ピンポン

 

「あら、芽衣くん。久しぶりね。」

 

ドアホンを鳴らし、出てきたのは昴の母の七夕。

 

「こんにちは、昴は?」

「今日昴くんはバスケットのコーチをしてるわ。」

「そうですか、じゃあそっちに行ってみます。」

「それなら・・。」

 

七夕は奥へ向かい、しばらくしてバスケットを持ってやってきた。

 

「差し入れを持っていって。芽衣くんやバイクで待っているあの子の分も含めた人数分あるから。」

「わかりました、ありがとうございます。」

 

芽衣はそれを受け取り、オーズ・・湊も使っている可変バイク・ライドベンダーで待っているシャルの元へ向かう。

芽衣は一夏のカブトエクステンダー、有希のマシンディケイダー、昴のマシンウィンガーの様に専用バイクを持っていない。

なので湊を通じて鴻上にライドベンダーを使わせてほしいと頼んだ。

 

「魔法使いはバスケのコーチをしてるって。これからそこへ行くよ。」

「わかった。」

 

バスケットを積み込み、シャルは芽衣の腰に手を回しスタート。

慧心学園

 

昴はここの初等部で女バスのコーチを行っている。

 

「よーし、一旦休憩だ。水分はしっかり取るように。」

「「「はーい!」」」

 

昴の指示に少女たちは元気な声で返事。

そこへ・・。

 

「すっかりコーチが板に付いたね、春の頃とは大違いだよ。」

「芽衣。来たのか。・・そっちが噂の彼女か?」

「初めまして、シャルロット・デュノアです。よろしくね。」

「俺は長谷川昴。芽衣から聞いたと思うが魔法使いだ。昴でいい。」

「私はコヨミ。昴のパートナー。」

 

挨拶もホドホドに芽衣たちはバスケットを渡す。

 

「すまないな、せっかく来てもらったのに使い走りみたいな事をさせて。」

「ううん、七夕さんのご飯美味しいから別に構わないよ。」

 

そこへ少女たちが戻ってくる。

 

「おー、お姉ちゃん。」

「芽衣さん、お久しぶりです。」

 

ピンクのフワフワした女の子からお姉ちゃんと呼ばれ、水色の髪にカチューシャとアイガードを着けた女の子から挨拶をされる。

 

「ひなたちゃん、僕は男だよ。紗季ちゃんも久しぶりだね。」

「///」

 

芽衣はひなたの言葉に苦笑いをこぼしながら二人の頭を撫でる。

ひなたは嬉しそうにしていて紗季は顔を真っ赤にしている。

 

「あはは、紗季が真っ赤になってる~。」

「う、うるさい!バカ真帆!///」

 

からかうツインテールの少女・真帆に顔を真っ赤にしながら怒る紗季。

そんな光景を微笑ましく見ている芽衣たち。

そんな中、シャルが話を切り出す。

 

「そういえば芽衣は昴と対決したんだよね。」

「そうだね。僕はスモールフォワードで昴はポイントガード。最後の夏の大会の準決勝、一点差で僕らの学校が負けたんだ。」

「そうだったな。あの時は白熱した。」

「・・今だから言えるけどさ、ISを動かさなかったら七芝へ進むつもりだったんだ。」

 

芽衣の発言に昴は驚いた。

 

「どうしてだ?お前なら伊戸田とかでも通用するだろ?というかお前、いろんな強豪からスカウト来ていたのに全部蹴ったって話を聞いたぞ。」

「昴と一緒にやりたかった。それだけ。」

 

芽衣は全国でもトップクラスのプレイヤーとして名を馳せていた。

それによりいろんな強豪からスカウトが来ていたが昴と一緒にやりたいと強い思いで蹴ったという。

一方、シャギーの入ったショートカットの女の子・智花は少し大きい指輪を見つめていた。

 

「もっかん、その指輪見てばかりだけど何かあるのか?」

「その指輪って前に言ってた魔法使いに助けてもらった時にもらったって言ってたよね。」

「うん、私を絶望から助けてくれた魔法使いさん。また会えたらお礼を言いたいんだけどね・・。」

 

ボブカットで背の高い女の子・愛莉は前に智花から聞いた話を思い出しながら言う。

それを見ていた芽衣たち。

 

「あの指輪・・。そっか、智花ちゃんがゲートだったんだ。」

「ああ、まさかまた会うなんて思ってもみなかった。」

 

昴はウィザードとして智花と会った事があり、絶望から救いだした。

それが何の因果かコーチとして再会。

最も智花たちは昴が魔法使いで仮面ライダーウィザードだという事を知らない。

 

「あの子たちには怪人の事を知ってほしくない。純粋に楽しく日常を過ごしてほしいから何も言ってない。」

「うん、あの子たちが僕ら位になったときには男女平等の世の中に戻したい。」

 

二人は目の前の少女たちが怪人に関わることがないよう頑張っていくことを改めて決意。

 

「フォーゼ・・弦太郎たちも我望理事長とダチになったって。」

「らしいな。あいつらしいといえばらしいな。」

「あと賢吾も復活したって。」

 

我望・・サジタリウスを倒し、超新星の反動で弱った体をフォーゼが治療。

仮面ライダー部員たちを始めとした全校生徒や教師らに謝罪、現在は理事長職を行いながら宇宙の向こう側を見続けている。

これによりホロスコープスは壊滅。

しかしゾティアーツスイッチは財団Xが所持している。

 

「弦太郎はスゴいよね。衛星兵器ともダチになるんだもん。」

「まあな。その時は俺も少し助けに入った。変身したままだったから顔は知らないと思う。」

 

他愛もない話をして時間を潰す。

二人は仮面ライダー以外では実に久しぶりに会うので話題が尽きない。

「ねえねえすばるん、次は何すればいい?」

「お、なら次は実践練習をやろうか。芽衣行けるか?」

「うん。着替えて・・。」

 

芽衣が準備をしようと立ち上がると頭にキィーン・・と響く。

 

「・・着替えてくる(昴、少し行ってくる。)」

「ああ(わかった。)」

 

二人はアイコンタクトを交わし、芽衣は人目のつかない場所へと向かう。

 

「・・たまには生身でミラーワールドに入ろうかな。疲れるけど。」

 

何と芽衣は龍騎に変身しないでミラーワールドに入る。

これは芽衣も儀式の日を生き残り身に付けた力の一つ。

生身でもミラーワールドに入る事が出来るが疲労が溜まるという欠点があり、龍騎に変身してから入る事で問題無くなった。

短距離移動の時に生身通行を行う。

 

「・・来たね。」

「何のよう?わざわざ呼び出すなんて。」

 

中に鏡像の芽衣がいた。

 

「あの箒とかいう嫌な臭いの女、どうするつもり?あいつ、裏で何かやってるみたいだけど。」

「関係ないよ。篠ノ乃さんが何をしようと僕は迎え撃つ・・うっ。」

 

芽衣は胸を抑えて膝を着く。

鏡像芽衣はため息を吐いて芽衣の肩に触れる。

すると芽衣の体が淡く輝き、再び立ち上がる。

 

「・・どう?」

「・・ありがとう。君は僕の使われていない部分って言っていたよね。君はミラーワールドで生活できる変わりに現実では・・。」

「ご名答。もっともあんたと私が一体化すればこの問題は解消されるし、互いの能力を受け継ぐわ。」

「もしそうなったら・・。」

「・・私とあんた。確実にどっちか消えるでしょうね。」

 

鏡像芽衣は坦々と答える。

 

「・・もう行くね。」

「・・私は両親を殺し、何も知らなずのうのうと過ごしている織斑千冬を殺したい。あんたは織斑千冬を生かして罪を償わせたい。」

「・・僕はあの人みたいに無闇に力を振るいたくない。織斑先生はリスクを考えていなかった。それが今の世界。それを変えるのはガンダムと一夏と僕。」

 

そういい残して芽衣はミラーワールドを出る。

鏡像芽衣は複雑な表情を浮かべる。

 

「わかってるよ・・あんたは臭い女と同じ様で誰よりも優しすぎる。私は・・時間がないの・・。」

 

ミラーワールドにも関わらず、鏡像芽衣の体が粒子化し始める。

現実に戻った芽衣は智花たちと共に練習。

 

「入れさせません!」

 

愛莉が芽衣のダンクを止めようと前に出てブロック。

 

「愛莉ちゃん、いい動きだね。だけど!」

「え?」

 

しかし芽衣は空中でボールをダンクの左から右のアリウープに切り替え愛莉の脇からゴールを決めた。

 

「スッゲー!」

「はは、相変わらず魅せるな。」

 

今のプレイに真帆は目を輝かせ、昴は変わらないライバルのプレイに安堵。

練習が終わり、片付けを行う。

芽衣やシャルもその手伝いをしている。

 

「今日篠ノ乃神社で縁日だよね。一緒に行かない?」

「お、いいな。」

「ならあの子たち誘って僕の家に来てよ。浴衣貸すからさ。」

「いつも悪いな。」

 

芽衣の家は歴史ある家系なので浴衣や振り袖が多くある。

 

「ううん、構わないよ。」

 

昴は智花たちを縁日に誘う。

全員行くということで話がついた。

このフォーゼは我望は生存、理事長として生きてます。

 

ホロスコープスは我望だけが生き残り、立神や速水は死亡。

 

現在は立て直しで大忙し。

 

昴はウィザードとして智花と会った事がありファントムを産み出しかけました。

 

ウィザードはそれを阻止、エンゲージリングは智花の手元にあります。

 

智花たちは芽衣が龍騎、昴が魔法使いでウィザードだということを知りません。

 

そして生身でミラーワールド通過!?

 

これは儀式の日を生き残り、龍騎と共に手にした力です。

 

鏡像芽衣は時間がないようで・・?

 

感想待ってます!

 


 
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