No.482172

IS<白き天使と赤の騎士>

十河さん

2012-09-10 09:49:21 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2641   閲覧ユーザー数:2494

天海家

 

「こんなものかな。」

 

芽衣はサイズの違う一通り浴衣を出してきた。

それを手伝っていたシャルがたずねる。

 

「こんなにたくさん出してどうするの?」

「毎年更識姉妹や鈴とかが来るんだよ。僕の家は由緒正しい家系だから浴衣とか多く持っていて着付けも出来るから着付けとかをよく頼まれるんだよね。」

 

毎年更識姉妹や鈴、蘭から浴衣の着付けを頼まれる。

芽衣は絃を使うために女性の仕草などを勉強したので浴衣などの着付けを学んでいる。

今年は人数が多い。

さらに子供たちが気に入る浴衣があるのかわからないので多目に出した。

 

「あとは智花ちゃんたちが気に入る浴衣を探す手間を省くために多目に出した。」

「そっか。・・あ、来たね。」

 

インターホンが鳴り二人は玄関に向かう。

 

天海家前

 

「広いですぅ~。」

「めいめいスゲー!」

「はは、ほら芽衣たちに失礼のないようにな。」

 

昴は智花たちを先に中に入れさせ、少女たちの姿が見えなくなった所で指輪を填めてベルトに翳す。

 

「昴。」

「わかってる。コヨミ。」

 

(ユニコーン・プリーズ)

(ガルーダ・プリーズ)

(クラーケン・プリーズ)

 

昴は使い魔・・プラモンスターのブルーユニコーン、レッドガルーダ、イエロークラーケンを呼び出す。

 

「よっと。」

 

指輪をセットすると動き出す。

 

「ヒヒーン。」

「ピィ。」

「キュー。」

「智花たちにバレないように周辺を警戒して。あとゲートを探すのも忘れないで。」

「ご褒美もちゃんと買っておくからな。」

 

コヨミと昴は使い魔に命じ、使い魔たちは周辺警戒を始め、二人も中に入る。

 

「やあみんないらっしゃい。」

「はわぁ・・。」

「おー、たくさんある~。」

 

大量の浴衣に智花と愛莉は目を輝かせ、ひなたは近くにある浴衣に触れる。

 

「気に入った浴衣があればそれを選んであそこの部屋に入って。僕が着付けをやるから。」

「「「はーい!」」」

 

少女たちは元気に返事したあと浴衣を選び始める。

少しして更識姉妹がやって来た。

 

「・・こんにちわ。」

「芽衣くーん、今年もよろしくね♪」

「はいはい、今年は子供たちがいるから予めこの浴衣を選んだから。二人は着付けはわかってるはずだからあっちで着替えてね。」

 

芽衣は子供たちの部屋とは別の部屋を指差す。

 

「はいはーい。」

 

楯無は簪の手を引いて部屋に入る。

 

「また今年も簪ちゃんとお祭りに来れてよかったわ。」

「うん、私たちがこうして話していられるのも・・。」

「「千晶くんのおかげ。」」

かつて簪は完全無欠の姉をコンプレックスに感じていた。

それを解消してくれたのは当時未確認と戦っていた未確認四号・・仮面ライダークウガ。

 

「俺、小さい頃から兄弟も親もいないからさ、姉妹とか羨ましく思うんだよね。」

 

いつも笑顔を絶やさない楯無より二つ年上の若き冒険家・久川千晶。

ちょっとした事で知り合い、それからたまにメールでやり取りしたりたまに会って他愛もない事を話したりしていた。

 

「せっかくの姉妹なんだからさ、ゆっくり話してみたらどう?簪ちゃんは簪ちゃんにしかなれないし、楯無ちゃんも完全無欠って訳じゃないでしょ?」

 

千晶のこの言葉がきっかけとなり姉妹はゆっくり話をして互いが思っていた事を打ち明け、和解。

楯無にガンダムが与えられると聞き、楯無はこう言った。

 

「私より簪ちゃんの方がこのガンダムを上手く扱えます。だから簪ちゃんにガンダムヘビーアームズを渡してください!お願いします!」

 

楯無の熱意、簪の秘められた素質を見抜いてた楯無の両親はこの言葉を待っていた。

両親は姉妹の確執を完全に消し去るために敢えて何も言わなかった。

簪にヘビーアームズが与えられる事を千晶に話すと・・。

 

「そっか、よかったね。」

 

それが千晶の最後の言葉だった。

二人は今も笑顔でサムズアップしている姿を脳裏に焼き付いている。

 

「彼が・・。」

「未確認四号・・?」

 

姉妹は後で千晶がクウガである事を知り、お礼を言うためにあらゆる手を使い、居場所を探った。

再び会えたのは未確認0号・・ン・ダグバ・ゼバとの戦いのあと、千晶の行き付けの病院に搬送されるとき。

ダグバと激しい戦いがあったのか骨折などの大ケガ、さらに内臓が激しく損傷していて普通の人なら死んでいる。

しかし千晶が生きていられるのは腹に入り込んだ古代のベルト・・アークルのおかげ。

 

「・・また、会えたね・・。」

「・・バカ。」

「グスッ、心配、したんだから・・。」

 

目を覚まして初めて言ったのはこの言葉。

二人は生きて帰ってきた事に安堵すると同時に姉妹の確執を解きほぐし、見えない所で戦っていた千晶に淡い恋心を抱くと同時に仮面ライダーは都市伝説ではないことを悟る。

退院後二人は千晶に告白、三人は恋人になった。

両親にも紹介済みで最初は千晶が二人と付き合う事にいい顔をしなかったが三人が本気で愛し合っている事をわかり今は三人の恋を応援している。

千晶は世界をあちこち飛び回り、なかなか帰って来ないため手を焼いているが会えばちゃんと甘えさせてくれる。

 

「千晶、今年も帰って来なかったね。」

「でも今年は学園祭に必ず行くって言っていたわ。」

次に鈴と一夏がやって来て同じく予め選んだ浴衣を渡して着替えさせる。

 

「兄さん、来ました。」

「ラウラ。よく来たね。上がって上がって。」

 

芽衣はラウラを上げさせ、自身が選んだ浴衣を差し出す。

その浴衣は黒を基調、所々に花模様が描かれている。

 

「こ、これを着るのですか?」

「大丈夫、ラウラに似合うと思ったから選んだんだよ。」

 

少女着替え中

 

着終わったラウラは人形のように可愛らしい雰囲気となった。

髪をサイドテールにして少し化粧も入れた。

 

「うん、可愛くなったよ。」

「あうう///」

「元がいいから僕も張り切っちゃった。」

 

メイク担当のシャルも満足できる仕上がりになった。

その後智花たちの着付けも済ませ、篠ノ乃神社へと向かう。

 

篠ノ乃神社

 

「みんな、先に行ってて。僕も後で浴衣を着てから行くから。」

「うん。」

 

全員を先に行かせ、私服の芽衣は一人ある場所へと向かう。

篠ノ乃家

 

「柳韻さん、どうも。」

「・・天海の倅か。何のようだ?」

 

芽衣は束と箒の父親の柳韻に会いに来た。

天海家と篠ノ乃家は父親が古い知り合いであるがとある機会を境に全く会わなくなった。

 

「あなた、箒さんにどんな教育を施したのですか?」

「・・どういう意味だ?」

「彼女は政府から支給された専用機を手に入れました。」

 

芽衣の言葉に驚く柳韻。

柳韻はその話を聞いていない。

 

「何だと!?そんな話、聞いてないぞ!」

「・・どういうわけか、すぐに暴走ISの鎮圧任務がありましてね。彼女も動かして数十分しかたっていないのに専用機のグループに配属になりました。・・委員会からの命令でガンダムの出撃制限、さらに箒さんを必ず出撃させる事となんか妙な命令が届いたんです。織斑千冬と委員会の後ろ楯を得た彼女は浮かれていました。作戦はこちらが有利に進んでいたのですが途中で作戦領域に入り込んだ違法漁船をキャッチしたんです。・・そしたら彼女、犯罪者を見捨てようとしたんです。」

 

柳韻は顔をしかめる。

芽衣はさらに話続ける。

 

「僕と中国代表候補生はそんな彼女に言いましたよ。代表候補生であろうが犯罪者であろうが命はみんな等しいって。そしたら彼女どうしたと思います?」

 

芽衣はその時の光景を思い出しながら笑う。

柳韻はそれを見てイヤな予感がした。

 

「まさかの逆ギレで暴走ISと共に僕らを攻撃してきたんです。僕は一夏と傷ついた代表候補生を逃がしました。そして増援でISが現れ・・。」

 

芽衣は自身の心臓を指し・・。

 

「彼女に心臓を貫かれました。どういうわけか今生きていますけどね。・・あなたは束さんといい、箒さんといいちゃんと教育できていなかったようですね。その結果が今の世界だということをおわかりにならないですか?」

「束は剣の才能がなかった!変わりに優れた頭脳を持っていた。私はそれが怖くなり離れたのだ!」

 

柳韻のこの言葉に芽衣はキレた。

 

「愚か者!」

 

芽衣は柳韻の顔にライダーキック張りの強烈な回し蹴りを叩き込む。

柳韻は吹き飛び、芽衣は柳韻の元へ向かい胸ぐらを掴む。

 

「あんた、それで束さんがどんな思いをしてきたかわかっているのか!?箒さんにしても!あんたたち両親が相談にのるなり先生方に話をするなりできたはずだ!確かに保護プログラムであちこち転校続きだったのは仕方ないですよ。でもあんたは箒さんに対するフォローを怠っていたのは事実。・・あんたは人を殺す剣士を育てるのには秀でているみたいだけど子育ては全く才能がなかったようですね。」

 

芽衣はさらに顔を近づけ言った。

 

「人を殺したり、困らせたりしてはいけないことと大人は子供を誤った道へ進めてはいけないと先生から教わらなかった?」

「・・・。」

 

芽衣はそう言って柳韻を乱暴に離し、その場を去る。

芽衣は少し歩いて木に寄りかかり、カードデッキと銃身のないグリップを手に取る。

空はトンボの機械が飛んでいた。

 

「僕も人の事を言えないな・・。あの日、龍騎を手にしたと同時に殺したんだから・・。」

 

芽衣は昴と共に儀式の日に力を手にした。

目の前の怪物は胸を押さえている芽衣を見下ろしていた。

 

「早く絶望しなよ。私みたいに。」

「い、嫌だ・・!」

 

芽衣の周辺はファントムと化した人たちで溢れ帰っていた。

 

「う、うわぁー!」

 

芽衣の咆哮と共に胸からドラグレッダーが現れた。

 

「ふーん、あれがあなたの・・。」

「・・俺は!絶望なんかしない!」

 

芽衣のその言葉と共にカードデッキが現れ、それを手に取るとベルトが現れる。

 

「これは・・変身!」

 

芽衣はドラグレッダーと契約していない龍騎ブランク体に変身。

 

「ぐわぁ!」

「・・無駄よ。」

 

怪物に立ち向かうが全く歯が立たず、ドラグレッダーも芽衣を捕食しようと狙ってくる。

 

「どうすれば・・!?」

 

龍騎は他にカードがないかと探りあるカードを手に取る。

それを見た怪物は初めて焦りを見せる。

 

「そのカードは・・!やめて!」

「俺は・・!これ以上俺たちの様な人たちを増やしていけない!白騎士事件で事実を揉み消され、大切な物を無くした人たちをファントムや怪物に変えないために!」

 

龍騎は立ち上がりカードを掲げる。

 

「ドラゴン!俺に従え!」

「ギャオーン!」

 

ドラグレッダーが龍騎に吸収。

頭部に龍のエンブレムが記され、ドラグレッダーの顔を模したドラグバイザーに変化。

こうして仮面ライダー龍騎は誕生した。

龍騎は構えを取る。

 

「・・芽衣、私を殺すの・・?一緒に遊んだ記憶も全て殺すの・・?」

「これ以上・・茜の声でしゃべらないで!」

 

(ファイナルベント)

 

龍騎はドラゴンライダーキックでこのファントムを倒した。

 

「ありがとう・・芽衣。これ・・。」

 

茜はグリップ・・ドレイクグリップを差し出し、芽衣はそれを取ると茜は消失。

 

「茜・・。僕は戦えてるかな・・?」

 

芽衣はそう呟き、浴衣に着替え待っているシャルたちの元へ向かう。

龍騎は儀式の日に手にした力。

 

これによりミラーワールドに入れるようになりますが知らない所で鏡像芽衣も生まれました。

 

契約前は俺と言っていましたが契約後は僕になりました。

 

ドラグレッダーにエサを与えない変わりに芽衣の感情の一部を与えたことでこうなりました。

 

クウガ・・千晶と姉妹は恋人同士。

 

話の内容大丈夫かな・・?

 

感想待ってます!


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
3
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択