」
「ふっ、冗談だ。」
「!なんか聞こえない!」
シャルロットの言葉に一同静まり返る。
「997・・・・・976・・・」
「なんだろうこの声?」
「もしかして一夏!」
「ちょっと見てみよう。」
全員声のするほうへ向かう。鈴が物陰からこっそり覗く。
「どう、鈴。」
「・・・・・・・」
「鈴?」
鈴は返事をしない。皆は鈴と同じように覗く。その時目に入った光景に一同言葉が出なくなった。そこに見えたのは人差し指で海岸の岩に指たてしている一夏の姿があった。
「織斑先生。なにして・・・・え!」
「山田先生、静かに。」
「え、ええ。」
「9997,9998,9999,10000。」
一夏は足を地面につける。
「ふう。三十分で一万回か。まあまあだな。」
「一万回って・・・」
「しかも三十分・・・」
「ねえラウラ・・・」
「シャルロット。さすがの私も対処の使用がない。」
「すごすぎです、織斑君。」
「さて、スクワットも、両指たても、腹筋も、背筋も終わったし戻るか。」
一夏はそのまま旅館に戻っていった。
「もしかしてずっと筋トレを・・・」
「一万回・・・・」
六人はこのことに触れないことにした。
バスの中、一夏は眠っていた。
「眠ってるね、一夏。」
「そうだな。」
「昨日あんなことしたからでしょうか?」
「流石にそれはないだろう。」
そんな時、一人の女性が入ってきた。
「あの、織斑一夏君はどちらですか?」
「はい、俺ですけど。」
「お、起きた!」
「あ!あなたですか。初めまして、私ナターシャ・ファイルス。『銀の福音』のパイロットよ。」
「そうですか。」
「今回はあなたに感謝するわ。あの子を助けてくれてありがとう、銀の戦士さん。」
「どうも。物愛のある方なんですね。」
「あら、どうしてわかったのかしら。」
「『銀の福音』のことをあの子と呼んでたんで。」
「ふふ、結構頭いいのね。」
「どうも。」
「それじゃあね。」
ナターシャは手を振ってバスから降りた。
「「「「・・・・・・・」」」」
「何で睨んでんだお前ら?」
「「「「なんでもない(ですわ)。」」」」
「?」
女心のわからない一夏であった。
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メディカルチェックを受けている箒達。一夏の強さに感心するが・・・