俺たちは普通に歩いていた
え?走り出したんじゃないかって?
そりゃ走り出したよ あの太陽に向かって
でもずっと走り続けるのは無理じゃん
そしたら歩くしかないじゃん
ってか太陽もう沈んだし
「旦那 そろそろ休みますか
明日には村に着くでしょう」
「そうしようか」
俺たちは近くの木陰に荷物を下ろす
食糧がないため水だけを飲む
昨日・・現代にいた時だが夕飯を多く食べていたため1日ならなんとか我慢できた
そこで色々話しをした
聞けばアニキは元の村ではそこそこの家のものだったらしい
だが太守の圧政で税が上がり食うものもなく家族も病や飢えで死に
行くとこがなくなり賊になったらしい
チビもデクも似たようなものらしい
俺のことも聞かれたが
「色々・・・・・色々あったんだ・・・・・」
と遠い眼で星を見上げながら言ったらなんか理解してくれた
現代のことを言うと頭おかしいやつと見られるので黙っておく
次の日村についたら村の様子がおかしかった
「あー、ここももう駄目っすね
大方周辺の賊にやられたんでしょう
この様子じゃあ1回ある程度やられてまた来るとこですかね
巻き込まれないうちにさっさと他のとこに行きましょう」
色々と思う所があり、少し村の様子を見ようと言い
村を歩きだした
「・・・だから皆さんの力をかしてください!お願いします」
「そうだ!自分達の村は自分達で守るぞ!」
「賊共に好きにはさせねえよ!」
「あぁ!やってやんよ!」
オオオオオオオオオオオオオオ!!
なんだぁ?
ふと大きな声がした家を見る そこそこでかいから村の偉い人のかな
「では桃香様、私は武器の準備をしてきます。鈴々、桃香様を頼む」
「うん。お願いね愛紗ちゃん」
「わかったのだ。鈴々にまかせるのだ!」
そんな声がして
そこから1人の女性が出てきた
その女性は長い黒髪でっていうかどこかで見たことあるような
というかというか俺がこの世界で見た人間はまだ4人だけで
その内3人は後ろにいるし
といことは
「っげ!!関羽!!!」
あ、やべえ死んだ
「む、何者だお前ら!人の名を気安く呼びおって!!賊か!」
あれ?覚えてない?
まぁ影の薄い俺のことだから忘れられたのかな
それも寂しいがまぁいい
って今も殺気向けられてんじゃん
っあ賊に間違えられてるのか そりゃ襲われてる村に知らないやつがいたらそう思うよな
後ろの3人は賊だし 俺は違うけど
それよりこの状況をなんとかしないと考えろ俺どうする俺
ほらめっちゃ不審な目で見てるよ
そして武器を持つ手に力がはいってるよ
とりあえず
「い、いきなり名を呼んでしまい申し訳ありません
えっと私は旅の・・・商人でして、そう商人で
後ろの3人は護衛です」
やっちゃったよ
適当なうそつくと後が大変なのに
「む、そうなのか。なぜ私の名を知っているのだ」
信じちゃったよ この人 意外とあれなのか?
「そ、それはですね。先ほど村のものに聞きました」
「商人にしては荷がないようだが?」
「はい。先ほど村の近くで賊に襲われ荷を奪われました
なんとか命からがら逃げてきたというわけです」
ふぅ乗り切ったな
口先の魔術師と呼ばれた俺には造作もないことだな
「そうか。それは大変だったな
だがこの村も襲われている所だ。そして今から反撃するところだ
その護衛の者たちの力も良ければかしてほしい」
え?それは予想してないね・・・
「旦那 俺達ならいいですぜ
今外にでる方が危ないですし」
「そうでやんす」
「ふがー」
何のっちゃってんの?お前ら!?
俺の華麗なトークで何とか切り抜けようとしてたのに
賊と戦うとか死の危険だよ?
まだレベル上がってない俺は死んじゃうよ
レベル1で魔王様にケンカうってる状況だよ
ここは世界の半分もらって魔王様に屈するしかないよ
ってかレベル1で世界の半分もらえるとか魔王頭弱すぎ
世界の半分でどうやって分けるんだろうな
と俺がどうでもいいことを考えていると
「よし。助かるぞ。お前たち。武器の場所に案内しよう」
「あぁ俺達はそこそこは強いぞ
まぁあんたには一振りでやられそうだが」
「アニキは強いでヤンスよ」
「お、おらもやるんだな」
「ふむ。まぁ村人よりは強いようだな」
なに仲良くなっちゃってんのおおおおおおおおお
お前ら賊だろ!!何仲良くなっちゃてんだよ!!
つーか忘れてんのかこいつら?1回俺達殺されそうになったじゃん!!
バカしかいねえよ!!
関羽とアニキ達はお互いが出合っていたことを忘れていた
なぜならそこにもう1人いた変態の影響が大きかったからだ
関羽はその変態の肌に眼を取られ男たちの顔を見てなかったし、服装も変わっていた
しかもすぐに逃げられた
これは一刀が賊らしい恰好はやめようと変えたからだ
そしてアニキ達も変態の影響で驚いてるとこに人が現れ、急に逃げた為忘れていた
女ということは覚えていたが顔は忘れてしまっていた
つまり全て変態のおかげでした
その変態は関羽の殺気を覚えており正直恐怖しかない
・・・・・・んでも関羽がいるなら劉備や張飛もいるのか?
関羽と張飛がいるならその辺の賊程度なら平気か・・・
そうだな
アニキの言うとおり今村を出るのは危ない
ここは従っておくか
というか早速目標の1つクリアだな
劉備はイケメン凛々しくて頭よさそうな感じで
張飛は髭親父イメージだな
「うそだろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
いやいやいや
またまた御冗談を
「ははっ。雲長殿もなかなか面白いお方ですね
・・・で玄徳殿はどちらに?」
「えええぇ?その・・・・私が玄徳なんだけど?」
少ししゅんとして玄徳殿が答える
なにこれ可愛い
「貴様!玄徳様を侮辱する気か!?」
「いえいえ、そんなつもりはありません。申し訳ありません。玄徳殿」
関羽の殺気に当てられ訂正する
「鈴々は張飛益徳なのだ!よろしくなのだ!でお兄ちゃんは誰なのだ?」
ねえよそれはねえよ
百歩譲って関羽はいいよ 武人っぽいし強そうだし
真面目そうな感じとか分かる あとおっぱいさん
そして1万歩譲って劉備もいいよ
まぁなんか徳ありそうだし可愛いし
ちょっと頭があれそうだけど あとおっぱいさん
もう譲れねえよ これ以上譲ると他の武将とかどうなるんだよ
曹操とか孫策も女になっちゃうよ
あれか?性逆転物か?
そんなんいったら三国一の美少女の貂蝉とかどうなるんだよ
・・・・・あ
いますごい悪寒感じた
俺の全細胞がそのフラグを全力で折れと言ってる
いやいや貂蝉は演技だからダイジョウブ
史実にはいたかどうかわからないし
ダイジョウブダイジョウブ
「おい!聞いているのか?」
「っは、ダイジョウブです。フラグはへし折りました」
「ふらぐ?まぁいい。で、お前の名は?」
「はい。俺の名前は北郷一刀です」
「ん?珍しい名前だな?性が北で名が郷で字が一刀か?」
あ、やべ?本名いっちゃった
かっこいい偽名考えてたのに
まぁいいや
「そうです」
適当に応えておこう
「賊の大将この関羽雲長が討ち取ったぞおおお!!」
義勇軍が村に戻ってきて村はお祭り騒ぎだ
戦闘シーンは???
いや俺もちゃんと仕事したよ
村の周りに木で防護柵作ったり矢を集めたり負傷者の介護したり
ってか俺行かなくても終わった
関羽と張飛強すぎだろ
人がばっさばっさ飛んでたし
幸い村人にも負傷者が少し出ただけで済んだようだ
・・・・さて
「一刀さん。ホントにいっちゃうんですか?」
「はい。玄徳殿のおかげで賊もいなくなりましたし
商人として行く所もありますゆえ。
お世話になりました」
「旦那 お元気で!
いつかまた会いましょう」
「ダンナ、お元気でヤンス」
「ま、またなんだな」
なんであいつらが見送ってんのかって?
それは劉備の義勇軍に入るよう俺が言ったからだ
どうやら劉備は義勇軍を立ち上げたらしい
あいつらは行くところがなくて賊になったやつらだから行く所ができた方がいいだろう
着いてくると言ってきたが色々言って説得した
その方があいつらのためになるし、玄徳殿についていけば大丈夫だろう
正直男の連れとかいらない
チラッと頭の片隅で思ってたのは秘密だ
チラッとだから平気だろう
さすがにそれは言ってないけど
で劉備にそれを伝えたらなんかめっちゃ感謝された
まだ兵が全然いないらしく戦闘経験のあるものは欲しかったらしい
意外だがアニキはそこそこ強いらしい
関羽に一振りでやられるがそれは関羽が別格すぎるだけだ
護衛を差し出してくれたお礼として
旅の為少しだが食糧もくれた
いい人だ
「えへへ」
笑顔も可愛いな
その笑顔に見とれていると後ろから殺気が・・・
はいはいわかってますわかってます
俺も義勇軍に入ろうかと一瞬思ったが
関羽に対する恐怖が抜けきらず断念した
とりあえず大まかな街の方向を聞き出立した
少しだが食料もあるし一応武器もある
大丈夫だろう
大丈夫じゃなかった・・
ってかはやっ
迷ったな
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今回から本編と書いてましたが
次回から本編です。
ッぐぅじ、次回こそは・・・・ガクゥ