本堂。
それが俺の名だ。
俺は鬼多良木学園の3年だ。
今、女友達の木ノ下と共に食堂にいる。
俺は肉うどん、木ノ下はみそラーメンを食っている。
この肉うどんうめぇ。
「水取ってくるんだけど、いるかなぁ?」
「いや、俺はいいよ」
「分かった。私の食べないでね?」
「食べない食べない。安心しろって」
「えへへ、じゃあ行ってくるね?」
木ノ下は立ち上がり水を取りに向かった。
チャンス到来!!
俺はテーブルに置いてあった七味唐辛子を1瓶分みそラーメンの器にぶちまけた。
木ノ下が帰ってくる。
俺はなに食わぬ顔で肉うどんを啜っている。
席に着き、箸を持ってみそラーメンを食べようと器の中身を見たとき、木ノ下は動きを止めた。
真っ赤に染まるみそラーメン。
もはやそれは担々麺だった。
「……私のみそラーメンに」
「……」
「私のみそラーメンに何しやがったあああああああああああああああ!!」
木ノ下は雄叫びを上げながら箸を俺の両目に向け突き出してきた。
「チェストーーーーーーー!!」
俺は同じく箸で対抗する。
俺の箸と木ノ下の箸が絡み合う。
「私のみそラーメン真っ赤っかなんだけど!? 何したの!?」
「吐血しちゃいましたーてへっ☆」
「ほんどおおおおおおおおおおおおおお!!」
木ノ下は箸を離すと後ろのテーブルにバク宙して飛び乗り、懐からM60マシンガンを取り出した。
「死ねえええええええええええ!!」
耳をつんざくような轟音が食堂に響き渡る。
嵐のように弾丸が吐き出され、雪崩のように空薬莢が飛び出す。
「甘い! 甘い甘い甘い!!」
俺も懐から二本の日本刀を取り出すと、弾丸を斬り落とした。
「私のみそラーメン返せえええええええええええ!!」
撃ち尽くしたM60を捨て、今度は飛び蹴りをかましてくる。
それに応え、俺も飛び蹴りをぶちかます。
ケンシロウとシンのあのシーンみたくなった俺達は地面に着地する。
だがどちらも無傷。
再び向き合った時、厨房から爆音のような怒声が聞こえた。
「食堂で喧嘩してんじゃないわよ!! 他所でやりなああああああああああ!!」
食堂のおばちゃんがぶちギレていた。
俺達はピタリと動きを止める。
「こいつ私のみそラーメン真っ赤っかにしたんです!!」
「じゃあ今から作り直すから黙って座ってな!!」
「駄目なんですよ! あの食券で! 小春先輩から貰った食券で買ったみそラーメンだからいいんですよ!!」
「なんだお前!? レズか!? 同性愛者かアホんだらあああああ!!」
「違うよ! そういうのじゃないから!」
「小春先輩は彼氏いるぜえええ!」
「え!? …………嘘でしょ?」
「本当だよパーチクリン! この間なんて空き教室でイチャイチャしてるの見たんだぜ! ってやっぱりレズじゃねぇかバーカ!!」
「…………殺す……殺す!殺す!! 10万回殺す!!」
「おら来いやレーズン! ミキプルーン!!」
「だから喧嘩すんなあああああああああああああ!!」
これが俺の平穏すぎて困る日常だ。
完
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俺にも分からないんだよ。
何故かって?
予測できないからだ。
パッと思い付いた事をこうして小説にするんだからね。
登場人物も展開も全て即興さ。
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