No.485145

超次元ゲイムネプテューヌ 魔法を司るもの

ユキさん

今度のは原作にだいぶ乗っかっちゃてますので、
ネプテューヌ?なんだそりゃ?と
思える方も読みやすいようになってると思います。

この物語の主人公は魔力で

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2012-09-17 13:01:47 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1025   閲覧ユーザー数:994

第1話 その名は『魔法兵器』

 

 

今日もプラネテューヌの街では人々の笑い声でにぎわっていた。

俺もその中でクエスト帰りの一杯ということで街中で炭酸飲料を飲み干していた。

一気飲みしようとがっつくが普通にむせた。

家に帰ると俺を敬愛する可愛い13歳の妹が「そーじお兄ちゃん!」と抱きついてきて幸せだった。

 

 

俺の名前はソウジ。どこにでもいそうな面をした16歳の男子である。

そんな俺は、正直なところ面白みのある、またはスリルのある人生のほうが好きだ。

だから、妹には悪いがこの大好きな地を離れ一人旅をしてみることにした。

妹は終始泣きついて俺のことを離さなかったが、

「帰ってきたらなんでもお前の言う事聞いてやるから」で泣き止んでくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

きっかけは些細なことから始まるとはよく言ったものだ。

こうして俺が道を迷うきっかけを自ら作り出すことになるとは。

 

別に迷いたくて迷ったわけではない。

森の奥深くに少しばかり強そうで気持ち悪そうなやつがいたから、逃亡しただけだ。

 

迷った果てに時刻は夕方を迎えていた。

寝床を探していると、一つのダンジョンらしきところを見つけた。

 

「よし!この際寝れればどこでもいいや。ここのボスを倒してゆっくり寝てやるぜ!」

 

 

 

 

 

 

「俺の進む道に合わせて地形が変化してるんだ!」

 

ダンジョンの出口付近に来るのに2,3時間かかった。

ボス戦ともなればかっこいいBGMを期待していたのだが、鳴りはしなかった。

代わりとして、サンドウォームというぽっかりと開いた丸い口に牙+アザラシみたいな

身体のモンスターの鳴き声が響いた。

その姿に若干引きつつも、倒さなければ寝床無しという

恐ろしい現実を目の当たりにしている為我慢の末に俺は武器を作り出した。

 

実は俺、街のみんなには隠していたが、変な力を持っているのだ。

俺はこの力で作り出したものを『魔法兵器』と呼んでいる。

これに気付いたのは数年前の話。

それから俺は自ら魔力らしきもので武器を作り出すことが出来るようになった。

けど、実際のところ俺は魔法兵器は一つしか作れない。

 

頭の中に武器のイメージを流し込む。

双短銃の銃口からグリップまで弧を描くような白き刃。(グリップから先はほぼ直線)

刃の長さは手の甲からひじまでの二分の一程度である。

 

「魔法兵器召喚!」

 

俺のイメージと同じ武器が手中に納まった。

早速と言わんばかりにモンスターに銃弾を撃ちつける。

だがしかし、モンスターは銃弾を浴びてもなお動いてくる。

 

殴りたくは無いが、仕方ないので怯んでいるうちにダッシュして刃の拳打を打ち込む。

そのたびにモンスターが気持ちの悪い体液を吹き飛ばすので、

それをかわしながらちまちまと攻撃をしていると

 

「それは私の獲物だよ!」

 

後ろからの声に振り向く暇も無く俺の身体はモンスターと一緒に吹き飛ばされた。

モンスターの横に打ち付けられた俺はあまりの威力に起き上がることが出来なかった。

俺の戦ってたモンスターは見事に死亡しており、口から気持ちの悪い唾液をたらしていた。

 

「あー、ごめんね。大丈夫?立てる?」

 

「う、うん」

 

目の前に差し伸べられた手を取り立ち上がると眼前には紫髪の女の子が立っていた。

背の小さい彼女は俺の肩より少し下の位置ぐらいまでしか背が無かった。

 

「いや、なんと言うか助かった。ありがとう」

 

「いいよー。別にお礼なんて。もともとこいつを倒す気でここに来てたわけだし」

 

女の子はモンスターを指差し、笑顔でこちらに話しかけてくる。

と、そこで後ろから女の子二人組みが走ってきた。

 

「ねぷねぷ~、先行っちゃダメですよ~」

 

「まったく、全然エスコートになってないじゃない!」

 

ふわふわとした雰囲気の女の子と双葉リボンが目立つ女の子だ。

説教をされているねぷねぷさんは「あはは」と苦笑いで対応している。

人は見た目で判断するなとはまさにこのこと。

たぶんこの子達は俺なんかよりずっと強いのだろう。

 

「とりあえずもう倒し終わったわけだし、ここから出ようよ!」

 

「はっ!?あんた一撃で倒したの!?」

 

「うわ~、凄いです!ねぷねぷ!」

 

二人組みの女の子は驚きを隠しきれておらず、

対するねぷねぷさんは「違うよ」と笑顔で言い張った。

 

「えっとね、この人がちまちまやってたのを私が一気に決めてあげたの!」

 

「うぐ...」

 

女の子にちまちまと言われショック死しそうになる俺。

そんな俺を置いて勝手に話を進めながらダンジョンから出て行く三人。

 

「えっと....追いかけたほうがいいよな」

 

ダンジョンから出ると女の子達が話をしていた。

気になるので木陰に隠れてそれを聞くことにした。

 

「大体、話は分かったわ。

 つまり二人はその....イースンって人に頼まれて四つの大陸にある鍵の欠片を探してるのね?」

 

「そのとーり!いーすんはこの世界のどこかに隠されてて、

 世界とも呼べる、いわば封印キャラなんだよ!?」

 

ねぷねぷさんはハイなテンションでそう告げる。

対する双葉リボンさんは腕を組み考え込んでから

 

「で、それは何故かモンスターに守られている、と。モンスターを守っているってコトは、

 その元凶が鍵の欠片を守るよう命令したってコトよね....」

 

「つまりそのイースンさんは、

 モンスター騒動の元凶にとっても何らかの意味ある存在ってコトになる。

 世界を救うって言うのも、あながち嘘じゃないかも」

 

探偵らしきことを言った。

 

すげえぇぇぇぇぇぇ!めっちゃかっこいいじゃん!

って言うか頭冴えてますな~。

 

「おおーっ!!??あいちゃんスルドイってレベルじゃないよ!!

 もうそんなトコまで分かっちゃうの!?」

 

それを聞いていたねぷねぷさんは目をきらきらと輝かせて、俺と同じ反応をしていた。

双葉リボンさんは少しばかり照れくさいのか、頬を掻きながら

 

「別にフツーに考えたらこれくらい。

 でも、もしそれが本当なら。アンタ達二人に任せるのは....自殺行為かもね」

 

最後に二人を言葉切りした。

うなだれる二人。

それでも双葉リボンさんは話を続けていく。

 

「ま、いいわ。なら私がサポートしてあげる!

 そもそも世界中回るつもりなんでしょ?やっぱり一人ぐらい旅慣れしたキャラがいないと」

 

その言葉を聞いて、うなだれ状態から興奮状態に陥る二人。

双葉リボンさんは抱きついてこようとしたねぷねぷさんを手で制する。

 

「それにしても....鍵の欠片ねー。

 モンスターに守られているって言う条件付なら案外、探すのはそんなに難しくないかも」

 

「ほ、本当ですか!?じゃあイースンさんも、きっとすぐに助け出せるです!」

 

「少し前から各大陸の協会がモンスター被害への対抗策を立てるために、

 分布調査をしてるの。心当たりくらいあるんじゃない?」

 

あ、それで最近ダンジョンに行くと協会の人がいたのか~。

この前も長身の協会の人見たな。

一人で納得しているとねぷねぷさんが頭の上にはてなを思い浮かべ、半眼で首を傾げていた。

 

「あのさー、一つわかんないんだけど。協会って....なに?」

 

ねぷねぷさんの告げたその一言に俺は思わずこけそうになる。

え、なに?ねぷねぷさんって世間知らずのお嬢様とかそういうポジショニングなの?

 

「いや、実は記憶喪失ってやつなんだぁ。

 それで意外と些細なことも分かんないんだよ!というわけで説明お願い」

 

なぜか、ねぷねぷさんは照れ笑いしながら頭を掻いて言った。

照れる要素一つもなかったよな?

 

「ごめんなさいですアイエフさん。ねぷねぷは、打ち所が悪くて記憶喪失なんです。

 ねぷねぷも、協会さんのこと、まだだったですね」

 

そして、ふわふわとした雰囲気の女の子が双葉リボンさんことアイエフさんに謝り、

ねぷねぷさんに対して協会の説明を始めた。

 

「ねぷねぷ。協会って言うのは女神様に仕える人達が運営する神聖な組織ですぅ!」

 

「主に下界に降りてきた女神様のお世話をする教院と、

 大陸をまとめて政治をする国政院の二つで成り立ってるんです」

 

ねぷねぷさんは「う~ん」と唸っていた。

まさか、今の説明が分からなかったとでも言うのか?

そこでアイエフさんのフォローが入る。

 

「あー、ストップストップ!

 どうせならそこんところは協会の人に説明してもらわない?どうせ行くコトになるんだし」

 

「モンスターさんのことを聞きに行くです?でも、それは大陸を渡った後ですぅ」

 

「そうじゃなくて、その大陸を渡るのに協会の許可がいるの。

 大陸の接岸場も、管理してるのは協会だし...」

 

へえー....いいこと知ったな。協会に行かないと大陸は渡れないのか。

ならば、明日ぐらいにでも行ってみるか。

 

「そうだったですか。じゃあお勉強は協会についてからするです。分かったですね、ねぷねぷ」

 

「りょーかいだよ!」

 

ねぷねぷさんはそう言うと二人を引き連れてその場から去っていくのだった。

 

「....追いかけなければ!」

 

これ以上ここに滞在するのもイヤなので俺はその背を追いかけてみることにした。

あ、すとーかーじゃないからね?協会の場所がわからないからに決まってるだろ!!

 

 

 

 

これが長く続く物語だとも知らずに、俺は夢中になってその背を追いかけたのだった。


 
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