No.483141

IS-インフィニット・ストラトス ネクサス 闇に光をーLight to darkness.ー

ザルバさん

負けたくないと思いラウラは比類なき力を願うが・・・

2012-09-12 23:09:06 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:3386   閲覧ユーザー数:3229

(こんな・・・・・こんなところで・・・・わたしは・・・負けるのか・・・私は負けられない!負けるわけにはいかない・・・)

 人工合成遺伝子から作られ、私は・・・ただ戦いのために作られ、生まれ、育てられた。私は優秀であった。ISが出てくるまでは・・・適合性向上のために体にナノマシンを埋め込まれる手術をしたが私には適合しなかった。私はいつしか『出来損ない』の烙印を押された。そんなときあの人に、織斑教官に出会った。

「ここ最近成績が悪いようだが、なに心配するな。一ヶ月で部隊内最強の地位へと戻れるだろう。なんせわたしが教えるからな。」

 その言葉通りに私は最強の地位に戻れたが安堵はなかった。それよりもずっと強烈に、深く、あの人に・・・憧れた。私は気になった。どうしてあそこまで強いのか。どこからその力は湧いて出てくるのか。私はある日聞いた。

「どうしてそんなに強いのですか?どうしてそんなに強くなれるのですか?」

 そう言うと教官は微笑んでこう言った。

「私には弟がいる。」

「弟・・・ですか。」

「ああ。あいつを見ていると、わかるときがある。強さとはどういうものなのか、その先になにがあるのかをな。」

「・・・私にはわかりません。」

「今はそれでいいさ。いつか日本に来るときに会ってみるといい。だがひとつ忠告しておくぞ。あいつに・・・」

(違う。私が憧れてるのはそんなあなたじゃない。)

 私は妬んだ。あなたにそんな顔をさせるその弟を・・・許せない。

(私は・・・力が欲しい。)

(・・・願うか・・・・・?汝、自らの変革を望むか・・・・・・?より強い力を欲するか・・・・?)

 よこせ・・・比類なき最強を・・・唯一無二の絶対を・・・・私によこせ!

Damage Level・・・D.

Mind Condition ・・・Uplift.

Certification・・・・Clear.

≪Valkyrie Trace System≫・・・・・boot.

 

 突如ラウラのISが黒い液体状のなにかに包まれ、それは人の形をしていた。

!あの姿は!

「織斑先生!すぐに警戒レベルを4に!」

「わかっている。山田先生。」

「はい。」

「一夏、あれって一体なに?」

「わからんがいえることがひとつだけある。あれはあいつの憧れであり、闇だ。」

 黒い人型は一夏に攻撃してくる。一夏はそれを正面から受け止める。

「ぐっ・・・・」

「一夏!」

「来るな!」

「!!」

一夏は攻撃を弾き返し距離を取る。

「一夏・・どうして来るなといったの?」

「あの太刀筋・・・あれは織斑先生の太刀筋だ。」

「え!」

「だがどうしてあいつがそれを使える。」

「箒!まだここにいたのか!」

「そんなことはどうでもいい。一体何なんだあれは!」

「わからんが・・・多分・・」

「「多分?」」

「いや・・今そんなこと言ってる場合じゃない。二人とも、ここにいろ。」

「お前はどうする?」

「あいつを・・ラウラを助ける。」

「正気か!あいつは織斑先生の太刀筋を真似してるんだぞ!!それがどういう意味か貴様にもわかるだろ!」

「ああ、だからだ。あいつは俺を憎んでいた。ならその原因の俺があいつを助ける。それだけだ。」

「・・・一夏・・・」

 一夏は雪片構えて前進する。黒い人型は縦に刀を振るうが一夏はそれを回避し、黒い人型に切り込む。

 

私は・・・・いったい・・・・

(こんなとこで諦めるのか?)

 ん?貴様か・・・私はもう・・・・

(こんな下らないシステムに乗っ取られたことを理由に諦めるのか?)

・・・え?どういうことだ・・・

(これはおそらくVTシステムだ。こんなところで諦めて、千冬姉を泣かせる気か?)

・ ・・・・・・私は・・・諦めたくない・・・こんなところで落ちたくない!

 

一夏は黒い人型からラウラを助け出し、抱きかかえ、黒い人型から距離を置いた。

「・・・・んっ。」

「!気が付いたか!」

「私は・・・」

「今は何も言うな。!」

 周りはその光景に驚いた。黒い人型はぎこちない動きをしつつもラウラの方へと動いていた。まるでラウラを求めるように。

「・・・・ヨコセ・・・ソノ・・・ウツワヲ・・・」

「どうやらあいつを片付けないといけないようだな。」

「「一夏!」」

「二人とも、ラウラを頼む。」

 そう言って一夏は二人にラウラを託す。その途端、黒い人型は無数の光弾を放ってくる。一夏はネクサスの技・サークルシールドを使い攻撃を防ぐ。

「一夏!」

「大丈夫だ。それよりちょっと荒技をするから離れてろ。」

「!わかった。箒さん。」

「あ、ああ。」

 そして二人はラウラを抱えたままその場から離れた。

「・・・・ウツワ・・・・ウツワ・・・・」

「あいつは・・ラウラはお前の器じゃねえ!!」

 一夏は両手をクロスさせ、右腕を右斜め上に、左腕を左斜め下に広げ、ウルトラマン・ザ・ネクストの技・エボルレイ・シュトロームを黒い人型にむけて放つ。

「ふっ、はぁ、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ、あああああああ!!!」

「グァァァァァァァァ!!!コノ・・・・ワタシガ・・・コンナトコロデ・・・・」

「消えて・・・・無くなれぇぇぇぇぇ!!!!!!」

「ウワァァァァァァァァァァ!!」

 そして黒い人型は光の粒子となり消えていった。

 


 
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