怪獣日和
第一話 孵る日和《かえるびより》
いつもどおりの日常、
毎日の繰り返し、どうでもいい毎日がどうでもいい様に
過ごしている。
そんな生活をしていた
そのいつもどおりが嫌でもなかったし、変えようとも思わなかった。
それは突然でもなく起こった。
普通の公立中学校の帰り道、そこまで仲がいい訳でもない友達と会話しながら家に
向かう途中、なぜか違う道を通って帰りたくなった。ここが運命の分かれ道だったと
思うのは随分後の事である。
そこで、友達と別れ、閑散とした道を1人で歩いていると、なんか超怪しい老人が立って
いた。
『ちょっとそこの少年、待ちたまえ』
・・・・・・・・・。
『ちょっちょっと君!人の話を聞きたまえ、無視をするんじゃ無い!』
・・・・・・『何なんですか。今忙しいですけど。』
『この卵を君に譲ろう。』
・・・・・・・・。
『まてまてまて!ちょっと待ちなさい。別に金を取ろうと言っているわけではない。』
『まぁ貰えるのなら貰いますけど』
『可愛くない少年だな。そんな事よりこれは怪獣の卵なんだよ。』
・・・・・・・・。
『待て!割ろうとするんじゃない。生まれると言っても30cmくらいで他の人には見えない、ペットみたいなものだ。姿形は君しだいだ。』
『本当に他の人に見えないんですか?』
『いやっ他にも卵を持っている人には見えるし触れるが、もってない人には見も触れもしない。』
『ふぅーん、でこの怪獣を何で俺にくれるんだ?』
『君にあげてどうなるかきょうみがあるんだ。』
俺はどうかしていたのかもしれない。まぁ今となってはどうでもいい事である。
卵と一緒に説明書をもらった。説明書はテレビの説明書と比べればうすっぺらだった。
説明書には卵を孵すには、抱きながら寝ることである
と書いてあった。
バカらしく思えたが興味本意でためしていた。
卵を抱いて寝る毎日、いつもどおりの日常の中そこだけ変わっていた。
最初は5cmくらいだった卵は日に日に大きくなっていった
三週間くらいたった朝に30cmくらいに育った卵が孵った。
孵ったと言うより、殻を弾き飛ばして出てきたと言う方がしっくりくる。
本当に怪獣が生まれた。それほどびっくりはしなかった。あえてびっくりした事と言えば
イメージしていた物とはあまりにも違っていた。理由は自分でも分からなかったが、
はっきりいって恐竜みたいなものを想像していたが、生まれた怪獣は人型で甲冑のような
ものを着ているようにも見えた。手の指は無く槍が腕を包んでいるような形で、背中から
触手みたいな物が六本生えていた(生えていたと言う表現はあまりよくないが)予想を大きく外れたが別によかった。
意外にかっこいい。
怪獣は触手の間に膜をはって舞う様に自分の周りを飛び回った。
そしていつもどおり学校に行った。1つだけ違うのは肩に怪獣がいる事だった。
そういえば名前を決めていなかったな、レギオンはどうかなっと思ったが、心の中で
何かが違うような気がしたので、悩んだ挙句、イリスと名づけた。なにかこの名前が良いと思ったのだ。
なぜだろう。まぁどうでもいい事だが。
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