No.486636

魔法少女リリカルなのは~ゼロから始まる転生者達~第13話「友達の気持ち」

wisteriaさん

少し遅れました。
新作は多分来週には上がるかも……

2012-09-20 23:37:26 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1116   閲覧ユーザー数:1100

みつるside

「いい加減にしなさいよ!!」

 うわっ、ビックリした。どうしたんだろうアリサちゃん、いきなり机を叩いて……

「この間から何話しても上の空でボーっとして」

「ご、ごめんねアリサちゃん」

「ごめんじゃない!!あたし達と話しているのがそんなに退屈なら一人でいくらでもボーっとしてなさいよ!」

 あ~アリサちゃん怒って教室から出て行っちゃたよ。

「待って、アリサちゃん」

 すずかちゃんがアリサちゃんを追いかけて行ってしまった。

「な、なのはちゃん……」

「いいよ、さっきのはなのはが悪かったから」

 さっきからなのはちゃんを見ていたけど何か悩んでいた。おそらくアリサちゃんが怒ったのは、なのはちゃんが何か悩んでいたのに何も言わなくて怒ったんだろう。

だとしても、なのはちゃんにそのことを言うべきだろうか、けど僕がこのことを上手く伝えられるだろうか、それでなのはちゃんの気分を悪くしたら、う~ん……どうしよう。

 

 結局、どうしようか悩んでいたら放課後になってしまった。

 どうしよう、結局いえなかった。明日にでもなのはちゃんに……あれ?なのはちゃん?いつもはこの道を通らないのに……。

 ふいに、電柱の影に隠れてなのはちゃんの様子を窺った。そういえばなのはちゃん一人だけなんて

珍しいなあ。

 ……今ならなのはちゃんと二人で話せるかも。でも僕なんかが話しても解決できるだろうか……

「何やっているんだみつる」

 突然声をかけられ、後ろを振り向くと、つぐみち君がいた。

 おかしいなつぐみち君も帰り道はここと違うのに……

「つ、つぐみち君なんでここにいるの?帰り道が違うんじゃ」

「寄り道しているんだ。……それよりみつるお前なのはをストーカーしているのか?」

ブフッ

「ちょ、ちょっと待って!僕はそんなことしてないよ!なのはちゃんが違う道を通っているのが珍しいなぁって思っていただけだよ」

 僕はなのはちゃんに聞こえない程度の声を出して否定した。

「電柱に隠れてこそこそしている姿を見ていたら誰だって怪しむぞ」

 う、そりゃそうだ……

「……なのはとアリサの事、心配なのか」

「う、うん」

 つぐみち君もあの事を知っているようだ。けど、僕がなのはちゃんと話をしていけるのかだろうか……いっそつぐみち君に――

「行ってこい」

「え?」

「友達に話したいことがあるなら直接自分で言え。その方がお前も言いたいことが言えてスッキリするだろ」

 たしかに、今の僕は言うべきか言わざるべきかと心がもやもやしている。ならいっそのこと話した方がいいに決まっている。

「ありがとう、つぐみち君。僕、行ってくるよ」

「早くしないとなのはを見失うぞ」

 僕は、なのはちゃんを追いかけて声をかけた。

「なのはちゃん」

「みつる君、たしか帰り道こっちだっけ?」

「うん。……あ、あのね、なのはちゃん少し話がしたいけどいい?」

「……うん」

 なのはちゃんは少し暗い声で返事をし、僕達は近くにある小さな公園で話をする事にした。

 

「話って何?」

 公園のベンチに座るとなのはちゃんが尋ねた。

「ア、アリサちゃんのことなんだけど……」

「あれは、学校でも言ったけどなのはが悪くて……」

「そ、そうじゃなくて、アリサちゃんが怒っていた、り、理由についてだよ」

「理由?」

「アリサちゃんた、多分なのはちゃんが何か悩んでいるのわかっているたんだけど、なのはちゃんが何も言わなくて怒っていたんだよ」

 僕は思っていたことをぶつけた。

「わかっているよ。わかっているけど……友達でも言えないことがあるんだよ」

 ……どうやら、なのはちゃんは怒っていた理由を知っていたんだけど、他人に言えないことだから話さなかったようだ。多分、魔法関連のことだろうな。

「もちろん、だ、誰にだって言えないことのひとつやふたつはあるよ。で、でも友達だからこそ

悩んでいる理由が何か相談したいんだよ。た、たとえ言えないことでも」

 なのはちゃんはハッと気づいた様だった。

「なのはちゃん、アリサちゃん達に悩みを言えない理由をまだ言ってないでしょう。そ、それが心配なんだよ、アリサちゃんもすずかちゃんもそして僕も」

「そうだったんだね。……ごめんね」

「いいよ。アリサちゃん達にも、い、今じゃ無くてもいいから、言えるその日まで待っててくれるように言ってね」

「うん。明日ちゃんと二人に言うよ」

 なのはちゃんがベンチから立ち上がり、

「ありがとうみつる君。じゃあまた明日ね」そのまま公園から出ていった。

「……ふう。言いたいこと全部言えたな」

 僕はなのはちゃんやつぐみち君みたいに強くない、けどこうやって友達の相談をしたりできる。

僕は、強くなりたい。なのはちゃん達と手伝えるようにもっと強くなりたい。

 僕は、ベンチから立ち上がり、どんな風に訓練メニューを強化しようかと考えながら家へと帰った。

 

第13話「友達の気持ち」 完

 


 
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