としみつside
天候良し、芝生良し、風は穏やか、絶好のサッカー日和だな!今日は士郎さん率いるサッカーチームの試合を見に来たんだが士郎さんに無理を言って、入れさせてくださいって頼んだらチームのみんながOKなら前半だけなら入れてもいいって言ってくれた。
今日、なのは達が応援に来るんだが……つぐの野郎「俺はパスする。」なんていいやがって…サッカー嫌いなのかよ。いかにもインドア派なみつるは来んのによ。
ちなみに俺は自分で言うのもなんだがスポーツは万能なほうだ。伊達に恭也さんから剣術を学んだり、すずかのドッジボールの玉を止めたりしてないぜ。
「整列!スタメン発表の前に今日試合に出たがっている子がいるんだが前半だけでも入れてもいいか?」
「「はい!だいじょうぶです!」」
「うん。じゃあ樋口君あいさつをして。」
「樋口敏光です。試合なのに無理をしていれてもらってすみません。足を引っ張らないようにしますんでよろしくお願いしまっす。」
「「パチパチパチ」」
「じゃあアップ始め!」
おっと、忘れ物忘れ物。母ちゃんがくれたお守りを腰のポケットに入れてっと、よしっアップに行くか。
~試合開始後~
ピィー
「みんなガンバレー」
「としみつ君がんばってー」
「とし、外すんじゃないわよー」
「が、が、がんばれ~」
3人の熱い声援と恥ずかしながらも声を出しているみつるの声援をBGMにして試合が始まった。俺のポジションは、FW……ではなくDFだ。
FWはうちの選手を出したいからという理由でDFなったのだが、まあしゃーないよな。とにかくDFとしての仕事をしないと。
「ボール行ったぞー!」
くそっシュート圏内に入っちまう。こうなったら一か八かスライディングをきめてやる。
「デアァァァ!!」
しかし相手はシュートを撃ち俺のスライディングは失敗した。けれど、相手が蹴ったボールはキーパーによってキャッチされた。
「ナイス!キーパー」
俺はキーパーにグッジョブサインを出した。
「ああ。樋口君お願い。」
キーパーが俺にボールを渡した。
「おっしゃあ!ロングパスだー!」
勢いをつけて少しでも前線へとボールを飛ばすように蹴った。
バッコーン!ピィー!
「ゴール!」
あ、勢いつけすぎてゴールしちまった…みんなボーゼンとしているぜ。振り返って味方ゴールの方へ向くと。
「樋口君ナイスロングシュート!」
キーパーがグッジョブサインを出した。
「お、おう。ありがとな。」
~試合終了後~
試合は3対0で勝利した。0に抑えてくれたのは、あのキーパーのおかげが大きいけどな。
俺達は今、翠屋の前にいる。
「としみつ君お疲れさま。」
「あのロングシュート凄かったよ。」
「か、かっこよかったよ。」
「4人とも応援ありがとうな」
「あんた、あのシュートをわたし達とサッカーをやる時に出さないでしょうね」
「出さねえよ」
「なのは。」
お、桃子さんだ。にしてもホントに大学生の子持ちの奥さんかよ美人で若すぎるぜ。
「なにお母さん。」
「今、お父さんのサッカーチームの選手達でお店がいっぱいだからなのは達は外でお願いね。テーブルもお菓子もちゃんと出すから。」
満員かよ。中で食いたかったんだがなぁ。
「「「「「はーい」」」」」
「そういえば、なのはちゃんユーノ君どう?元気?」
ユーノ君?ああ、前に話していたイタチか。
「うん元気だよ。」
「ね、ねえなのはちゃん。そ、そのユーノ君をさ、触ってもらってもいいかな?」
「うん。いいよ。」
なのはは、ユーノをみつるに渡した。
「うわ~、もふもふだ~。」
みつるがこんな幸せそうな顔を見るのは初めてだな。目がトロンとしているし…
「にしてもこの子フェレットとは少し違わない?」
「そういえばそうだね。」
「そうか?俺はただのイタチにしか見えないんだが…」
「もう、としみつ君ったら。ユーノ君のことお父さんと同じこと言ってる。」
「ユーニョ君お手。」
おいおい、みつる。イタチがお手をするかよ。後、言葉がふにゃふにゃになっているし、ってしたー!このイタチ結構賢いなぁ。
「かしこい、かしこい」
「わぁ~」
アリサとすずかもユーノ、もふもふする仲間に入ってきた。
カランカラン
おっ、選手のみんなが出できたな。
「あっ!」
「ん?どうしたなのは。」
「う、ううんなんでもないよ。」
「はい、なのはちゃん返すよ。」
お、みつるからユーノが帰ってきたようだって、おおーい!ユーノ目を回しているじゃねーか!どんだけいじくり回したんだよ!
「じゃあ、あたし達も解散ね。」
「そうだね。私はこの後お姉ちゃんとお出かけするから。」
「あたしはパパとお買い物。」
「ぼ、僕はお母さん達とデパートへ。」
ふ~ん。みんな午後から家族と出かけるんだな。うちは八百屋だから両親共働きでそんな暇ねぇからな。俺もいつか手伝わなちゃなんねえし。
「みんなも解散か?」
お、士郎さんだ。
「今日はお誘いいただいてありがとうございました。」
「試合かっこよかったです。」
「すずかちゃんもアリサちゃんも応援ありがとなぁ。」
「俺も無茶言って試合に入れてもらって。」
「いやいや、試合に勝てたのも、としみつ君がいたおかげだよ。あのロングシュート凄かったよ。」「へへ、どうもです。」
「じゃ、じゃあみんな。ま、また月曜日にね。」
「「じゃあね~」」
「またな~」
さてと俺は寄り道しながら帰るか…
散歩していた犬と睨み合ったり、カチャポンの景品はなにかなぁと見たりと俺は家に帰るまでブラブラしていた。
にしても平和だなぁ。なんかでかい事起きねぇかなあ。つか、リリなのってなんかのアニメだろ、なんか起きろよ。ほのぼのアニメだったっか?
《―――》
なんだ、この感じは?
ドカーン!!!
ん!?なんだ!地震か?俺は後ろから何か来る気配がして振り返ってみると、木の根っこがものすごい勢いで迫ってきた!
「な、なんじゃこりゃー!」
俺はもう全力で逃げた。たしかにさっき何か起きねえかなあとは思ったけどさあ。俺がその被害にいきなり
うおおおお!!こっちくんなあぁ!
チャリン。
げっ!お守りが落ちた!幸い木の根はこっちにまだ来てないから拾いに戻れる。これ無くしたら、母ちゃんに叱られるからなぁ。
ズゴゴゴゴゴ
ゲェ!もう来やがった!このままじゃ走っても追いつかれる。
「マジで誰か助けてくれー!」俺はギュッとお守りを握り締めた。
キィィィン
〈
え?お守りが喋った?後、何だって?えっとハ、ハイセン?
「に、日本語で…」
〈…あなたの名前は?〉
名前?ええいもやしにすがる気持ちだ!(※藁にすがる気持ちの間違い)
「樋口敏光だ!」
〈
ん?なんか左手に重みを感じるな。左手を見るとゲームに出てきそうなロングソードを持っていた。なんで剣を持っているのかわからんがこれで、
「でりゃあああ!!」
迫り来る木の根をその剣で切った。残りの木の根は俺の二、三十cm手前で止まった。
「なんだよこの木の根っこは…」
木の根に触ろうと右手を上げた時俺は右手に篭手が付いていることに気が付いた。
「え?」
見ると、服もさっきまで着ていたものと変わっていた。全体を見ようとカーブミラーを覗いた。そこに映っていたのは左手にロングソードを持ち、中世の軽装な鎧騎士の格好をした俺がいた。
「な、なんじゃこりゃー!」
お、お、落ち着け、落ち着いて素数を数えるんだ。
「1,3,5,7,11,13,17…」(※1は素数に入りません。)
ふぅ~。よし落ち着いた。もしかしてこの剣の力か?
〈
「あ~、何語言っているのかわからないからさっきのように日本語で頼む。」
〈はい、わかりました。わが主。〉
「で、俺は何になったんだよ。」
〈騎士です。〉
「はぁ!?騎士ぃ?」
あれ~?リリなのってタイトルで魔法少女ってあるから魔法ものだと思ったはずだけど、覚えている限りでは……
騎士なんて物理的なものが入っていいんだろうか?
ズバーン!!
何かでかい音がしたな…前を見るとさっきまであった木の根がなくなっていた。
何だったんださっきのは……
「まあ、とにかくよろしくな。え~と」
〈私の名は、鋼の守り・シュッツェンシュタールです。〉
「よろしくな、シュッ、シッュ…長いからシュターって呼ぶぜ。」
〈わかりました主。〉
「ところで…この服どうやって脱ぐんだ?いきなりだったからわかんなくて。」
〈……マスターはどうやって私を起動したのですか。〉
「どうって、少し強く握ったらいきなりお前が話しかけてきて。」〈………〉
「ん?どうした?」
〈いえ、では解除します。〉
ふう、あんな目立つ格好で町をうろついたら学校で何て言われるやら。まあ、このことはみんなに内緒にしておこう、このことが噂で漏れて変な組織に関ったりでもしたらいやだし。
〈(マスターは、魔法について何も知らないようですね。これは一から私が教えないとだめですね。
……カートリッジシステムのことはしばらく伏せておきましょうか。あれは、初心者には危険なものですからね。カートリッジ供給者もいないみたいですし。)〉
第8話「町は木に覆われて」 完
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作者は一応ドイツ語を習っていますが、日本語にします。
べ、別にドイツ語がまだ初歩の初歩しかできないとか、読者のためなんかじゃないからね。作者が書きやすいようにしたいだけなんだからね。