~プロローグ~
「志貴、結婚しましょう」
「ハァ!!?」
突然、特徴的な紫色の髪の彼女(シオン)はそんな事を言った。
「?何か問題でも?」
「いやいや、問題以前に何故その結論に至ったのか脈絡が無いんだけど?」
「脈絡ならあります。ワラキアとの一戦を終えて、貴方との協力関係も終わりましたが、貴方は今も私の手伝いをしてくれている。私は貴方が好きですし、貴方もそれと同じではないかと推測されたので、思い切って提案したのですが………」
結婚を提案って………相変わらず彼女は頭が堅い。
もう少し柔軟に考えて物を言えないのだろうか?
「その……嫌ですか?」
彼女は不安そうに上目遣いで言う。
そんな彼女を見て、結論は既に出ていた。
彼女を抱きしめる。
「あ……。」
「いや、問題ないよ。
俺は、シオンを一生涯愛するよ。
だから、俺と一緒にいてくれるかい?」
「!!……それは私のセリフです……」
巻きつく彼女の腕の力が強くなる。
だが、彼女の身体が俺の腕の中に収まる感触が心地良くて、俺達は何時までも互いを抱き締めていた。
こうして、志貴とシオンは結ばれた。
Tweet |
|
|
1
|
0
|
追加するフォルダを選択
これは本来有りえる筈の無いIF。
殺人貴の少年が錬金術師の少女と結ばれていたなら………そんな些細なIFから始まる物語。
IFは更なるIFと絡み合い、呼び寄せるはずの無い未来を夢想する。
続きを表示