~エルベ離宮・前庭~
「これより王族を騙ったテロリスト集団の鎮圧を行う!」
「「「「「「「イエス、サー!!」」」」」」」
一方エルベ離宮の正門の前に逸早く着いた正規軍の一部がエルベ離宮に突入しようとした。
「突撃!」
「ハッ!」
そして兵士達の隊長は命令をした!隊長の命令を聞いた兵士達は銃剣を構えてエルベ離宮に突入しようとしたが
「ゆけいっ!」
「「「「「「グワアッ!?」」」」」」
突如兵士達の頭上から魔力の弾が降り注ぎ、兵士達は怯んだ。
「なっ!?」
突然の奇襲に驚いた隊長は辺りを見回すと、なんと建物の屋根にリフィアが杖を構えていた。
「!!奴がテロリストだ!攻撃開始!!」
「「「「「「ハッ!!」」」」」」
隊長の命令に答えた兵士達は銃をリフィアに向けて攻撃しようとしたが
「はい、どかーん。」
「「「「「「ギャアァァァッ!?」」」」」」
空中で待機していたエヴリーヌが手加減して放った魔術――審判の豪雷を受けて、悲鳴を上げた後気絶した。
「なっ!?」
部下が全員やられた事に隊長は信じられない様子で驚いた。
「ハアッ!!」
「!?しまった!グッ!!」
そこに茂みに隠れていたツーヤがクラフト――溜め突きを放ち、ツーヤの奇襲に驚いた隊長は持っている武器でなんとか防御した。
「フッ!!」
「グハッ!!………」
さらにプリネがツーヤが現れた逆方向の茂みから現れて、レイピアで攻撃し、プリネの攻撃によって隊長は崩れ落ちた。そしてそこに魔力の弾が命中した!
「グワアアッ!?………………」
魔力の弾が命中した隊長は気絶から覚めた後、悲鳴をあげて、また気絶した。
「リフィアお姉様!今のはやりすぎですよ!」
プリネは魔力の弾を放った主――リフィアを見て大声で非難した。
「真実の敵を見極められない愚かな兵にはこれぐらいの報いは必要であろう!!」
「もう、お姉様ったら…………」
リフィアの返事を聞いたプリネは溜息を吐いた。
「あの、ご主人様。のびている兵士の方達はどうしましょう?」
そこにツーヤが遠慮気味にプリネに話しかけた。
「そうね。ちょっと気の毒だけど、ロープか何かで拘束しておきましょう。……エヴリーヌお姉様、手伝ってもらっていいですか!」
「はいはい。」
プリネの呼びかけに答えたエヴリーヌはプリネやツーヤと協力して兵士達を縛った。
「ご主人様、ペルルさん達は大丈夫でしょうか?」
作業を終えたツーヤはプリネに別働隊で動いているペルル達の事を尋ねた。
「大丈夫でしょう。みな、それぞれ歴史に残る戦いを生き抜いて来た猛者なのですから。」
ツーヤに答えたプリネは空を見上げた。
(頑張って下さい。エステルさん、ヨシュアさん…………)
~エルベ周遊道~
「先行部隊の連絡が途絶えた……!テロリストは強大な敵だ。総員、気を引き締めて行くぞ!」
「「「「「「「イエス、サー!!」」」」」」」
プリネ達の戦闘が終了して少しした頃、別働隊の正規軍がエルベ離宮に向かおうとした。
「荒ぶる水よ………溺水!!」
「「「「「「「グワッ!!」」」」」」」
「ガハッ!?」
しかしそこに突如、大量の水が滝のように落ちて来て、隊長や兵士達を地面に叩きつけた!
「行きますわよ………!大放電!!」
「「「「「「「ギャアァァァッ!?」」」」」」」
そこに雷が襲い、隊長達は感電した後気絶した。
「うふふふふ!精霊王女たるこの私(わたくし)の力、思い知ったかしら?」
気絶した隊長達に木の枝に止まって雷を放った主――フィニリィが飛んで近付いて来て、胸を張った。
「あの………拘束をした方がよろしいのでは………?」
胸を張っているフィニリィに茂みに隠れて魔術を放ったマーリオンが近付いて来て、指摘した。
「必要ありませんわ。魔力が高いこの私の雷をまともに受ければ、半日は動けませんわ。しかも貴女の魔術で水も被りましたから、
効果は倍増でしてよ。」
「はい………………」
フィニリィの説明を聞いたマーリオンは納得した。
「2人とも~!次は南の方から援軍が来るよ~!!」
そこに周辺の様子を空を飛んで周辺の様子を窺っていたペルルが降りて来て、援軍が来る事を忠告した。
「もう来ましたの。……まあいいですわ。今度は私が貴女の代わりをしてあげますわ。」
「うん、わかった!」
そしてフィニリィはペルルの役目を交代して、ペルルと同じように空を飛んで他に援軍がないか調べ始めた。
「じゃあ、ボク達も行こう!少しでもプリネ達の負担を減らさないとね!」
「はい……!」
そしてペルルとマーリオンは援軍の兵士達を迎え撃つために、行動を始めた。
~グランセル城・空中庭園~
「くっ、何たる失態……。閣下が戻られる前に何としても撃退せねば……」
カノーネは侵入してきた親衛隊や遊撃士の撃退方法を焦りながら必死に考えていた。
「た、大尉どの!」
「と、特務飛行艇が!」
カノーネの傍に控えていた2人が上空から近づいてきた飛行艇に気付いた。
「しまった!そちらが本命か!?」
カノーネは近づいてくる飛行艇が相手の作戦の本命だと気付き、まんまと騙されたことに悔しさを感じながら、女王宮への侵入を止めるため
いつでも戦えるようにした。そして着陸した飛行艇から出て来たエステル達を見て驚いた。
「エ、エステル・ブライト!?それに……クロ―ディア殿下!?」
「カノーネ大尉!またお邪魔するわよ!」
「おばさん達の企みもここまでだよ!」
「お祖母さまを……解放していただきます!」
「お、おば……!な、舐めるなァ、小娘ども!」
エステルとミント、クロ―ゼの言葉にカノーネは怒鳴った。
「フフ……私を忘れてもらっては困るわね。」
「あら。能天使であるニルの存在も忘れてもらっては困るわ。」
そこにカーリアンとニルが不敵な笑みを浮かべて、飛行艇から出てカノーネ達の前に姿を現した。
「バ、バカな……!貴様は”戦妃”!!何故貴様が遊撃士どもといる!?メンフィルは静観しているはずなのに………!」
カーリアンを見たカノーネはうろたえた後、怒鳴った。
「フフ……戦場に言葉はいらないわ!奥義!桜花乱舞!!」
「光よ、降り注げ!……爆裂光弾!!」
そしてカーリアンやニルはうろたえているカノーネや特務兵達にSクラフトや魔術を放った!
「キャアアアッ!?……………」
「「グワアアアアッ!?………………」」
2人の攻撃にカノーネや特務兵達は悲鳴を上げた後、気絶して地面に倒れた。
「え、えげつな~…………」
「あ、あはは……でもカーリアン様が味方でいて、本当に心強いですね。」
エステルの呟きにクロ―ゼは苦笑しながら答えた。
「ふわあ~……カーリアンお姉さん、凄いね!!ニルさんも凄いよ!!」
一方ミントはカーリアンやニルを尊敬の眼差しで見ていた。
「鬼気迫るというか……。妙におっかない女だったわね。いったい何者なの?」
気絶したカノーネを見て、シェラザードはエステルに尋ねた。
「リシャール大佐の副官よ。典型的な雌ギツネって感じ。」
尋ねられたエステルは嫌そうな顔をして答えた。
「なるほど、そんな感じだわ。さてと……目指すは女王宮ね!」
「はい、急ぎましょう!」
そしてエステル達は女王宮へ向かった………………
Tweet |
|
|
3
|
1
|
追加するフォルダを選択
第155話