No.460468

真・恋姫†無双 ~死神代行異世界救出編~2

第2話です。
一度投稿しましたが、もう一度投稿しなおしました。

2012-07-27 19:36:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:8372   閲覧ユーザー数:7957

これは幻なのかもしれない。

そうこの今まで起きてきたことが全部夢で、自分はまだ夢から覚めていないのだ。

そう思いたかった・・・・・

 

しかしこれは夢ではない、目の前の異形の者そして、今その異形の者に自分は殺されようとしている。もう“死”は目の前だった。

 

だがそんな現実を打ち壊すように、彼は現れた。

 

何の前触れも無く、ただ静かに・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

一護「よう、大丈夫か?」

 

一人の少年が愛紗に言った。愛紗もその声の持ち主が、男である事はすぐにわかった。

 

愛紗「・・・・・?」

 

愛紗は今の現状についていけていなかった。

目の前の化け物の一撃を平然と受け止めている少年に、何の前触れも無く現れた少年に、どうして彼は今私の目の前に居るのか?そもそもいつ現れたのか?なぜ奴の一撃を素手で受け止めて平然としてるのか?

自分は本当に助かっているのか?

様々な思いが愛紗の中で交差する。愛紗はただ見つめている事しか出来なかった。

 

仮面「グォォォォォオオオオオ」

 

突然、化け物は咆哮し、一護から手をどけ、後方に下がった。

その化け物の咆哮により、愛紗や他の皆も現実に引き戻された。

 

一護「ったく、来てそうそう虚の相手かよ・・・まいいや、おいあんた、どっかけがしてねぇか?」

 

一護は振り向き再度、愛紗に尋ねた。

 

愛紗「あ、あの・・・・・貴方は・・・いったい?」

 

一護「そんな事は後だ後、それよりも立てるか?」

 

一護は愛紗に詰め寄り手を差し出した。

 

愛紗「・・・・・/////」

 

しかし愛紗は差し出された手をとる事はせず、地面に顔を埋めて下を向いてしまった。

 

一護「?どうした?」

 

愛紗「その////・・・・」

 

一護「・・・?」

 

愛紗「腰が・・抜けてしまって///・・」

 

愛紗は顔を赤くしながら呟いた。

恥ずかしい話だが、あの時愛紗は死を覚悟した、武人ならば、どんな時でも堂々と潔く腹をくくるのがこの世界では普通である。愛紗も最初は腹をくくったつもりだったのだがそれでも彼女は生きたいと思ってしまった。そして、自分は助かった。

その現実に安心してしまったのか、腰を抜かしてしまっているのだ。

 

一護「はぁ~、しょうがねぇな・・ほれ」

 

愛紗「え?・・きゃ!」

 

一護は愛紗が漏らした言葉にため息を吐きながら、愛紗の手を掴み自分の所まで引き寄せた。

そしてもう片方の手で愛紗の両足を支えて両手で抱えた。

今の現状をわかりやすくすると愛紗が抱っこされ、そして愛紗の顔が一護の近くにある。

もうめんどくさいから一言でまとめると、俗に言う『お姫様抱っこ』だ。

 

愛紗「な、ななな何を////・・・お、おろしてください」

 

一護「だぁー、暴れんなってすぐおろすから」

 

愛紗は顔を更に赤くし抵抗した。

愛紗自身、男にこんな風にされた事は無かったため変に緊張してしまうのだ。というか顔が近すぎるのもあるかもしれない。最初はそれこそ状況に戸惑っていたので一護の顔をよおく見る事が出来なかったが今はめのものすごくはっきりと見える。凛々しい目つき、オレンジ色に染まった髪を適当な長さでそろえている。だがその表情は落ち着いている。

まぁイケメンの部類に入るだろう。

し自分が助けられた、というシチュエーションのおかげもあるが、愛紗も抵抗してはいるものの案外満更でもなさそうだ。

 

一護「あの後ろの二人はお前の知り合いだよな?」

 

一護は後ろに居るピンク髪の少女と赤髪の幼女?に視線を向け愛紗に問いかけた。

 

愛紗「は、はい////」

 

まだ、顔を赤くしているが、もう抵抗はしてないようだ。

愛紗も二人に視線を向けて小さくうなずいた。

 

一護「うし・・・」

 

 

シュン!!

 

 

愛・桃・鈴「「「えぇぇ!!!」」」

 

一護は確認を終えると瞬歩を使って二人の所に移動した。

三人はいきなり目に前に現れたことに驚きの声をあげる。愛紗自身今の一瞬でどうやってあの距離を詰めたかわからず困惑していた。

まぁそれでも三人が驚くのは普通の反応なのかもしれない。

一護は死神。死神は人間のそれとは戦闘能力も精神力も生命力も桁外れである。しかも一護の力は隊長レベル。一護にとっては普通の速さかもしれないが、ここではそれは神速を更に超えているのである。

 

一護「あんた等はコイツの知り合いだな」

 

一護は愛紗を降ろしながら二人に問いかけた。

 

桃香「は、はい!」

 

鈴々「お兄ちゃんは何者なのだ?」

 

桃香は多少緊張気味に鈴々は興味津々といった感じで返事をした。

二人もやはり一護には少なからず疑問を抱いているのだろう。

 

愛紗「あの・・貴方は・・本当に何者なのですか?」

 

先ほど鈴々が言った言葉を更に更正するように愛紗は質問した。

改めて見て表情、立ち振る舞いからこの少年が只者ではない事を愛紗は感じていた。

 

一護「まぁとりあえずは後にしようぜ、まずはアイツを何とかしなくちゃな」

 

そういって一護は化け物に振り向いた。

 

愛紗「何とかするって、まさか一人で戦うつもりですか!!」

 

一護「あぁ、そうだけど?」

 

一護はまるでそれが当然と言わんばかりに答えた。

 

愛紗「無茶ですよ!!」

 

鈴々「そうなのだ、鈴々達二人係でも全くは歯が立たなかったのだ!」

 

愛紗「それに奴の皮膚は恐ろしく硬いのです、ここは三人で挑みま・・・・ぐッ!!」

 

愛紗は立ち上がった矢先、右手で腹を押さえながらひざまずいた。

おそらく受身の時になったのだろう、右足だけではなく、体中に疲労が見られていた。

 

一護「おいおい無茶はそっちのほうだろ、そんな体で行ってもやられるだけだ」

 

愛紗「しかし・・」

 

それでも必死に立ち上がる愛紗。

 

一護「心配すんな、やらりゃしねぇよ、お前等はここでおとなしく待ってろ」

 

そういうと一護は先ほどの瞬歩を使い化け物のところまで移動した。

 

桃香「愛紗ちゃん、鈴々ちゃんここはあの人に任せてみようよ」

 

と今まで黙っていた桃香が唐突に言った。

 

愛・鈴「「桃香様(お姉ちゃん)?」」

 

桃香「きっと大丈夫だよ♪・・それに・・もしかしたら・・・」

 

桃香はなにやらぶつぶつ呟いていたが、それは二人には聞こえなかった。

 

 

 

 

 

一護「わざわざ待っててくれたのか?」

 

返事が返ってくるわけでもないのに一護は化け物に向かってそう呟いた。

一護がそう思ったのも無理は無い。

なぜかあの化け物は今の間にこちらに攻撃してくる事は無かった。あれだけ隙があれば攻撃してきてもおかしくは無いのだが。実はこれには理由がある。

化け物は攻撃しに来なかったのではない。攻撃しにいけなかったのだ。

あの化け物・・・・名前を虚<ホロウ>と呼ぶ。

虚は姿、形は化け物だが、少なからず理性と呼ばれるものが存在する。まぁ理性と呼べるほどの物ではないかもしれないが。

虚が一護に一撃をとめられたとき、虚は本能的に感じたのだ。恐怖を。

体から伝わってきた感覚により虚は手を出す事が出来なかったのである。

 

虚「グォォオオオオオオオ」

 

虚はまるで痺れを切らしたかのように一護に突っ込んできた。

さっきは本能がとめて攻撃しなかったが、今度はそんなことは関係ない。

虚は黒ずんだ拳を高く振り上げ一護に振り下ろした。

 

虚「グォオオオオオ」

 

一護「フッ!!」

 

一護は余裕を持ってそれをバックステップで交わした。

空を切った拳はそのまま地面えと突き刺さった。

 

 

ドコォォオオオォオオオンンン!!

 

 

愛紗「なッ!!」

 

桃香「・・うそ・・」

 

鈴々「あんなの喰らったらひとたまりも無いのだ!」

 

三人は驚愕する。

虚の放った拳は地面に突き刺さりその威力で地面を左右にえぐっていた。

あんなものを喰らえば形すら残せまい。

 

虚「グォォオオオオオ」

 

虚はすぐさま地面から拳を抜き一護に迫った。

そして何度も何度も一護に拳を振るい続けるがそのたびに一護は回避していた。

 

ブン!!

 

ブン!!

 

一護「よっと!」

 

ただ避けているだけなのにその動きからは一切の無駄が無い。

 

桃・愛・鈴「「「・・・・!!」」」

 

三人は一護の動きに見入っていた。

あれだけ動いても一護は汗一つかいていない。

しかも全ての攻撃を紙一重で避けている。

そうすればかなりの確立で体力をほとんど使わず行動できる。しかしそれをするには相手をよく見極めなければならない。

初見にもかかわらずここまでの動きが出来る一護に三人は驚きを隠せない。

 

 

虚「ギュォォオオ」

 

と攻撃が全然あたらない事に不満を持ったのか虚は尻尾を一護の腕にからめた。

 

一護「ッ!!」

 

いきなりからまれたことに一護も少し動揺してしまった。

だがそれがいけなかった。

虚は一護が動揺した一瞬を見逃さずそのまま一護の懐に入り、拳を振り上げた。

尻尾を一護に巻きつけた事によって尻尾が元の長さに戻ろうとする反動も加わり勢いが乗った一撃が一護を完全に捕らえた。

 

 

 

ドコォォオオォォォンンンンン!!!!

 

 

辺りにすさまじい轟音が響き渡る。

それは先ほど攻撃とは比べ物にならないくらいの破壊力を持っていた。

衝撃により砂塵がまった

 

桃香「そんな・・・!!」

 

愛紗「くッ、ダメだったのか・・・」

 

鈴々「お兄ちゃん!!」

 

三人の悲痛な叫び声が響く。

今のはどう見ても完全にあたってしまった。

絶望の色が三人を染め上げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一護「こんなもんかよ?」

 

桃・愛・鈴「「「!?」」」

 

虚「ギュオ!?」

 

だがこの沈黙は一護の声によって破られた。

 

砂塵が吹き、一同が見たもの。

それは虚の一撃によって出来たクレーターのような中から愛紗を護った時と同じように、素手で虚の拳を受け止めている一護の姿だった。

 

一護「ぜぇああ!!」

 

一護はその状態から受け止めている手に力をこめ、虚を押し返した。

 

虚「ギュオォオ!!」

 

ズドドドォォォォォォォォォォンンン!!!

 

虚はそのまま宙に舞い、地面をはいずりながら吹き飛んだ。

 

桃・愛紗・鈴「「「えぇぇ!!」」」

 

三人はこれまた驚いた。さっきから驚きすぎではあるが、しかしそれは仕方の無い事である。

あれだけ身軽な動きを見せたかと思うと今度はあの体のどこにそれだけの力があるのかというくらいの怪力。鈴々も小柄な割には大の大人顔負けの怪力を持ってはいるが、これは桁が違う。

先ほどから驚かされる一方の三人。

彼女たちはこの時一護が本当に只者ではない事を改めて知ったのだった。

 

 

一護「・・・そろそろ、終わりにするぜ・・」

 

一護は呟きながら背中の柄?のような物に手を伸ばした。

そして次第にまいてあった布が滑り落ちていき、巨大な大剣があらわになった。

その剣は身の丈ほどはあり、むき出し包丁のような形をしている。

一護は大剣を肩に担いで虚を見据えた。

 

 

虚「ヴォォォォォォォォォオオオオオオオオオンンンンンンンン」

 

虚は今まで出最大量の咆哮をした。

 

桃香「きゃッ!」

 

愛紗「なんとう叫びだ!」

 

鈴々「みみが痛いのだ~!」

 

三人は咄嗟に耳をふさいだ。

その時虚の体に変化が現れ始めた。

 

 

ギチギチギチ!

 

 

 

ブチン!

 

 

 

虚の右腕が見る見る太くなり倍の大きさに変化したのだ。

 

虚「ヴォォォォオオオオオオ!!!」

 

虚は巨大化した右手を振り上げ一護に突っ込んできた。

一護はただじっと向かってくる虚を見つめていた。

 

愛紗「危ない!避けてください」

 

愛紗の声が響き渡る。

そして虚の拳が一護の前で大きく振り上げられ、

 

一護「ぜェァアアア!!」

 

一護は肩に担いでいた大剣を勢いよく振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザン!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドドドドドドドドォォォォォォォォォォォォンンンンン!!!!!!!

 

 

 

 

途轍もない轟音が辺たり周辺に響き渡る。

 

その一撃により虚は右半身と左半身に綺麗に分かれていた。

 

 

 

 

桃香「・・え・・?」

 

愛紗「・・そん・・・な・・!!」

 

鈴々「一撃で倒しちゃったのだ・・・」

 

三人はそれぞれ表情を浮かべる。桃香は口をあけて固まっており、愛紗と鈴々は夢でも見ているのかと言うような状態である。

二人係で戦っても薄皮を切るのがやっとだった相手を目の前の少年はたったの一振りで倒してしまったのだから。いやただ倒すだけではない。両断している。しかも虚の後ろの地面までその一撃が届いて悲惨なことになっている。

 

一護「ふぅ~、こんなもんか」

 

一護は疲れたと言わんばかりに呼吸をし、背中に大剣をしまい、こちらに歩いてきた。

虚は灰のようになって消えてしまった。

 

桃香「・・貴方は・・いったい・・・?」

 

三人を代表してかそれともただ早かったのか、桃香が一護に向かって問いかけた。

 

 

 

 

一護「俺は・・黒崎一護・・・・“死神代行”だ」

 

 

 

 

 

 

 

一護は呟いた。

これが黒崎一護のこの世界での初めての虚退治だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ところ変わってある城の場内。

ここは城の中のある一部屋、その中で金髪の髪を再度でくくっている。少女が青髪の女性と話していた。この少女、見た目こそ少女に見えるが、その風格はまるで王。

この少女こそ、魏の王にして、三国の英雄の一人。

覇王、曹孟徳その人である。

 

華林「それで秋蘭どうだったかしら?」

 

秋蘭「はい、どうやらこの街でも噂は流れているらしいです」

 

この秋蘭と呼ばれた青髪の女性。

魏の名手。弓の使い手である。名を夏候淵。

 

華林「『黒き天の御遣い』か・・ほしいわね」

 

秋蘭「また華林様は、姉者が拗ねてしまいますよ」

 

華林「あら、貴方はどうなのかしら?秋蘭♪」

 

秋蘭「無論、私も////」

 

華林「フフ・・かわいいわね秋蘭♪今日は春蘭共々寝かせないわよ」

 

秋蘭「御衣!///」

 

見てとは裏腹にこのレズッ家の強さ、流石は覇王さまである。

この街にはある噂が流れていた。

『天より、参られし御遣い。

 その者、その黒き力を使いて、乱世を治めん』

というものである。

 

華林「(私の覇道のために使わせて貰うわよ、黒き天の御遣い)」

 

少女は窓から空を見上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻・・・・

 

???「はぁ~やっぱりお酒は美味しいわねぇ♪」

 

ここでは一人の女性が街の近くにある荒野でお酒を飲んでいた。

その女性、桃色の髪を靡かせ優雅に酒を口に運んでいる。十人中十人が振り向くほどの美貌を持っており、そしてその唇にある黒子がその女性をいっそう魅力的に思わせる。

服装も胸元を強調している大胆な服である。

しかしそんな美貌とは裏腹に瞳には野心とも思えるものがある。

 

???「策殿~」

 

不意に女性を呼ぶ声が聞こえてくる。

どうやらこの女性の知り合いらしいが声の主も女性である。

 

???「あ、祭♪どうしたの?」

 

???「どうしたの?ではありませぬわ、全く昼間からこんな所で酒をしよって、また冥琳にどやされるぞ」

 

???「いいの、いいの冥琳にはあとで誤っておくから、祭も一緒に飲みましょ」

 

???「ぬぬ、一杯だけですぞ」

 

女性は桃色髪の女性の隣に腰を下ろした。

銀髪の髪をポニーテールのようにして束ねている。

言い表すなら、まさしく『大人の女性』をあらわしたかのようである。

そしてこの女性も負けず劣らずスタイル抜群。胸にいたっては桃髪の女性よりもりっぱなものを備えている。

この二人の女性。

桃髪の女性を孫策、真名は雪蓮。銀髪の女性を黄蓋、真名を祭と言う。

どちらも三国志では超有名な呉の王とその武将である。

 

雪蓮「ねぇ祭、貴女『天の御遣い』の噂は聞いた?」

 

祭「おお、ちょうど儂もその話をしようと思とったところじゃ、どうやら街中で噂になっておるみたいですな」

 

雪蓮「黒き天の御遣いねぇ・・・・」

 

祭「策殿またよからぬ事を考えているのではあるまいな」

 

雪蓮「ぶ~ぶ~、それじゃまるで私がいつもよからぬ事を考えているみたいじゃない」

 

祭「それはそうですぞ、昼間からこんな所で酒をしている王がどこにおるか」

 

雪蓮「祭だって飲んでるじゃない」

 

祭「こ、これは策殿が」

 

雪蓮「いいも~ん、じゃあもう祭にはあげないから」

 

祭「ちょ・・策殿~」

 

二人はいつものやりとりをしている。

雪蓮が酒を昼間から飲み、それを祭がとめる、

はずだったが何故か最後には祭も一緒に酒を飲んでしまうという結果に終わっている。

この二人今でこそこんなではあるがひとたび戦場にでればその姿は虎の如く全てを食い尽くす。

呉の王、孫策は江東の子覇王と言う二つ名までついているのだ。

 

祭「それで策殿いったい何を考えておられるのじゃ」

 

雪蓮「ん~その御遣いを呉に呼べないかなぁ~って」

 

祭「しかし冥琳が許すとは思えんのだが・・・」

 

雪蓮「確かに冥琳は頑固だから、まぁ実際あってみて決めるつもりだけどね」

 

そう言って雪蓮はまた酒を飲み干した。

隣では祭がやれやれと言わんばかりの顔をして酒をほうる。

アルコールの強い酒だったのか、二人の頬はすでに赤く染まりつつあった。

 

雪蓮「(祭にはああいったけど、黒き御遣い、私は貴方を呉に引き入れるわ。私の勘がいつも以上に言っている。貴方は必ずこれからの呉で大きな役割を果たすと)」

 

酒を飲みながらも雪連はまだ見ぬ御遣いに思いを寄せていた。

 

雪蓮「(何れ会う事になるでしょう・・・・・その時は、しっかり見定めさせてもらうわ♪)」

 

雪蓮は空を一度見上げた。

戦乱の世とは思えないほど空は青く穏やかだった。

 

 

 

 

一人は自分の覇道を掴むため。

一人は自分の国を護るため。

また一人は人々を笑顔にするため。

 

今まさに歴史で名を上げた武将たちが動き出した。


 
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