No.460223

IS学園にもう一人男を追加した ~ 51話 分戦②

rzthooさん

・楯無&箒

・獅苑

・一夏&簪

2012-07-27 08:50:26 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1950   閲覧ユーザー数:1909

優SIDE

 

 

春 「夕と簪は、大丈夫でしょうか・・・?」

優 「大丈夫さ、2人とも強いはず・・・いや、強くなったはずさ。獅苑君のおかげでね」

 

本当にそうだ。

簪はもちろん、夕の気持ちを受け止め、彼女をただの"楯無"とではなく、女の部分の"夕"を見ていてくれている。

 

優 「まぁ、今は見守ろう。簪も・・・夕も」

春 「・・・そうね。優さんの言う通りですね」

弾 「ちょ、ちょっといいですか!?」

 

すると、こちらに近づいてくる気配が・・・

 

優 「ん?」

 

飛び込んで来たのは、血相を変えた赤髪の少年。

 

春 「どうしたんですか?」

弾 「妹、見ませんでしたか? 身長はこれぐらいで、俺と同じ赤髪で、とっても可愛い子なんです!」

 

この人だかりで人探しとは・・・

 

優 「悪いね、私達は知らない。もしかしたら、もうすでに非難してるかもしれないよ」

弾 「そ、そうですよね・・・すみません、ありがとうございました!」

 

すると、少年は"蘭~!"と叫びながら、去っていった。

 

春 「妹思いの方ですね」

優 「夕と変わらんな・・・」

(だろ、夕・・・)

 

お前は簪の事が、昔から大好きだったからな・・・

 

 

楯無SIDE

 

 

箒 「はぁああああっ!」

 

箒ちゃんが二刀流で、敵ISの大型ブレードを弾き、一瞬、機体が傾く。

もちろん、その隙を逃すほど、私は甘くない。

 

楯 「もらったわっ!」

 

特殊ナノマシンによって、超高周波振動の水の螺旋状に纏ったランス『蒼流旋(そうりゅうせん)』による一点突破の突撃。

だが、敵ISの装甲にランスが刺さったものの、巨大な左腕でランスを押さえられる。

 

楯 「箒ちゃん、私を押して!」

箒 「わ、分かりましたっ!」

 

紅椿は背部の展開装甲を機動性に回して、私の背中から押す。

その推進力で、敵ISをアリーナゲートのシェルターに叩きつける。

 

楯 「くぅ!」

 

叩きつけられた正面の衝撃と、後ろからの強力な推進力で、体に激痛が走り、顔を歪めてしまう。

 

箒 「楯無さん! やはり、危険です!」

楯 「い、いいから、もっと出力を上げなさい。このまま、装甲を突き破るの・・・」

箒(楯 「で、ですが「いいから、やりなさい!」・・・っ! どうなっても知りませんよっ!」

 

さらに、紅椿の出力が上がり、より一層重圧が高まる。

 

楯 「ぐ、う・・・これでも、喰らいなさい!」

 

ランスのガトリングを突き刺したまま連射し、火花が散るが、決定的なダメージになってない。

 

箒 「楯無さん、このままじゃ・・・」

楯 「ふ、ふふん。まだまだ、おねーさんの奥の手はこれからよ」

 

両手で構えていたランスを左手に任せ、右手を真上に上げる。

 

楯 「ミステリアス・レイディの最大火力を受けてみなさい・・・」

 

右手に意識を集中させる。

すると、シュルシュルと、機体全てに纏っていた水が右手に集まっていく。

 

箒 「こ、これは・・・?」

楯 「いつもは通常時、防御用に機体に纏っていた水を一点に集中、攻性成形する事で強力な攻撃力を生む。一撃必殺の技、その名前は・・・」

 

・・・『ミストルティンの槍』・・・

それを構成する、すべてのアクア・ナノマシンが超振動粉砕を行う破壊兵器の塊であり、表面装甲がどんなものであれ、紙くずのように突き破る事ができる。

しかも、敵装甲内部でアクア・ナノマシンをエネルギーに転換、一斉に大爆発を起こす。

だが、それは逆に、身を守るすべがなくなるという事で、絶対防御はあったとしても、爆発の衝撃で自らも大怪我を負ってしまう諸刃の剣なのである。

 

敵 「――――――――」

楯 「くっ・・・ああっ・・・」

 

そして、もう1つの欠点。

この技を出す際、エネルギーの集束に集中しなければいけないので、抵抗も防御が出来ず、現に敵ISのブレードにされがれるまま斬撃を受け続け、ミステリアス・レイディの装甲は砕かれ、絶対防御を貫通して、肌を斬られる。

 

箒 「ち、血が・・・」

 

鮮血が散り、私の腕を流れる。

だが、それでも私は笑う。

 

楯 「箒ちゃん。展開装甲をすべて防御に回しなさい。巻き込まれるわよ」

箒 「え、でも、楯無さんは・・・?」

楯 「おねーさんは不死身なのよ♪・・・じゃあ、いくわよ」

 

右手が光を発し、敵ISに構える。

 

箒 「だ、駄目です! 死ぬ気ですかっ!?」

【ミストルティンの槍 発動】

[ドガァァァン!]

 

死ぬ気? 死ぬわけ無いでしょ・・・

 

(まだまだ、獅苑君達と一緒にいたいもの・・・それに、女の幸せを過ごせずに、死ぬ訳にはいかないでしょ)

 

 

 

 

 

 

本音SIDE

 

 

(また、あの時と同じだ・・・)

 

思い出すのは、クラス対抗戦の出来事。

そして、ベットに寝込む獅苑くんの姿。

 

リ 「そこの生徒さん?」

本 「っ!」

 

呼びかけられ、後ろを振り向く。

そこには・・・

 

本 「え・・・」

リ 「?」

 

前髪が緑から赤に変わっただけの、獅苑くんの顔があった。

 

リ 「どうしました?」

本 「ふぇ? あ、何でもないですよ~・・・」

 

できるだけ、表情を出さずに、いつもどうりの口調で答える。

 

リ 「そうですか。なら、早く非難しないと」

本 「は、はい、分かりました~・・・」

 

私は軍服を着た少女を横切り、地下シェルターに非難しようとする人達の場所まで移動する。

 

本 「・・・」

 

さっきの少女を見たせいなのか、獅苑くんの事がさらに気にかかる。

この場には居ない大切な人。だからこそ、不安が膨れ上がり、体が勝手に反応する。

 

本 「行かなきゃ・・・」

 

どこにいるかは分からない。

ただ、直感で動く。

 

(もう、私から離れないで・・・獅苑くん・・・)

蘭 「きゃ!」

本 「あ、ごめんなさい・・・」

 

赤髪の少女にぶつかってしまって、少女は尻餅をつく。

急いで、頭を下げ手を差し伸べる。

 

蘭 「あ、私の方こそ、よそ見してて ごめんなさい・・・あの、こんな時に失礼ですけど、兄 知りませんか? 身長はこれぐらいで、私と同じ赤髪で、とっても馬鹿そうな人なんですけど」

本 「え、えと、知らないです・・・」

蘭 「そうですか・・・」

 

ショボンッとする少女。

私は急いで、フォローを入れる。

 

本 「あ、でも~、先に避難してるかも~、なんて~・・・」

蘭 「そ、そうですよね・・・すみません、ありがとうございます」

 

すると、少女は"バカ兄~"と呆れ気味に言って、去っていった。

 

本 「・・・私も急がなきゃ」

 

 

千冬SIDE

 

 

千 「おい! 朝霧の現在地は、まだ出ないのかっ!?」

真 「も、もう少しです・・・」

千 「早くしろ」

 

このままでは、皆が危うい。

朝霧がいれば、この状況を覆す事はできるはずだ。

 

(せめて、『あいつ』が出せれば・・・)

真 「分かりましたっ! この近くの公園に居ます・・・し、しかし」

千 「なんだっ!?」

真 「襲撃者と同じISと戦闘中、数は10機と交戦しています」

千 「・・・分かった」

 

やはり、本気で朝霧を殺しに来たか・・・束っ!

 

真 「織斑先生、私はどうすれば・・・?」

千 「・・・山田君も教師陣と一緒に避難誘導を。その後、戦闘教師部隊に入れ。ここは、私が持つ」

真 「りょ、了解ですっ!」

 

背筋をピンッと、伸ばして自分の期待を取りに言った真耶。

 

千 「くっ!」

 

私は壁を思いっきり殴りつけ、歯を食いしばる。

 

千 「やってくれるな・・・だが、甘く見るなよ」

 

 

獅苑SIDE

 

 

獅 「・・・そろそろ、5分だな」

? 「だな・・・だが、もう終わったぞ」

 

公園の敷地には、粉々になった敵ISの残骸。

できるだけ、被害が出ないように一口サイズにまで解体し、各箇所に纏めている。

 

獅 「・・・なら」

? 「次は・・・」

[ガキンッ!]

獅・? 「お前だっ!」

 

俺が振り向き対艦刀を振った瞬間、少女も銃剣で迎え撃ってきた。

 

獅 「なんだ? 気が合うな」

? 「・・・そうか、貴様は知らないんだな」

獅 「何がだ?」

 

俺が問いかけると、ビットが俺の上と下から挟んで攻撃してきた。

 

獅 「っ・・・」

? 「今の攻撃を避けるか・・・やはり、調整はされているようだな」

獅 「調整だと?」

 

そんな人を機械みたいに言いやがって・・・

でも、なんでコイツは、俺を知ったような口を・・・

 

リ 『あははははっ! あんた、ほんとっに、人間らしい生活を送ってきたのね・・・』

獅 「・・・」

 

あのリリアもそうだ。

なんで、こいつら・・・

 

獅 「お前は・・・お前らは"俺"の何を知っている?」

?(本 「・・・貴様はな「獅苑くんっ!」・・・チッ、邪魔だ!」

獅 「っ!」

 

ビットが茂みから現れた本音に向かって飛んでいく。

そして、そのビットから熱源反応。

 

コ 「あれ、爆発する気だよっ!」

獅 「そんな事、俺が!」

 

瞬時加速で、本音の前に降り出て、本音を抱えて、近くの物陰に非難。

その時には、ビットは爆発し、公園にクレーターを作っていた。

 

獅 「本音、どこかに隠れてろ」

本(獅 「で、でも「隠れてろっ!」・・・ひっ!」

獅 「ぁ・・・くっ」

 

本音を脅えさせた事を後悔しつつ、改めて少女の下に向かう。

 

? 「・・・未熟」

獅 「くっ!」

 

一瞬で、俺の前に瞬時加速で接近してきた少女は、ピンクのナイフを突き立て、俺は手で受け止める。

 

獅 「っ!?」

 

俺はその時、見てしまった。

バイザーから見えた少女の顔・・・

 

獅 「織斑、先生・・・?」

? 「っ!」

獅 「うっ・・・」

 

蹴りで距離を取られ、ライフルの銃口で下に叩きつけられる。

 

? 「1つだけ、忠告してやる。"人形"が人の心を持つという事は、それだけ本来の力は出せない」

獅 「な、何言って・・・」

? 「あと、私は織斑千冬ではない・・・私は」

 

少女は頭のバイザーを外して、素顔を晒す。

 

マ 「織斑マドカだ・・・」

 

織斑先生と同じ顔。やはり、俺の見間違いではなかったのだ。

 

マ 「ではな」

 

バイザーをはめ直したマドカは、気絶しているオータムを担いで飛びだって行く。

俺は衝撃的な出来事と、疑問が渦巻き、動けずに居た。

 

本 「し、獅苑くん・・・?」

獅 「ほ、本音・・・悪い、さっきは強く言いすぎた」

本 「う、ううん、いいよ・・・って、獅苑くん、顔真っ青だよ!」

 

あ~、どうりで頭がクラクラすると思った。

でも、俺には、まだやる事がある。

 

獅 「・・・楯無さんの所に行かないと」

本 「だ、駄目だよっ!」

 

バッと、俺の前に立ちはだかる本音。

 

獅 「・・・どいてくれ」

本 「駄目っ!」

獅 「頼む」

本 「駄目ったら、駄目! そんな状態の獅苑くんを行かせられないっ!」

 

どうあっても、俺を通さないつもりらしい。

なら、勝手に飛び立つまでだ。

 

本 「駄目ーっ!」

獅 「っ! ば、バカ!」

 

何と、飛び立つ寸前、死戔にしがみつきやがった。

俺はすぐに、アパートの屋上に着地し、本音を肩を掴む。

もちろん、優しく・・・

 

獅(本 「馬鹿野朗っ! 死んだらどうす「獅苑くんだって、死んじゃったらどうするのっ!?」・・・俺が、死ぬ?」

本 「また倒れるの? またいなくなるの? また離れ離れなのぉ?・・・もう、私に心配させないでよぉ!」

 

本音は泣きながら叫び、ガンガンと拳で死戔・・・いや、俺をぶち続ける。

 

(やめろ・・・俺はお前のそんな顔は見たくない。俺は・・・俺は!)

 

そうだ、俺は嫌なんだ。本音を泣き顔をさせるのは。

だから、俺は本音にこんな顔をさせる奴をぶっ殺さないといけない。

 

(って、それは俺か・・・)

 

呆れながら、ISを解除。

その瞬間に更衣室で受けた爆発の怪我が響くが、なぜか気にもならない。

 

[ポンッ]

本 「ぇ・・・」

 

膝をつけて、本音の頭に手を置き、グッと引き寄せる。

 

獅 「・・・」

本 「・・・し、獅苑くん?」

獅 「・・・うっし、行くか」

本 「え、え?」

 

さっきまでとは違う、俺の雰囲気に本音は首を傾げる。

 

獅 「んじゃ・・・」

本(獅 「で、でも「本音。お前は楯無さんや一夏達がいない学園生活なんて、嫌だよな」・・・あ、当たり前だよぉ!」

獅 「なら、俺が助けに行かないと」

本 「・・・???」

 

笑みを浮かべて言うと、本音はますます俺の豹変に頭を悩ませている。

俺はそんな本音を置いて、死戔を展開。

 

獅 「あ、もし、俺が倒れたら看病、頼むな」

本 「それ、倒れる前提なの~?」

獅 「じゃあ、俺がいなくなったら・・・」

本 「そういう問題じゃなくて・・・いいや、もう。今の獅苑くんに勝てる気しない」

獅 「フッ・・・じゃあ、行ってくるぞ」

 

黒翼を全開に開き、浮遊する。

 

本 「行くからには、無事でいてね。倒れてもいいから、死なないで・・・」

獅 「俺が死ぬかよ」

本 「っ・・・えへ♪ そうだよね。なんていったって、獅苑くんだもんね♪」

獅 「おう」

 

本音の笑顔に見送られながら、学園に飛び立ち、本音に手を振る。

すると、さっきまで泣いてたのが嘘みたいに、ピョンピョン跳ねながら、手を振り返してくれた。

 

(やっぱ、本音はああじゃないとな・・・もう、俺はそれだけでいいや)

 

俺が何者だろうと、どうでもいい。

ただ、本音を泣かせる奴、みんなを苦しませる奴は・・・

 

・・・俺がぶっ殺すっ!

 

 

 

 

 

 

簪SIDE

 

 

簪 「あ、あ・・・あぁ・・・」

 

突然の襲撃者。

それが今、私の目の前にいる。

 

(な、なん、これ・・・? なん、なの・・・?)

 

恐怖。今にでも心を踏み潰されそうな恐怖が、私を後ずらせる。

だが、ついに壁際まで追い詰められて、徐々に近づく敵ISとの距離。

 

敵 「――――――――」

簪 「ひっ!」

 

ギュッと、打鉄弐式の待機状態である、中指にはめられた指輪を握りしめる。

 

簪 『わ、私、勝ちますから。お姉ちゃんに、絶対!』

簪 「っ!」

 

私が獅苑に誓った言葉。

だが、その言葉と、獅苑がうっすらと見せた笑みが、今の私に勇気を与えてくれた。

 

簪 「私は・・・私は、お姉ちゃんに、勝つっ!」

 

私の体が光に包まれ、『打鉄(うちがね)弐式』が装着される。

 

簪 「だから、こんなところで、負けるかぁ!」

 

両手に展開した、対複合装甲用の超振動薙刀(ちょうしんどうなぎなた)『夢現(ゆめうつつ)』で敵ISに斬りかかる。

 

簪 「くっ・・・まだっ!」

 

大型でブレードで薙刀を弾かれるものの、背中の連射荷電粒子砲『春雷(しゅんらい)』二門を脇の下からくぐらせて、超至近距離で攻撃を浴びせる・・・が。

 

簪 「っ!?」

 

その射撃は、敵ISと私の間に入ってきた、シールドビットによって防がれてしまった。

しかも、敵ISの左手が私の首を掴み、手の平から熱源反応。

 

(や、やられるっ・・・)

 

それが、熱線による射撃だと、すぐに分かった。

だからこそ、私は死の予感を感じ、必死に春雷であがくのだが、またもやビットにすべて防がれる。

 

(こんなところで・・・)

一 「簪ぃぃぃっ!」

簪 「い、一夏君っ!」

 

ピットの壁を壊して現れた一夏君が、左手をかざして、バチバチとエネルギーを溜めた雪羅の荷電粒子砲を放つ。

 

簪 「うっ・・・」

 

その瞬間、敵ISは掴んでいた私を投げ飛ばして、溜めていた熱線で荷電粒子砲を迎え撃ち大爆発。

その爆風がピット内全体に広がった。

 

一 「簪、大丈夫かっ!?」

簪 「う、うん・・・でも、まだ」

 

煙がまだ渦巻く中、一夏君が私の下に駆け寄ってくる。

だが、煙の中では、敵ISのシルエットと熱源反応。

 

一 「ここじゃ、まともに戦えない。一度、フィールドに出よう」

 

そう言った、一夏君は白式の単一仕様能力(ワンオフ・アビリティ)『零落白夜』でフィールドに繋がるシェルターを破壊し、私の手を引いてフィールドに出る。

だが、フィールドに出た途端に、熱線が煙を突き破って放たれた。

 

一 「くっ! しつこい奴だな・・・」

 

私の盾になった一夏君が、雪羅のシールドで防ぎ、舌打ちを打つ。

だが、敵ISはあの火力にもかかわらず、高い機動性で私達を追い詰め始めた。

 

一 「くっ・・・」

簪 「このまま、じゃ・・・」

 

2人で斬りかかっても、敵ISの頑丈な装甲に弾かれ、荷電粒子砲を撃っても、シールドビットで防がれる。

 

[ドガァァァン!]

一 「な、何だっ!?」

 

突然、姉さんのピットが爆発。

シールドは無残にも破壊され、煙で状況が分からない。

一夏君は、姉さんとコンビを組んでいる篠ノ之さんに連絡を取っているようだが、敵ISがジャミングを発声させているせいか、連絡が取れない模様。

 

簪 「・・・一夏君、確認してきて。私が、こいつを足止めする」

一 「だ、だけど・・・いや、分かった!」

 

自分が行きたいのを噛み殺し、一夏君が爆発したピットの方に飛んでいった。

 

敵 「―――――――――」

簪 「私だって・・・」

 

夢現を構えて、敵ISに瞬時加速で突撃した。

 

 

一夏SIDE

 

 

(箒、楯無さん! 無事でいてくれ・・・)

 

敵ISを簪に任せ、煙が渦巻く中、煙の中に飛び込み、2人を探す。

すると、ハイパーセンサーがIS反応を感知した。

 

一 「無事か! っ!?」

 

だが、飛び込んで来たのは、敵ISの左腕。

その敵ISは、すでにボロボロで、シールドビットが全て壊されていた。

だが、それでも脅威には変わらない。

 

一 「ぐぁっ!」

 

咄嗟に離れようとした俺は、敵ISの左腕に掴まれ、ピット内部の壁に叩きつけられる。

 

(こ、こいつは・・・こいつらは、対IS用ISかっ!)

 

掴まれた時の激痛が、今でも体に刻まれている事と、敵ISから特殊な磁場がシールド展開に障害をきたしているため、そう断定する。

 

(な、何とか、反撃しないと・・・)

一 「あ・・・」

 

目の前には、熱線が迫っていた・・・


 
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