No.475535 IS 二性の転生者は天才の義妹 十二話ユウさん 2012-08-26 06:30:12 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1566 閲覧ユーザー数:1509 |
どうも、結歌です。
あれからタクシーに揺られること数分、エミリアさんの工場に着きました。
うん。いつ見ても……ショッボイなー。
まあ、こんなのが普通か。
「ししょー、結ちゃん連れて着ましたよぉ」
「おお、久しいでござるな」
はぁ、この師弟って似てます。
何だろう、ドジっていうか、バカっていうか、天然っていうか。まあ似てます。
「お久しぶりです、エミリアさん」
「うむ、懐かしいでござるな。ユイ」
悪い人ではないし、付き合いにくいわけでもないから、こうして仲良くなったんだけど。
「で、今回の作品はどんなのですか?」
「お披露目は馬鹿のお二人さんが来てからでござるが、今回はユイの卒業式という事で、装飾、材料、硬度、切れ味、重量、全てにこだわったでござる」
「そりゃあ、すごいですね。てか、材料ってこだわれたんですね」
「ああ、すごいにござるよ。今回のは今までの中でも、5本の指に入る出来にござる。材料はユイにもらった宇宙の鉱物や地球の珍しい鉱物などを使ったでござる」
ああ、お姉ちゃんが取ってきたやつね。
というか、今までの中で五番目に入るぐらいってすごいな。
エミリアさんって数百本、剣作ってるからな。
「それにしても、あの馬鹿共はまた喧嘩でござるか。まったく、オリバーはなぜいつも喧嘩をするのか知りたいでござる」
「仲が良いからでしょ」
「レイヤとはそうなのだろうが、他の者とも、いきなり喧嘩しかけてしまうのでござるよ」
そりゃあ大変だな。
「あの二人はほっといて、パーティーの買出しに行きましょうよぉ」
「そうでござるな。空港で喧嘩ならしばらくは帰ってこないでござるしな」
買い物か、最寄のスーパーとかまで何分かかるんだろうか。
あれから車で最寄のスーパーに行って、食材やお菓子などを買って帰ってきたのですが、まだ師匠たちは帰ってきてなかったので、先に料理の準備を終わらせることにしましたのだが、どうやら二人は料理が出来ないとかで、主役のはずの私が料理を作ることになりました。
ちなみに今いるところは、さっきまでの工場ではなく、エミリアさんの家です。
エミリアさんの家が一番大きいので、ここになったそうです。(リズちゃん談)
作ってる途中で、師匠たちが帰ってきたので、一緒に作ってました。
で、料理が終わり、卒業パーティーが始まり、詩音師匠の面白くない落語や、オリバー師匠の特技のジャグリングなどを見ながら、食事やおしゃべりをしながらパーティーは進みました。
で、最後のイベントのプレゼントだそうです。
「よーし、エミリー、あれ持って来い!」
「お前が威張るんじゃないでござる。それに、もう持ってきてるでござるよ」
そう言って、エミリアさんは布に包まれた剣を取り出す。
「よーし、シオンも持ってきただろうな」
「おうよ」
師匠も布に包まれた何かを出しました。
「よーし、じゃあ卒業証書はないが、卒業証剣の授与といこうか」
「「「「あんた(お前)が仕切るな(でござる)」」」」
「なにー!?俺が仕切らないで、誰が仕切る?」
他にいるだろ、エミリアさんとか、リズちゃんとか。
少なくとも師匠よりはいいだろう。
「いいから、ほら、渡しちまをうぜ」
「仕方ないでござるな。では、ユイ、卒業おめでとうでござる」
エミリアさんは、使いにくくならない最低限の装飾が施された、少し細めの剣を包みから出す。
受け取ると、ずっしりとした重みが伝わる。
うん、いい剣だ。
「うわぁ、すごい嬉しいです。ありがとうございます、帰ったら早速つかわさせてもらいます」
「うむ、そうするといいでござる」
「あ、でも鞘がありませんね」
「それは、詩音さんが」
「ほれ」
詩音師匠は恥ずかしがりながら布を取り、青を中心とした装飾が施された鞘を渡してくる。
「きれい……師匠、嬉しいです。ありがとうございます!」
「ホントか!?」
「本当ですよ」
「よ、よかったー」
ははは、師匠子供っぽいな。
「だから喜んでくれるって、言ったでござろう」
「ああ、お前の言うとおりだったわ」
「そうだろ、そうだろ」
あんたじゃないよ。
「てめぇじゃねえよ」
それにしても、剣も鞘もどちらもすごい。
いいモノだ。
私は剣を二、三ど振り、鞘に収める。
「本当、ありがとうございます。師匠、エミリアさん」
「ああ結、お前はもう卒業したんだから、もう師匠って呼ばなくていいんだぞ」
「そうだだぞ、オリバー様って呼んでも良いぞ」
そう言われても、師匠で慣れちゃったし、師匠たち年上だしなー。
「じゃあ、詩音さんとアホでいいですか」
「おう、いいぞ」
「いいぜって、おい!なんで俺はアホなんだよ!」
アホがいきなり怒り出す。
どこが悪かったんだろうか、私としては頑張って考えたんだが。
「よし、今日は飲むでござるよ」
「おうよ」
「私たちは未成年だからジュースですぅ」
「うん」
「無視すんなー!」
こんな風に騒いで、卒業パーティーは終わった。
そして、次の日に私と詩音さんは日本に帰った。
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