第1話 関羽と関索
ここは幽州啄郡は辺境の森の中、二人の姉弟が世直しの旅をしながら数々の村を渡り歩いていた。
この二人は武芸にたけており幽州内では、今や知らぬ者がいない程の有名人になっている為、
賊討伐も最近は音沙汰無しに為りつつあった。
???Side
私は姓が関、名が羽、字が雲長、真名は愛紗と言う武芸者だ。
私達は故郷に居る父上と母上に旅の許可をもらい旅を続けている。
最初は、一人で旅をしようとしていたのだが沙紗が着いて行くと言ったので
こうして二人で旅をしている。
旅の目的は世を憂い強き者が弱き者を犯し、殺す事が許せなくて
私達の武で弱き者を救う為に故郷を出て数々の村を回り賊討伐をしている。
紹介が後れたが沙紗とは私の弟で姓が関、名が索、字が維之、真名を
沙紗も私ほどではないが武に優れておりその辺の賊共に後れを執る事は無い。
その為私達は幽州内で「黒髪の山賊狩り」や「黒髪の盗賊狩り」と言われて
噂が広まり民達の間では救世主の様な存在になり、賊共の間では恐怖の対象として、
恐れられているそうだ。
何故、沙紗と言う真名なのかと言うと父上と母上が「次も女の子だ」と言って、
女の真名しか考えていなかったそうだ。
だから女みたいな真名なのだが沙紗自身は「父上と母上が考えてくれた真名ですから」と、
言って気にしていない様だったので真名はこのままだ。
「姉・・・・・・姉・・・・・・姉上・・・・・・姉上」
考え事をし過ぎた所為で沙紗の呼び掛けに答えられなかったな。
「すまんな、少し考え事をしていて聞いていなかったどうしたのだ?」
「いえ、良いのですが何を考えていたのですか?」
「最近の事について少しな」
「最近の事ですか?」
「ああ、最近は名も知られ民達に頼られるのは良いが、賊討伐も出来ていないのに路銀を貰うのが、心苦しくてな少し考え込んでいたんだ」
そうなのだ私達の名がまだ知られていない頃は、賊討伐が唯一の路銀稼ぎだったのだが、
今では村の長に頼まれて賊討伐に向かうが賊共が私達を見るなり逃げて行ってしまうのだ。
「姉上が気に病む事も無いのでは、民達も喜んでいた様ですし」
「沙紗の言う事も一理あるが、賊共は私達が居るから村に来ないだけで居なく為ればまた、村が襲われるのだぞ」
「そ、そうでした!!失言をしてしまいました、姉上すみません」
「いや、沙紗が謝ることではないぞ、先も言ったが私達が居ないと知れば賊共は村を襲う、襲って来た時に民達は気付いてしまうあの二人は賊討伐何かに行って無かったと」
「それでは、私達はどうすれば良いのでしょうか?民達は凄く喜んでくれていたのに、これでは私達が嘘つき者だと思われてもおかしくないのでは?」
「そうだな、民達の信用は取り戻せないかも知れないが賊共の中では私達は恐怖の対象として既に知られている事は明白だ、だからこそ次の村では必ず賊共を逃がさぬ様に討伐するんだ」
「はい、一人たりとも逃さずに必ず討伐しましょう。私も姉上の力に為れる様に頑張ります」
「ああ、期待しているぞ沙紗の力を私に貸してくれ」
沙紗Side
私は今、尊敬している姉上と一緒に旅をしている故郷を出てもう月日もだいぶたち今では、
私達の名は幽州内で知らぬ者が居ない程に迄有名になっていきました。
「沙紗、もうすぐで森を抜けるぞ地図を貸してくれないか?」
「はい、姉上こちらです」
「有難う沙紗、えっとこの前の村はここだなそれからこの森が今通っている場所だからこの先に
「分かりました姉上」
私達はこの森を抜ける為足早に移動していましたが周りに気を散らすと人の気配がしました、
姉上の方を見て見ると周りを気にしている様でした。
「姉上、人の気配がします」
「気付いたか沙紗、周囲に気を付けろこの辺りに居る賊かもしれない」
私は武器を構えて周囲を見渡しました、辺りに居る人の気配を探ると
五人位の気配を感じました。
「出て来い!!居るのは分かっているぞ!!」
姉上がそう叫ぶと森の奥から男二人と女三人が姿を見せました。
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この物語は、桃園の誓いをした6人の姉弟の物語である。
関羽と関索編