No.468894

【獣機特警K-9】ヴォルペ名物…【交流】

古淵工機さん

2012-08-12 00:34:27 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:723   閲覧ユーザー数:670

ここはカフェ・ラ・ヴォルペ。ラミナ市内にある喫茶店だ。

基本的に洋食を多く取り扱っているこの店のメインといえば…。

 

「さァみなさん!お待たせしました。今からこのピザ生地を薄く延ばしてごらんに見せましょう!」

すると、この店のオーナーであるカルロ・マルティーニは手に持ったピザ生地を軽快な手さばきで延ばしていく。

これぞカフェ・ラ・ヴォルペ名物であるピザショーだ。

 

「いやー、久しぶりに見たけど、なかなかいいものね。ヴォルペのピザショーって」

そういって微笑むのは白い柴犬形ロボット九段下(くだんした)詩音(しおん)。ファンガルドポリス高速機動隊・ロードハウンドの隊長である。

彼女は普段、ラミナ市近郊に展開される『首都高速(キャピタル・ハイウェイ)』でパトロールを行っている。

今回久しぶりに休暇が取れたので、この店に来ているというわけだ。

 

「うんうん、カルロさんのお手製ピザは絶品だもんね。ルチアさんも美人だしw」

と、答えたのは学生服を着た、これまた柴犬形、しかし赤柴タイプのロボット。

K-9隊の9号であり、現役女子高生の九段下(くだんした)久遠(くおん)。シオンの妹ロボットだ。

あの事件で受けた傷もしっかり修理してもらい、今は普段どおりの生活に戻っている。

「お待たせしました。ミネストローネになります」

と、店の看板娘のひとりにしてカルロの妻であるルチアが、ミネストローネを運んできた。

「おー、待ってましたー」

「ピザも期待できそうね」

「そりゃそーだよ、だってヴォルペの料理は美味しいもの」

 

「あれ?」

立ち去っていくルチアのスカートの尻ポケットから一枚のメモが落ちたのを、クオンやシオンと相席になっている黒柴形ロボット、九段下(くだんした)璃穏(りおん)が発見した。

リオンは普段、ラミナ市の隣にあるパームビーチ市の学校に通っており、さらにその氏にある警察署の特殊部隊NC-7隊の6号を勤めている。

やはり休暇が取れたので久々に姉妹のもとにやってきたということだ。

「どったの?リオン?」

クオンが不思議そうに尋ねると、リオンはメモ帳を拾いあげながら言った。

「このメモ帳何か書いてあるけど…どれどれー?…うわ!?何だこれ?wwww」

「…え、リオン?」

「一体どうしたのよ?」

「とにかくクオンも姉ちゃんも読んでみろってwすげえからさwww」

リオンがメモを手渡すと、クオンとリオンはおそるおそるそのメモに目をやる。

そしてそこに書かれていた文字を見て…絶句した。

『アーク、雨の中でフィーネに傘をさす、そのまま抱き合ってディープキス。そして…』

「うわー、直球だー、直球過ぎるよこれ…」

と、顔を引きつらせるクオン。それもそのはずであろう。

なぜなら文中に書かれている登場人物のモデルが、彼女のいるK-9隊の隊員なのだから。

…だが、凍り付いているクオンの横で、シオンはニヤリと笑っていた。

「へー、ルチアさんってあんな趣味だったのね」

「え?シオン姉ちゃんなにニヤニヤして…」

するといきなり、シオンは手をあげてルチアを呼ぶ。

「すいませーん!」

「はい、何でしょう?」

呼ばれてやってきたルチアに、シオンは『注文』をした。

 

「…次は私たち三姉妹をモデルにひとつ、その!!」

「「うぉいっ!!!」」

クオンとリオンは、ほぼ同じタイミングでシオンにツッコんだ。

一方、同じ内容のメモを読んでいたロボットが二人…。

「…ル、ルチアさぁん…なんだこれ…」

「これ、モロに私とアレクさんだし…どういうことなの…」

知らない間に、早くも薄い本のネタにされてショックを受けていたアレクとフィーアなのだった。


 
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