No.466000

とある管理者物語・番外記 中の話 「修行と激辛と参戦と……みたいな♪」

狭乃 狼さん

一丸さん、その修行の様子をお送りするss、続編でございます。

自分設定、厨二乙な成分が強く入っております。

予め、ご承知ください。

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2012-08-06 15:14:11 投稿 / 全13ページ    総閲覧数:3302   閲覧ユーザー数:2828

 『とある管理者の物語 番外の記』

 

 【中の話】

 

 

 ………………………………

 

 

 北欧神話における世界とは、宇宙樹とも呼ばれる大樹ユグドラシルに内包される、九つの世界から構成されていると言う。

 

 アース神族の国【アースガルズ】

 妖精の国【アルフヘイム】

 ヴァン神族の国【ヴァナヘイム】

 小人の国【ニダヴェリール】

 黒い妖精の国【スヴァルトアールヴヘイム】

 人間の国【ミズガルズ】

 巨人の国【ヨトゥンヘイム】

 氷の国【ニヴルヘイム】

 死の国【ヘルヘイム】

 

 大まかな分割ではあるが、以上の九つをもってこの世界は構築されていると、口伝を纏めた書物『エッダ』には記されている。

 なお、上記の九つ以外に、【ムスペルヘイム】という炎の国も、その世界の一つとして含まれる場合もあること、注釈するとしておいて。

 

 そして、この俺管理者挟乃狼がその主な観測室として与えられた空間は、基本的にムスペルヘイムも含めた十の世界を模して創られている。

 観測空間の初期状態は、かの有名な龍玉世界の【精神と○の部屋】に酷似していて、全体の広さは地球の大きさとほぼ同一。重力も地球のおよそ十倍、酸素濃度も薄く、空間そのものに圧力のようなものがかかっている。唯一違う点を上げるとすれば、件の部屋には居住スペースであるこじんまりとした建物があったが、この空間の初期状態にはホントに何もなく、まさしく白一色(当然の如く空も)だった事ぐらいだろう。

 そんな初期状態の観測室に、俺がまず始めに作り上げたのが、拠点となる一つの巨大な館、ヴァルハラを含む中央区、【アースガルズ】である。その範囲はほぼ地球で言うところの南極大陸程で、ヴァルハラを忠心に穏やかな自然を持ち、多種多様の動植物が生存・共生している。

 そのアースガルズを中心に、残る世界の内、ニブルヘイムとヘルヘイム、そしてムスペルヘイム以外の世界が他の地上スペースに、それぞれに六つの大陸の様相(地球の大陸とは異なる)を形成して配してあり、各大陸(便宜上こう呼ぶ)をそれぞれの地に配したウチの娘達が、それぞれの自由裁量で管理している。なお、大陸以外の空きスペースは、地球のそれと同じように海が広がっている。ただし、その海を構成するのは海水ではなく、ユミルの泉の聖なる雫である。

 残るニブルヘイムとヘルヘイム、およびムスペルヘイムであるが、これらは観測空間の地上部分ではなく、地下に構築した。その理由はいたって単純明快。

 その方が『らしい』からだ。

 ニブルヘイムは一面を氷と雪に閉ざされた、氷結地獄と呼ぶに相応しい極寒の世界。最高気温でも絶対零度である摂氏-273.15℃。最低気温となると、正直計測する手段がないほどに下がる。もちろん、実際のニブルヘイムはそんな事はなく、これはあくまで俺が創った箱庭世界でのニブルヘイムのことである。

 ムスペルヘイムは、ニブルヘイムとは対極的に灼熱の世界である。最低気温は摂氏100℃、最高気温はニブルヘイム同様計測不可能。当然、ムスペルヘイムもニブルヘイム同様、実際のそれはそこまでの灼熱地獄ではない。

 まあ要するに、両世界とも地獄というイメージがピッタリの空間なので、それらしく地下に創ったというだけの話だ。

 ただし、残るヘルヘイムについては、ちょっとだけ理由が違う。このヘルヘイム、本来の北欧神話においては死者の国とされる世界の名称で、ニブルヘイムと同一視される世界である。もっとも、この箱庭世界においては当然死者の国なんてことはなく、ちょっと“特殊な”だけの、今の所俺しか使えない、使うことを許していない特訓用の場所なのだ。だからこそ、地下層に創ったムスペルヘイム、そしてニブルヘイム、その両方の世界よりもさらに地下の階層に、この観測空間のほぼ中心、惑星で言えばコアに相当する場所に設置し、俺以外の存在が近づけないようにしてあるのである。

 

 

 

 ………………………………

 

 

 

 さて。

 

 俺が意思(ウィル)によって管理者に選ばれた時に与えられた、専用観測空間についての説明はこれ位でいいだろう。

 

 現在、蒔を相手に絶賛修行中(扱かれ中?)の一丸が居るギンヌンガガプは、先述した六つの大陸の内の一つである、ヨトゥンヘイムの中にある。そして、このヨトゥンヘイムを管理しているのは、ウチの娘s十三柱の第八柱である『美咲・ヒルドル・ウトラ』である。俺が記録していた恋姫の某世界に、『劉琦』としての分け御霊を持つ存在といえば、お分かりになる方もいらっしゃるかも知れない。

 

 その美咲、一年のそのほとんどを病の為の療養に充てる日々を送っているわけだが、極稀に、本当に不治の病に冒されているのか疑わしくなるほど、元気はつらつとなる期間がある。そして、今現在がまさにその期間の真っ最中でして。

 

 美咲「ミストルテイン!カートリッジ、ロード!」

 『Explosion!』

 美咲「往きます!はあーっ!!」

 

 美咲がその手に握る、物干し竿と通称される刀身の長いソレが、彼女と今相対している美少女然とした風貌の少年、一丸に向かって風の切り裂く音と供に鋭く振り下ろされる。

 

 一丸「にゃっ!?か、回避回避!“ピオリム×2”!」

 

 自身に向かって振り下ろされる美咲の剣を避けるべく、一丸はその両手に青い魔力光を発生させ、変身能力と同時に彼のもう一つの得意技であるそれを発動させる、“力ある言葉”をその口にする。

 

 一丸「ピオリムの倍掛け……っ!このスピードなら避けられ」

 美咲「甘いっ!舞えよ燕!我が白刃と供に!」

 

 《ピオリム》――。ドラクエ世界でおなじみ、速さを上げるその呪文を、両手から同時に発動させると言う器用な技でもって、自分のスピードを一時的に増幅させた一丸は、寸手にて美咲の斬り下ろしを交わし、安堵の息を洩らしかけたが、美咲はそうして油断した彼の慢心を突くかのように、振り下ろした刃を地面すれすれで逆手に返し、そのまま今度は思い斬り上げた。

 

 一丸「つ、燕返し!?す、“スカラ”二倍掛け!“大防御”!……みぎゃああああっっ!?」

 

 美咲が繰り出したその技、巌流・佐々木小次郎の代名詞ともいえる燕返しによる斬り上げを、これまたドラクエ世界ではポピュラーな呪文、防御力アップのスカラをとっさに掛け、さらには物理攻撃のほとんどをかなり無力化する特技、“大防御”をも同時につかって防ごうとした一丸だったが、努力空しく、“白い光跡”にのまれながらその意識を手放したのであった。

 

 

 

 ………………………………

 

 

 狼「とっさの呪文掛け、その速さは大したもんだったけど、残念ながら呪文の選択を間違えたな」

 一丸「……間違い、ですか?」

 

 気絶状態から復活した一丸を手当てする輝里の傍に立ち、さっきの美咲との死合を振り返って、その事を彼に指摘する俺。

 

 輝里「美咲のあの技はね、一見すると物理攻撃に見えるかもしれないけど、実際には“魔力を使った攻撃”なのよ。あの子さっき、攻撃の前にカートリッジ、使っていたでしょ?」

 一丸「……あ」

 由「せやから、あの場面で使うとしたら、魔力防御の《マジックバリア》か、反射の《マホカンタ》の方やったな」

 一丸「……知っていたら最初から使ってましたよぉ……」

 

 一丸を治療する輝里とは反対側に立つ由からのその指摘に、がっくりとうなだれ悔し紛れにそうつぶやく彼。なお、さっきまで彼の修行相手をしていた美咲は、現在ちょっと離れたところで、点滴受けてます。ちなみに、その中身はユミルの泉の聖水を精製して作った『生命の水』という名の霊薬で、普通なら死んだ生物すらあっという間に蘇生させれるような代物である。

 ……もっとも、美咲の場合はそれでも、延命位にしかならないんだけどね。

 

 蒔「……物理攻撃か魔力攻撃か、そのとっさの判断位は出来るようにならねば、我々はおろか、親父殿になどは到底およばんぞ?」

 狼「ま、要は精進あるのみ、ってことだ」

 一丸「あい~」

 狼「じゃ、一度ここらで休憩にしようか。さすがに一ヶ月連続二十四時間ぶっ続け組み手は堪えてるだろうし。適度な休憩も体の強化には必須だからな。というわけで、命」

 命「うむ。弁当の準備は出来とるぞ」

 

 五段重ねの重箱を十個ほど並べたござの上に座ったまま、優雅に玉露茶入りの湯飲みを傾けながら俺の声に命が答える。で、さっきまで文字通りの死闘を繰り広げていた一丸は、どうやらその存在にこれまで気づいていなかったらしく、彼女の顔を確認したその途端、見事なまでの慌てっぷりを見せ始めた。

 

 一丸「へ?み、みみみみみみみ、命さん!?あわ、あわあわあわ、えと、えと、こ、こここここっ!?」

 狼「……狼狽しすぎだろ」

 輝里「……真っ赤になっちゃってまあ」

 由「……汗もかきすぎやろ。水溜りどころか小川が出来とるやん」

 一丸「だだ、だってだってだって、その、こここここ、心の準備というものがですね、だからその」

 狼「ドウドウ、落ち着け。顔見ただけでそこまで動揺するようじゃ、結婚云々とか以前に体も頭ももたんのじゃないか?」

 命「ほっほっほ。結構可愛げのある奴ではないか。じゃが親父様の言うとおり、そんなんではちゃんと話も出来んじゃろ?ほれ、これでも齧って落ち着け」

 

 ぽいっ、と。いまだ慌てふためいたままの一丸に向かって命が投げたのは、一本の白い棒状のモノ。

 

 一丸「にゃ!お骨!頂きます!カリカリポリポリカリカリカリカリカリポリポリカリカリカリカリ……」

 由「おおう!瞬時してにゃんこになって飛びつきおった!」

 輝「にゃんこじゃなくて豹じゃなかったっけ?あ、ベビーパンサーだっけ?」

 

 一心不乱とはまさにこれか。いつも本局(TINAMI)のラウンジに居る時のような、ドラクエに出てくるキラーパンサーの子供、ベビーパンサーモードになって、命の投げたその白いモノ、彼の大好物の骨にむしゃぶりつく一丸であった。

 

 

 

 …………………………………

 

 

 狼「さて。それじゃあ俺達はしばらく席をはずすから、一丸はゆっくりメシ食いながら命と話してな」

 一丸「え?!ちょ、そんな、いきなり二人きりにされても!」

 輝里「アンタ、命とまともに話したこと無いんでしょ?だったらまずは、ちゃんと互いの事を話して、そして十分に知っておくのが普通でしょ?」

 由「せやせや。嫁に欲しいのなんのは、まずそれからの話やろ、普通は」

 蒔「それに、親父殿が珍しく、自分の愛娘と他の男を二人っきりになんかしようとしているんだ。この機を逃したら、次は何時になるかなぞ分からないぞ?姉上と膝を詰めあって話し合えることなど、な」

 一丸「う」

 

 輝里と由、そして最後は蒔、と。命と二人っきりにされる事に一丸が思わず戸惑いを覚えたところを、それぞれの言でもって諫言され、言葉を呑んで反論出来なくなる一丸。まあ確かに蒔の言うとおり、ウチの娘に手ぇ出そうなんて野郎、本当なら今すぐにでもフェンリルモードになって呑み込んで、そのままニブルヘイムの氷結地獄に放り込みたいとこだけどさw

 ……まあ、なんだ。一丸は本気で本気に、命が好きみたいだし、もし、万が一にも命の方もその気になるようなら!……血涙を飲み込んで祝福してやらん事も、無いでも無きにしも非ずんば虎児を得ず、って所な今の俺の心境だったりする。

 

 狼「ま、そういうわけだから、命、一丸とじっくりO☆HA☆NA☆SHIしてあげな。三時間もしたら戻ってくるから、修行はまたそれからな」

 命「うむ。た~っぷりと、O☆HA☆NA☆SHI、聞かせてもらっておくの」

 一丸「て!さっきから二人ともお話の字がO☆HA☆NA☆SHIになってる!?」

 輝里「じゃ、頑張ってね~」

 由「後でウチともSHI☆A☆I、しような~」

 蒔「美咲、お前もそろそろ館に戻って休んでおけ。絶好調モード、そろそろタイムアップだろ」

 美咲「はーい……うー、ユミルの聖水の点滴は効くわ~……けほっ、けほっ」

 

 そうやって二人をその場に残し、俺達は中央区(アーズガルズ)のヴァルハラへと戻った。勿論、その場で二人がどんな話をしたのか、それを後で確認するための盗聴器(記録装置)をこっそり仕掛けておいて(笑。

 

 命「……さて。ではまず、食事から済ませておくとしようかの。しかし、親父様も輝里達も、せっかく“妾が作った”弁当、食べずに帰る事も無いじゃろうに」

 一丸「え?!これ、全部命ちゃ、いや、命さんが作ったの?!」

 命「うむ!中々の渾身の出来栄えじゃ!さ、先ずは一口食ってみよ」

 一丸「喜んでいただきます!」

 

 この時。命と二人っきりになったという、彼にとってはこの上ない幸福な状況に合ったと言うことが、一丸にとっては不運だったとしか言い様があるまい。

 何故なら、彼はすっかり忘れてというか、失念していたからだ。目の前に居るメイド服装備なこの少女は、少々“特殊な”嗜好をした舌の持ち主だったと言うことを。

 

 一丸「じゃあまずはこの卵焼きからいただきます!」

 

 ひょい、ぱく、と。弁当箱の中から、少々不自然な位に赤みのかかった出し巻き卵を一つ、箸で掴んで自分の口の中に放り込む一丸。

 

 そしておよそ十秒後。

 

 一丸「うまうま~♪鰹節の風味も効いてとってもデリーシャs……ッ?!」

 

 だらだらと。どこぞのガマも吃驚なほど、顔だけでなく全身から汗と言う汗を垂れ流し始め、ぶるぶると震えだす一丸。そんな彼の状態など気付く気配も無く、命はひょいひょいと、自身特製の卵焼きを自分の口に運んで行く。

 

 命「うむ♪我ながら“完璧な”味付けじゃ。この“辛味”がなんとも言えぬ♪……ん?一丸、どうかしたのか?」

 一丸「い、いえ、たいへん、おいしゅう、ござい゛ま゛ず……えと、じゃ、じゃあ次はこっちのおじゃがの煮っ転がしを(ぱく)……ッッッッ!!!!!!!!!」

 

 その瞬間。

 そこに居たのは、人の形をした赤い柱だった。

 

 一丸「……ほぼおおおおおおおおおお~ッッッ!!」

 命「うおうっ?!」

 

 口から火を吐き、全身からはナイアガラも真っ青な汗の滝、頭のてっぺんからは真っ白なきのこ雲を出し、一丸はその場に倒れ付した。サムズアップしながら倒れこんだその時の彼の顔は、清清しいまでの笑顔だったと言う……。

 

 (おとこ)だったぜ、一丸……合掌。

 

 ちーんwww

 

 

 ………………………………

 

 

 ??「……なるほど。だから、狼さんにしては珍しく、気を利かせたわけだ」

 狼「まあ一丸には悪いことしたけど、惚れた女の作った食い物独り占めできるんだし、彼も本望だろうよ」

 ??「でもまあ、狼達が逃げるのも分かるよ。……さすがの俺も、彼女の激辛料理(アレ)だけは二度と味わいたくは無いからな」

 ??「そんなに凄いの?命ちゃんの料理って」

 ??「凄い、なんてものじゃあない。まずは普通に…といっても、並のもんじゃあないが、ハバネロを遥かに超えた辛さが最初に来る。そしてそれが徐々に痛みになって、それを突き抜けると今度は全身の感覚が麻痺する。そして最後には」

 ??『最後には?』

 狼「……死んだ筈の家族に会える」

 ??『うわぁ……』

 

 ヴァルハラ一階のリビングにて、普通の食事を終えた俺の前には、今現在、四人の人間が座っている。一人は恋姫世界ではおなじみ、主人公の一刀が着ている聖フランチェスカの制服を着た、某種G主人公に良く似た風貌の青年。

 俺と同じく、管理者の一席に籍を置く、通りすがりのガンダム仮面ライダーでおなじみ(?)、劉邦柾棟である。

 その劉邦の右隣、並んでというか片方が片方にぴったりくっついた状態で居るのは、何処かで見たようなカールにしたサイドテールの金髪少女。そして、その少女がしがみつくのは、丸太ほどもあろうかという太さをした逞しい腕。鋼鉄の肉体という表現がこれほどに合うものはないであろう、無駄の無い引き締まった身体付きをした、少女に抱きつかれて何処か照れくさそうにしている、その偉丈夫。

 元・管理者にして、現在はラーメン屋の店主、峠崎丈二と、その奥方、元の名を曹真、字を子丹。現在名、峠崎華陽、の、おしどり夫婦である。

 そして最後の一人、短い銀髪に赤のロングコート、腰に二挺の拳銃を装備し、脚を組んでソファに座るのは、ベルフェゴールという名の、俺や劉邦同様、現役の管理者である。といっても、彼の場合は一般的な管理者とは少々立場というか局内での役どころが特殊なのだが、それはまた後述するとして。

 

 狼「で、話を本題に移すが。今回四人に来てもらったのは、皆も知ってる一丸が現在、理由は不純だが管理者としての修行を行なってる。しかし、だ。修行相手が俺や娘達だけだと、どうしても手段が偏ってしまう。そこで」

 丈二「俺達にも、別の方面からアプローチを掛けて、アイツに修行をつけてやって欲しい、と。そういうことだな?」

 華陽「まあ、こちらとしては別に断る理由は無いわね。それに丈二も最近、運動不足で鈍ってるみたいだから、良い刺激になるでしょ。ね?丈二?」

 丈二「ふ。まあな」

 

 そういや丈二、最近はなんだか研究者方面に熱を入れてるとかって聞いたな。何の研究に入れ込んでいるのかは知らんけど、フィールドワーク一筋じゃあなかったんだなあ。

 

 ベル「俺も構わない。最近は本業のバグ退治もからっきし出番が無いんでね」

 劉邦「俺も勿論協力しますよ。あ、けど、一つだけ。条件つけてもいいですか?」

 狼「ん?なに?」

 劉邦「一丸君の修行が終った後、狼さんに是非、一度手合わせをお願いしたいです。それも、本気の全力状態の狼さんと」

 狼「……いいよ。俺も一度、自分の全力、確認しておきたいと、そう思っていたところだし」

 ベル「……俺も、それに混ざっても良いか?」

 狼「一対二?……まあ別にいいけど」

 

 ……そういう事なら、後でヘルヘイムにでも行って、体をほぐしておくか。この二人を同時に相手なら、久々に全力を出せそうだし。

 と、いけないいけない。話がそれた。

 

 狼「じゃあ四人とも、先ずはこっちで指定するエリアに、それぞれ行っていて貰えるかな?後で順に、一丸連れて向かうからさ」

 四人『了解』

 

 さて、それじゃあ彼を迎えに行きますかね。あ、そうだ。美紗も連れて行かんと。……多分今頃、一丸燃え尽きているだろうしな。……色んな意味で。

 

 そしてその後、予想通りに燃え尽きていた一丸を、娘’s第九柱、『美紗・スケグル・サルトル』に治療させ、命共々最初の目的地へと向かった。

 

 【ヴァナヘイム】

 

 豊穣なる育みの大地にて待つ、一丸の次なる対戦相手、劉邦柾棟の待つその場所へ。

 

 

 

 ~懲りずに続く~

 

 

 

 気分転換、もしくは現実逃避。

 

 これがこのssの根幹を成しています(おw

 

 と言うわけで、一丸さん修業ss、その中編をお送りです。

 

 そして、他のユーザーさんにもご協力願うことにさせていただきました。

 

 劉邦柾棟さん、ベルフェゴールさん、そして峠崎丈二御夫妻。

 

 出演に多大なる感謝を。

 

 なお、このお話はあと二話。後編と、結末編、それで終わりを予定してます。

 

 なのでもう暫しだけ、筆者の現実逃避にお付き合いくださいw

 

 それではまた。

 

 再見~!

 


 
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